イタリアのデベロッパー「Fantastico Studio」は、日本では1983年に公開された映画『食人族』(英題『Cannibal Holocaust』)のシリーズ続編となるゲーム『Ruggero Deodato, Cannibal』を発表した。2020年11月に発売予定。対応プラットフォームはPlayStation 4、Xbox One、Switch、PC、そしてスマートフォン。価格は未定だ。
映画『食人族』はイタリア人のルッジェロ・デオダート監督が制作を指揮したカルトホラー映画だ。作中では、ジャングルに入った探検家たちが残虐な行為を繰り返し、それによって原住民たちに復讐される物語が描かれている。
『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』で幅広く知られるようになったフェイクドキュメンタリー手法をとっており、本作は「その内容から焼却を命じられたフィルムが流出した」という設定になっている。映画は強姦や動物虐待、食人といったタブーがテーマとなっており、娯楽として本当の殺人を撮影した「スナッフフィルム」だと宣伝されたため、本当に起きた事件だと勘違いした観客が続出したと言われている。
今回発表されたゲーム化作品は、ルッジェロ監督の食人3部作である1977年の『カニバル』と1980年の『食人族』、そして1985年の『サバイバル・ショット/恐怖からの脱出』に続くシリーズ4作目に位置づけられている。
現時点でゲーム自体の詳細は明かされていないが、『食人族』の監督であるルッジェロ・デオダート氏が監督と脚本を務めることが明らかにされている。ゲームはUnityを使ったインタラクティブホラーグラフィックアドベンチャーとされ、イラストはイラストレーターのソロ・マルチェロ氏が担当する。
舞台はボルネオの原生林。プレイヤーは異なるキャラクターを操作しながら、彼らがこの絶望的な遠征に赴いた理由を探り、物語の結末を目指す。ティーザートレイラーにはカメラマンやリポーターと思われる女性が描かれており、彼らが主人公なのだと思われる。
日本でも「食人族」といえば串刺しになった女性を連想する方は多いのではないだろうか。シリーズは35年振りの復活となっており、さらに新作がゲームになるというのはかなり意外な展開だ。タブーを描きながら野蛮の本質を描こうとしていた映画の続編は、はたしてどのような作品になるのか。今から興味が尽きない。
ライター/古嶋誉幸