シリーズ最新作の『モンスターハンターワイルズ』(以下、ワイルズ)を「PlayStation Portal リモートプレーヤー」(以下、PS Portal)で遊んだら、社会現象を巻き起こした “あのころ” の『モンハン』になるのでは?
『モンスターハンターポータブル 2nd G』(以下、2ndG)は革命だった。当時の思い出を振り返ると、ティガレックスの突進やナルガクルガの尻尾攻撃に苦しめられた場面とともに「友人たちの顔」もセットで浮かぶ。みんなでPlayStation Portable(以下、PSP)を持ち寄って、どれだけ夜更かししただろう。
ド平日であろうと私たちは『モンスターハンター』(以下、モンハン)を口実に集まった。草原を走りながら悩みごとを聞いてもらったり、鉱石を採取しながら世間話をしたり、正直なところ会話の内容は些細なことすぎてほとんど覚えていないけど、「とにかく楽しかった」という記憶だけはしっかり残っている。
なぜなら私たちにとって、狩りはコミュニケーションツールだったからだ。顔を合わせてくだらない会話をすると、自然と仲良くなっている。『モンハン』はゆるく絆を深めるツールとして機能していた。
しかしその後、オンライン環境が発達したことで私たちは集まる理由を見失う。気がつけばすっかりオンラインでゲームをすることが当たり前となり、顔を合わせてゲームをする機会がめっきり減った。とはいえ、それはそれで便利である。わざわざ集まるよりも圧倒的に気軽なため、ありがたい。
だから『ワイルズ』が発表されたときも、当たり前に「自宅からオンラインで遊ぶもの」だと思ってた。……が、よくよく考えるとちょうどいいものがあるではないか。
令和のPSPこと PS Portal が!!
PS Portalを持って集まれば、顔を合わせて狩りに行くことができる。そう、あのころのように。
そこで本稿では、世代の異なる4名のハンター(40代、30代、20代、10代)が集まり、顔を合わせながらPS Portal(3台)とPlayStation5 Pro(以下、PS5 Pro)(1台)を使って『ワイルズ』を遊んでみた様子を紹介していく。
※この記事はPS Portal/PS5 Proの魅力をもっと知ってもらいたいソニー・インタラクティブエンタテインメントさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。
世代の異なる4名のハンター(40代、30代、20代、10代)で狩りに行く
まずは今回集まった4名のハンターについて紹介する。同じタイトルを遊んでいても世代によって思い出がまるで異なり、興味深い結果となった。
ひとり目は40代ハンターの柳本マリエ(以下、40代ハンター)。『2ndG』が発売されたときはすでに社会人。狩り仲間の家に集まり朝まで狩りをしてそのまま出勤していた。
ふたり目は30代ハンターの竹中プレジデント(以下、30代ハンター)。『2ndG』が発売されたときは大学生。狩りの誘いが絶えない「人生最大のモテ期」を過ごしていたとのこと。
3人目は20代ハンターのりつこ(以下、20代ハンター)。『2ndG』が発売されたときは小学生。公園で狩りをしていたため、ボタンの隙間や画面の溝に砂が入り込んでジャリジャリだったとのこと。
4人目は10代ハンターのcookieP(以下、10代ハンター)。『2ndG』が発売されたときはまだ幼児。ハンター歴は『モンスターハンター:ワールド』(以下、ワールド)からとのこと。
以上の4名で、PSP時代のように顔を合わせながら『ワイルズ』を遊んでみた。SIEさんの会議室にて、機材をお借りしたうえで実施している。機材やプレイ環境の詳細は設定については最後に説明するので、詳しく知りたい方はそちらをご覧ください。
40代ハンター:PS Portal
30代ハンター:PS Portal
20代ハンター:PS Portal
10代ハンター:PS5 Pro
「モンハン接待」「mixiで募集」など社会現象を起こした『2ndG』とは

こうやって顔を合わせて『モンハン』をするのは10年以上ぶりかもしれない。やっぱりオンライン環境が整ったことでわざわざ集まる機会は減ったよね。

私は対面で『モンハン』をするのは今日が初めてです。

そうか。僕たちの世代は社会現象にもなった『2ndG』あたりをきっかけにハンターになった人が多いけど、10代ハンターはどういうきっかけで『モンハン』を?

『ワールド』がかなり流行っていて、周りの友だちがみんなやっていたから始めました。もちろん『2ndG』やPSPの存在は知っているのですが、実際はどんな感じだったんですか?

