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オリジナルのゲームを制作して『フォートナイト』上に公開できる開発ツール「Unreal Editor for Fortnite」が配信開始。UE5のさまざまな機能を使用でき、エンゲージメントに応じて実際に報酬がもらえる

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 Epic Gamesは3月23日、自作のゲームを制作し『フォートナイト』上に公開できる開発ソフト「Unreal Editor for Fortnite」をパブリックベータ版として配信した。

 本ソフトの価格は無料となっており、入手するためには『フォートナイト』を予め入手しておく必要がある。現時点ではWindowsのPCにのみ対応しており、『フォートナイト』とは別でEpicGamesストアからダウンロード可能だ。

「Unreal Editor for Fortnite」が配信開始。作ったゲームは『フォートナイト』上に公開可能_001
(画像はUnreal Editor for Fortnite のベータ版が提供開始 – Unreal Engineより)

 「Unreal Editor for Fortnite」(以下、UEFN)は、オリジナルのゲームやインタラクティブなコンテンツを設計および開発し『フォートナイト』上に直接アップロードできるソフトウェアだ。

 本ソフトはEpic Gamesが手掛ける最新のゲームエンジン「Unreal Engine 5」(以下、UE5)をベースにした開発ツールとなっており、同エンジンのさまざまな機能を使用してゲームを制作できる。

 具体的な機能は以下のとおりだ。

・UE5のモデリングおよびマテリアルの設計機能
・自身で用意したメッシュ(3DCGの形状を示すデータ)やテクスチャ、アニメーションデータ、オーディオのインポート機能
・UE4より導入されたVFXシステム「Niagara」
・イベントやアニメーションなどの設計に使用できるシーケンサー
・キャラクターモデルを操作可能とする機能であるコントロール リグ
・他のクリエイターとリアルタイムで共同制作できるライブ編集機能などが追加される。
・オープンワールド用に空間を区分する機能「World Partition」
・Epicが提供するアセットを検索しスムーズにインポートできるFab (アルファ版)
・他のクリエイターとリアルタイムで共同作業を行える「ライブ編集」
・コードやデータの変更を管理できる「Unreal Revison Control」
・仕掛けや機能の操作といったゲームメカニクスを制作できる新しいプログラミング言語Verse

 『フォートナイト』は2018年より用意されたアセットを組み合わせて自作の『フォートナイト』用コンテンツを制作し公開できる「クリエイティブ ツールセット」を提供しているが、「UEFN」は「UE5」のさまざまな機能を新たに導入することで、圧倒的に制作の自由度を高めている。

 ちなみに、これまでにユーザーが制作した“島”と呼ばれるコンテンツは100万個以上公開されており、『フォートナイト』のプレイヤーはプレイ時間の40%以上を同コンテンツで楽しんでいるそうだ。

 なお、「Unreal Engine 5」に実装されている機能のすべては使用できず、パブリックベータ版では一部に制限がかけられている。今後のアップデートではUnreal Editorの機能を更に追加し、クリエイターが『フォートナイト』へより介入し、コントロールできる要素を拡張していく予定だという。

「Unreal Editor for Fortnite」が配信開始。作ったゲームは『フォートナイト』上に公開可能_002
(画像はUnreal Editor for Fortnite のベータ版が提供開始 – Unreal Engineより)

 さらに自作のゲーム(『フォートナイト』における島)を公開し、フォートナイトの発展へ貢献した開発者にはエンゲージメントに応じた支払いが行われ、資格を満たしていればエンゲージメントに応じた金額を獲得できる。全クリエイターが獲得できる累計金額はフォートナイトの純利益から40%で、用意された配当金のプールから各クリエイターへ支給される。なお、支払いの詳細などはクリエイター ポータルにて掲載されている。

