300万本を売り上げた大ヒット・インディーゲーム『NEEDY GIRL OVERDOSE』(ニディガ)を巡り、原作者らと会社側の対立が続いている。ワイソーシリアス(以下、WSS)は12月29日(月)15時、原作者のにゃるら氏および開発会社Xemonoの代表・とりいめぐみ氏による主張に対し、公式声明をX(旧Twitter)上で発表した。
今回、『NEEDY GIRL…
— WSS playground/BARON DU JUVÉNILE公式 (@infowssJP) December 29, 2025
制作体制や報酬をめぐり対立
にゃるら氏、とりい氏の双方は2025年、契約上の報酬や制作体制に問題があったとして、SNS上でWSSおよび同社代表の斉藤大地氏に対する指摘を行ってきた。主な内容は、業務内容に対する報酬が十分に支払われていなかったのではないかという点や、制作体制におけるハラスメントの有無などに関するものだ。
11月に発表されたアニメ化に際しては、にゃるら氏がプロモーションから外された経緯や、制作に対する対価が正当に支払われていないと感じていることを明らかにしていた。
これに対しWSS側は、にゃるら氏本人から原作チーム離脱の申し入れがあったこと、また契約に基づくゲームおよびIP関連収入については「適切に支払っている」とする公式声明を発表し、主張内容に反論していた。
他誌インタビューでのふたりの発言に反論
その後、他メディアに掲載された複数のインタビュー記事において、両氏は自身の認識をより詳しく語っている。にゃるら氏は、原作チームから離れるに至った経緯や、報酬割合が変更されたと受け止めた理由について説明。また、とりい氏も、ローカライズ実装や移植対応などの追加作業に対し、十分な対価が支払われていないと感じたことなどを明らかにしていた。
今回のWSSの公式声明は、こうした記事内で示された主張の多くについて、事実関係が異なるとする立場を示す内容となっている。
声明によれば、にゃるら氏をWSSおよび原作チームが追放した事実はなく、本人の申し出による離脱であったと説明。また、契約で定められた報酬を一方的に減らした事実もないとしている。現在は双方が代理人を通じて協議を続けている状況であり、WSS側は一部の発言について事実誤認があるとして、過去の発言の訂正を求めているという。
さらに、とりい氏が訴えていた追加作業に対する報酬については、レベニューシェア形式(収益を割合分配)の契約であったことを前提に、移植や多言語化などの追加開発は「無償労働」ではなく「共同事業として収益を最大化するための取り組み」であったと説明。これらの作業を外部に委託した場合には、その分の費用が発生し、結果的にとりい氏の取り分も減少する可能性があったとしている。また、とりい氏との間で発生したトラブルについては、2024年7月31日に和解が成立しているとも主張した。
このほか、制作過程におけるハラスメントについても、調査の結果、該当する事実は確認されなかったとしているなど、WSSの公式声明は長文にわたり、複数の論点について反論を行っている。
現時点では、双方が代理人を通じてやり取りを続けている段階であり、主張の食い違いについて司法的な判断や最終的な合意に至っていない点も多い。今後の協議の行方が重要なポイントとなってくる。
