ラスベガスに拠点を置くゲームデベロッパーのEQ Studiosは、事件捜査アドベンチャー『Scene Investigators』の体験版をSteamにて配信した。正式リリースは2021年を予定している。
『Scene Investigators』は、事件現場に残された証拠を探し、そこから事件が起きた特殊な状況を推理するゲームだ。本作は探偵を題材にした映画やトゥルークライムジャンル、エスケープルームパズルが好きな方のための「演繹推論ゲーム」と表現されている。演繹推論とは、一般的な前提から特殊な状況を推し量ることである。
体験版でプレイヤーは「シーンインベスティゲーター(科捜研)見習い」として、男女5人が集まったパーティで起きた殺人事件を調査することになる。
探索範囲はキッチンとリビングのみ。参加者が書き残したメモ、ゴミ箱に捨てられている薬の空き瓶、名刺といったわかりやすい証拠から、ワイングラスに残った口紅の跡のようにしっかりと現場を観察しなければ分からない証拠もある。
ゲームの最後には、それらの証拠から誰が死亡したのか、誰が殺したのかといった5つの設問に答え、評価を受ける。
なおストアページには、現場には事件を解決する手がかりの70%は現場に残されているが、残りの30%は見つからないかもしれないことを「70/30の法則」として紹介している。プレイヤーは事件の足りない“30%”を補完する仮定を立て、事件の全貌を推理する必要もあるという。
ゲームのグラフィックは写実的で、体験版で調査する家屋はどこかにありそうな現実的なものになっている。DVD棚には「The Godmother」や「Peace Club」など、どこかで見たことがあるタイトルが並んでいた。殺人事件の捜査に疲れてきたら、DVDや書籍の元ネタを捜査して息抜きするのもいいだろう。
本作を手掛けるEQ Studiosは、知る人ぞ知るセミオープンワールドを舞台にしたストーリー重視の本格的なミステリーアドベンチャー『The Painscreek Killings』の制作会社。最新作も体験版をプレイする限りではかなり気合いの入った作品となっているようだ。プレイヤーを甘やかさずメモ取りは必須、歯ごたえがある謎解きに挑戦することになる。
なおゲーム本編、体験版のどちらも日本語字幕に対応しており、文字の入力も必要となるが日本語で書き込める。メモや手紙などもオーバーレイによる字幕表示で日本語化されているため、それらを読むのに苦労はないだろう。
ストアページには「友人、大切な人、さらには家族全員など、調査結果について話し合う人がいると、解決するのがもっと楽しくなります」とも書かれているので、ぜひ身近な人と一緒に体験版で難事件に挑んでみて欲しい。
ライター/古嶋誉幸