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ろくろを回してガチ陶芸→作った陶器で大乱闘!『Kiln』は自分で作る「創造」の喜びと相手の力作を粉砕する「破壊」の快感を同時に味わえるカオスなバトルゲームだった

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みなさん、ろくろ回してますか?

古今東西、人間の生活を支え、表現の手段となってきた「陶芸」。

なじみ深い概念である一方で、忙しい現代社会においては実際に粘土をこねて焼いて……という体験はなかなかできるものではないと思う。

ああ、おうちで手軽にろくろが回せたらなぁ……。

そこで今回紹介するのが『Kiln』。本作は、世にも珍しい陶芸を題材としたゲームなのだ。

『Kiln』レビュー・感想・評価:自分で作る「創造」の喜びと相手の力作を粉砕する「破壊」の快感を同時に味わえる_001

粘土をこねて、ろくろを回し、形を作って……

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色や装飾を付ければ、自分だけのオリジナル陶器のできあがり!

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さあ、バトルの時間だ。

試合開始のアナウンスとともに、マップに降り立つ陶器のアーマーをまとった精霊たち。

そう、本作はただの「陶芸シミュレーション」ではない。作成したオリジナル陶器を使用してPvPを行う「陶芸バトルゲーム」だったのである!

このたび、5月23日と24日の2日間にわたって京都みやこめっせにて開催中のインディーゲームの祭典・BitSummit PUNCHにてDouble Fine Productionsによる本作『Kiln』が、同スタジオによる『Keeper』とともに出展されている。

そこで本記事では、このゲームの魅力をお伝えするとともに会場にて行われた開発者へのインタビューも合わせてお届けする。

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取材・文/海ソーマ
編集/柳本マリエ

※この記事は『Kiln』の魅力をもっと知ってもらいたいDouble Fine Productionsさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。


こねて、回して、ツボづくり。指先で形づくる陶芸体験が楽しい

冒頭でもお伝えした通り、本作の最大の特徴は「自分で作った陶器で戦う」というユニークなゲームデザインにある。対戦について詳しくは後述するが、「4対4に分かれてお互いの窯の火を消し合う」という非常にシンプルなルール。

まずは陶器の作成だ。粘土をろくろの上に叩きつけ、回転するろくろの上で手のアイコンを操作して形を作っていく。誰もが一度は見たことがあるであろう、陶芸の基本動作だ。

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ドラッグの操作で粘土を伸ばしたり広げたりして理想の形を作っていくのだが、これがなかなかに絶妙な操作感。自分の指の動きに合わせてニュルーっと形が変化していく様子には、なんともいえない心地よさがある。

おもしろいのが、「このときに成形する形」によってできあがった陶器のパラメータやスキルが変化するという点。例えば、小さいツボを作れば小回りが利いて頑丈になる半面、窯への攻撃に使う水は少ししか運べない。いっぽう、大きなツボは大容量で水を運搬し一発逆転を狙えるが、動きが遅く打たれ弱い……といった具合に。

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さらに、陶器には「ボウル」や「コップ」「ボトル」などのカテゴリが設定されており、それぞれに応じたスキルが設定されている。

たとえば、「ボウル」は竜巻で相手を捕らえる「トルネード」のスキル、「コップ」は弾けるポップコーンを飛ばしてダメージを与える「ポップコーンブラスト」が使用できるのだ。いわば陶器の「クラス」である。

形が決まると、色付けや装飾を行うことができる。ここはプレイヤーのセンスの見せ所だ。

色は単色だけでなく模様付きのカラーも用意されており、装飾も注ぎ口や取っ手やフタなどを選択可能だ。さらにはステッカーでデコレーションすることも可能。これらのパーツや装飾品はゲームをプレイするごとにアンロックされていく仕様のようだ。

まさに「自分だけのオリジナル」を生み出せるのが本作の魅力。

公式トレーラーやストアページのスクリーンショットでも、多種多様な作例を確認することができる。やり込みプレイヤーなら、ものすごい作品を生み出せるポテンシャルがあるように感じた。目指せ、陶芸マイスター!