 ちなみに、上記のスライドを参照すると『フォートナイト』の粗利率が73%におよぶことも明かされている。

 「UEFN」自体は無料で使用できるため、興味がある読者はぜひ実際に使用してみてはいかがだろうか。

プレスリリースの全文は以下のとおり。


Epic Games、GDC2023にてUnreal Editor for Fortnite(UEFN)、クリエイター エコノミー 2.0などを発表

フォトリアルな世界を構築しキャラクターをアニメーション化する新ツールも発表

Epic Games(本社:アメリカ合衆国、CEO:Tim Sweeney)は本日開催されたGame Developers Conference 2023(以下、GDC2023)の、State of Unrealキーノートにおいて、すべてのクリエイターのためのオープンなエコシステムと経済の基盤をどのように構築しているかを明らかにしました。

ニュースや発表のまとめは、GDCについてのブログをご覧いただくか、下記をご覧ください。
https://www.unrealengine.com/ja/blog/dive-into-epic-s-announcements-from-gdc-2023

 

「Unreal Editor for Fortnite」が配信開始。作ったゲームは『フォートナイト』上に公開可能_003

GDC 2023 に再び参加できることを嬉しく思います!ゲーム開発コミュニティが生み出す素晴らしい作品を見ることは、非常に刺激的であると同時に謙虚な気持ちになる体験です。さらに、今年は何が待ち受けているのか楽しみでなりません。

State of Unreal を見逃した方のために説明すると、すべてのクリエイターと開発者がメタバースでメリットを享受できるようにするための、オープンで相互的なエコシステムとエコノミーの基盤をどのように構築しているかなど、コンテンツの作成、配信、収益化の未来に関する Epic の長期的なビジョンを明らかにしました。

Unreal Editor for Fortnite がパブリックベータ版で利用可能に

2018年以降、フォートナイト クリエイティブ ツールセットが利用可能になったことで、フォートナイト に独自の島を作成できるようになりました。現在、これらの島には100万以上の島があり、フォートナイト でのプレイヤー時間の40%以上がこれらの島で費やされています。

クリエイターと開発者が、5億以上のプレイヤーアカウントからなるフォートナイトの膨大なオーディエンスにリーチするための、より強力なツールとクリエイティブの柔軟性を持っていたらどうでしょうか。これは、本日 State of Unreal においてパブリックベータ版でリリースされた Unreal Editor for Fortnite (UEFN)で可能になります。
▼URL:Unreal Editor for Fortnite (UEFN)について
https://www.unrealengine.com/ja/blog/unreal-editor-for-fortnite-is-now-available-in-beta

UEFN は、体験を作成してフォートナイトに直接公開できるUnreal Editorのバージョンです。Unreal Engine 5 から提供されている数々の強力なツールが利用できるため、かつてないほど豊富な機能を使用してフォートナイトのゲームや体験を制作し、何百万人ものプレイヤーに公開して楽しんでもらいましょう。

さらに、UEFN では新しいプログラミング言語であるVerseを初めて実装しています。Verse は、UEFN クリエイターが既存のフォートナイト クリエイティブ ツールと一緒にスクリプトを実行できるようにするための言語です。仕掛けの操作や連結などの強力なカスタマイズ機能を備えているほか、新しいゲームロジックの実装を簡単に行えます。Verse はメタバース向けのプログラミング言語としても設計されています。将来、数百万人のクリエイターが数十億人のプレイヤーを対象としてビルドするようになることを想定しており、広大なオープンワールドに対応できる拡張性を備えています。Verseは本日フォートナイトでリリースされます。数年後には、全Unreal Engineユーザーに対しても提供される予定です。

クリエイター エコノミー 2.0

UEFN とともに、クリエイター エコノミー 2.0 とエンゲージメント ペイアウトも開始されます。これは、資格のある フォートナイト の島クリエイターが、公開されたコンテンツへのエンゲージメントに基づいて報酬を受け取れる新しい仕組みです。

エンゲージメントペイアウトでは、フォートナイトのアイテムショップからの純収益とフォートナイトでのほとんどのリアルマネーでの購入額の 40% が、資格を満たす島やエクスペリエンスを作成したクリエイター (個人クリエイターが作成した島と、バトルロイヤルなど Epic が独自に作成した島の両方) に対し按分して分配されます。

UEFN や Verse、クリエイター エコノミー 2.0 に関する詳細はブログ記事をご覧ください。
https://www.unrealengine.com/ja/blog/unreal-editor-for-fortnite-is-now-available-in-beta

