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これはゲームのライブじゃない——そう錯覚するほどガチだった。『ゼンゼロ』日本初の公式音楽イベント「Signal Lost DJ Live」レポート

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「ゼンレス、最高ーーー!!」

──思わずそう叫びたくなる夜だった。

3月10日(火)、東京・豊洲PIT。HoYoverseの都市ファンタジーアクションRPG『ゼンレスゾーンゼロ』(以下、ゼンゼロ)の公式音楽イベント「Zenless Live 2026 – Signal Lost DJ Live -」最終日、会場のボルテージは開演から閉演まで一切落ちることがなかった。

これはHoYoverseが日本で初めて開催した『ゼンゼロ』のライブイベントだ。
3月9日・10日の二日間にわたり、Official DJの乙氏を中心に、各日異なるゲストDJを招いてステージを構成。ゲーム内BGMや公式YouTubeで公開されているキャラクターEPをクラブミュージックとしてリミックスした、ゲームの枠を軽々と超えたDJライブである。

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ゲストDJ 八王子P

平日開催にもかかわらず、フロアには多くのプロキシたちが集結した。ビデオ屋を閉業して駆けつけた者、仕事を早退した者、定時で退勤して飛び込んできた者──それぞれの事情はあれど、サビザンボンプが居ないことだけは願っておきたい。

電ファミもこのライブを取材させていただいた。体裁はあくまで取材だが、心のどこかでは完全にいちプロキシである。そんな筆者が目撃した、イベントDAY2の全貌をお届けしよう。

文・撮影/そりす
編集/kawasaki

クラブカルチャーと相性良すぎっ!「ゲーム」の枠を越えたガチガチのDJライブだった

結論、圧巻のDJライブだった。取材という建前がありながらも、本ライブは”完全燃焼”に相応しい手応えであった。

とはいえ、筆者のようなオタクにはちょっぴり刺激が強かったかもしれない。

……というのも、これまで自社IPを中心に様々なジャンルの作品を世界中に発信してきたHoYoverse。『崩壊学園』から始まり、『崩壊3rd』のアニメ調3Dアクションアクションが注目を集め、『原神』の世界的な大ヒットによってHoYoverseの名を轟かせた後、『崩壊:スターレイル』、『ゼンレスゾーンゼロ』と変遷を辿っている。

そして「音楽ライブ」でイメージするのは、やはりアーティストによる生歌唱のようなもの。だが、このライブはひと味もふた味も違う。何故なら“DJライブ”だからだ。

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Official DJ 「乙」

ライブの軸に置かれるのはアーティストの歌唱そのものではなく、DJがこの日のためにリミックスした『ゼンゼロ』のサウンドである。

オーディエンスの一体感を生み出すため、ビームによる照明とバックスクリーンの映像でホールを彩る。そこにDJがリミックスをシームレスに繋ぐことで、ライブはひとつのエンターテインメントに昇華されるのだ。

音、映像、光、DJのパフォーマンスとオーディエンスの熱量が溶け合うことで、ライブが完成する。『ゼンゼロ』の作中楽曲で会場のボルテージが上がっていく様子は、もはやいちゲーム作品の音楽ライブとは思えない空気感だった。

カメラを回す最中、周囲の熱気に圧倒されないようにするだけでも精一杯である。煽るDJ、荒れ狂うオーディエンス、必死にカメラの手ブレと戦う筆者。

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ゲストDJ DÉ DÉ MOUSE
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ゲストDJ rinahamu(苺りなはむ)

『ゼンゼロ』を体現するサウンドは、レトロでどこかチルい雰囲気の楽曲と、暴れるようなパンクロックの二面性で構成されることが多い。

それは『ゼンゼロ』のアングラ感に対して、社会規範に囚われない若者たちがローカルな価値観を共有するストリートカルチャーを掛けたかのようでもある。特にパンクロックなテイストは戦闘曲において顕著であり、ゲーム音楽で採用されやすいオーケストラ編成とは対極的だ。

これは単なる考察に過ぎないが、音楽制作チーム「Sān-Z STUDIO」のコンポーザー・Lei Sheng氏が「オーケストラが得意ではない」と公言(※『ゼンレスゾーンゼロ』公式YouTube「極限依頼 | Sān-Z音楽制作の舞台裏 第1期」より)していることが一因かもしれない。

また、制作チーム内で音楽の好みが似ている事情も大きいのだろう。作風を逸脱しない範囲の個性をコンポーザーたちが打ち出し、あの世界観に楽曲を寄せているのだろうと考えられる。

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ゆえに、作中の楽曲はテーマに合わせた個性こそあれど、総じてストリートカルチャーの空気を纏っている。また、どの楽曲にも印象的なリフレインが多く見られる。こうした音楽性は、DJがフロアを盛り上げるため場に合わせた曲に編集するという「リミックス」のクラブカルチャーと、抜群に相性がイイ。

まさにストリートカルチャー×クラブカルチャーの絶妙な調和といったところである。そんな批評寄りの興味と関心を抱いたところでふと思ってしまった。

「待って、これ本当にゲームの音楽ライブだったの?」と。それだけガチ目なDJライブだったのである。

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生『バーニング・ディザイア』でブチ上がるプロキシ。DJたちのパフォーマンスも皆最高にクールだった!

