Playground Gamesによる新作ゲーム『Fable』。本作は、かつてXboxおよびXbox 360向けに発売されていた名作RPGのリブート作となる。
このたび、ドイツ・ケルンにて開催中のゲームイベント「gamescom 2026」において、本作のメディア向け試遊がお披露目となった。
本作が発表されたのは、2020年のこと。じつに6年の月日を経て、ゲームプレイを実際に体験できる機会がやってきたというわけだ。
聞けば、今回のデモでは戦闘の模様を体験できるとのこと。『Fable』らしい「剣と魔法」を駆使したプレイスタイルで楽しんでいたのだが、ふと気づくと……
そこには、マシンガンのようにクロスボウを連射する勇者の姿があった!
ファンタジーRPGなのに、まさかの「TPS要素」の登場である。しかもこれがなかなか良い操作感で、エイムからのヘッドショットを決めて気持ちよくなることもできてしまうのだ。
そんな、戦闘の幅広さを垣間見れたgamescom会場での『Fable』試遊レポートをお届けする。
いざ、アルビオンへ!
剣・魔法・遠距離の3軸を使いこなす戦闘。でもクロスボウの使い心地が良すぎる
さて、前述のとおり、今回のデモでは『Fable』の戦闘場面がお披露目となった。
本作の戦闘で軸となるのは「近接」「魔法」「遠距離」の3要素。どれかの要素に特化するビルドも可能とのことだが、どちらかといえばこの3要素をバランスよく使い分けていくと効率の良い戦い方ができそうな感触だ。
たとえば、近くによってきた敵は迷わず近接武器で攻撃し、続いてやや遠くからコチラに近づいてくる敵を弓矢で足止めしたり、魔法で吹き飛ばして撃破したりといった感じ。
用意された装備では、近接武器がハンマーになっていた。ゆっくりめのモーションだが当たれば強い、そして強攻撃を長押しすれば「溜め攻撃」も可能という、ハンマーと聞いてイメージしやすい操作感だ。
今回の試遊で登場した敵はガイコツの亡霊たち。重たい連続攻撃で骨をバカスカ砕く感触が気持ちいい。それにしても、初めての戦闘お披露目で出されるのがオーソドックスな剣ではなくムキムキハンマーなところにどことなく『Fable』らしさを感じるのは自分だけだろうか……。
魔法攻撃は、敵に火の玉をぶん投げたり雷を落としたりなど分かりやすい攻撃魔法から敵を強制的に浮遊させてから地面に叩きつけたりなど、テクニカルなものも用意されている。
中でも筆者が気に入ったのは、魔法のブレードを敵に発射する魔法。シンプルにカッコイイし、過去作からの続投であるという点がアツい。
こんな風に近接攻撃と魔法の組み合わせで戦うだけでも十分強いのだが、さらに紹介したい第3の要素が「遠距離攻撃」だ。弓などの武器がこのカテゴリーにあたる。
操作はコントローラーの左トリガーでエイムして右トリガーで発射という、シューティングゲームではおなじみの組み合わせ。
ただ、弓を使っているときは「派手さや爽快感では近接か魔法のほうが上かな〜」という印象だった。確かに分かりやすくて良い触り心地なのだが、コンボを決めたり敵をふっ飛ばしたりというようなことは起きないため、快感を求める筆者はついつい近接攻撃メインの立ち回りをつづけていた。
しかし、そんな第一印象は、たった15分ほどでひっくり返されることになる。
今回、じつは2通りの装備セットを試すことができた。デモがいったん終了したところで2周目を開始すると、異なる装備・ビルドの主人公で遊び直すことができたのだ。
そして、この2周目の装備で登場したのが「クロスボウ」である。史実のように装填に時間がかかる代わりにダメージが大きいみたいな感じかな? と思いつつトリガーを引いてみると……
ズガガガガガッ
いや、連射式かよ!
