【※本記事には『CODE VEIN II』「ジョゼ編」のネタバレが含まれます】
全世界で400万本を売り上げた高難易度アクションRPGの第2作となる『CODE VEIN II』。
なんと本作では、前作から舞台と設定が刷新され、まったく違う物語が紡がれる。プレイヤーは崩壊の一途を辿る世界を救うため、100年の時を遡り過去の英雄たちとの冒険を繰り広げる。
今作からでもいいから遊んでほしいというメッセージを感じる一方で、仲間と共に戦う「バディシステム」を核に置いた『ソウルライク』であるという点は変わっていない。
……のだが、「感情がすごいことになった」というのが今回の先行体験の率直な感想だ。


今回の体験会をザッと振り返ろう。
今回の試遊範囲では、仲間となるジョゼ・アンジューという英雄に深く踏み込むストーリーが描かれていた。
特にドラマ部分にかなりの力を入れているということは、プレイしてすぐに伝わってくる。攻略面はというと、1体目のボスとの戦いでは初見で体力を10%すら削れず「これは果たして最後まで“体験”できるのか?」とヒリつくことにもなった。『CODE VEIN Ⅱ』、速効でもうピリリと辛い。
しかし、『ソウルライク』はやればできるようになるのが最大の魅力だ。本作も例外ではなく、ボス単体でみると撃破にかかったのは20分。
道中で沼ったために準備されていたプレイ時間をオーバーし後半に不安が残るものの、ジョゼとの冒険はメチャクチャいい感じで一旦完了。時を遡る冒険から、現代に戻ることになった。
本作では、歴史を変えなければ、待っているのは世界崩壊に繋がる悲劇だ。ならば歴史を変えればハッピーだろう。
そう思っていた。この瞬間までは。
「英雄ジョゼ…討伐、完了です」
どうしてそうなるんだよ!!!
今回は2体目のボスこと「盲目の英雄ジョゼ」にも挑戦することとなったのだ。
撃破にはおよそ1時間かかったうえ、総計3時間という体験プレイの終了間際に死闘を繰り広げた。時間内に倒さなければという気負いもあったが、終わった時には呼吸を忘れていたことに気づいた。
なぜ?どうしてこんなことに?
いや、それはゲームの中で語られている。理解している。……のだが、脳が理解を拒む。

「英雄ジョゼの討伐」。これが過去に飛び、歴史を変えた結末。
──とんでもない“体験”会だった。
もちろんだが、今回のプレイ内容は原則として全てが公開OKだ。つまるところ、物語的にはこれが序の口なのだと筆者は勝手に解釈している。一体この先に何が待ち構えているのか。
はたしてハッピーな終わりはあるのか?実際に触れてみなければ、終わらせてみなければ、物語は評価できない。
本作発売の折には、是非筆者とともに、本作に触れてみてほしい。正直、本作の内容を独りで抱えきれるかわからないからだ。
本稿では3時間に及んで実際にプレイしたプレイレポートにくわえて、その後に行われた開発陣への合同インタビューの内容をお届けする。実際にどの程度のプレイ時間が本作では想定されているのか、救いはあるかといった質問への回答もいただいている。
決断の一助となれば幸いだ。
ロールプレイの選択肢が多すぎる(歓喜)
本作の大まかなあらすじを紹介しておこう。
吸血鬼が突如人々を襲う脅威となった現代。プレイヤーは主人公の吸血鬼ハンターとして、世界崩壊を食い止めるカギを探すべく、100年前の過去に生きる英雄へ会いに行く。
プレイヤーの目の前に立ち現れるのは、「歴史を変える力」と「時の流れを変えることは禁忌という事実」。ストーリー上の選択は、全て我々の手にゆだねられているとのことだ。
歴史を変えるというストーリー上の仕組みからもその行く末を推察するのは難しい。筆者の中で確実なのは「早く続きを遊ばせてくれ」という渇望と、「めっちゃ死ぬだろうな……」という予感だ。

選択肢の多さは、物語だけではない。本作を起動して、特にシリーズ未経験者が最初に驚かされるのはキャラクターカスタマイズだろう。