Fab — 統合された 3D マーケットプレイスを構築中

昔は、すべてのゲーム開発者が製品のすべてのコンテンツをゼロから作っていました。しかし近年では、Unreal EngineマーケットプレイスやUnityアセットストアといったようなコンテンツマーケットプレイスが登場し、ゲーム開発者にとっては、個人のコンテンツクリエイターからライセンスを取得してゲームで使用可能な巨大なコンテンツ ライブラリを活用できる機会が増えました。

こうした状況の変化により、小規模なチームはより迅速にかつ低予算でゲームを制作できるようになりました。同時に、マーケットプレイスを通じて作品を配布する個人コンテンツクリエイターに資金を提供して彼らの成長をサポートすることもできるようになりました。

フォートナイト、Roblox、Minecraft、その他の 3D ワールドのエクスペリエンスのクリエイターがこれらのマーケットプレイスにメタバースコンテンツの提供元として注目するようになり、プレイヤーがオンライン上で独自の3Dスペースを構築およびカスタマイズすることが増えるにつれて、こうした流れはさらに加速すると考えられます。

Fab.com は、クリエイターがデジタル エクスペリエンスの作成に使用するデジタル アセットを検索、公開、共有できる統合マーケットプレイスとなります。同マーケットプレイスのリリースに伴い、今年後半にはUnreal Engineマーケットプレイス、Sketchfab、Quixel Bridge、ArtStation Marketplace が統合されます。

Fab は、3D モデル、マテリアル、サウンド、VFX、デジタル ヒューマンなどを含むあらゆる種類のデジタル コンテンツを公開できる大規模なコミュニティになります。つまり、ここではすべてのエンジン、インポートされたコンテンツをサポートするすべてのメタバース系のゲーム、最も人気のあるデジタル コンテンツ作成パッケージを公開できます。加えて、クリエイターは売上のうち88%を収益として受け取れます。

私たちは、何百万人もの人々がオンラインで3Dクリエイターになる方法を学ぶようになりつつある今日の世界で、皆さんとともにFabをあらゆるタイプのワールド制作者にとってアクセスしやすいマーケットへと進化させたいと考えています。プレビューに興味がある場合は、UEFNのプラグイン版として提供されているFab のアルファ版を今すぐチェックしてみてください。アルファ版では、フォートナイトで公開可能な新しいゲームやエクスペリエンスを構築できます。

Unreal Engine 5.2 の概要

Unreal Engine は Epic エコシステムのバックボーンです。昨年春にUE5がリリースされたことで、開発者はより簡単にクリエイティビティを発揮できるようになりました。UE5 のリリース以降、ユーザーの77%が Unreal Engine 5に移行しています。Unreal Engine 5.2 ではいくつもの新機能が追加され、さらなる改良と最適化が行われています。

Electric Dreams は、5.2プレビューリリースの一部として提供される新機能とアップデートを紹介するリアルタイムデモンストレーションです。これは、本日よりEpic Games LauncherとGitHubから入手可能です。

State of Unreal のライブデモでは、フォトリアリルなRivian R1T電動トラックが臨場感あふれる自然豊かな環境の中をオフロードで駆け回ります。この環境は、木や緑豊かな植生をQuixel Megascans、そびえ立つゴツゴツした岩の構造体をQuixel MegaAssembliesで作成しています。

生き生きとしたデザインと外観のR1Tのデモは、新しいSubstrateシェーディングシステムで作成しています。同シェーディングシステムを使用すると、アーティストはさまざまなシェーディングモデルを自由に構成およびレイヤー化して、これまでリアルタイムでは不可能だったレベルの忠実度と品質を実現できるようになります。Substrateは、実験的機能として5.2でシッピングされます。

最先端技術で作成されたR1Tは、最新のテクノロジーと車両力学のパワーを示すものとなっています。岩や木の根を飛び越える際のタイヤの変形の正確な表現や、リアルな流体シミュレーションと水のレンダリングで再現された泥や水たまりを飛び散らせて走る際の実物そっくりの独立した滑らかなエアサスペンションなど、R1Tの優れたデジタル表現をご覧ください。

