2026年5月22日から24日まで、京都みやこめっせでインディーゲームの祭典「Bitsummit」が開催されている。
今年も国内外から多くの魅力的なインディータイトルが集っているが、この記事ではそんな数々のゲームの中からひとつ、ユニークなインディ音ゲーを紹介しよう。
タイトルを『Under A Groove』という、現在開発中のタイトルである。
本作のジャンルは、先ほども述べた通り音楽ゲーム(リズムゲーム)である。ゲームのシステムは極限までシンプル、画面に流れてくるノーツに合わせてタイミングを押すというスタンダードなもの。
さらに操作する方法はたった一つ、マウスの左クリックかコントローラーのボタンひとつのみ。音楽に合わせてそれらを押すだけという、非常にミニマルなゲームとなっている。
しかし、本作はもちろん「それだけ」のゲームではない。非常に単純なシステムながら、ある要素によって音楽ゲームとしての体験を非常にユニークなものにしている。
そこが面白いところなので、実際に遊んだ感想も含めその部分について少し説明させてほしい。
これはまさしく、「遊ぶMV」だ!
まずは本作の実際のゲームプレイ画面を見ていただきたい。
こんな感じである。
画面下部にある線とひし形のマークがいわゆる譜面部分だ。ノーツは左右から現れるが、真ん中に到着するのは同時なので実質一つだけとなっている。
さて、では譜面部分以外の、画面の大半を埋めるこのおしゃれな景色は?
これゲームのプレイ中に流れる背景的なものにも見えるが……これは、このゲームの(より厳密に言えばこの楽曲の)MVなのだ。
本作はなんと、楽曲ひとつにつき、曲を彩る豪華でおしゃれなMVがそれぞれひとつ用意されているのだ(というより、楽曲ではなくMVとしてそれぞれ用意されているという認識の方が近い)。なんともリッチな仕様だ。
オシャレだ……。
ゲームを遊びながら、MVも見られる。
実際にプレイしてみると、これは音ゲーの楽曲を遊んでいるというよりも、音ゲーの「MVを遊んでいる」という感覚に近い。
この新鮮な感覚こそが、冒頭に述べた本作の「おもしろい」部分である。もちろんMVは楽曲のタイミングに合わせて場面が切り替わったり動きが起こるので、音やタイミングに集中するのを阻害することもない。むしろ曲の展開にピッタリとハマって、まさにグルーヴを加速させてくれる。
今回遊んだ試遊版ビルドではシンセウェーブなMVやペンギンが冒険するMV、深夜のChillな時間を表現したMVなどさまざまなテーマがあったが、そのどれもが非常にオシャレでハイセンス。スクリーンショットを見て惹かれた人なら、まずウィッシュリストに入れて間違いない作品だろう。
音楽を聴きながら指をトントンしちゃう人へ
ところで思ったのだが、このゲーム、ある特定の人にはめちゃくちゃ刺さるかもしれない。
それはどういう人かというと、たとえば音楽を聴きながら指を机や太ももの上に乗せてトントンとリズムを取ってしまうような人である。随分具体的かつニッチな層だと思われるだろうが、実際こういう癖をもっている人は私以外にも多いんじゃないかと思う。
そういう人は間違いなくこのゲームをやるべきだし、確実にハマると思う。実際に指の動きがMVに反映される(順序としてはむしろ逆なのだが)ので、めちゃくちゃ気持ちいい。実際、私はプレイ中にかなりの量のドーパミンだかなんだかの快楽物質が、脳から分泌されている気がした。
そしてもうひとつ、実際に遊んで分かったことがある。
この画面下部にある、譜面のノーツが流れてくる部分が、だんだん要らなく感じてくるのだ。
実は、楽曲上でリズムを叩く部分と言うのは、ハッキリとMV上でも表現されている。例えば下のMVを見てみよう。
画面右側にオシャレな幾何学っぽい、あるいは路線図のようにも見える線の部分と時計のような図形が見えるが、実はこれは下にある譜面上のタイミングと完全に一致して動いている。先ほど「MVは楽曲のタイミングに合わせて場面が切り替わったり動きが起こる」と言ったが、これがその一例だ。
そして、ある程度ゲームに慣れてくると、下の譜面を見るよりもこちらの「MV上の動き」を見てボタンを押した方が楽しいことに気づいてくる。MVに「ノっている」感じがするのだ。
そして何より、下のノーツを凝視する必要がなくなってくるので、よりスタイリッシュなMVに集中できるという利点もある。おそらく完全に慣れきったら完全にMVだけでプレイすることもできるようになるだろう。そうなれば、爽快感もひとしおではないだろうか。
システム自体のユニークさと快楽性、MVのセンス、これらに惹かれた方はぜひ注目したいタイトルだろう。




