文化庁メディア芸術祭実行委員会は、第24回文化庁メディア芸術祭の受賞作品を発表し、エンターテインメント部門で『アンリアルライフ』、『十三機兵防衛圏』、『フォールガイズ』、『Frostpunk』などの受賞を選出した。またゲームクリエイターのさくまあきら氏、声優の野沢雅子さんが功労賞に選出された。
【第24回文化庁メディア芸術祭 受賞作品発表】
— 文化庁メディア芸術祭 (@JMediaArtsFes) March 12, 2021
受賞作品の概要及び贈賞理由は3月12日(金)14:30に公式ウェブサイトで公開します!
文化庁メディア芸術祭公式ウェブサイトhttps://t.co/hvMaxF641T#文化庁メディア芸術祭 #JMAF
文化庁メディア芸術祭はアート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門において優れた作品を顕彰するとともに、受賞作品の鑑賞機会を提供するメディア芸術の総合フェスティバル。第23回は、2019年10月5日から2020年9月4日までの間に完成、またはすでに完成してこの期間内に公開された作品が応募条件となり、世界107の国と地域から3566点に及ぶ作品から優れた作品に顕彰がされた。
ビデオゲームはエンターテインメント部門に分類され、ゲームにカテゴライズされたのは12作品という受賞の結果になった。また功労賞部門でゲームクリエイターのさくまあきら氏、声優の野沢雅子さんが選出されている。ゲームの受賞結果は以下のとおり。
〇新人賞
『アンリアルライフ』 | 芳賀直⽃(日本)
『ウムランギ・ジェネレーション』 | Naphtali FAULKNER(ニュージーランド)
〇U-18賞
『Flight Fit VR』 | 森⾕安寿(日本)
〇審査員委員会推薦作品
『十三機兵防衛圏』 | 『十三機兵防衛圏』開発チーム(日本)
『Broken Reality』 | Adrian DELAGARZA(メキシコ))
『Creaks』 | Radim JURDA / Jan CHLUP(チェコ))
『Fall Guys: Ultimate Knockout』 | Joe WALSH / Jeff TANTON / Daniel HOANG(英国)
『Frostpunk: Console Edition』 | 『Frostpunk: Console Edition』開発チーム(ポーランド)
『Liberated』 | Marek CZERNIAK(ポーランド)
『Ministry of Broadcast』 | Dusan CEZEK(チェコ)
『Rock of Ages 3: Make & Break』 | Shane BIERWITH / Jordan VINCENT / Vincent YEUNG / Jared NEAL / Andres BORDEU(米国/チリ)
『The Eternal Castle [REMASTERED]』 | Leonard MENCHIARI(イタリア)
インディーゲームを中心に幅広いゲームが選出されることになった。
新人賞を受賞した『アンリアルライフ』は、さわったモノのキオクを読み取れる不思議な力を持つ少女の失われた記憶をたどるアドベンチャーゲーム。贈賞理由として「グリッチ的な表現に感情表現を組み合わせた幻想的かつサスペンス的な物語展開や、背景や音楽をユーザーに意識させるための演出」、「作者一人で数年を費やして完成させたからこそ実現できる高い完成度」が挙げられており、本作を賞賛している。
またもうひとつの新人賞『ウムランギ・ジェネレーション』は、退廃的な未来社会でカメラマンとなり、依頼で指定された被写体の写真を撮っていくゲーム。贈賞理由は「First Person Shooting(FPS)という定番ジャンルを写真撮影に特化させたコンセプトと独自の世界観が刺激的なゲーム体験を生み出している」として、高く評価されている。
『#十三機兵防衛圏』が第24回文化庁メディア芸術祭・エンターテインメント部門にて「審査委員会推薦作品」に選出されました!
— アトラス公式アカウント (@Atlus_jp) March 12, 2021
また3/12現在、全世界で40万本セールスを達成しております。今後とも『十三機兵防衛圏』をお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。https://t.co/Ba1acvKN1q pic.twitter.com/zR9PfSNn4d
ほかにも審査員委員会推薦作品としては、『十三機兵防衛圏』、『フォールガイズ』、『Frostpunk』などがユーザーから高い評価を得ており、話題になった作品が多数挙げられている。
功労賞を受賞したさくまあきら氏は、『月刊OUT』の「私立さくま学園」や、『週刊少年ジャンプ』の読者コーナーが人気を博し、1987年のRPG『桃太郎伝説』を経て、『桃太郎電鉄』シリーズが国民的ともいえるすごろくゲームの定番にまで人気を博した。最新作『桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!』は250万本を超える大ヒットを記録している。
「おもしろい逸話が膨大にある同氏ですが、今日のメディア芸術を語るうえで欠かせない存在であることは間違いない」とのことで、受賞に至ったという。
また野沢雅子さんは、アニメ『ドラゴンボール』シリーズの孫悟空で声優として著名な人物。贈賞理由として「成人女性が少年の声をあてることは海外にはあまり例がなく、豊かな表現の可能性を開いた」、「ジェンダーや年齢を超越した多彩な声で、今なお現役声優として国内外のファンを魅了し続ける氏のアニメーション文化への貢献は多大である」として受賞に至ったとされている。
ビデオゲームから多数選ばれることになった、今回の文化庁メディア芸術祭。詳しい贈賞理由や他のメディアの受賞作品などは公式ホームページから確認して欲しい。