TYPE-MOONが社内に新スタジオ「TYPE-MOON studio BB」を設立。スタジオディレクターには『Fate/EXTRA』、『ドラゴンクエスト ビルダーズ』の新納一哉氏が就任

 TYPE-MOONは、新たなゲーム開発を行う新スタジオ「TYPE-MOON studio BB」を設立したと発表した。スタジオディレクターには、『世界樹の迷宮』『Fate/EXTRA』『ドラゴンクエスト ビルダーズ』を代表作に持つ新納一哉氏が就任する。

 発表に合わせて公式サイトがオープンしており、プログラマー、アートデザイナー、ゲームデザイナー、プロジェクトマネージャーの人材募集を開始している。公式サイトに寄せられた新納氏のメッセージによると、今後は外部デベロッパーと強力して中規模から大規模の3Dゲーム、社内で開発する小規模の2Dゲームを2本の柱に進めて行くという。

 新納氏といえば、『ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島』の開発終了を迎え、7年間勤めていたスクウェア・エニックスを退社。今後の動向が注目されていたが、新スタジオ「studio BB」の設立と共に、今後はTYPE-MOONに所属することが正式に発表された形だ。

(画像は「ソフトウェアカタログ『フェイト/エクストラ PSP® the Best』より)

 過去にPSP用『Fate/EXTRA』のプロデューサーを務めたことがある新納氏。もともとTYPE-MOONの『月姫』に羨望の眼差しを向けるほど夢中になり、設定資料集『月姫読本』を買い求めるため、イベントでTYPE-MOONブースに並んだほどだったという。のちにアトラスで制作した『世界樹の迷宮』で成功を収める新納氏だが、その後、イメージエポックに移り『Fate/EXTRA』の制作に着手した。

 これは新納氏がTYPE-MOONに企画書を持ち込んだことにより、開発されたものである。TYPE-MOONは外部からの持ち込み企画には、安易に承諾しない方針だったが、企画書には従来の『Fate』シリーズの概念を破壊すような「近未来」といった設定や、すでに「赤セイバー」がイラスト付きで描かれていたという。こうして野心に満ちた企画にほだされたTYPE-MOONは、『Fate/EXTRA』の開発を決意。新納氏はプロデューサーとして活躍した。

(画像はPS Store『ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ』より)

 その後、スクウェア・エニックスに移った新納氏はサンドボックスタイプの『ドラゴンクエスト』を制作したいと提案。こうして完成された『ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ』、『ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島』はユーザーから高い評価を得る。新納氏は両方の作品ともディレクターを担当したが、『ドラゴンクエストビルダーズ2』の開発終了にあたっては「やや燃え尽きた」という。

 こうして新天地TYPE-MOONに正式に所属し、『Fate/EXTRA』以来、再びTYPE-MOONと組むことになった新納氏。『ドラゴンクエストビルダーズ』でシナリオを担当した塚田耕野氏も、「studio BB」も所属することが明かされている。今後は、外部デベロッパーと強力して中規模~大規模の3Dゲーム、社内で開発する小規模の2Dゲームとのことだが、スクウェア・エニックスでさらに磨きをかけた新納氏の経験が、新スタジオでも存分に活かされそうだ。

 以下、公式サイトに寄せられた新納氏のコンセプトと、TYPE-MOONの代表・武内崇氏、シナリオライターの奈須きのこ氏のメッセージを転載する。

コンセプト

 

studio BBは、TYPE-MOONが新たなゲーム開発に挑戦するために設立した新スタジオです。
武内崇、奈須きのこはもちろん、多くのクリエイター、パブリッシャーと協力しTYPE-MOON世界の魅力を、多種多様なゲームとして皆さんにお届けできたらと思っています。

 

studio BBは、外部のデベロッパーと協力して開発する中規模~大規模の3Dゲームと、社内で開発する小規模の2Dゲームの2つの柱で開発を進めていく方針です。 

 

スタジオディレクター 新納一哉

 

メッセージ

 

武内崇(TYPE-MOON 代表)
新納さんとはじめてお会いしたのは、10年ほど前になります。
「この企画を見てください」とFate/EXTRAの企画書を手渡された時の衝撃は、
未だに忘れることが出来ません。
それは奈須きのこ、そしてTYPE-MOON作品へのラブレターであり、挑戦状であり、
そして冒険へ誘う地図でした。
私達TYPE-MOONにとって、新納一哉は黒船です。
新天地より現れて、変革をもたらす冒険者。
彼と共に、新しいTYPE-MOONが始まります。
あの時と変わらない、冒険の地図を広げる新納さんの笑顔に、今はワクワクが止まりません。

 

奈須きのこ(TYPE-MOON シナリオライター)
それは誰もが知る定番の冒険譚でありながら、おかしな視点を持つ語り部による物語だったり。
多くの人々が通った足跡だらけの道筋なのに、誰もが見落とした風景を捉えるカメラだったり。
新納一哉が作るゲームには、いつもそんな驚きと発見、挑戦がありました。
そして自分が好むゲームは、今も昔もずっと、そういうものだったのです。
やっと少年の頃に見た夢に追いついた。
今はそんな気持ちでいっぱいです。
「いつか何の緩衝材もない環境で一緒にゲームを作りたい」
数年前に交わした夢物語が奇縁の果てに実現しました。
間違いなく、『studio BBの立ち上げを喜んでいるランキング』トップ5に入るのは自分です。
でも『studio BB』って……嬉しいけど……BBって……(笑)

ライター/福山幸司

ライター
福山幸司
85年生まれ。大阪芸術大学映像学科で映画史を学ぶ。幼少期に『ドラゴンクエストV』に衝撃を受けて、ストーリーメディアとしてのゲームに興味を持つ。その後アドベンチャーゲームに熱中し、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がオールタイムベスト。最近ではアドベンチャーゲームの歴史を掘り下げること、映画論とビデオゲームを繋ぐことが使命なのでは、と思い始めてる今日この頃。
Twitter:@fukuyaman
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