筆者はキャラメイクに拘らない勢なのだが、結局心変わりして10分ほど画面とにらめっこすることになった。できることが多いのに、簡単にいい感じになる。デフォルトプリセットの幅が広く、衣装やアクセサリーの種類がとんでもなく多い。拘り派には無限の時間が必要だ。

そして、ビルドの豊富さにも触れないわけにはいかないだろう。
本作では、いわゆるステ振りが存在せず、能力値は「ブラッドコード」を装備することで大きく変化する。『ソウルライク』のひとつとも捉えられる要素が存在しないが、「ブラッドコード」を切り替えることでいつでもロールを切り替えられるような感覚だ。
武器は前作から2種増えて7種類、さらに術式(スキル)は武器に対して4つまで同時にセットが可能、さらに特殊な武器を召喚する「伝承術式」、防御手段を決める「防御術式」、能力を強化する「ブースター」……。スプシで計算する必要があるくらい、ビルドの完成形がめちゃくちゃ多い。
さらにある。バディシステムだ。
シリーズで継承されている内容だが、今作からは「召喚」と「憑依」を切り替えられるようになった。召喚すれば仲間が共に立って戦い、憑依すれば仲間の力を主人公に宿してステータスを強化できる。これもビルドの考慮に組み込む要素だろう。
ちなみに、筆者が見つけたお気に入りビルドは「ジョゼのブラッドコード」を軸にしたものだった。通常攻撃をする度に「イコル」という術式発動のためのリソースを獲得できるという代物だ。
術式はコストを払う分、スタミナしか消費しない武器による攻撃より強い。つまり、シンプルに気持ちよくなれそうだが、イコルが上限値を超えるとダメージを受けるというピーキーな仕様。大事な局面で頻繁に自爆してしまい、終盤は封印する始末。それでこそ燃えるロマンもあるが、今回は時間の制約に涙を飲んだ。
詰んだらビルドを見直すのは『ソウルライク』の鉄則だ。本作は選択肢が多い分、自分の実力や敵に合わせて戦略を大きく変えられる。ゴリ押しももちろんひとつの選択だろう。

基本となるゲーム内容は実直に『ソウルライク』をしていると言っていい。ストック制の回復薬はチェックポイントで回復するし、敵の攻撃への対応はパターンを見極めて回避するあの面白いヤツ。基本のヤツだ。
しかしビルドの幅が広すぎる。
結果として、本作の実際のプレイでは詰みにくいのではないかと筆者は感じている。射撃ができる「銃剣」は前作から踏襲されているし、大剣を装備しながらでも魔法を撃てるという奔放さもある。バフを山盛りにしたりもできるし、想像できるようなアクションはおよそ実現できそうだ。
絶望的な状況なんてない、攻めれば勝てる。ギリギリの死線を潜り抜ける感覚を何度も経験させられるゲームで熱くなれる
本作におけるバディの存在はとてつもなく大きい。「ギフトヒール」というシステムが尖っていて、なんと体力が尽きても仲間が即座に助け起こしてくれる。そしてクールダウン制だ。時間さえ経てば何度でも発動可能。
無敵か?……とはならないのが本作。
敵の攻撃力はかなり高く、ボスに至っては一撃で体力を半分以上持って行かれることもあった。ギフトヒールで回復する体力は半分のみで、回数を重ねれば急速に回復量が減少してゆく。復活できるから簡単になるわけではない。しかし、回復が尽きた状態でも積極的に、何度も挑戦できるという体験は本作ならではだ。
そして術式発動のためのリソース・イコルの獲得方式がこのあたりのシステムとめちゃくちゃに噛み合っている。
イコルの回復には「吸血攻撃」を当てる必要があり、敵の体に傷がついているほど多くのイコルを獲得できる。攻撃をすればするほど傷は増える、傷は時間経過によって消える。
つまり、つまり逃げ回っていれば「ギフトヒール」による復活のチャンスは得られるものの、結局のところ攻撃を仕掛けない限りはイコルを溜めることはできない、つまり強力な術式は撃てないのだ。