やはり『ゼンゼロ』楽曲のキャッチーさと記憶に残るフレーズの数々がライブ会場にいるプロキシの脳裏に焼きついているのか、皆ビートに合わせて超ノリノリ。的確なコールアンドレスポンスを返し続けている。特にリアクションが分かりやすかったのはバーニスのEP『バーニング・ディザイア』だろう。

楽曲を歌唱するアーティストのMesさんご本人がサプライズ的に登場し、会場は大盛り上がりである。MesさんとDJ 乙の2人でライブ会場を一気にバーニス色に染め上げたようだった。

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『バーニング・ディザイア』は、単純明快で口ずさみたくなるメロディラインの中毒性が堪らない反面、一度その沼にハマってしまうと脳内で無限ループされるという恐ろしい楽曲でもある。

「BURNICE!BURNICE!BURNICE!BURNICE!BURNICE!BURNICE!」

「GO!GO!」

夢中になれる曲の楽しさはもちろんのことだが、「今夜無事に寝られるだろうか。夢でバーニスが踊りにやって来ないだろうか」と不安が脳裏を過ぎる。HoYoverseも楽曲の力を分かっているからこそ、このMVだけはなぜか1時間耐久式である。

妄想エンジェルのEP『ReDreaming Angel』も大盛況だった。

本楽曲は今年1月23日に妄想エンジェルのアニメーションMVと共に公開され、SNSで一躍話題となった楽曲だ。ボーカルユニット「BPM15Q」と4s4kiが歌唱を担当している。

察しの良い方ならお気付きの通りで、DAY2のゲストDJであるrinahamu(苺りなはむ)さんがまさに「BPM15Q」の1人だ。そんな苺りなはむさんと、にかもきゅさんの2人でアニメーションMVをバックにライブパフォーマンスを行っている。

「えっ、DJもやるの!?スゲー!」

取材中、現地でその事情を知らなかったプロキシの声がどこからか聞こえてきた。まあ、無理もない。事前に知っていた筆者だって、手慣れた様子でゲストDJのバトンを譲り受ける苺りなはむさんには驚いた。

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「BPM15Q」
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にかもきゅさん
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苺りなはむさん

ライブパフォーマンスで言えば、ゲストDJ DÉ DÉ MOUSEのダイナミックな煽り方は、ライブの熱量を底上げするのに一役買っていたろう。クールなリミックスに合わせて、クラブ慣れしていないフロアのプロキシたちをも巻き込んでいく盛り上げ方は実に巧みだった。

あと、純粋にめちゃめちゃカッコいい。

全く別の世界、さながらホロウの中に飛び込んでしまったかのようなパフォーマンスがアツ過ぎた。

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ゲストDJの大トリを務めたのはボカロPとして名高い八王子Pだ。ライブ中はゲストDJでありながら、1人の『ゼンゼロ』プレイヤーとしてリセマラした思い出を吐露する場面も。プロキシたちの中でも一際人気のある楽曲『绝命舞曲』のリミックス版を選曲するところに、プレイヤーならではの説得力を感じた。

なお、ライブ後に投稿された八王子Pのポストによれば、本公演で披露したセットリストは「あえて遡っていくようなセット」だそうだ。

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DAY1・DAY2の二日間、あの特徴的なヘルメットを被りながらOfficial DJの役割をしっかりこなした乙氏もやはり凄い。乙氏はゲーム内でもNPCとしてあのアイコニックな姿で登場している。

プレイヤーであれば、その存在感から放たれる不思議な魔力を感じ取ることができたはずだ。曲の繋ぎやノレるリミックス、ファンが盛り上がるセットリストのラインナップと、どれを取ってもプロキシたちに刺さるものばかり。きっと『ゼンゼロ』の音楽ライブは、彼なくして語ることができないものだろう。

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なお、ライブ開演前には「妄想エンジェル」に扮した公式コスプレイヤーたちの撮影タイムが設けられていた。さらに、開場前の日中の時間帯においては、物販と合わせて野外撮影も可能であった。開演時間の数時間前から現地で待機していたプロキシたちは、ほんのちょっとだけその苦労が報われていたかもしれない。

今回の音楽ライブを終えた後、次は3月21日・22日の二日間でニューヨーク公演が控えているという。日本初のライブ公演は大盛況の内に幕を閉じたが、機会があればぜひまた日本国内での音楽ライブを開催してほしいところだ。

報告:本ライブで力を使い切ったため、夢にバーニスが登場することなく無事に就寝することができた。『バーニング・ディザイア』、最高!

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ライター
塵と埃と霞を食べて生きています。座右の銘は「寝なければ時間は無限」。

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