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米津玄師さんと宇多田ヒカルさんの対談動画が公開。『チェンソーマン レゼ篇』のED曲「JANE DOE」制作秘話や、音楽的アプローチの違いまで語り合う

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10月2日、アーティストの米津玄師さんと宇多田ヒカルさんによる対談映像「米津玄師 × 宇多田ヒカル – JANE DOE対談」がYouTubeにて公開された。

二人は、9月19日より公開中の劇場版『チェンソーマン レゼ篇』のエンディングテーマ「JANE DOE」でコラボレーションしており、今回の対談では、初めての出会いのエピソードから、楽曲制作におけるそれぞれの葛藤と発見、さらには創作における意外な共通点まで、多岐にわたる内容が明かされた。

『チェンソーマン レゼ篇』のED曲「JANE DOE」は、米津さんが作詞・作曲を手掛け、宇多田さんが歌唱を担当。音楽シーンを代表する二人の共演は、発表直後から大きな話題を呼んでいた。

Billboard JAPANが10月1日に発表した音楽チャート「Hot 100」では、「JANE DOE」が2位を獲得。1位を獲得している同作のオープニングテーマ「IRIS OUT」とあわせて人気を呼んでいる。

対談ではまず、二人の出会いから始まり、直接会う以前に、宇多田さんが過去に行った徳島での振替公演を、当時小学生だった徳島出身の米津さんがぼんやりと記憶していたという不思議な縁が明かされた。その後、共通の友人を介して初めて対面したという。

楽曲制作の経緯について米津さんは、当初から自身が歌うことを想定せずに曲作りを始め、制作を進めるうちに「宇多田さんしかありえない」という強い確信に至り、オファーしたと明かした。オファーが受諾された際には「ええ?!そんなことがあるんだ」と大変驚いたという。

一方、オファーを受けた宇多田さんは、他のアーティストが制作した楽曲を歌うことは「ほぼない」経験だったと述べた。作曲者である米津さんの意図を保ちつつ、自身の表現をどこで加えるかという「さじ加減っていうか 駆け引きみたいな」プロセスが「すごく面白かったです」と振り返っている。

その中で、米津さんの音楽的ルーツであるボーカロイドの話題にも触れられた。米津さんは、バンド活動から一人での音楽制作に移行した18歳頃にボーカロイドと出会い、合成音声で楽曲を構築していく中で、日本語の母音や子音に対する意識が極めて強くなったと語る。その経験が、ニュアンスよりもストレートな音の響きを重視する、現在の歌唱スタイルの源流にあると自身を分析した。

この話を受け、宇多田さんは自身の歌い方がまさにその逆で、音を「ずらしていく」スタイルであると指摘。米津さんを「軸をすごく感じる」と評する一方、自身は「軸を避けることで、軸を意識してもらう」アプローチだと分析し、二人の表現が真逆であることに面白さを見出したと語った。

対談ではほかにも、二人とも子供の頃に漫画家を目指していたという意外な共通点や、物理学やCERN(欧州原子核研究機構)への訪問といった科学への関心、さらには創作における「身体性」といった哲学的なテーマについても語り合われている。

ライター
物心ついたころからFFとドラクエと共に育ち、The Elder Scrolls IV: オブリビオンで洋ゲーの沼にハマる。 ゲームのやりすぎでセミより長い地下生活を送っていたが、最近社会にリスポーンした。 ローグライクTCG「Slay the Spire」の有志翻訳者。
Twitter:@Gre_zzz

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