世界的に大ヒットしたアドベンチャーゲーム『MYST』の映画、テレビシリーズ化の企画が進行していると、業界メディアDEADLINEが報じた。『マトリックス』シリーズを手掛けたことでも知られるヴィレッジ・ロードショー・ピクチャーズが制作を手掛け、脚本には『マイティ・ソー』や『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』の脚本家が起用されるという。
『MYST』は1993年に発売されたアドベンチャーゲーム。幻想的な孤島を舞台にパズルを解いていくゲームで、プリレンダされた画像による美しいグラフィックが特徴。この画像は静止画だが、水面など、一部を動画として再生することによって、動きのある世界を表現していた。パズルはヒントが少なく、非常に難解なことで知られている。
神秘的な魅力に溢れた『MYST』は、世界中で600万本を超える大ヒット。この記録は2002年に『シム・ピープル』に抜かれるまで、PCではもっと売れたタイトルの記録だった。シリーズ累計では1500万本を突破している。
『MYST』の映画、テレビシリーズ化の報道は昨年の7月にも報じられており、そのときはヴィレッジ・ロードショー・ピクチャーズが映画化権を獲得したというニュースだった。今回は、『マイティ・ソー』や『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』の脚本家であるアシュリー・エドワード・ミラー氏がパイロット版のシナリオを執筆することが判明し、本プロジェクトが順調に映像化に向けて進行中であることが明らかになった。
この『MYST』の映像化は、ゲームのストーリーや世界観に基づきつつ、映画、テレビシリーズを横断するマルチプラットフォームのユニバース的な構造にしたいという。なお、原作ゲームを開発したランド・ミラー、ロビン・ミラーもこの映像化の企画に参画しており、プロデュースを行う。
説明がほとんどされず謎が謎を呼ぶ本作のスタイルが、意外にもテレビシリーズに向いているかもしれない。なお『MYST』は、27年前のゲームだが現在ではiOS版とPS版がゲームアーカイブスで気軽にプレイが可能。Steamでもプレイできるが、こちらは日本語化されていない。日本人を含む、なぜ当時の多くの人が、このゲームに取り付かれたのか。映像化の機会に、プレイしたこない人は触ってみてもいいのかもしれない。
ライター/福山幸司