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『ポケモンレジェンズ Z-A』は“不意打ち”上等の修羅の国バージョンだった。戦わなければ、生き残れない【gamescom2025】

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『ポケモンレジェンズ Z-A』を遊びたい」

その想いを抱え、私はドイツのケルンにて開催された大規模ゲームイベント「Gamescom」の会場へ訪れ、ポケモン最新作の試遊ブースに向かった。

『ポケモンレジェンズ Z-A』は“不意打ち”上等の修羅の国バージョンだった。先行プレイ:レビュー【gamescom2025】_001

凄い熱気

会場はありとあらゆる国のポケモントレーナーで埋め尽くされており、結果的に最後尾から待機列に1時間弱並ぶことになった。

『ポケモンレジェンズ Z-A』とは、10月16日に発売を控えている『ポケットモンスター』シリーズの最新作だ。

本作の主人公は、“人とポケモンが共存する街”を目指して都市再開発が進んでいるという「ミアレシティ」に旅行者として訪れる。プレイヤーは3匹の中からパートナーとなるポケモンを仲間にくわえ、ミアレシティで起きるさまざまな事件に挑む。

2013年に発売された『ポケットモンスター X・Y』のミアレティとは、また違った景色が堪能できるようだ。

しかし、筆者が体験したのは観光旅行ではなく、「指定されたエリアでポケモントレーナーたちがしのぎを削り合うバトルロワイアル」だった。

文/取材 TsushimaHiro
編集 実存


トレーナーがしのぎを削り合う「ZAロワイヤル」に参加

さっそく試遊台へ。
今回の先行プレイイベントでは、大きく分けて2種のゲームモードをプレイできるようだ。

筆者が遊べたのは、夜のミアレシティに出現する「KAMPFSEKTOR(日本語版ではバトルゾーン)」でのポケモンバトル。

バトルゾーンでは、日没から夜明けまでトレーナーたちがポケモン勝負でしのぎを削りあう「ZAロワイヤル」が毎日のように行われている。すべての参加者がZランクからスタートし、戦いに勝ち抜いてAランクに到達すると、なにかひとつだけ願いを叶えてもらえるという。

主人公は、本作の登場人物であるガイ(真ん中)、デウロ(右)、ピュール(左)に案内されて「バトルゾーン」に挑む。

ランクをZから上げるためにはチケットが必要で、バトルゾーンで戦いを繰り返すとポイントがたまり、1000ポイントまで溜めることでチケットを入手可能。さらに上のランクへ挑むための挑戦権を得られる仕組みだ。

彼らからは、「バトルセクターでは、2人のポケモントレーナーの視線が交差するだけで、もう……」と言われる。ポケモンシリーズではお約束の、「目が合ったらバトル開始の合図」という独特なルールは健在のようだ。

実際に、トレーナーと目が合うと即座にバトル開始。
本作のポケモンバトルは、従来のコマンドバトル式とは異なり、リアルタイムに状況が進行する。トレーナーは表に出すポケモンを1体選び、狙う敵ポケモンを選んで指定のわざを発動させる。

わざにはそれぞれ一定のクールタイムが存在しており、再使用するためには少し時間がかかるようになっている。この光景を見ていると、「アニメ版のポケモンの主人公はこんな感覚だったのかもしれない」と思えてくる。臨場感がばつぐんだ!

不意打ち上等の修羅バトル。戦わなければ、生き残れない!

何度かバトルを勝ち抜いていくと、デウロから「しゃがんで隠れて、敵に見つからないようにして」と案内される。気づかれないように敵対トレーナーに忍び寄り、ポケモンの攻撃を命中させれば「せんせいこうげき」を成功させることができるという。

不意打ちアリってこと?

トレーナー同士の戦いに“ステルスキル”が実装されちゃったってこと?
「傷薬をあげるから、ベストを尽くしてね!」と声をかけてくるデウロ。

そんな、明るく言われても……ようは、夜のミアレシティでは不意打ちなんて日常茶飯事ってことね?そういうことね?

『ポケモンレジェンズ Z-A』は“不意打ち”上等の修羅の国バージョンだった。先行プレイ:レビュー【gamescom2025】_010

じりじりとにじりよって……

『ポケモンレジェンズ Z-A』は“不意打ち”上等の修羅の国バージョンだった。先行プレイ:レビュー【gamescom2025】_011

不意打ち成功!

ほ、本当にできちまった……不意打ちが成功すると、敵対トレーナーのポケモンの体力を削った有利な状態からスタートする。なんという背徳感。この状態で敵対ポケモンに有効な属性の攻撃を繰り出せれば、さらに大ダメージを与えられる。

これも「願いを叶えるため」には仕方のないことなのだろうか。
戦わなければ、生き残れない。

真の強者に「不意打ち」は通用しない?