加えて、この大規模なオープン ワールド環境は、アーティストが作成したプロシージャル ツールを使用して構築され、手作業で配置された小さなデモ開始地点の環境の上にビルドされています。新しいインエディタおよびランタイムのプロシージャル コンテンツ生成 (PCG)ツールが、5.2で実験的機能としてシッピングされます。これらを使用すると、アーティストはルールとパラメータを定義して、広大で非常に詳細なスペースをすばやく作成できるようになります。このスペースは、アート面にこだわった制作に対応しており、手作業で配置されたコンテンツとシームレスに連携します。

MetaHuman Animator: 高忠実度パフォーマンス キャプチャ

フォトリアルなデジタルヒューマンは、真に信頼できるパフォーマンスを提供するために高品質のアニメーションを必要としますが、これを作成するための専門知識と時間は、最も熟練したクリエイターにとってさえ困難です。

この夏、MetaHumanフレームワークの新機能セットであるMetaHuman Animatorのリリースにより、すべてが変わります。MetaHuman Animatorを使用すると、あらゆる顔のパフォーマンスをMetaHumanキャラクターの忠実度の高いアニメーションとして再現できます。

iPhoneまたはステレオヘルメット搭載カメラを使用するだけで、パフォーマンスの個性、リアリズム、忠実度をキャプチャし、その詳細とニュアンスをMetaHumanに転送できます。

MetaHuman Animatorは、アニメーションの経験に関係なく、誰でも習得して使用できる、より高速でシンプルなワークフローを提供すると同時に、AAAゲーム開発者やハリウッド映画製作者が必要とする高品質のフェイシャルアニメーションを作成すると同時に、インディースタジオや愛好家にもアクセスできます。

開発者とクリエイターの明るい未来

The State of Unrealでは、Cubit、Kabam、CI Games、NCSoftなどの Epic パートナーが制作した息をのむような素晴らしいデモと、Unreal Engine 5やその他のEpicツールで現在何ができるのかをご紹介しました。このような輝かしいプロジェクトの登場からは、仮想ワールド、ゲーム、体験の素晴らしき新時代がすでに幕を開け始めていることが感じられます。

強力なツール、デジタル コンテンツの広大な市場、世界中のユーザーへの自由なアクセス、新しい公平な経済システムが存在する現在、クリエイターの機会は無限に広がっていると言えるでしょう。

Epic Gamesについて

 

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Epic Gamesは、1991年にCEOのティム・スウィーニーによって設立されたアメリカの会社です。 ノースカロライナ州ケーリー市に本社を置き、世界各地に50以上のオフィスを構えています。 現在、Epicはインタラクティブ・エンターテインメントを牽引し、3Dエンジンテクノロジーを提供する企業です。 Epicは世界最大級のゲームのひとつ『フォートナイト』を運営しており、『フォートナイト』、『Fall Guys』、『ロケットリーグ』、Epic Games Storeにおいて、50億以上のフレンド接続数を持つ6億以上のアカウントを有しています。 また、Epicは世界有数のゲームの原動力となるUnreal Engineを開発し、映画、テレビ、建築、自動車、製造、シミュレーションなどの業界でも採用されています。 Epicは、Unreal Engine、Epic Games Store、Epic Online Servicesを通じて、開発者やクリエイターがゲームやその他のコンテンツを構築、配信、運営するためのエンドツーエンドのデジタルエコシステムを提供しています。

Unreal Engineについて

Epic GamesのUnreal Engineは、世界で最もオープンで高度なリアルタイム3D制作ツールです。ゲーム、映画、テレビ、建築、自動車、製造、ライブイベント、シミュレーションなど、さまざまな業界のクリエイターが、最先端のコンテンツ、インタラクティブな体験、没入型の仮想世界を実現するためにUnrealを選択しています。@UnrealEngineをフォローし、Unrealをunrealengine.comから無料でダウンロードしましょう。

編集者
ゲームアートやインディーゲームの関心を経て、ニュースを中心にライターをしています。こっそり音楽も作っています。

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