アトラスは12月21日、『メタファー:リファンタジオ』の設定や世界観に関する情報を一挙に公開した。
『メタファー:リファンタジオ』は『ペルソナ』シリーズを手掛けたアトラスが“集大成”として展開する記念作品のRPGだ。
ジャンルは王道ファンタジーとされており、格差と差別に引き裂かれ“美徳なき国”へと堕落しつつある『ユークロニア連合王国』が舞台。プレイヤーは差別にさらされる少数種族「エルダ族」の少年となり、「国の王子にかけられた死の呪い」を解く旅をすることとなる。
呪いの解呪方法は「呪いをかけた術者の命を奪うこと」で、沢山の人々と出会い、彼らと絆を結びながら進行す旅を経て、“王国の真の姿”が暴かれることとなる。
また、物語の冒頭ではユークロニア王国の王子、国王とが暗殺され、葬儀にて「選挙を課す魔法」が発動する。その魔法は「国民の信託を最も集めし者が
次なる王となる資格を得るものとする」という効力を持っており、「呪い」に纏わる旅と共に、「次なる王を選ぶ」競争も描かれることとなる。
開発は『ペルソナ3』から『ペルソナ5』までのスタッフが手掛け、ディレクターは同シリーズの橋野桂氏が担当し、キャラクターデザインの副島成記氏、サウンドの目黒将司氏も参加する。
コンセプトアーティストは『NieR:Automata』の開発に携わる幸田和磨氏で、『新世紀エヴァンゲリオン』のメカニックデザインなどで知られる山下いくと氏が作中に登場する「鎧戦車」のデザインを手掛ける。
前述した本作の舞台「ユークロニア連合王国」は8つの種族が暮らす3か国による連合国だ。作中では生得的な種族により各キャラクターの人生が左右されてしまう世界が描かれ、本来不変ではないはずの「種族が共有する思想や信条」が分断を生んでいるという。
「民の命は平等であり、誰もが互いを認め合い、生まれによる差別は存在しない」というテーゼが作中にも存在するいっぽうで、それを誰もが夢物語だと考えている。
この設定は現実における人種差別を想起させるものであり、ファンタジー世界で生得的な属性による差別や抑圧、対立に苦しむ人々を描いた『ゲーム・オブ・スローンズ』を彷彿とさせるものである。同作のように「ファンタジー」のモチーフを駆使して現実に通ずる問題を描く作品として期待できそうだ。
また、作中には「魔法」が登場するものの作中では一般的に「魔道器」 という特別な道具を駆使することで、人々が魔法を使用できるという設定が採用されている。所有や行使はすべて免許制となっており、いわば現実における科学技術の代替物のように「魔法」が描かれる。
いっぽう、主人公たちはそういった作中の常識を覆す力である原初の秘法 「 アーキタイプ 」を覚醒し、使いこなしていく。「アーキタイプ」は自らの不安や恐れに向き合うことで覚醒する能力で、人の心に眠る 「英雄性」 の目覚めであるという。
上記のほか、本作に登場する正体不明の怪物「ニンゲン」の詳細も明かされた。「ニンゲン」はおよそ知性を感じさせない狂暴な性質でありながら、人でも容易く扱えないほどの高度な魔法を行使する謎の存在で、高度な魔法を行使するなど、生態に謎が多い。身体も頑強で、大型の個体は軍隊すらも壊滅させる場合がある。
ニンゲンのデザインはルネサンス期の幻想画家ヒエロニムス・ボスの絵画を原案としてリファインしたものとなっている。
本作の主要キャラクターの設定なども公開されているため、興味がある読者はじっくりと時間をかけて公式サイトをチェックしよう。