みなさん、「思わぬ当たりゲーム」って最近出会ってますか?
「そんなに期待してなかったんだけど、たまたま巡り合ってしまった当たり作品」というか……私は、最近ひとつ出会ってしまったのです。それが、この記事で紹介する『ROAD59 -新時代任侠特区- 摩天楼モノクロ抗争』というゲーム。
まあ、「なんすかそれ?」と思った人が多いかもしれません。
正直のところ、私も遊び始めるまでそんなに期待はしていませんでした。「まあ、これも仕事だからね……」という、あまりよろしくないモチベーションでゲームを起動していました。
でも、遊んでいくうちに、じわじわと「あれ?これ面白くないか?」と思えてきた。
そしてエンディングに到達した時、「このゲームが埋もれてしまうのは……ちょっともったいないのではないか?」とすら思っていた。で、現在に至る。
みんなに、この『ROAD59』というゲームを知ってほしい。
あんまりひと言で説明できないタイプの面白さだから、どうかこの記事だけでも最後まで読んでいってほしい! ……そんな気持ちで、記事を書き始めた次第です。
お時間ある方、どうぞよろしくお願いします。
※この記事には、『ROAD59 -新時代任侠特区- 摩天楼モノクロ抗争』の結構なネタバレが含まれています。プレイ中の方はお気をつけください。
※この記事は『ROAD59 -新時代任侠特区- 摩天楼モノクロ抗争』の魅力をもっと知ってもらいたいブシロードさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。
そもそも『ROAD59』ってなんなの?
『ROAD59』のジャンルをひと言で表すなら、「任侠アドベンチャー」です。
ちょっと近未来っぽい世界観で、キャラの濃い「極道」がたくさん出てきて、組同士の絆や抗争が描かれていく。そして、明確にほかのアドベンチャーゲームやヤクザ系作品と違うところは、「もともと舞台を中心にしたコンテンツだった」ということ。
そもそも『ROAD59』は、ブシロードが立ち上げたメディアミックスコンテンツ。
そのなかでも、「舞台」がメインコンテンツとなっていて、初回は2020年に公演された。それがいろいろあって……いろいろあって!! 2025年にアドベンチャーゲームとして発売されたのです。
だから、キャラクターも舞台俳優が演じていたりするし、どことなく世界観やストーリーの雰囲気も「舞台」っぽい。「ゲームやアニメから舞台になる」ことはよくあるけど、これは逆の「舞台がアドベンチャーゲームになった」ようなノリの作品。まず、ここを知っておいてほしい。

舞台派生コンテンツだからこその、キャラ立ち
ゲームの主人公は、「氷室ショウ」。
ショウは「狛狼組」の組長代行として、この街で起きる組同士の抗争に巻き込まれたり、「ショバ代」の回収をしたりする。もちろん「組」というだけあって、仲間のキャラクターもいます。
特に自分が好きなのは、「日向汐音」という男。
ショウの幼なじみであり、「相棒」的なポジションのキャラクターです。
優しそうな雰囲気ですが、組への思いは人一倍強く、組のことが絡むと性格が変わります。しかも、ショウに対する思いがめちゃくちゃネットリしてる。
とにかく、一番「重い」男です。

幼い頃、抗争に巻き込まれ、
瀕死の重傷を負ったところをショウに救われてから今も恩を感じている。もしも願いが叶うなら「ショウの願いを叶えてあげたい」。
「組のこと、一人で背負うのがしんどかったら、オレが横にいつでもおるから。」
なんかネットリしてるよね~~~~~~~~
はい、私はこういうネットリした感じの男が大好物です。
そして、これで声優が七海ひろきなんですよ。
元宝塚の男役スターの人です。
だから、なんかこう……「声は王子様っぽいけど、すごいネットリしてる」っていう……なんなんでしょうね、「舞台特有の感情の込め方」というか……汐音の気持ちがグッと入ってくるような演技なんです。ちょっと独特なキャラ立ちしてます。

あと、「一色綾世」という子もかわいいです。
見た目よくないですか?
ちなみに、声優は佐々木李子です。
もう、なにをどう考えてもブシロードの縁で引っ張ってるんだけど……とにかく、一色綾世のようなゲームから追加されたキャラであっても、もとが舞台中心のコンテンツだったがゆえの独特な「キャラ立ち」があります。
妙に、演技が印象に残るキャラが多いというか……ちょっと群像劇的なキャラの多さなので、ひとりくらいは好きなキャラクターが見つかるはず。

