東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)は8月27日、映画『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』(以下、魔界帝国の女神)を放送すると発表した。
9月7日19時より放送を予定しており、公開30周年を記念した最新4Kレストア版の劇場公開は2023年に行われたものの、地上波で本作を楽しめる非常に貴重な機会となっている。
本作は言わずと知れたテレビゲームの金字塔『スーパーマリオブラザーズ』シリーズを原作とした実写化映画。ハリウッドが50億円という巨額を投じて製作したと言われており、本作は『スーパーマリオUSA』が日本で発売された翌年の1993年に日米のマリオファンに向けて届けられた。
実写化作品ではよくあることだが、まず本作で目を引くのが実写で表現されたマリオのキャラクター達だろう。マリオ・マリオ(演:ボブ・ホスキンス)や、そのマリオに孤児院から引き取られたという独自の設定を持つルイージ・マリオ(演:ジョン・レグイザモ)は、ニューヨークで配管工を営んでいるという設定のため、全編にわたっておなじみの格好を見せるわけではない。
(画像は「【予告編】『スーパーマリオ 魔界帝国の女神4Kレストア版』」より)
主役からして「リアル」を感じさせる本作の主な舞台は地下帝国。地上波でこれから放送されるが、どちらかというと地下だ。こちらはクッパやヨッシーといった、おなじみの非人間キャラクターも多数登場する。
一方で本作のクッパは「ティラノサウルスから進化した恐竜族」という、これまた独自の設定が設けられている。演じるのはデニス・ホッパーであり、言われたとしてもクッパと認識するのは難しいビジュアルというほかない。

『スーパーマリオワールド』が既に発売されている時代の作品のため、あのスーパードラゴン・ヨッシーも登場。映画『ジュラシック・パーク』も同時期に公開されており、当時の恐竜ブームを意識しているかは定かではないが、リアルすぎる造形の恐竜として表現されている。
この2年後に『ヨッシーアイランド』が発売されているのだが、もしかすると『魔界帝国の女神』のヨッシーがフラッシュバックしてしまい、ゲームの優しいタッチを飲み込めないプレイヤーもいたのかもしれない。

いかにも「原作の魅力を破壊した実写化映画」の空気感を醸し出している本作だが、物語やキャラクター同士のコミカルな掛け合い、迫力がありながらも奇妙なCG表現やアクションシーンなどを高く評価する声も見受けられる。
また、衝撃的なビジュアルが先行しており見逃しがちだが、原作の要素を実写に落とし込むにあたっての細かいネタの拾い方などにも目を見張るものがあり、マリオファンであるほど気付きやすい「原作リスペクト」に注目したい。
2023年に公開され、大ヒットも記録した『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は、原作のエッセンスやワクワク感のほか、それまで解像度が意図的に低く描写されていたキャラクターの設定などを、新たな世界観と舞台で再解釈した名作だ。
その30年前に公開された『魔界帝国の女神』は『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』に先駆けて“類似の再解釈”を行っており、同じ『スーパーマリオ』シリーズを原作にした映画作品として先駆的な存在と再評価する声も増えている。
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地下空間に広がる恐竜人の帝国!
デイジーを探すマリオたちに、クッパの手が迫る! pic.twitter.com/XEcwCVSnMS
本作の地上波放送は惜しくもTOKYO MXのみとなっており、見れない地域も多く存在する。全国での放送を願うほどマリオを通ったプレイヤーにとって魅力的な映画でもあるため、気になればアマプラやFODといった手段で鑑賞していただきたい。
先述した通り、2023年に公開された『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』との比較も楽しめる映画となっており、30年が経過しても変わらないマリオの魅力、逆に大きく変化した部分にも注目しよう。
以下、プレスリリースの全文を掲載しています
TOKYO MXで、1993年公開の実写映画「スーパーマリオ魔界帝国の女神」が9月7日に放映
東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)は、映画「スーパーマリオ魔界帝国の女神」を9月7日(日)19時より放送します。
ひと味変わった実写マリオ映画が帰ってくる!
映画「スーパーマリオ魔界帝国の女神」は1993年の夏に公開された、ハリウッド制作による実写映画。
ニューヨークで平凡な配管工を営むマリオブラザーズが、クッパの手下にさらわれたデイジーを助けるために異世界を冒険するものがたり。クッパ軍団が進化した恐竜だったりとこの映画にしかない、ゲームの『スーパーマリオ』とはひと味もふた味も異なる世界が楽しめます。
まだ観たことのない人はこの機会にぜひ!
▶︎TOKYO MX コーポレートサイト
【ストーリー】※当時のリリースより
6500万年前、巨大隕石の落下によって、恐竜世界と人間世界が2つに引き裂かれた。絶滅したと思われていた恐竜は進化し、独自の世界を地下に作り上げていった。
そして現代のニューヨーク・ブルックリン。ある1人の女性が教会の前で何かを置きその場を去って行く。それは1つの大きな卵と小さな石。教会のシスター達はこれらを拾う。シスター達の前で何と卵から人間の赤ん坊が生まれた。更に20年の時が経った。ブルックリンで配管工の仕事を請け負うマリオとルイージの兄弟は、地下の下水路で化石発掘を行う調査チームのリーダーであるデイジーと知り合う。ある日、マリオとルイージはデイジー、マリオの恋人ダニエラと外食を楽しむ。
食事後マリオ達と別れたダニエラが突然2人の謎の男に誘拐され、その次にデイジーも誘拐されてしまった。マリオ達は後を追い地下を訪れた。そこではデイジーが謎の入り口に引きずり込まれ、マリオ達もその入り口に飛び込んだ。その先には広大な地下空間に広がる恐竜人の帝国を発見した。
デイジーを探してさ迷う2人に、地下帝国の王クッパの手が迫る。
リバイバル上映されたときの予告編より
© 1993 Allied Filmmakers N.V. © 1993 Nintendo
※写真などは公式サイトより引用しています。