こうなるともう完全にTPSの領域である。肩越し視点でクロスボウを構えつつ移動し、敵が現れたら照準エイムしてヘッドショットを狙う……まさか、ファンタジーRPGの試遊でシューティングの腕を試されるとは思ってもみなかった。
ところが、このクロスボウの使い心地が本当に良いのだ。照準を合わせれば狙った箇所にスッと発射して良いダメージを稼いでくれるし、弱い敵ならヘッドショットで一撃キルも可能。連続で敵を倒したときなどは、どこからか「ダブルキル!」というアナウンスが聞こえてきそうになる。
まさに気分はマークスマン。2周目のプレイ中は「近接で良いじゃん」という場面でもついついクロスボウで戦ってしまう自分がいた。まさか、たった15分で好みを変えられてしまうとは……製品版の作り込みに対して、期待の高まる試遊体験となった。
開発者Q&A
ここからは、試遊後に行なわれたアソシエイト・ゲームディレクターのWilliam Kennedy氏とCraig Littler氏の両名を迎えてのQ&Aセッションの模様をお伝えしていく。
──今回、まったく異なる2つのスタイルを見ることができました。プレイヤーはキャラクターのビルドをどの程度コントロールできるのでしょうか。
William Kennedy氏(以下、William氏):
先ほどお話ししたことですが、戦闘において我々が持たせたかった重要な要素のひとつが、自分がなりたいヒーロー像を自由に表現できるということでした。(gamescomにて実施された)シアターでのプレゼンテーションでもお話ししたのですが、その表れはクエストでの選択や、そこで得られる評判(レピュテーション)、選択の結果といった形でも見ることができます。
戦闘についてもそれは変わりません。皆さんが見たのは、あり得るロードアウトのうちのふたつにすぎないんです。ロードアウトは近接武器、遠距離武器、呪文、そしてアビリティ、さらに上昇させられる基礎ステータスといった構成要素からできています。ゲームを進めるにつれてその選択肢を増やしていくことができますが、それらの構成要素は好きなように組み合わせて構いません。近接武器、遠距離武器、呪文のセットは必ず装備する必要がありますが、それぞれの枠に何を入れるかは完全に自由です。
──今回は見ることができなかったと思うのですが、武器のアップグレードや新しい武器の入手、そしてダメージ量はどうなっているのでしょうか。単に数値が上がっていくだけなのでしょうか、それとももっと別の何かがあるのでしょうか。
William氏:
プログレッションにはいくつかの側面があります。呪文やアビリティ、先ほどお話しした基礎ステータスの一部については、スキルツリーがあります。プレイして得たスキルポイントをそこに割り振っていく形です。ツリー内のスキルとアビリティはすべて、複数回アップグレードすることができます。
さらに武器のプログレッションもあります。ゲーム内のすべての武器がそれぞれ固有のアップグレードの道を持っていて、そのためのリソースもゲーム内で入手できます。経験値オーブがそれにあたりますね。それと消費して武器を強化するアイテムもあります。
アップグレードについてもうひとつお話ししておきたいのは、アップグレードをしたときに記憶に残るような変化があってほしい、と我々が強く考えている点です。今プレイしていただいたデモの中に例があり、私個人のお気に入りでもあるので話したいのですが、それがリフトの呪文です。
リフトの呪文は、最初に入手した時点では持ち上げることしかできません。ですがアップグレードすると、持ち上げたものを地面に叩きつけられるようになります。これがアップグレードによる追加要素です。

── 近接・魔法・遠距離と3種類の攻撃を使いましたが、特定の攻撃だけを使う、あるいは呪文だけを使うといったこともできるのでしょうか。
William氏:
戦闘について我々がお話ししている主要なコンセプトのひとつに立ち返ることになりますが、それが「スタイル・ウィービング(style weaving)」の戦闘で、これは我々がつけている呼び名です。何が面白いかというと、たくさんの異なるアクションを持ち、自分が選んだどんな構成でも、好きな順番で自由に、そして簡単に行き来できるという点です。
