ドミトリー・グルホフスキー氏の小説『Metro 2033』を原作とした映画がロシアのTNT-Premier Studios Company、TV-3 Channel、Central Partnership Film Companyによって制作されることが決定した。海外メディアVarietyが報じている。2020年1月より撮影が開始され、2022年1月1日にロシアで公開予定だ。
『Metro 2033』は核戦争によって地上に住めなくなった人類が、地下鉄駅を拠点としながら地下でほそぼそと生活する崩壊後の世界が舞台だ。変異した凶暴なクリーチャーやダークワンズと呼ばれる正体不明の敵の影に怯え、共産主義者やネオナチといったイデオロギーとも戦いながら、主人公アルチョムが地下世界に潜む謎に触れるというストーリー。
ゲームファンにとって『Metro 2033』といえば、現在最新作『Metro Exodus』がリリースされた人気FPSフランチャイズだ。映画と同じく小説『Metro 2033』を原作としている。
ゲームでは超人のような活躍をする主人公アルチョムだが、小説ではヒーローでもなんでも無いただの青年だ。登場人物の性格も大きく違っているため、ゲームだけを知っていると映画を見て驚くかもしれない。
原作のドミトリー・グルホフスキー氏は自身の初の小説である『Metro 2033』を任せるに足るチームになかなか出会えず、多くの映画化オファーを受けながらも断り続けたと語る。グルホフスキー氏は映画でクリエイティブ・プロデューサーとして、映画制作に関わるという。
プロデューサーの1人であるヴァレリー・フェデロビッチ氏は海外メディアVarietyに対して世界中のSFファンやゲームファンに愛された作品を、ロシア国内外でプロモーションや製作に莫大な投資をする予定だと語っている。
2018年には、設定をモスクワからワシントンDCに変更した映画『Metro 2033』の製作が中止となったことも記憶に新しい。海外メディアVG247によれば、アメリカナイズされた『Metro 2033』では原作の良さが再現できないことにより断念されたという。本場ロシアでロシアを舞台にした作品が映画化されるということで、原作の良さを存分に生かした映画になることを期待したい。
ライター/古嶋誉幸