要するに本作は「攻めが高く評価されるシステム」になっている。いつ仕掛けるか、どんなリスクを負うか。判断基準が戦闘中にめまぐるしく変化し、暇がない。気づけば戦いに熱中していた。
くわえて召喚と憑依の使い分けもここに絡む。召喚状態では仲間が敵の攻撃を引き付けてくれたり術式で支援してくれたりする。一方で憑依状態ではステータスが大幅に上がる代わりに主人公単独で戦うことになる。

最初、状態の切り替えに関しては「敵の行動パターンが把握できていたら憑依、できていなかったら召喚」と思っていた。だが結論は「状況による」だった。
実際のところ、憑依のほうがダメージがかなり出せる。しかし、召喚状態のバディが使ってくれる術式で状況が好転することも無視できない。デバフをばらまいてくれたり、広範囲の敵をなぎ倒してくれたりなど仲間の術式も様々だ。また、仲間の吸血攻撃がヒットすると主人公のイコルも回復する。
攻略の指針としては、ヤバイ状況では召喚、イコルがある状況では憑依で術式をたたき込む、というのが個人的にはお気に入りの形になるかもしれない。
だが、今回は召喚の強みに気づけなければ時間内のクリアは無理だったろう。しかしこれが唯一の正解ではないはずだ。それでは、仲間のどんな特性がどういう状態ならどう主人公に寄与するかも当然考えなくてはいけない。
こうしてチャレンジが吸血攻撃で評価され、ギフトヒールでギリギリでもトライできる。パッシブなスタイルも選択次第では実現できるし、血を浴びるように飲みながらガン攻めすることももちろんできる。

『ソウルライク』では本来回復が尽きたら絶望なのに、本作では定期的に希望がやってくるのだからドーパミンが出ないはずがない。
必然としてコントローラーを握る手に力が入る。仲間は非常に頼もしい。ただ、それでも弓チクに頼りたくなる瞬間が来るほど敵の攻撃が苛烈なことがある。このバランス感覚は、これ以上ない着地点のように感じられる。
なんてことをしてくれるんだ
ストーリーも苦労もすべて相まって「盲目の英雄ジョゼ」を倒した時は感無量だった。正直に言うと編集氏が隣で筆者のプレイを見守っていたため、涙をこらえる必要があった。
過去に戻り彼女と手を取り合い、そして現代で彼女を討った。それで今回は、終わり。
今回の体験プレイで登場した主要な人物は全員が吸血鬼だ。主人公は人間の吸血鬼ハンターだが、ワケあって彼らと絆を結ぶことになる。それも生半可な絆ではなく、時に血を分け、時に心まで共有する。そのうちの一人が吸血鬼の英雄ジョゼ・アンジューだ。

なぜこれほどあらゆる点において重要な仲間を討たなくてはならないのか……。
本当に、なんてことをしてくれるんだ。
早く発売してくれ、最後まで決着を付けさせてくれ。誰のためか知らずとも、何回死ぬかわからずとも、とりあえずこっちは覚悟はできている。
『CODE VEINシリーズ』の生みの親、飯塚プロデューサーと吉村ディレクターへのメディアインタビュー
──『CODE VEIN Ⅱ』の企画はいつ頃から開始されたのでしょうか。
飯塚氏:
着手は2020年あたりからです。前作はオリジナルタイトルとしてのチャレンジでしたが、やりごたえのある探索アクションと共闘アクション、そして仲間と旅をする体験は好意的に受け入れていただいたと感じました。
この軸を活かし、さらに進化した続編を作ろうという形で企画がスタートしました。
吉村氏:
前作では世界へのチャレンジとして開発チームも取り組みました。発売後に世界のゲーム市場を改めて垣間見ました。
そこにユーザーさんたちが確かにいらっしゃって、我々の作品を支持いただいているという反応を受け、本作ではさらに飛躍したことに取り組みたいというのが開発チームとしての素直な気持ちです。
──新たな世界観を構築する中で、前作から引き継いだ仕様や要素、また重視した点などがあれば教えてください。
吉村氏:
本作では新しく世界観を構築しています。時を越える、歴史を変えるという部分を体験の基軸にしようと考えた際に、前作との繋がりを維持したままでは歴史や、それまでのユーザーさんの体験自体を覆すことになるためです。新しく、しっかりとストーリーを味わっていただくために新しい世界を作りました。
ただ「全く違う世界観」だとは断言しません。世界の繋がりが直接描かれることはありませんが、前作を遊んでくださった方がニヤリとするようなアイテムやモーションなどの要素は散りばめられています。
ゲームとしては手に馴染むアクション、武器、そして前作でもご好評いただいた吸血アクションは今回の世界観に合わせてリファインした上で再構築しました。
重視したポイントは「前作をしっかりリスペクトする」と、自分たちで言うのは変に感じられるかもしれません。前作を遊んでいただいた方の気持ちを大切にすることを意識しました。新しいアニメーションのクオリティもグッと上げていますし、今作は今作として楽しんでいただける品質を目指しました。
──今作でプレイヤーに注目してほしい要素、また特に力を入れた部分はどこになりますか?
飯塚氏:
やはり時間を超えたドラマの部分ですね。過去に出会う人物は吸血鬼で、主人公は人間です。本来なら長い時を共に生きることはできませんが、現代で再会することもある。この種族間のドラマが見どころです。
吉村氏:
前作でご好評いただいたバディとの共闘、派手な武器アクションは、ボリュームも含めて力を入れました。術式を伴う派手なアクションも充実しています。使っていて気持ちいいと感じていただけるよう準備しました。
アクションにおけるアニメーションは、前作でもまだ伸びしろを感じて品質向上に取り組んできた部分ですので、注目していただけたら嬉しいです。
──今作では全7種の武器が採用されていますが、新たな武器の魅力、また前作から継続されている武器の変更点を教えてください。
吉村氏:
新武器のルーンブレードは空中に浮遊する剣で、少しトリッキーです。基本は自分のアクションに追従して攻撃しますが、特定の術式を使うと自分とルーンブレードが別個に動いて敵を攻撃できます。一人で連携を作っていくという遊びの幅を実現しています。
もうひとつが双剣で、手数を重視した武器です。前作のユーザーさんたちの希望に素直に応えました。今作は攻撃すると敵に傷跡がついて、その量に応じて吸血のイコル獲得量が増える仕様がありますが、双剣ではしっかりと活かすことができます。
継続武器は5種類ありますが、アニメーションを全て再構築しているので同じアクションは存在しません。振っている感触、敵を切っている感触、動きの重量感はリファインしています。前作のアクションが好きだった方にも、今作で新しい魅力を味わっていただきたいです。
飯塚氏:
本作では術式を武器にセットする形に変更されています。武器種専用の術式も増えているので、武器ごとの特色を活かす運用方法の自由度はかなり上がっています。
──本作はプレイヤーの選択が重要とのことですが、過去改変によるエンディングの分岐はあるのでしょうか。また周回プレイの際にはどのような形になるのでしょうか?
飯塚氏:
過去の結末を変えるために介入し、その結果としてキャラクターとの関係性や世界も変わっていくという介入による変化を主軸に置いています。
エンディングについては、一度結末に到達した後にもう一度過去に戻って介入することで、さらに結末が変わるという漸進的に変化する形式を今回では採用しています。
吉村氏:
ちょっと珍しい形ですよね。枝分かれしてマルチエンディングというより、結末が複数があるのは間違いないんですけど、プレイヤー自らの意志で変化させていくところが特徴的です。
もちろん、真の意味での2周目として最初からやりたい場合の引継要素は用意しています。
──ストーリー上は前作とは異なる世界での展開となりますが、前作ファンに気づいてほしい要素などは存在するのでしょうか?