もちろん、ロードアウトの中の特定の部分に寄せたプレイをすることはできますし、やりたければそうしていただいて構いません。ですがこのシステムは、今申し上げたように流れるように、多くの異なるアクションの間を織り交ぜていくことを前提に設計されています。
──このデモではハンマーを使いました。ゲーム本編では他にどのような近接武器が登場するのか教えていただけますか。
William氏:
ほかにも近接武器はありますし、ゲーム全体では多彩な近接武器、そして遠距離武器があります。呪文もあります。
ひとつ例を挙げるなら、シアターでのプレゼンテーションで、ヒーローが剣を使っているのを見ていただけたと思います。ロードアウトの他の部分についてもそうです。ロードアウトに入れられるものをすべて挙げていくようなことはここではできませんが、自分のプレイスタイルを反映し、戦闘で自分自身を表現できるだけのバリエーションはあります。

──本作はかなり古典的なフランチャイズのリブートです。この戦闘システムを設計するにあたって、旧作を振り返って「これとこれとこれは残そう」「ここはアップデートしよう」といった話をしたのでしょうか。両者の間で引き継がれているものとしては、どういったものが挙げられますか。
William氏:
少し前の話から始めます。まず申し上げたいのは、我々は過去の作品を愛しているということです。非常に多くの人に愛されたフランチャイズのリブートを手がけられることを本当に光栄に思っていますし、スタジオ内でもあの作品群は愛されています。実際、チームの多くのメンバーが本作に携わっている理由の多くは、過去作品への情熱と愛情にあります。ですから我々はそれを非常に真剣に受け止めています。
そのため我々が必ずやろうとしたことのひとつが、いつも「Fableというゲームの心と魂(heart and soul)」と呼んでいるものを理解することでした。そこにはいくつかの要素があります。
ウィットとユーモアを伴った「英国らしさ」がありますし、おとぎ話的なトーンもあります。軽やかでありながら、暗さも表現できる。だからこそ、体験したときにその対比をより強く感じられるのです。そして、先ほど選択についてお話ししたような自由さがあります。それらの要素はゲーム全体を通して見ることができますし、今日のデモの中でも、特にロードアウトを自分で組み立てるという自由の部分で感じていただけたはずです。
戦闘に関してもうひとつ考えたのが、過去作品には戦闘の「とっつきやすさ」というレガシーがあるということでした。そこも我々がしっかり考えた点です。その結果としてたどり着いたのが、本作のスタイル・ウィービングです。
それぞれのアクションの間を非常に簡単に、なめらかに移動できるようにしたのは、戦闘をできる限り容易に、そしてできる限り気持ちよくしたかったからです。皆さんがプレイしているのを見ていて、たくさんのアクションを織り交ぜながら、しかも素早くこなしているのが見えました。それは我々が望んでいたことで、とっつきやすくあってほしいと考えていたんです。
ですから、そこは本当に誇りに思っています。原典に忠実なものを作ることができたと思いますし、同時に、現代のゲームのトレンドにも合っていて、なおかつ我々自身の声で語られているものにもなったと思うからです。そこも我々が最善を尽くしたいと思っている部分です。

Craig Littler氏:
付け加えるなら、『Fable』のもうひとつの重要な要素としてユーモアがありますね。コア、DNAについてはよく話しますが、ユーモアはまさにオリジナル作品の中心にあったものであり、我々もゲームのあらゆるシステムに全力で取り込んできたものです。実際、戦闘の中にもそれは表れています。
ガイコツの敵の脚を撃ち飛ばしても、彼らは這いながらこちらに向かってきます。頭を撃ち飛ばすと、どこへ行けばいいのか分からなくなりますが、それでも追いかけてきます。
