匿名掲示板「2ちゃんねる」を作ったことで有名なひろゆきこと西村博之氏が、「パソコンを児童養護施設に配布する計画」で配布するパソコンのスペックを発表した。児童養護施設の申し込みフォームは後日設置するとのこと。
「パソコンに興味を持ってもらうために、きちんとゲームも出来るPCを配布しようと思っています」と、ゲームをきっかけにパソコンに興味を持ってくれることを念頭に置いているという。
そのため、『マインクラフト』、『エーペックスレジェンズ』、『フォートナイト』、『リーグ・オブ・レジェンド』といった子どもにも人気のゲームが動くスペックとなっている。パソコンは合計128台、パソコンのみでも合計約2000万円の支援となる。詳細なスペックは以下のとおり。
パソコンを児童養護施設に配布する計画ですが、PCメーカーさんから見積りが戻ってきたので、スペックを載せてみましたー。https://t.co/8bYw68rjfn
— ひろゆき (@hirox246) May 23, 2021
・ドスパラ Dospara (URLの製品とは違う構成です。)
Lightning AT5 16GB搭載モデル
Windows 10 Home 64ビット
AMD Ryzen 5 3500 (3.6GHz-4.1GHz/6コア/6スレッド)
NVIDIA GeForce GTX 1660 SUPER 6GB
16GB メモリ DDR4-2666
512GB NVMe SSD (M.2 2280,読込速度 3200MB/s,書込速度 2000MB/s)
DVDスーパーマルチドライブ (DVD±R DL 対応)
AMD A520チップセット マイクロATXマザーボード
モニター Viewsonic XG2405-7 (23.8″W 2H1DP 1ms IPS 144Hz)
ロジクール G203-BK (有線 ゲーミングマウス)
webカメラ ロジクール C310n
35台 496万6500円
・TSUKUMO (URLの製品とは違う構成です。)
G-GEAR mini GI5J-B201/T
Intel Core i5-10400 プロセッサー 2.90 GHz(最大4.3 GHz) 6コア
NVIDIA GeForce GTX 1660 SUPER 6GB
16GB メモリ DDR4-3200
500GB SSD (SATA / 6Gbps)
光学ドライブ(DVD)なし
Windows 10 Home
モニター HP 23.8ワイドIPS液晶モニターP24V
webカメラ エレコム 500万画素
32台 492万9760円
・マウスコンピューター (URLの製品とは違う構成です。)
G-Tune PM-B-L 2106PM-B460-L
Intel Core i5-10400 プロセッサー 2.90 GHz(最大4.3 GHz) 6コア
NVIDIA GeForce GTX 1660 SUPER 6GB
16GB メモリ DDR4-2666
SSD 512GB M.2 PCI Express
光学ドライブ(DVD)なし
Windows 10 Home
モニター iiyama XU2390HS-B5 23型ワイドLCD/1920×1080/BK
webカメラ ロジクール C270n
30台 494万3400円
・パソコン工房 (URLの製品とは違う構成です。)
LEVEL-M056-114-RJX
Intel Core i5-11400 プロセッサー 2.60 GHz(最大4.4 GHz) 6コア
NVIDIA GeForce GTX 1660 SUPER 6GB
16GB メモリ DDR4-2933
500GB SSD M.2
DVDスーパーマルチドライブ
Windows 10 Home
ロジクール G331 Gaming Headset
ロジクール G402 Ultra Fast FPS Gaming Mouse(有線/8ボタン)
Dell E1920H 18.5インチワイドモニター
webカメラ ロジクール C270n
31台 489万6078円
構成を見たところ、現行のミドルスペックゲーミングPCといった感のある構成となっている。CPUは構成によって会社が異なるが、おおむねミドルスペックといえる。「NVIDIA GeForce GTX 1660 SUPER」を中心に、メインメモリ16GB、補助記憶装置がSSD 500GB、モニター付き。また、マウスやキーボード、Webカメラのほかに一部の構成にはゲーミングヘッドセットも付属している。
インターネット回線は自前で用意する必要があるが、2020年5月に政府は補正予算の「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」にて、児童養護施設などのオンライン授業対応についても補助金を出すとしている。(参考:NPO法人ライツオンチルドレン)
最新のゲームを4K60fpsで遊ぶというならさすがに力不足だが、子どもにも人気がある『マインクラフト』や『フォートナイト』をフルHDで遊ぶなら十分なスペックだ。もちろん、Unityなどを使ったゲーム制作や、ほかのクリエイティブな活動をすることも十分できるだろう。
西村氏は、申し込みしてほしい施設については以下の通りと記している。
「子供がゲームをやるためにパソコンを設置するなんてけしからん!」と考える児童養護施設の方の考え方も尊重します。
なので、子供達がゲームをする環境を整えて、子供が自主的に学ぶことをサポート出来る施設の方にお申込み頂きたいと思っています。
慈善事業として子どもにパソコンを配布するという活動は、少し前では「One Laptop per Child」として100ドルのノートPCの生産が行われたり、2020年にはNPO法人ライツオン・チルドレンが児童福祉施設等で暮らす子どもに向けた「パソコン寄贈&オンライン講習会」プロジェクトを立ち上げたり、政府も全国の小中学校で全生徒にパソコンを1台ずつ配備する「GIGAスクール構想」を推進するなど、官民がさまざまな取り組みを行っている。
一方で、それらの活動で配布されるPCは、その規模からもコストを抑えたものが主流に見える。ゲーミングスペックのPCを寄贈しようとする動きは見られない。西村氏のプロジェクトは、その点が大きな違いといえるだろう。
いちゲームファンとして、子どもがゲームからパソコンに興味を持つことを助ける支援は大いに支持したい。西村氏のプロジェクトが成功し、すべてのパソコンがそれを必要とする子どもに送り届けられるのを祈るばかりだ。