吉村氏:
先ほどお話した通り、ニヤリとするようなフレーバーは忍ばせています。仲間キャラクターとの交流で、キャラクターの好みに応じた贈り物をやりとりできますが、その内容には前作をプレイいただいた方が見ると「おっ」と思うところを結構用意しています。小さなところですけど、気づいていただきたいです。
飯塚氏:
世界は違いますが、「吸血鬼」などの共通した用語は出てきます。ただ今作の吸血鬼は前作とは出自や設定が違うので、同じ用語でも違いを楽しんでいただけると嬉しいです。
──バンダイナムコエンターテインメントの他のアクションRPGと比較して、『CODE VEIN』シリーズが『CODE VEIN』であるためのポイントを教えてください。
吉村氏:
まず高難易度なアクションゲームであるところが大きな特徴ですね。
飯塚氏:
あとは同行できる仲間は一人だけというところが本作らしさを作っています。一歩間違えば死んでしまう危険なフィールド、強敵に立ち向かう状況で、三人四人いると心強いんですけど、頼れるのは一人しかいない。ただ、一人はいる。この「相棒感」は『CODE VEIN』ならではかなと。
吉村氏:
あとはビジュアル面の話になりますが、『CODE VEIN』シリーズの背景などは高いリアリティで構築しています。その中にアニメ的なキャラクターが登場しても違和感がないというところで、色々な工夫をしています。キャラルックは一つの特徴になっていると思います。
──本日のボス戦はすごく難しく感じたのですが、難易度設定などの救済措置は用意されていますか?
吉村氏:
難易度設定、いわゆる「ノーマル」、「ハード」、「イージー」などの設定はございません。
今回は時間がないということで我々がセットアップした装備でやっていただきましたが、本来はユーザーさんの到達レベルがまちまちで、勝てなければレベル上げで自分を強化するというのがベースの構造です。
今回の水没都市でのストーリーを体験していただきましたが、実際にはサブダンジョンなどの攻略要素が前作より充実しています。探索を楽しんでいただくことで自分を強化し、強化パーツも落ちますので、楽しみながら強敵を乗り越えていただく構造になっています。
他にもバディの能力を引き上げる要素や、ビルドの組み合わせで特化した火力を出す多彩さ、切り替えの簡単さもあります。ボスに合わせたビルドに変えられるのも乗り越える手段のひとつです。
飯塚氏:
今回は2体のボスと戦っていただきましたが、それぞれ特徴があって、最初のボスは近接でいくと状態異常をもらってしまいます。後半のボスはちゃんと近接で戦った方がいい。この使い分けが、ビルドを変えて対応していただくことのひとつだと思います。
──個人差はあるかもしれませんが、一周のクリア時間はどのくらいを想定していますか。
飯塚氏:
メインストーリークリアで30時間くらいでしょうか。私自身では本当のボリューム感がわからなくなっていますが、それくらいの時間が最低限かかります。
吉村氏:
探索の要素やキャラクターごとのエピソード、歴史の改変なども隅々まで全てやるとするとそれ以上かかってくると思います。
──キャラクタークリエイトの要素が膨大で前作と比べての強化を感じました。特に、さらに注力した部分はどこでしょうか?