『ポケモンレジェンズ Z-A』は“不意打ち”上等の修羅の国バージョンだった。先行プレイ:レビュー【gamescom2025】_012

しかし、ステルスキルができるとわかったら話が早い。
順調に不意打ちを狙って敵対トレーナーのポケモンに近づくが……

『ポケモンレジェンズ Z-A』は“不意打ち”上等の修羅の国バージョンだった。先行プレイ:レビュー【gamescom2025】_013

「その気配に、気づいていないとでも?」と言わんばかりに、余裕たっぷりに振り返るスーツのポケモントレーナー。

小手先のテクニックは、真の猛者には通用しないということか…!

不意打ちを狙って敵対トレーナーに気づかれてしまうと、逆にこちらがひるんでしまい、一定時間無防備な状態を晒すこととなる。

『ポケモンレジェンズ Z-A』は“不意打ち”上等の修羅の国バージョンだった。先行プレイ:レビュー【gamescom2025】_014

カウンターをくらったこともあり、こちらのポケモンも負傷したがなんとか辛勝。
さらに上のランクに挑むためのポイントがMAXとなった時点で、今回のプレイイベント終了となった。


『ポケモンレジェンズ Z-A』は“不意打ち”上等の修羅の国バージョンだった。先行プレイ:レビュー【gamescom2025】_015

ミアレシティは平和な観光地という一面だけではなく、夜になると不意打ち上等のバトルロワイアルが繰り広げられる修羅の国という側面もあった。

観光地で、血を血で洗う不意打ちバトルが行われる……
これはもう『ポケットモンスター:修羅バージョン』だろ。

しかし……筆者は過去作のポケモンも初代から遊んできたが、よくよく考えてみると、「『ポケモン』って、そうだよな」とも思える部分もある。

『ポケモンレジェンズ Z-A』は“不意打ち”上等の修羅の国バージョンだった。先行プレイ:レビュー【gamescom2025】_016
(画像は『ポケモンレジェンズZ-A』の公式サイトより)

あらためて振り返る、『ポケモン』とは……
プレイヤーがストーリーを進めて、お気に入りのポケモンたちと共にジムリーダーを打ち倒す。

そして、ついにはチャンピオンとなる少年少女たちの夢と誇りは、“厳選【※】”されたポケモンを極限まで育て上げた猛者たちに完膚なきまでに叩き潰される。
ここまでがワンセットかもしれない。

昨今だと、『ポケットモンスター ソード・シールド』ではその流れがNPCからでも体験できる。筆者は実際にストーリーをクリア後、元チャンピオンに捻り潰された経験がある。

※厳選
ポケモンにはユーザーに個体値と呼ばれるステータスが設定されており、性格や特性などが生まれつき決定されている。これを繰り返し、理想的な能力を持つポケモンを選ぶことを「厳選」と言われている。

『ポケモンレジェンズ Z-A』は“不意打ち”上等の修羅の国バージョンだった。先行プレイ:レビュー【gamescom2025】_017
(画像は『ポケットモンスター ソード・シールド』の公式サイトより)

そう考えると、『ポケモンレジェンズ Z-A』は今までのポケモンらしさもしっかりと備えている新作タイトルと言える。

いいんだよ。不意打ちしても。ポケモンのわざの中にも「ふいうち」があるし。
しかし、なんで「戦いに勝ち抜くと願いが叶う」という『仮面ライダー 龍騎』とか『Fate』みたいなハードコアな設定にしたのだろうか……。

この熾烈なバトルロワイアルに勝ち抜いた主人公は、果たして何を願うのだろうか?
製品版をプレイする日が、実に楽しみだ。

編集・ライター
MOTHER2でひらがなを覚えてゲームと共に育つ生粋のゲーマー。 国内外問わず、キャラメイクしたりシナリオが分岐するTRPGのようなゲームが好き。『Divinity: Original Sin 2』の有志翻訳に参加し、『バルダーズ・ゲート3』が日本語化される前にひとりで全文翻訳してクリアするほどRPGが好き。 『ゴースト・オブ・ツシマ』の舞台となった対馬のガイドもしている。 Xアカウント(旧Twitter)@Tsushimahiro23
デスク
電ファミニコゲーマーのデスク。主に企画記事を担当。 ローグライクやシミュレーションなど中毒性のあるゲーム、世界観の濃いゲームが好き。特に『風来のシレン2』と『Civlization IV』には1000時間超を費やしました。最も影響を受けたゲームは『夜明けの口笛吹き』。
Twitter:@ex1stent1a

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