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ChatGPTに新たなAIシステム「GPT-5」が登場。事実ではない情報をそれらしく生成してしまうハルシネーション現象を低減し、指示遵守能力を改善。プロンプトを入力することでWebサイトやアプリ、ゲームも作成できる

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8月8日、OpenAIは、ChatGPTにて使用できる新たなAIシステムである「GPT-5」を発表した。公式サイトによると、「GPT‑5」は、これまでのモデルから飛躍的に進化し、コーディング、数学、文章作成、ヘルスケア、視覚認識など、あらゆる分野で最先端の性能を発するという。

また、「GPT‑5」は統合されたシステムであり、質問の性質に応じて、即時回答と専門的な深い回答を自動で切り替える。ChatGPTのユーザーはすべて利用可能となり、Plusユーザーはより多くの利用枠を使用でき、Proユーザーはらに包括的かつ正確な回答が可能なバージョンである「GPT‑5 Pro」へアクセス可能となる。

公式サイトによると、GPT‑5のおもな特徴は2つのモデルとルーター機能からなるシステムだ。1つ目のモデルは、高速かつ効率的に幅広い質問に回答できる高速応答用モデル。2つ目のモデルは、より複雑な問題に対して複雑問題用モデル「GPT‑5 thinking」だ。

どちらのモデルを使うべきか、会話の種類や複雑さ、必要なツール、「深く考えて」など、ユーザーが示した意図に応じて瞬時に判断し、切り替える。ルーター機能は、モデル切替のタイミング、回答満足度、正確性などのユーザーの利用データを学習し、精度を向上させる。なお、使用上限に達すると各モデルの mini 版が質問に対応する。

また、GPT‑5 は従来のモデルを上回るベンチマーク性能を実現し、質問の回答速度も上昇。実世界での質問において、事実ではない内容や根拠のない情報をもっともらしく生成してしまう「ハルシネーション」現象を低減し、指示遵守能力を改善。迎合的な回答の抑制において大きな進歩を遂げたという。これにより、ChatGPT が特によく使われる文章作成・コーディング・ヘルスケアでのパフォーマンスが向上した。

さらに、「GPT‑5」は複雑なフロントエンドの生成や、大規模リポジトリのデバッグにおいて進化を遂げた。たった1つのプロンプトで、Webサイトやアプリ、ゲームなどを作成することもできる。初期テストでは、スペースやタイポグラフィ、余白など、デザイン面での理解や表現力がこれまで以上に洗練されたという評価が寄せられているようだ。

一例として、以下のプロンプトを入力することでミニゲームを作成してくれるようになる。

プロンプト:次の要件を満たす単一 HTML ファイルのシングルページアプリを作成してください:
– 名前:ジャンピングプラットフォームランナー
– 目的:障害物を飛び越えてできるだけ長く生き残る。
– 特徴:速度上昇、ハイスコア追跡、リトライボタン。
– UI はカラフルで、パララックススクロール背景を備えること。
– ゲームのレベルは誰もが楽しめるものであること

Open AIの公式サイトより

「GPT-5」が登場。ChatGPTに新たなAIシステム。本日よりすべてのユーザーが使用可能に_001
(画像はOpen AIより)

「GPT‑5」はChatGPTの新たなデフォルトモデルとなり、すでにログインしているアカウントでは、「GPT‑4o」、「OpenAI o3」、「OpenAI o4-mini」、「GPT‑4.1」、「GPT‑4.5」に置き換わる予定だ。これからはChatGPTを開き、質問を入力するだけでGPT‑5 が必要に応じて自動的に推論を適用しながら回答するようになるようだ。

「GPT‑5」は本日よりPlus、Pro、Team、無料版の全ユーザーが利用可能で、Enterprise と Edu プランのユーザーには1週間後に提供される。無料版と有料プランの違いは、「GPT‑4o」と同様に、送信可能なメッセージ数の上限だ。なお、Proプランに加入中のユーザーは「GPT‑5」を無制限で利用でき、「GPT‑5 Pro 」にもアクセスできる。

なお、無料版のユーザーに対する完全な推論機能の展開には数日かかる場合がある。無料版のユーザーが「GPT‑5」の利用上限に達すると、自動的に「GPT‑5 mini」に切り替わる仕様だ。

「GPT‑5」は本日より使用可能になる予定だ。機能の詳細が知りたい方は、ぜひ公式サイトを閲覧してみてほしい。

ライター
MOTHER2でひらがなを覚えてゲームと共に育つ生粋のゲーマー。 国内外問わず、キャラメイクしたりシナリオが分岐するTRPGのようなゲームが好き。『Divinity: Original Sin 2』の有志翻訳に参加し、『バルダーズ・ゲート3』が日本語化される前にひとりで全文翻訳してクリアするほどRPGが好き。 『ゴースト・オブ・ツシマ』の舞台となった対馬のガイドもしている。 Xアカウント(旧Twitter)@Tsushimahiro23

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