さらに進んだ例として、何人かの方がチキンの呪文を使っているのを見ました。あれは私個人のお気に入りです。敵をニワトリに変えることができ、アンデッドの敵はアンデッドのニワトリになります。戦闘やほかのシステムのあちこちにこうした軽やかさが垣間見えることが、本作の心と魂をよく表しています。ですから我々にとっては、そのDNAをひとつにまとめ、原点の精神に忠実なゲームを作るということなのです。
William氏:
ニワトリの話をされて、私もさらに興奮してきました。なので付け加えさせてください。ほかにもこうした細かい工夫があります。敵をニワトリに変えた状態でファイアボールを当てると、ローストチキンになります。これは素晴らしいですよね。
ほかにも組み合わせによる相乗効果があります。先ほど言ったように、私のお気に入りのひとつがリフトの呪文です。敵をニワトリに変えて、それを持ち上げると、宙づりのままバタバタと羽ばたきます。そしてニワトリから敵の姿に戻った後もしばらくの間、まだ自分がニワトリだと思っているかのように腕をバタバタさせます。
そしてその間、彼らは攻撃に対して無防備な状態になります。ここが、軽妙さを持たせつつも、奥深さと戦術性を犠牲にしていない部分ですね。こうした要素を細かいディテールにまで落とし込みつつ、同時に、戦闘に求めている幅と奥行き、戦術性も保てたことを、私は本当に嬉しく思っています。
──善と悪による呪文の変化のような仕組みは残すのでしょうか。オリジナル版では、プレイヤーが善か悪かによって、呪文のコストが変わるものがありました。かなり悪寄りのキャラクターだと回復呪文の消費が大きくなる、といったように、消費するウィルパワーが増えていましたよね。それは本作でも関係してくるのでしょうか。
William氏:
もちろん、本作にもモラリティ(道徳性)はあります。我々なりの解釈があり、それはモラリティの主観的な性質というものです。レピュテーションシステムを通じて、プレイヤーはゲーム内でさまざまな選択を行い、評判を獲得していきます。そしてNPCたちは、それぞれ違ったふうにプレイヤーを捉えます。
ですが、それはあなたがおっしゃったような形で戦闘システムと結びついてはいません。モラリティによって、戦闘における表現に制約がかかることはありません。
一方で、戦闘とモラリティとの間につながりはあります。それは、戦闘のアクションをゲーム内のすべての村人に対して使えるという意味においてです。
街の真ん中に行って、先ほど話した宙づりにする呪文を使うこともできますし、やろうと思えば彼らを攻撃し始めることもできます。そしてそれには結果が伴います。暴力的な人物、あるいは殺人者として知られるようになるかもしれません。そして集落に戻ると、それについて異なる意見を持つ人々がいるのです。
多くの人はそれを理由にあなたを嫌うでしょうし、なぜ嫌うのかについては、それぞれの道徳観を反映した理由を口にします。ですが中には、それゆえにあなたを気に入る人もいます。ですから、そうした行動をとったときには、非常に豊かな結果のセットが起こり得るのです。

今回、いよいよそのベールを脱いだ『Fable』のゲームプレイ。そこで体験したのは、剣と魔法、さらには遠距離武器も駆使したバラエティのある戦闘だった。
Q&Aで語られたとおり、本作はその3つの要素を状況に応じてスムーズに使い分けるというつくりになっている。ただ、これも開発者が語った通り、自由なアルビオンの世界でどう戦い、どう生きるかはプレイヤー次第だ。個人的には、やっぱりクロスボウの使い心地が忘れがたい。モンスターをシューティング感覚で撃ち倒していくのが想定外に楽しく、ヘッドショットを連続で決めたときは脳汁が出た。
主人公はキャラメイクやビルドの構築が可能な本作。製品版が発売された暁には筆者の勇者は遠距離特化ビルドでクロスボウ片手に世界を救っているかもしれない……
『Fable』は、Xbox Series X|S、Xbox on PC、Steam、PS5向けに2027年2月23日発売予定だ。