アドホック通信(ローカル通信)だったからPSPさえあればどこでも狩りに行けちゃうんだよね。だから、会社でも学校でもファミレスでも簡単にマルチプレイができちゃうの。カラオケに「モンハンパック」みたいな、場所を提供するプランまであってさ。

ええっ、カラオケに『モンハン』を遊ぶためのプランが!? それちゃんと後世に伝えたほうがいいですよ。小学生だったからそのあたりは知りませんでした。でもたしかにカラオケって音が漏れにくいから狩りに向いてる環境かも。

どこでもできるから、大人の世界では「接待ゴルフ」ならぬ「接待モンハン」があったよ。

接待ありましたね。目上の人に「ハチミツ」とか「強走薬」とか献上してました(笑)。あと、気持ちよく倒してもらうためにモンスターを弱らせておいて最後の一撃で倒してもらったり。

完全に接待だ……。

接待と言うと苦行っぽく聞こえるかもしれないけど、「社員が上司と打ち解ける」みたいなコミュニケーションツールとしていい感じに機能してたと思う。ぜんぜん悪いものではなかったよ。会社だと座組がどうしても接待っぽくなりがちだけど、当時の大学生はどんな感じでした?

大学生は『モンハン』を持ってないと非国民扱いされていました(笑)。mixiで大学ごとに募集があるんです。僕は人生最大のモテ期で、狩りのお誘いが絶えませんでした。といっても男性からですが。4.5畳くらいの部屋でギッチギチになりながら集まってひたすら周回したりして。

ぜったい楽しいやつだ。

「mixiで募集」っていうところに時代を感じるね。20代ハンターは小学生だったと思うけど、小学生が『モンハン』とPSPを手に入れるってけっこうハードルが高いのでは?

そうなんですよ。母親に「みんな持ってる」と言っても「みんなってだれ?」って言われちゃって(笑)。

小学生あるあるだ(笑)。

でもやっぱり小学生って “CEROを上げていきたい” じゃないですか。小学校3~4年生くらいになるとそういう自我が芽生えるんです。『モンハン』はそれくらいの年齢からすると「ちょっと大人のゲーム」って感じでどうしてもほしかったから、なんとか親を説得しました。

たしかに私もそれくらいの年齢でホラーゲームに手を出したから「大人びたゲームを遊びたい」という気持ちはすごくわかる。ちなみに小学生だとどこで狩りをするの? 友だちの家に集まる感じ?

公園が多かったです。砂地の広場みたいなところで遊んでたので、風が吹くとボタンの隙間とか画面の溝に砂が入り込んでジャリジャリになるんですよね。

小学生がPSPを持つとそうなるのか(笑)。

場所を選ばなかったから人や世代によってぜんぜん違うエピソードが出てきますね。

それでいうと私は千葉の有名なテーマパークに持って行って、「並んでいるあいだはみんなで狩る」っていう遊びもしてた。私たち以外にもPSPを持ってる人がいたけど、たぶん同じことをしてたと思う。

そこまで『モンハン』が浸透していたんですね。

まさに社会現象でした。
『ワイルズ』ではなんの武器を使ってる?

それじゃあさっそく、肩慣らしでチャタカブラでも狩りますか。受注するよ。みんなごはん食べ忘れないようにね。
<QUEST START>

セクレトが自動でモンスターのところまで連れて行ってくれる機能、本当に助かる。昔はモンスターを見失うこともすごく多くて、探しているあいだに時間切れになるとしばらく立ち直れませんでした(笑)。

ペイントボールの効果が切れたときの絶望はやばかったね。もちろんそれを含めて楽しかったけど。

いろいろ手動だったという話は聞いています。

僕はここ数年はハンター業をお休みしていたんですけど、『ワイルズ』で復帰したら「砥石」も「ピッケル」も使い放題になっていたり、アイテムの調合も自動になっていて驚きました。

チャタカブラいましたよ。やっちまいましょう。

4人いると気持ちが大きくなりますね。

ああ、これはエリア移動する前に倒してしまいそう。
<メインターゲットを達成しました>

力の差がありすぎましたね。

なにこれ、めっちゃ楽しい。

そういえば武器の確認をしてなかったけど、いまのクエストは「狩猟笛」「チャージアックス」「弓」「双剣」だったね。みんなどうしてその武器を選んだのか気になる。私は『2ndG』から双剣をずっと使ってるから、そのまま双剣を使い続けているよ。

『ワイルズ』は弓が強いと聞いたので挑戦してみました。実際すごく強いです。

新しい武器を使うとなると慣れるまで時間かかったりしない? 使いやすさみたいなところはどんな感じ?

