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「成人向けゲームの削除」Steamとitch ioが“決済業者の影響”を明かし、GOGは反対キャンペーン開始。主要PCストアで動き相次ぐ

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昨今大きな議論となっている「成人向けゲームの削除」について、Steamとitch ioが“決済業者の影響”を明かし、GOGは反対キャンペーンを開始するなど、主要PCストアでの動きが相次いでいる。

上記の出来事に関して、発端となった権利団体が決済業者に働きかけたということを明かしており、「クレカ会社による表現規制ではないか」とネット上で話題になっていた。

itch.ioは7月24日付の声明で決済業者の影響を明言している。なお、同サイトは28日付の追記にて新たな決済業者との接触を模索していると発表したほか、31日付の投稿では無料の成人向け作品については表示を再開すると発表していた。

Mastercardが「規制はしていない」とする声明を発表

そんな中、クレジットカード会社であるMastercard社は現地時間8月1日、公式サイトにて「ゲームコンテンツに関する直近のヘッドラインについて」と題した声明を公開した。

直接言及はされていないものの、今回の声明は成人向けゲームの削除に関する一連の出来事を受けてのものであると思われる。

今回発表された声明でMastercard社は、各種メディアの報道とは異なり「ゲームを評価したり、クリエイターサイトやプラットフォームに制限を加えたことはない」と表明している。

また、Mastercard社は「法律に則った基準」を設けており、すべての「合法的な」購入を容認しているとのこと。しかし同時に、販売業者にはMastercardカードが「非合法なアダルトコンテンツ」を含む違法な購入に使用されないことを求めていると述べている。

あくまで法律に則った基準を設けているのだとして、「カード会社が一方的な表現規制を行っているのではないか」というネットやSNS等での話題を否定した形だ。

Valveが海外メディアを通じてMastercardが「会社の信用を傷つける取引を禁じる」ルールを提示と説明

いっぽう、Steamを運営するValveはPC GamerKotakuなど主要な海外メディアを通じて声明を発表。

PC Gamerの記事によると、Valveは今回の問題についてMastercard社に接触を試みたものの「直接のコミュニケーションは認められなかった」とのこと。決済代行業者や銀行を通じてのやりとりが行われたという。

ValveはSteamのポリシーにより「配布が合法的なコンテンツを配布」していると主張。しかし決済代行業者はこれを拒否し、Mastercard社の定める「ルール5.12.7」を提示した。

これはMastercard社が定める決済に関する取り決めである「Mastercard Rules」の一部である。それによると、同社は非合法な取引を禁じるとともに「会社の信用を傷つける、または評価に悪影響を与える」取引を禁じるとしている。

上記のルールに違反するものとしては「明白に攻撃的(不快)な」ものや、「芸術的価値を著しく損なうもの」として「不同意の性的行為や未成年の性的搾取、人物や身体部位の不同意による切断、bestiality(残忍な行為・獣姦)」などが挙げられている。

Mastercard社はこれらのルールに違反した業者は金銭的なものも含むペナルティを受ける可能性があると定めている。Valve側としては、今回の件に関してMastercard側とのやりとりが行われていたことを明確にしたという形だ。

GOGが「表現規制に反対するキャンペーン」を展開

また、ゲーム販売プラットフォームGOGは8月2日に「FreedomToBuy」と題したキャンペーンを展開。表現規制に反対するとして、13種の成人向けゲームの無料配布を実施した。48時間限定となっていた本キャンペーンでは100万人以上がゲームを取得。実施時間の延長も行われ、日本時間8月4日13時頃まで取得可能となっていた。

クレジットカード会社によるプラットフォームへの規制があるのではないかという問題は、日本では2024年頃から同人誌や同人ゲームの販売サイトなどが影響を受けており話題となっていた。今回、Steamという世界的なプラットフォームが影響を受けたことにより大きな騒動になっているといえる。

ライター
『The Elder Scrolls』や『Dragon Age』などの海外RPGをやり込むことで英語力を身に付ける。個人的ゲーム史上ナンバーワンヒロインは『Mass Effect』のタリゾラ。 面白そうなものには何でも興味を抱くやっかいな性分のため、日々重量を増す欲しいものリストの圧力に苦しんでいる。

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