筆者には、鉄道好きが高じて地方の私鉄職員になった友人がいる。
高校時代の彼に鉄道職員に憧れる理由を尋ねたら──
「自分の手で乗客や荷物を支配できる全能感がたまらない!」
といった回答が返ってきて、鉄道に興味のない筆者はドン引きした記憶がある。
だけど、さっき突然わかった気がする。
なぜなら、交通網を整備して人や物を輸送して発展させるシミュレーションゲーム、『トランスポートフィーバー3(Transport Fever3)』を取材したからだ。
資材をこっちに、人をあっちに、物流を巧みに操作して、人や経済がダイナミックに回るのを眺めるのは、確かに壮観だった!

※この記事は『Transport Fever 3』の魅力をもっと知ってもらいたいUrban Gamesさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。
町と町をがっちゃんこ。パズルみたいに輸送網を築け!
『トランスポートフィーバー3』は、交通インフラを整備して、人や資材を供給することで都市を発展させ、一大輸送帝国を築き上げるシミュレーションゲーム。
プレイヤーは都市そのものを直接発展させるのではなく、輸送面を整えることで間接的に発展を促すところが、ほかの多くの都市開発SLGとの大きな違いだ。
プレイヤーは、都市の発展に必要な資源のインフラを整備する。
最初に利用できるインフラはトラックで、2点間の導線をマウスドラッグでビシッと引っ張れば、はい完成。うーん、簡単。
どういったインフラを用いるかで都市の発展の形が変わるのだが、これがパズル的で面白いと感じた。今回の取材に対応してくれた、Urban Gamesのニコラス・ヘイニ氏はこう話す。
ヘイニ氏:
ええ、本作はパズル的な感覚で経営シミュレーションが楽しめます。
しかも各種オプションを切り替えることで、プレイヤーは交通網整備を細かく追求したり、あるいはもっとライトに、マップ全体に敷いた鉄道網を行き交う電車を眺めたりと、自分に合った楽しみ方ができるんですよ。
ハイトマップ(※主に3DCGや地図作成で使われる、高さを表すデータ)などを読み込ませることで、より現実に即したマップでプレイできます。この機能はプレイヤーからの人気が高くて、たとえば100時間以上の時間を費やして、日本のJR線をゲーム内で再現した人もいました。
お金よりも大切なものに気がついた『3』の住人たち
マップ内の各地に、少しずつ資材が行き渡る様子を眺めていると、それだけでなんとなく楽しくなる。
うーん、なんだろう、この沸々と感じる喜びは。
もし取材中でなかったら、ずっと見続けてしまうと思う。
──ところで、前作ではゲーム序盤にお金を稼ぐのがシビアだったと聞きましたが、そのあたりは今作ではどのようになっていますか?
ヘイニ氏:
そこに関しては、かなり改善しました。町から依頼される契約をこなすだけで良い稼ぎになり、ゲーム序盤をスムーズに進められます。
ちなみに今作では、お金の重要性が前作より下がっています。その代わりに、公害や騒音、輸送にかかる時間といった、お金以外の要素が、町の発展に大きく影響するようになりました。
──重要なのはお金だけではないということですか。
ヘイニ氏:
その通りです。前作では、プレイヤーも町の住人も、お金のことしか考えていませんでした(笑)。でも今作では、住民全員に移動時の目的地や職場、住居が設定されていて、それぞれの行動がきちんとシミュレートされています。
──ひとりひとりが生きて生活をしているんですね。その話を聞いたら、町が生き生きしているように思えてきました(笑)。
ヘイニ氏:
車にも注目してみてくださいよ。シビックやダットサン、スカイラインなどを収録しました。私は自動車が好きなので、この部分には特にこだわりました(笑)。
社会を動かす物流の仕組みが手に取るようにわかっちゃう
都市が発展すると住人が増え、そのぶん、新たな資材の需要が生じる。
そこでプレイヤーは、新たな資源を確保するべく輸送網をさらに拡大する。最初はトラック程度で済んでいたのが、列車、海運、そして航空と、さまざまな交通網を整備することで、次第に巨大なサプライチェーンを築き上げていく──
なるほど、物流が社会を作るってこういう仕組みだったのか。
なにこれめちゃくちゃ勉強になるじゃん!
最後に、ヘイニ氏に本作が目指すところをうかがった。
ヘイニ氏:
前作は高く評価されつつも課題もあり、私たちは改善してより良いものを届けたいと考えてきました。今作では、それら多くの課題を克服できたと思います。
250種類以上の車種に加え、要望の多かった路面電車やヘリコプターいったり乗り物や、多彩な気候や昼夜サイクルなども導入し、プレイヤーにとっての没入感を大きく高めました。
どっしり腰を据えて楽しみたいスルメゲー
今回は限られた時間でのプレイだったが、小規模な輸送網をコツコツと整備してサプライチェーンに成長させる面白さは、しっかりと体験することができた。
都市経営シミュレーションと聞いて、複雑なゲーム内容に思えるかもしれないが、実はプレイヤーが行う作業は町と町をつなげるだけとシンプル極まりない。
『Transport Fever 3』は、腰を据え交通網を築き上げてもいいし、あるいは都市を行き交う人々を眺めてもいい。いまから発売が待ち遠しい都市経営シムだ。
そして最後に、鉄道職員になった友よ、あのとき理解してあげられなくてゴメン。