使い方はそこまで苦労しませんでした。弓はジャスト回避に成功すると、無敵になって攻撃を避けられるうえにスタミナと仕込み矢ゲージが回復するっていう仕様で、それがかなりありがたいですね。

僕は、久しぶりにかつぐなら思い出の武器にしたいと思って笛にしました。『2ndG』のときはどの武器もわりと使い込んでいたのですが、みんなで狩りに行くときは笛が多かったです。

私は重量感のある大きな武器が好きなので、見た目で選んでいるところがあります。『ワールド』でひと通り試したところ、ド派手なモーションをするチャージアックスにたどり着きました。ただ、マルチプレイをするときは味方のサポートができる笛を選ぶことも多いです。雑に殴っていても “いるだけで役に立てる” ので、うっかりミスで死ぬことが多い私にとって天職かなと。

味方のサポートまで考えてくれるとは、なんて立派なんだ。笛がいてくれると本当に助かるよ。モンハンは武器によって味わいがぜんぜん違うところもおもしろいよね。
大タル爆弾をドシャグマに仕掛ける

さて、ウォーミングアップできたからつぎはドシャグマでも狩ってみようか。受注するからごはん食べておいてね。

……ちょっと言いにくいんですけど、食事は毎回じゃなくて大丈夫みたいですよ。ほら、ここに効果時間が出てるので。いまのペースだったら1回の食事でクエスト2~3回くらいはできるかも。

えっ!? 本当だ!? リセットされると思って、いままでクエスト毎に食べてた。

めっちゃわかります。食べますよね。

討伐中に効果が切れると絶望するので、食べるに越したことはないと思います。

教えてくれてありがとう。つぎからは効果時間を見ながら調整していくね。それじゃあドシャグマを受注するよ。ドシャグマの行動パターンはわかってるから任せて。

それは行動パターンではなく、排泄パターンだと思いますよ。
<QUEST START>

ドシャグマは体力あるんだよなぁ。

ねぇ、ドシャグマのお尻に刺さってるのなに(笑)。

これは「導ノ矢」です。刺さるんですよ。

誕生日ケーキのロウソクみたい。

すでに弱ってません?

逃げましたよ。追いかけましょう。もしかしたら寝るかも。

寝るのであれば「大タル爆弾」仕掛けときましょうか?

設置しますね。

(持ってくるの忘れた……)

(持ってくるの忘れた……)

(弓を構えながら)やっちゃいますね。
<メインターゲットを達成しました>
一同:
わああああああああああ!

大タル爆弾やば。

大爆発だったね。

いまのはすごかった。

クエスト成功画面もすごいことになってます。

余白も考えられた構図になってる。

やばい。めっちゃ楽しい。うまく言えないけど、このおもしろさは対面だからこそな気がする。もちろんいまのやり取りはオンラインで通話しながらでも可能なんですけど、なんだろう。なにが違うんだろう。

たしかに違う。今日はその違いをみんなで体験しながら見つけていきたいね。
古の持ち方「モンハン持ち」をやってみよう

10代ハンターは見たことないかもしれないけど、じつはPSP時代に「モンハン持ち」と呼ばれる特別な持ち方があったのよ。

モンハン持ちの存在は知ってます。本当にその持ち方でやっていたんですか?

僕はサークルの先輩から「この持ち方ができないと始まらない」「慣れろ」と言われ、ほぼ強制的にモンハン持ちになりました(笑)。

気がついたら普及してた持ち方だよね。私もやってた。小学生もこの持ち方だった?

いや、小学生だと手が小さくて届かないんですよ。だからできませんでした。

ぬあっ、そうか。たしかに届かないかも。

なんてかわいいエピソードなの!!!

こうやって、左手の親指で左スティックを操作しながら左手の人差し指で十字キー(視点)を操作するんですよね。これをすることで移動しながら視点変更ができる、と。

視点変更は右スティックじゃなかったんですか?

おっ、いい質問ですね。

じつはPSPには右スティックがありませんでした。だから視点変更は十字キーなんですけど、左手の親指で十字キーを操作すると左スティックを動かす指が足りなくなっちゃう。そこで、親指はそのまま左スティックに添えて、代わりに人差し指で十字キーを操作するようになったのがモンハン持ちです。

えーっ、指が痛くなりそう。

慣れるまでめちゃくちゃ痛かったです(笑)。いまは右スティックがあるのでわざわざモンハン持ちをしなくても快適に操作ができてしまうけど、当時の僕の周りはモンハン持ちがスタンダードでした。

当時は指が届かなくてできなかったけど、できるようになったいまはもうモンハン持ちをする必要がなくなっているのは少しさみしいなぁ。