吉村氏:
「奥行き」が非常に強化されているので、ぜひ前作プレイヤーの方に触っていただきたいです。パーツのボリュームや新しい世界観に応じたアクセサリーも強化されていますが、こだわりポイントは「奥行き」です。
設定項目ひとつとっても、髪の毛のウェイト設定ができるようになったり、グラデーションの指定幅が広がったりと、前作と同じ項目でも中身がきめ細やかに設定できるようになっています。
飯塚氏:
今回変わったところでは体型をいじれるようになりました。前作はある程度固定でしたが、体型のバランスをいじれるようになって、こういうキャラクターを作りたいというところにジャストで合わせられるようになっています。
マントやフードなどのシルエットアクセサリーも、前作では吸血牙装【※】と一体化していて外せなかったのが変更できるようになりました。
※吸血牙装…本作におけるジェイルに相当。装備することで吸血攻撃の性質が変化する。
吉村氏:
地味な部分かもしれませんが、アクセサリーのコスト制限もなくなっています。より多彩な自己表現ができるようになっていると思います。
──キャラクターカスタマイズは本編でいつでもやり直せますか?
飯塚氏:
今回の体験デモにはありませんでしたが、冒頭から訪れられる拠点で体型タイプ含め名前以外の全てを変えることができます。
──コスチュームはどのくらい用意されていますか? また、仲間キャラのコスチュームは変更できますか?
飯塚氏:
シルエットアクセサリーもありますし、コスチュームのバリエーションは前作より増えています。仲間キャラクターの衣装はそのキャラクターの個性として作っているので、カスタムは想定していません。
吉村氏:
衣装に関しては、同じ衣装でも素材の変更やパーツのオンオフで違う印象にもできるので、単純なカタログの数だけではないバリエーションがあります。
──武器を変えた際、ムービー中の武器も変わっていて驚きました。普通は固定の武器になったりするものですが、こだわりがあったのでしょうか。
吉村氏:
今作はアバターとの一体感を非常に重視しています。武器を全シーンに反映させるのは現場から反対もありましたが、なんとかモーションまで変えて対応しました。
戦闘のあるシーンでもなるべく違和感のないよう、アクションに落とし込んでいます。そのままの姿でムービーに入っていただければと思っています。
──吉村氏は過去に『GOD EATER 2』の開発時に「アイデアの整理は徹底的に言語化して整理する」という旨のことをおっしゃられていました。今回の『CODE VEIN Ⅱ』は100年の時を超えるストーリー設計に、バディシステムに憑依という新たなコアが追加されたりしていますが、複雑な設計意図をチームで共有する手法があればお教えください。
吉村氏:
あの時に構築した言語化手法は前作『CODE VEIN』も含めて実践し続けています。ゲームの要素を全て書き出して関係を明らかにする途方もない作業ですが、本作ではこれをベースにプロトタイプでの試行錯誤を繰り返しました。
これだけ大きな規模で開発が延びると市場が変わりますし、お客様の求めるものも変化します。意識までアップデートしないと、出た頃には古いゲームになってしまう。
アクションのシステムは十何回か練り直しています。今回触っていただいたものがその結果で、憑依と召喚の戦略の任意性、つまりプレイヤー自身に選んで戦ってもらうことと、バディとの共闘感という前作からの継承を両立したものです。
──前作だと吸血鬼は「レヴナント」という名前でしたが、今作で日本語のみ「吸血鬼」としているのはなぜでしょうか。
吉村氏:
英語では「レヴナント」を前作から継承しています。
日本語だけ「吸血鬼」にしたのは設定が大きく異なるからです。前作は人工的に作られた存在でしたが、今作は有史以前から存在する不死の吸血鬼が世界の崩壊で表舞台に出てきた設定です。英語だとレヴナントの範疇に収まりますが、日本語ではオーソドックスな吸血鬼ですよ、とストレートにニュアンスを伝えたかったんです。
──ルゥやジョゼなど吸血鬼たちのデザインで外面的な特徴にもこだわりがあるように思われました。これは吸血鬼的な設定が反映されているのでしょうか。
吉村氏:
吸血鬼としての特徴を意識して構築しています。長身だったり一部が特徴的だったりするのは、人間である主人公とのコントラストを出したいからです。
