Devolver Digitalは、同社がNintendo Switchでリリースしてきたゲームのなかで、『Katana Zero』が最大の予約数を達成したと報告した。『Katana ZERO』は日本でも4月18日からNintendo SwitchとPCで、日本語にローカライズされて配信がはじまっている。
Dang, Katana ZERO is our most pre-ordered Nintendo Switch game so far!
— Devolver Digital (@devolverdigital) April 17, 2019
Thanks for all the support of @askiisoft’s upcoming masterpiece!
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『Katana ZERO』は殺し屋稼業をしているサムライ「ドラゴン」が、依頼主から命令されるミッションに応じてターゲットを殺害していく2Dアクションゲーム。主人公は時間ドラッグを服用しており、ゲーム中の時間進行を遅らせることが可能。また敵に殺されてしまっても、時間を巻き戻してステージの最初からやり直すことができる。テープを巻き戻すような演出を加えたスタイリッシュなアクション性は非常に魅力的だ。
アクションと共に、本作はストーリーもかなり重視されている。ドラゴンは毎夜、子どもの頃に経験した悪夢にうなされている。この悪夢について、仕事の依頼主である謎の人物がドラゴンを診察しているのだが、この人物に協力するか、非協力的な態度を取るかでストーリーが変化していく。なぜドラゴンは人を殺しているのか、この依頼主は何者なのか、悪夢の正体は何なのか。ゲームが進行するにつれ、これらの謎も解き明かされていくだろう。
また本作においては、近未来を舞台にした都会の喧騒の雰囲気が抜群だ。一仕事を終えて、自分の汚い安アパートに帰ると、ゲームはそこに優しいピアノのBGMが乗っており、夜の戸張の雰囲気を演出してくれる。だが、隣では日夜、音楽をかけっぱなしにする隣人がおり、完全には安らぎを得られず、いかにもサイバーパンクなうらぶれた感じだ。テレビをつけると自分が殺した相手がニュースになっており、物語の世界観が少しだけわかってくる。ハーブティーを飲んで就寝するのがドラゴンの日課だ。そして、アパートで出会う一人の少女との交流……。
記事執筆段階では、Nintendo Switch版がメタスコア83、ユーザースコアが8.5、PC版がメタスコア82、ユーザースコアが8.8と8~9あたりを推移しており、評価も上々だ。日本版もローカライズは非常によく出来ているので、これから日本プレイヤーの感想もたくさん出てくるだろう。
Devolver Digitalは2009年にテキサス州オースティンに設立したインディーゲームを中心としたパブリッシャー。『ホットライン・マイアミ』を世に送り出したことで一躍注目された。E3のプレカンファレンスでは、そのカンファレンス自体をパロディ化した過激なパフォーマンスは、毎年話題にあがる。
今回、前述したように同社がNintendo Switchで送り出したゲームのなかでもっとも予約数が多いということは、同社がNintendo Switchで発売した『The Messenger』、『Minit』、『Downwell』を超えたことになる。もちろんこれらがPC、PS4、Xbox One、スマートフォンなどで多角的に展開しているのに対して、『Katana ZERO』が今のところPCとNintendo Switchしか展開していないのは留意すべきだが、また新たな代表作を作ったことは確かだろう。
ライター/福山幸司