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汚染された島をグラフィティライターとして冒険するゲームの続編『SLUDGE LIFE 2』が発売決定。トレーラーには「喫煙するカニ」や「鳩とディープキスする男性」などシュールすぎる光景を多数収録

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 DevolverDigitalは3月24日、汚染された島でグラフィティに勤しむオープンワールド・アクションゲームの続編『SLUDGE LIFE 2』を2023年内に発売すると発表した。

対応プラットフォームはPC(Steam、Epic Games Store、GOG.com)となる。

 本タイトルの発表を記念し、前作である『SLUDGE LIFE』のSteam版が3月31日午前2時まで無料で配信中だ。

 前作の『SLUDGE LIFE』はヘドロで汚染された奇妙な島を舞台に、駆け出しのグラフィティライター“ゴースト”として冒険するゲームだ。本作には3つほどエンディングの様なイベントが用意されているが、明確なストーリーラインや絶対的な目的は存在しない。そんな作品でありながら1か月弱で全世界400万ダウンロードを突破した人気作となっている。

 とはいえ、徘徊を補助する指標としてタスクリストが用意されており、気が向けば「巨大なナメクジをすべて食べる」「散らばった特定のアイテムを収集する」「全てのスポットにグラフィティをボムる(描く)」といった目標の達成も楽しめる作品となっている。

 本作のゲームプレイは、3Dアクションゲームの様な形式を採用している。道中で獲得できるグライダーや「特定のアイテムの場所を示す眼球」といったアイテムを駆使して未踏の地に足を運び、気の向くままに本作の世界を探索していく。

 また、スポットを見つけてインタラクトすればグラフィティをボムすることができ、グラフィティライターとして島でのプロップス(人気)を獲得していくことも可能だ。

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(画像はSteam :SLUDGE LIFEより)

 本作の最大の魅力はキュートかつシュールな作風で「グラフィティ」の反権力的な意義を描いている点だ。

 本作にはおしりの穴がふたつあるネコや頭が鳩のカメラマン、団地の一室でドラッグパーティーをたしなむ若者たち、ひとつ目の警備員、自身の手をナイフで刺す調理師、正体不明の巨大な赤ちゃん、コンテナの一室に住みパッドが24個あるサンプラーで曲をつくるミュージシャンなど、魅力的なキャラクターや現象が無数に登場することで、目的のない徘徊を魅力的に表現している。

 しかし、『SLUDGE LIFE』はただイケてる“雰囲気ゲー”に留まらない。

 本作では目的もなくシュールなキャラクターや光景を探していくうちに、プレイヤーは舞台となる島を大企業「グラッグ社」が支配し、その被害を市民や労働者が被っていること、「KAWS」を想起させるグラフィティライターすら大企業と癒着していることに気付かされるのだ。

 そんな中でプレイヤーがおこなうオープンワールドを活かした「侵入」や勝手なグラフィティ、自由な徘徊は、島を牛耳る暴力的な権力が設ける規範から逸脱し自由を得る行為としての価値を感じさせる。

 結果として本作はただ可愛らしいだけでなく、実際のグラフィティが持つ「逸脱行為」の魅力「目的のない徘徊」から体感できる作品となっているだろう。

 上記のほか、本作にはトイレに行けば自動で用を足したり、吸ったたばこや撮影後のカメラを投げ捨てるといった荒唐無稽な仕様が多数もりこまれている。窮屈な島で謳歌するアナーキーなほのぼのライフを楽しもう。

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(画像はSteam :SLUDGE LIFEより)

 本作を手掛けるのはFPS『High Hell』『Heavy Bullets』を手掛けた個人ゲーム開発者のTerri Vellmann氏とラッパー、プロデューサー、詩人、アーティストとして活動するDoseone氏。なかでもDoseone氏は60年代のサイケや2000年前後の電子音楽などを取り入れたエクスペリメンタルなヒップホップグループ「cLOUDDEAD」のメンバーとしても知られる人物だ。

 同氏は本作の音楽も手掛けており、レコードの回転数を落としたようなスクリューボイスのラップシンセウェーブが融合した奇妙なテーマソングなど、奇妙で魅力的なサウンドトラックも本作の大きな魅力と言える。

 サウンドトラックはSpotifyなどの各種サブスクリプションサービスで配信中だ。

 『SLUDGE LIFE』の続編となる『SLUDGE LIFE2』は大人気カエルラッパーの「ビッグマッド」が突如姿を消したため、主人公のゴーストが高層ホテル「Ciggy City Suites」に連れ込まれ幕を開ける。詳細は不明だが、最も恐ろしい一人称の「ヴァンダリズム」(グラフィティなどの行為)シミュレーターであり、秘密や変人、ジョーク、タギングができるスポットが満載の危険な作品になるという。

 トレーラーを参照するとバイト中にディープキスに勤しむカップルや喫煙をするカニ、飲食中に爆睡し結果として鳩とディープキスをする人物、沼から出現する巨大なカエル、自身の顔をひたすらコピーし続ける人物、といったシュールなキャラクターや光景が引き続き登場することが確認できる。SteamストアページによるとNPCの数は『SLUDGE LIFE』の3倍となっており、パンピーにタグ仲間、企業の犬や奇人変人のアソートパックになっている。

 さらに本作ではダブルジャンプやスプリントを可能とするアイテム「ダブルJs」や自分自身を空へ撃ち放つ「ポータブルランチャー」といったアイテムが追加され、さらに立体的なアクションが楽しめそうだ。

 くわえて、『SLUDGE LIFE 2』は「ビッグマッド」自身が手がけたとされる5曲のキラーチューンを含む新曲が多数収録される。「ビッグマッド」やDoseoneの楽曲が好きな方は最高の両生類ラッパーの新曲に期待しよう。

 未だ『SLUDGE LIFE』をプレイしていない方は無料で配布中の同作をプレイし、『SLUDGE LIFE2』の続報を待とう。

編集者
ゲームアートやインディーゲームの関心を経て、ニュースを中心にライターをしています。こっそり音楽も作っています。

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