「こちらはモルデカイ、今日は2月2日です。あなたに本日の『ELDEN RING』ニュースをお届けします。本日、『ELDEN RING』のニュースはありませんでした」
YouTubeチャンネル「Elden Ring News」は、まったくニュースがないにもかかわらず、2020年6月15日から毎日欠かさず『ELDEN RING』のニュースについての動画を投稿しているチャンネルだ。すでにチャンネルの動画は200本を超え、ついに海外メディアVG247に取り上げられた。
『ELDEN RING』は『DARK SOULS』シリーズのフロム・ソフトウェアが、『氷と炎の歌』(ゲーム・オブ・スローンズ)の作者ジョージ・R・R・マーティン氏を製作に迎えたアクションRPGだ。
ゲームについての続報はほとんどなく、デビュートレーラーと公式サイトに掲載されたいくつかのスクリーンショットなどが唯一の情報源だ。
E3 2019で発表されたフロム・ソフトウェアの『ELDEN RING』は、続報のほとんどないまま2021年を迎えた。ゲームを心待ちにするファンは海外掲示板Redditに集まり、いつの間にか独自の神話を作り、存在しないボスやマップ、攻略情報などをお互いに語るようになった。
もちろんこれらは想像の産物で、本物の『ELDEN RING』本編とは関係がない。
『Elden Ring』の続報が届かず悲しむ海外ファンたち。ある者たちは無関係のツイートをアナグラムで解こうとし、他の者たちは別ジャンルのゲームの話題に目をそらす
YouTubeチャンネル「Elden Ring News」はジョークのような内容だが、チャンネル登録者は3万人を超えている。少なくとも世界で3万人が、「本日のニュースはありませんでした」以外のニュースを心待ちにしているといえるだろう。
チャンネルを運営するモルデカイ氏にインタビューを行ったVG247によると、氏がチャンネルを設立したのは2020年に流れた「6月に『ELDEN RING』のニュースがある」という噂を受けてのことだったという。
大きなニュースを期待した氏だったが、結果は知っての通り何もなかった。そして、氏はチャンネルを新しいニュースが出てくるまでカウントするチャンネルにすることを思い立った。
Twitter上では、「Is ELDEN RING out yet?」というアカウントも活動している。このアカウントのツイートによると、1月31日には発表から600日が経過したようだ。
ニュースがないことをニュースにし続けるメディアやチャンネルはほかにもある。3.8万人のフォロワーを持つTwitterアカウント「Is HL3 Out Yet?」もそのひとつだ。すでに10年以上待ち望まれている『Half-Life 3』が発売されたかどうかを伝えるアカウントだ。不定期更新で2020年からはほぼ更新が途絶えてしまったが、2012年から続く老舗アカウントでもある。
『ELDEN RING』の続報は今年こそ出るだろうか。フロム・ソフトウェアは今日も沈黙を守っている。
ライター/古嶋誉幸