『ROAD59』が埋もれて欲しくない
結論から言うと、タイムリープの原因は汐音でした。
そして、汐音もショウと同じくループを繰り返していた。
これは「特殊な力を持った少女を殺す」ことで発生していたタイムリープであり、ショウが失敗して死ぬたび、汐音はその女の子を何度も殺して、何度も時間をリセットしていた。すべては、ショウを守るために。ショウの願いを叶えるために。
ベロベロになった汐音が、バーで漏らしていた「だからなショウ。ショウが何度挫折しても……オレが、必ず──」というセリフは、普通に伏線でした。嘘やろ?
……っていうか、汐音が重すぎる!
俺の幼なじみが、俺のことが大事すぎてタイムリープさせていた……って、極道版の暁美ほむらみたいなことしてるじゃん。誰も彼も裏切る極道の世界で、汐音はずっとショウを「裏切らなかった」。そう、最初から。何度だって。永遠に。
なーんかネットリしてると思ってたんだよなー!
こいつ異様に重いと思ってたんだよー!! 最高!!
そして黒条組との戦いは終わり、ショウが願っていた「平穏」が訪れた。
いや、汐音が「叶えさせた」のかもしれない。
とにかく、これで『ROAD59』はハッピーエンド。
もう、あんな無限ループとも、バーテン生活ともおさらば。
………と、思うじゃないですか?
まあ、状況は上の2枚から察していただければと思うのですが……バーで情報を流した女性(警察)は、一色綾世の先輩だった。綾世は先輩に心酔していた。まわりまわって、綾世がショウを殺しに来た。汐音は、「ショウを守る」という願いを果たした。
うーん、俺の推しキャラが俺の推しキャラを殺してる!!
このシーンまで、だいたい10時間かからずに到達できます。つまりこれ、まだ『ROAD59』の全体像が見えているわけじゃない。一応「エンディング」のひとつに該当するけど、これで全部投げ出してゲーム自体が終了するわけじゃないんです。
まだ、たくさんの謎が残っている。
そもそも、なんでこんな抗争が起きているのか? ラスボスっぽい雰囲気だった「皇賢誠」は、結局何者だったのか? 汐音が死なないルートもある……かも?
『ROAD59』は、なにも終わっちゃいないのです。
ここからさらにループして、バーでキャラクターたちの本音を聞き、別のルートを探したりする。そして最終的に、この物語の全容を把握する。これが、『ROAD59』の遊び方だと思われます。結構ネタバレしたようで、まだ「謎」が残されています。

みなさん、『ROAD59』のこと……気になってくれましたか?
自分はこのエンディングまで見て、「これは……かなり面白いゲームなんじゃないか?」と思いました。単純に「自分の好きなキャラが物語のカギを握っていた」という馬券が当たったような興奮もあるのかもしれないけど、にしても予想外な当たりゲームだと思いました。
正直、『ROAD59』はそこまで人気が爆発しているわけではない。
『サイレントヒルf』や『ゴースト・オブ・ヨウテイ』みたいな、並みいる強豪タイトルに話題を持っていかれているところはある。だからこそ、余計に「このゲームが埋もれちゃうのは、ちょっともったいなくない?」と思っているのかもしれない。
私としては、「10時間かからずにメインストーリーのおいしいところまで到達できる」という、プレイの軽さが結構気に入っています。もちろん、そこからの続きと、考察の余白もある。記事で端折ってるところも結構あるので、ぜひ自分の手でプレイしてみてください。
こんなにシンプルに締めちゃうのも気恥ずかしいのですが、『ROAD59』なかなか面白いので、みなさんよろしくお願いします! 2025年、私の推しゲームです!