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(画像はSteam:Kilnより)

4対4のバトルは割って割られてのカオス合戦。「金継ぎ」で回復できるのがセンスよすぎ

さて、陶芸要素だけでもじゅうぶん楽しいのだが、自分だけの陶器が完成したらいよいよバトルに挑戦だ。

事前準備として、あらかじめ作成した陶器を「トップシェルフ」に3つまで登録して対戦に持ち出すことができる。要するに「手持ち」の陶器……いわば「ツボデッキ」を作成して対戦に臨むのだ。

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手持ちの陶器から使用するものを選ぶ

4対4のマッチングが成立したら、合計8人のプレイヤー(陶器のアーマーをまとった精霊たち)がステージに降り立つ。ステージにはバリエーションがあり、マグマがせりあがってくるなどの特殊なギミックがそれぞれ設定されている。

対戦のルールは非常にシンプル。ステージ上で入手できる「水」を貯めて相手チームの陣地である窯まで運んでいき、先に窯の火を3回消したチームの勝利というものだ。ざっくりとしたMOBAのようなイメージ……といえば伝わるだろうか。

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中央に見えるのが給水地。ここに立ち止まったり、右手に見える青い容器を破壊して水を入手する
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燃え盛る窯に水をぶっかけて消火する!

もちろん、ただ水を運搬していればいいわけではない。ステージ上では、そこかしこでツボたちがお互いを妨害し合うためボコスカ殴り合うことになる。パンチやジャンプ攻撃、上述したスキルを駆使し、邪魔な相手プレイヤーを “割って” やるのだ。

「陶器をガシャーンと割ってみたい」という全人類の夢(?)が叶う。

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本作のステージは、4対4という組み合わせにしては小さめの作りとなっている。そのため、基本的には常にプレイヤー同士の衝突が発生し、割って割られてを繰り返すカオスな様相を呈することになる。

それに加えてマグマがせりあがったり、脱出できない穴に敵とともに一定時間閉じ込められたりというステージギミックが加わるため、対戦はまさに「大乱闘」だ。

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プレイヤーが入り乱れる白熱のバトル。ちなみに味方チームは緑、相手チームは紫で表示される

丹精込めてろくろを回し作成したオリジナル陶器が見事なまでにパリンパリンと割られていくさまにはやや哀愁を感じなくもないが、同時に相手プレイヤーの見事な作品を渾身の一撃で破壊することに背徳的な快感をおぼえる自分もいる。

そんな「創造と破壊」の喜びを味わえるのが、本作の独特なゲームデザインのなせる業なのかも……。

そして、ここで注目してほしいのが本作における「回復アイテム」の仕様。陶器のアーマーは攻撃によりダメージを受けるとヒビが入ってしまう。そこで登場するのが、ステージ上に設置された金色のアイテムだ。これを入手することで、ヒビが修復され、ダメージが回復する。

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チュートリアルの一場面。ダメージを受けて体力が減少しピンチ。そこで金色のアイテムに触れると……
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「ヒビ」が修復されて体力が回復!

そう、「金継ぎ」である。

割れた陶器を修復し、新たに生まれ変わらせる日本の伝統技法がここで登場するのだ。陶器がモチーフのゲームで回復手段が金継ぎって、センスあり過ぎじゃない?

これだけをとっても、制作陣が本作に込めた陶芸文化へのリスペクトとデザインへの気遣いが見て取れるのではないだろうか。

以上、やや駆け足ではあるが『Kiln』のプレイの所感をお届けした。自分だけの陶器を作成し、割って割られての大乱闘を繰り広げるカオスな対戦ゲームの魅力が少しでも伝わったなら幸いだ。

本作はBitSummit PUNCHに出展中のほか、Xbox Series X|S、PS5、PC(Steam)にて販売中。繊細な陶芸の手触りと豪快な破壊アクションの両方が楽しめる独特なゲームデザインを、ぜひ体験してみて欲しい。

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こちらはプレイヤーを導く進行役のセラドンさん。いいデザインだ……

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編集・ライター
『The Elder Scrolls』や『Dragon Age』などの海外RPGをやり込むことで英語力を身に付ける。最も脳を焼かれたゲームキャラは『Mass Effect』のタリゾラ。 面白そうなものには何でも興味を抱くやっかいな性分のため、日々重量を増す欲しいものリストの圧力に苦しんでいる。
編集
幼少期からホラーゲームが好き。RPGは登場人物への感情移入が激しく的外れな考察をしがちで、レベル上げも怠るため終盤に苦しくなるタイプ。自著『デブからの脱却』(KADOKAWA)発売中
Twitter:@MarieYanamoto

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