特にバディとして登場するキャラクターの体型は意識しました。人間じゃないと伝わる部分を入れつつ、良い方向で受け取ってもらえるよう工夫しつつ、違う種族との交流という側面を楽しんでもらうために違和感を残している部分もあります。
──歴史改変がテーマの物語ですが、どこまで介入できるのでしょうか。
飯塚氏:
「ちょっと変わったよ」というような変化は、実はないんです。キャラクターの運命に関わる部分がガラッと変わります。もちろん歴史を変える過程で苦難を乗り越えていくわけですが、そこに高難易度が重なると、変えたことへの達成感と結果に対する喜びがマッチして、本作ならではの流れになっていると思います。
吉村氏:
一部、世界の住民への干渉みたいなものは要素として存在しています。ただあくまで大きな自分の選択と、その結果をどう受け止めるかというところに主軸を置いて設計しています。
──本作でも仲間に贈り物ができて温泉もあると伺っていますが、今回のシリアスな体験とは異なるキャラクターの別の側面を楽しむことはできますか。
吉村氏:
温泉も……あります。
キャラクターとの交流を深めるエピソードを、前作からボリュームも含めて強化した部分として用意しています。好感度の上昇に応じたバディとのやり取りや特性の解放なども、前作には無かった新たな取り組みとして盛り込まれています。
飯塚氏:
フィールドの探索と絡めてキャラクターごとのサブエピソードを楽しめるようになっています。交流を深めながら探索するとレベルも上がって強化もできて、また次に進む。自然に楽しみながら遊んでいただけると思います。
──バイクの外装のカスタマイズはできますか。また、バイクの解禁は早めにされますか。
吉村氏:
外装のカスタマイズは今回はできません。バイクの解禁は序盤で、フィールドについた時にはもう使えるくらいの早さで解放されます。
──探索中、フィールドで恐ろしく強い敵に遭遇しましたが、序盤で注意すべき強敵は他にも配置されているのでしょうか。
吉村氏:
本作には前作になかった自由なフィールド探索があります。「出会いたくない」という緊張感と、乗り越えた時の一足飛びの喜びを実現したくて、月の使者という強敵を各時代、各エリアに配置しています。
飯塚氏:
初見で手を出しちゃいけない敵はいると思います。ただレベルが上がって戻ると倒せるようになる、というのも広大なフィールドの醍醐味です。倒した先には強化につながるアイテムがありますので、そこも楽しんでいただきたいです。
吉村氏:
「月の使者」は現代世界が吸血鬼にとって厳しい世界であることの象徴でもあり、ストーリーを象徴する存在になるようにという意図もあります。
──フィールドで雨が降ったり時間が変わったりしていましたが、ゲーム的な影響はありますか。
吉村氏:
ゲーム的な影響は天候と時間に関してはありません。あくまで探索の中における情緒性の強化を重視した結果、このような形になりました。わざわざ時間を変えないと何かができないとか、天候を待たないといけないということは「原則として」ありません(笑)。
“原則”、ございません。
本作では、キャラクターの作成から育成まであらゆる部分で、信じられないほど多くの選択肢が与えられる。そして物語における選択も多く、重く、残酷なものになるだろうという予感に衝突した。
自分の場合、ゲームには大抵”快感”を求めてプレイしている。いっぱいダメージを出したら気持ちがいいし、強い敵を倒したら気持ちがいいのだ。結果として経験値も沢山貰えて強くなれるのだから、気分がいい。そういうループはやはり楽しい。ただ本作では明確な悲劇を初っぱなから目の当たりにさせられた。
とにかくこのやり場のない感情から解放してくれ……。
カタルシスを感じさせてくれ……。
そんな気持ちでコントローラーを握ることは、個人的体験としては珍しい。もちろんそういう作品がないわけではないが、発売前からそう思わせられるのは本当に貴重な体験だ。
物語の続きが気になるというだけではなく、挑戦心に対して真摯に答えてくれるやり応えのあるアクションRPGとしての部分も大きい。6年越しの新作となった『CODE VEIN Ⅱ』は、鋭く痛いほどの魅力を備えている。


















