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ネタバレ厳禁、だけど心にグッと来る隠れた名作ゲーム『ダレカレ』が新しいゲームアイディアを発掘する「SENSE OF WONDER」大賞を受賞。ただボタンを押すだけのゲーム性でありながら、「認知の歪み」と愛の物語を体験できる。優しい雰囲気だけど、シリアスで超濃厚な体験が高評価

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9月27日、新しいゲームアイディアを発掘するコンテスト企画「SENSE OF WONDER NIGHT 2025」にて、講談社クリエイターズラボより販売されTearyHand Studioが開発する『ダレカレ』がグランプリを受賞した。

ダレカレ』は、人の認識の「歪み」を体験するインタラクティブノベル。操作は説明のないボタンを押すだけで、一時間ほどで遊べる作品だ。グランプリ以外にも、「Best Arts Award」と「Best Presentation Award」も受賞し、見事3冠に輝いた。Steamでは9月30日まで20%オフの480円(税込)で購入できるセールも実施中。

本作は、ある朝目を覚ました少女が、父がいるはずのリビングに向かうと、そこには見知らぬ男がいるというシーンから始まる。男は何者なのか、父親はどこに行ってしまったのか、プレイヤーは少女に寄り添い、その先の物語を体験していく。

開発を担当したyona氏は、クリスチャンの牧師家庭に生まれ、大学卒業後はゲーム開発会社room6に勤務し、ゲームの開発やパブリッシングに携わった。2022年には講談社ゲームクリエイターズラボ2期生となり、2023年10月にデビュー作『In His Time』をリリース。『ダレカレ』は2作品目であり、2025年秋には小説版も刊行が決定している。

なお、プレゼンテーションではゲームのネタバレに関わる要素に言及しているため、未プレイの方は視聴の際には注意してほしい。

そのほか表彰作品一覧は以下の通り。

・Audience Award Grand Prix
『ダレカレ』

・Audience Award Semi-Grand Prix
『ニアピンGO』

・Best Technological Game Award
『BBアドベンチャー』

・Best Arts Award
『ダレカレ』

・Best Experimental Game Award
『Non-Virtual Reality Games』

・Best Game Design Award
『文字遊戯』

・Best Presentation Award
『ダレカレ』

・POCKY賞
『Parking Together』
『文字遊戯』
『幽限会社わらし不動産』

「SENSE OF WONDER NIGHT 2025」は、”見た瞬間、コンセプトを聞いた瞬間に、誰もがはっと、自分の世界が何か変わるような感覚”=「センス・オブ・ワンダー」を引き起こすようなゲームのアイデアを発掘することを目的とし、インディーゲーム開発者に作品をプレゼンテーションする機会を提供する企画。

18回目を迎える本企画の今年のテーマは、「既存のルールを崩す」「異界のアドベンチャー」の2つ。80以上の国と地域から1300以上のタイトルが応募し、8作品がファイナリストとして選出され、放送でプレゼンテーションが行われた。

グランプリの決定方法は、会場に集まった観客が、ファイナリストの中から最後に選ばれた2作品のうち、グランプリにふさわしいと思った方にハンマーを振るというユニークなものとなっている。

「既存のルールを崩す」部門では、不朽のデザイン落ちモノパズルゲームにバンジーによる物理アクションを融合した『Topple POP』、ゲーム画面を見ないでプレイできるApple Watch用のゴルフゲーム『ニアピンGO』、ヘッドセットを使わないVRゲーム『Non-Virtual Reality Games』、バランスボールがコントローラーになる『BBアドベンチャー』の4作品がノミネート。

Apple Watchのセンサーを活かし、腕を振ってボールを打ちボールが飛んだ場所まで歩いて移動する『ニアピンGO』は、準グランプリを受賞。今後、東京観光所巡りコースや山手線一周コース、四国八十八か所お遍路コースなど、ユニークなコースを追加する構想があることも発表された。

「異界のアドベンチャー」部門では、グランプリを受賞した『ダレカレ』をはじめ、音声認識AIと協力して進めるマーダーミステリー『深宇宙探査』、文字だけで構成された世界のナゾトキアドベンチャーゲーム『文字遊戯』、出身国の平均寿命で決まった制限時間内にハエとなってやりたいことリストをこなしていく『Time Flies』がノミネート。

「Best Game Design Award」を受賞した『文字遊戯』は、日本語へのローカライズにあたり、ストーリーに少しでも変更が生じる箇所は逐一開発チームに許可をとっていたという、日本語版製作時の苦労話も明かされた。

また、インディーゲームアンバサーを務めるゲーム実況者のポッキー氏による、見ていて・プレイして楽しい作品に贈られる『Pocky賞』には、『文字遊戯』に加え、2人で協力して車を駐車する『Parking Together!』実在の建物を探索できるホラーゲーム『幽限会社わらし不動産』の3作品が選出された。

受賞作品をポッキー氏が実際にプレイしてみた実況動画は、後日ポッキー氏のYouTubeチャンネルにて投稿されるとのこと。

ライター
JRPGとともに少年時代を過ごし、大学在学中に『VALORANT』にはまってからは、すっかりeスポーツの虜に。 プレイするのも観戦するのも好きだが、最近はランクマッチから逃げつつある。 重い腰を上げさせてくれるような戦友を募集中。

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