『FINAL FANTASY XV』のリードデザイナーを務めたワン・ハズメー氏が率いるMetronomikは、アクションアドベンチャーゲーム『No Straight Roads』を2019年春に発売することを発表した。対応プラットフォームはPCとPlaystation 4。ゲームプレイと開発記録を収録した日本語字幕が表示可能な新しいトレイラーも公開している。
『No Straight Roads』は、ビデオゲームにおける音楽の可能性を音ゲー以外に広げることと、インパクトのあるビジュアルを通じてさまざまな音楽のストーリーを語ることを目的として開発されている。音ゲーが大好きだというハズメー氏が、習熟が必要で難しいと思われがちな音ゲーを、さまざまな人が楽しめるような形でゲームにすることを目指す。
音ゲーといえば、曲に合わせて落ちてくるノーツに対応したボタンをタイミング良く押すといったものが一般的だが、『No Straight Roads』は必ずしもリズムに合わせてアクションをする必要はない。プレイヤーは普通のアクションゲームのように、好きなタイミングで敵を攻撃し、ジャンプし、移動することができる。
一般的な音ゲーのノーツに相当するのが敵の攻撃だ。敵は音楽に合わせて攻撃を繰り出してくる。音ゲーを何度もプレイし続けると、その曲を聞けばなんとなくどんなタイミングでノーツが落ちてくることがわかるように、本作も曲に慣れてくれば聞くだけで敵の攻撃のタイミングや種類がわかるようになる。
『No Straight Roads』の主人公は、インディーズロックバンド「Bunk Bed Junction」のふたりだ。音楽を支配するEDM帝国の街で、帝国の支配を逃れて地下で生活している。彼らの戦いは、EDM帝国のアーティストたちのライブをジャックするという形で行われる。
ひとつの音楽に対して3つのジャンルが用意されており、プレイヤーのパフォーマンスによって音楽がシームレスに変化していく。主人公たちが優勢になっていくと、音楽が徐々にロック調に変化していくと言った形で戦いの状態を示していくのだろう。
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コンセプトアーティストには、これまでグラフィティアーティストとしてマレーシアで活動してきたエリー・ヨン氏を起用。ゲーム全体の雰囲気や質感をデザインしている。ヨン氏を筆頭にしたアーティストチームがビジュアル面でゲームのストーリーを演出し、音楽とともに、アーティストになること、そして「なぜ音楽を演奏するのか」を問うストーリーになるという。
『No Straight Roads』を開発するMetronomikはマレーシアのクアラルンプールに拠点を置くインディーゲームスタジオだ。『FINAL FANTASY XV』でリードデザイナーを務めたワン・ハズメー氏と、『ストリートファイターV』のコンセプトアーティストを務めたダイム・ゼィアウディン氏が2017年12月に共同で設立した。すでにいくつかのゲームショーにて本作は出展されており、台北ゲームショーではインディーゲームアワード・ベストオーディオ賞を獲得している。
音楽によって世界を変える、というコンセプトと音ゲーに親しみが無くてもプレイしやすい音ゲーというゲームプレイにピンと来た方は、ぜひ本作の発売を待っていてほしい。
ライター/古嶋誉幸