このゲーム、様子がおかしい
まあ、ここまでだと「世界観と建付けが珍しいだけで、普通のアドベンチャーでは?」と思うでしょう。いやいや、ちょっと途中から流れが変わってきます。
まず、普通にゲームを進めていると、ショウの兄貴分であり、狛狼組で一番頼りになる「黒鉄一臣」という男が裏切ってしまいます。そのまま、組はどんどん劣勢に立たされていき、仲間は皆殺し。ショウも殺されて、ゲームオーバーになります。
しかし、目が覚めると、ショウの時間は巻き戻っていた。
一臣が裏切る前であり、組同士の抗争が本格的になる以前の時間軸であり、のんきにショバ代を回収していた平穏な日々に巻き戻りました。
つまりこのゲーム、「任侠×ループもの」なのです。
このままでは、一番頼りになる兄貴分が裏切って、組ごと皆殺しにされる。ループを繰り返して、この運命を変え、組長代行として狛狼組を守らなければならない。
しかも、このループ自体は原因不明。
なにかショウの特別な能力とかではなく、シンプルに「死んだら時間が巻き戻ってしまう」という謎のタイムリープに巻き込まれた。狛狼組を守るためにも、大前提としてこのタイムリープから抜け出すためにも、ショウは奔走することになります。
ただ、そんなに一筋縄に行くわけもない。
極道同士……しかも大きな組の抗争となっては、人間ひとりがタイムリープしたところでどうにかならない部分が多すぎる。なんとか一周目で果たせなかった「仲間を生存させる」ことには成功するものの、結局ショウは敵の組長に殺されてしまう。
一体、どうすればいいのか?
この事態を解決するべく……ショウは、バーテンダーとして働き始めます。
……………うん?
「酒の力」で、死の運命を変えろ
そう。バーテンダーです。
このゲーム、タイムリープ後に始まる「バーで働く」パートが本題と言っても過言ではないのです。ひょんなことからバイトで働くハメになったショウが、バーにやってくるお客さんと交流することで、この絶望的状況を打開するカギを探っていきます。
率直に言えば、「ヤクザADVだと思っていたら『シュタゲ』になって、『シュタゲ』かと思ったら『VA-11 Hall-A』が始まった」みたいなプレイ感です。
そして、来店するキャラクターたちは、これまでショウを苦しめてきた「ほかの組のヤクザ」なのです。あっちこっちで抗争を繰り広げたヤクザとか、警察とか……ずっと命を奪い合っていた相手が客として来店して、あくまでいち店員として接客をします。
たとえば、最初は「柊姉妹」という、ゲーム序盤からずっと敵対していたヤクザ姉妹……の、「姉」が来店します。
敵対していたころは、ただ一方的に襲いかかってくる迷惑姉妹だったのですが、お酒で酔わせて話を聞いていると、現状に不満を持っていることが明らかになってくる。というか、実は妹をめちゃくちゃ心配している優しいお姉ちゃんなことが発覚。
そんな姉の悩みを聞き、「意地でも妹を止めてみたらいいんじゃないですか?」的なアドバイスをしてみる。どうやら姉も決心がついたらしい。これまで敵対していた柊蓮花は、妹を止めるために動き出した───。
ここで、「運命」が変わるのです。
最終日に、敵対している「黒条組」が乗り込んできて全滅する未来が待っていたけど、ここで柊姉妹の運命を変えたことで、ちょっとショウ(狛狼組)が優勢になる。
そう、つまりお酒の力でヤクザたちの事情を聞きだし、絶望の未来を変えていくのが「バーテンダーPART」であり、『ROAD59』のコアなのです! なんすかこのゲーム?

バーで働いている最中、とにかく多くのキャラが来店する。
ショウの死の運命を変えるには、とりあえず敵対ヤクザを陥落させていく必要があるのですが……なんかベロベロになった汐音が来店してきたりもします。しかも、酔っ払いすぎて、相手がショウだと全く気づいていない。
だから、あくまで「バーの店員と話しているつもり」で、ショウ本人に向かって、ショウへの熱い思いを語り始めてしまうのです。スチルつきで。なんか妙にえっちなスチルつきで。おいなんか急にキャラ萌えゲームみたいな雰囲気出そうとしてるぞ!!
「オレに新しい家族を引き合わせてくれてありがとうな。
ホンマに感謝してるんや」「だからなショウ。
ショウが何度挫折しても……オレが、必ず──」
お前────!!!!!
……みたいな感じで、ただ未来を変えていくのではなく、好きなキャラクターとイチャイチャすることもできてしまうのです。敵味方含め、「アイツこんなこと考えてたのかよ」というキャラの本音が、お酒の席でどんどん明かされていきます。
ショウに厳しく接していた、狛狼組の姉(あね)さん的な存在の「氷室静」から本音が聞けたり、メインストーリーでは素性がよくわからなかったキャラが何をしているのかが聞けたり……果てにはラスボスの「皇賢誠」まで普通に来店します。ラスボスをバーで接客するゲーム、そうそうないと思う。
- 普通に来店する皇賢誠。一応、ラスボスです。
最終的には、警察すらもバーで抑えこめてしまいます。
好きなキャラ紹介時にチラッと出てきていた一色綾世の先輩である、「門崎彗」に情報を流すことで、警察と黒条組が潰し合うように仕向ける。
身内の裏切りを防ぎ、味方を増やし、敵の戦力を削り、潰し合わせる。
……こうして列記するとやってることは完全に大悪党なのですが、まあみんなお酒を飲んでボロを出しやがったのだから仕方がない。そして、手札は揃った。
これで、ようやく未来を変えられる……と思いきや、実はこのままだと普通に死亡エンドがやってきてしまいます。なぜなら、「このループはなぜ発生しているのか」という謎が解けていないから。
このループ自体、ショウの特殊な能力によるものじゃない。
ショウが聖杯的な何かに無限ループを願ったわけでもない。
では、誰が?
一体なんのために?
どうしてこんな事態を引き起こしてしまったのか?
※ここから先、本当にガッツリ『ROAD59』のネタバレを書いています。
この時点で「真相を知る前に遊んでみたい」と思った方は、自分で買って遊ぶのをオススメします。言ったよ! 言ったからね!!