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「AI店員」がアシストするクレーンゲーム が「AEPO 2025」にて初公開。表情と状況を読み取り、話しかけ、補助し、景品の再配置もする。元バンダイナムコ開発者・小山順一朗氏と日本工学院八王子専門学校の学生たちによるプロジェクト「Vision Craft」が開発を手がけた

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日本工学院八王子専門学校は、元バンダイナムコ開発者・小山順一朗氏と同校学生によるプロジェクト「Vision Craft」が開発した「AIおもてなしクレーンゲーム〈アシストキャッチャー〉」を、11月14日・15日に東京ビッグサイトで開催される「アミューズメントエキスポ 2025」で初公開する。

アミューズメント施設の慢性的な人手不足や接客ストレスといった現場課題に対し、AIによる“おもてなし”と“自律制御”を組み合わせた新機軸のクレーンゲームとして披露される。

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アミューズメント施設では、数百台の筐体を数名のスタッフが管理し、景品補充やクレーム対応に追われて接客時間が削られるケースが増加している。得意客ほど「取れない」「対応が遅い」と不満を抱きやすく、スタッフ側の心理的負荷も高い。

離職・人材流出も深刻化しており、業界全体が行き詰まりを抱えている現状だ。「アシストキャッチャー」は、こうした課題に対してAIがどのように寄り添えるかを提示する取り組みとなる。

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開発のきっかけについて、小山氏は現場調査を通じて「店員を責めずに仕組みを変える」という発想に至ったという。

“人を減らすAI”ではなく、“人を助けるAI”をコンセプトにプロジェクトを立ち上げ、学生たちが連携企業の支援を得ながら、設計・モデリングからAI制御、UIデザインまでを担当。スタッフやプレイヤーの感情を学びながら、“おもてなしAI”のふるまいを模索していった。

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「アシストキャッチャー」には、3つの主要機能が搭載されている。景品が取りづらい状況をAIが検知し、モニター上のアニメ風店員が声をかけながらクレーンを制御する「お客様サポート機能」。

景品の獲得後に自動で次の景品をディスペンスし、AIがクレーンを使って最適な位置へセットする「自動補充・初期配置機能」。さらに、プレイヤーの発話を認識し、「もう少しパワーを上げて挑戦する?」といったやり取りを行う「駆け引きコミュニケーション機能」も用意されている。

既存機器を改造し、AI・画像認識・モータ制御・音声対話を統合した仕組みで構築されている点も特徴だ。

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期待される効果としては、スタッフの補充業務時間を削減することで接客や安全管理にリソースを再配分できるほか、勤務環境の改善による離職防止、顧客満足度やプレイ回転率の安定化などが挙げられる。AIは人の仕事を奪うのではなく、“笑顔を取り戻すためのパートナー”として機能させることを目指す。

プロデューサーを務める小山順一朗氏は、「クレーンゲームを“幸せを届ける装置”として開発してきたが、現場では多忙と人手不足で笑顔が失われつつある。AIが現場を支え、人が本来やりたかった接客を取り戻すことが目的」とコメントしている。

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今後は、アミューズメントエキスポ 2025での反響を踏まえ、2026年度以降に企業・自治体との共同研究を進め、AI接客や作業支援技術を活用した次世代アミューズメント店舗モデルの開発を目指す。学生主導の開発ネットワークを広げ、“おもてなしロボティクス”の新しい形を探る取り組みとなる。

イベントは東京ビッグサイト 東4・5ホールにて開催され、主催者ゾーン「学生が創る未来のクレーンゲーム」コーナーで実機展示・AI接客体験・学生による解説が行われる。ゲーム成功者にはオリジナルキャラクター「クレア」「フリック」のアクリルスタンドや、トレーディングカード風ノベルティの配布も予定されている。

AI技術協力としては、HEROZとPictoriaが参加し、ゲーム制御や会話制御分野で技術支援を実施している。教育現場と産業界の連携により、実践的なAIプロダクト開発が実現した。

以下、プレスリリースの全文を掲載しています


【AI×おもてなしで現場改革】疲弊するクレーンゲーム現場に挑む。 元バンナム開発者と日本工学院の学生チームが開発

「AIおもてなしクレーンゲーム〈アシストキャッチャー〉」初公開 11月14日(金)・15日(土)「アミューズメントエキスポ 2025」(東京ビッグサイト)

日本工学院八王子専門学校(東京都八王子市、校長:中村英詞)は、元バンダイナムコ開発者の小山順一朗氏と本校の学生チームによるプロジェクト「Vision Craft(ビジョンクラフト)」が開発した「AIおもてなしクレーンゲーム〈アシストキャッチャー〉」を、11月14日(金)・15日(土)に東京ビッグサイトにて開催される「アミューズメントエキスポ 2025」にて初公開・実演いたします。
アミューズメント施設の人手不足と接客ストレスという現場課題に対し、AIによる「おもてなし」と「自律制御」で解決策を提示する新しいクレーンゲームが誕生しました。人手不足と接客ストレスで疲弊した現場にAIがどのように寄り添い、笑顔を取り戻せるのか――。その答えを、ぜひ会場でご確認ください。

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筐体(表側)

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筐体(裏側)■クレーンゲーム現場が抱える課題

・大型店舗では数百台のクレーンを数名のスタッフが管理している。スタッフは景品補充やクレーム対応に追われ、接客時間が削られている。
・得意客ほど「取れない」「対応が遅い」と不満を抱きやすく、対応をするスタッフが心理的負荷を感じるケースが増加している。
・人手不足が慢性化し、離職・人材流出が課題となっている。
こうした現実への”行き詰まり感”こそ、アミューズメント業界が直面している社会的テーマです。
■「アシストキャッチャー」開発のきっかけ
退職後に教育現場で学生を指導していた小山氏は、クレーンゲーム現場の声を調査する中で「店員を責めずに仕組みを変えよう」と発想。「人を減らすAI」ではなく「人を助けるAI」をコンセプトに、学生とともに開発プロジェクトを立ち上げました。日本工学院八王子専門学校で様々な分野の技術を学ぶ学生達が集まり、連携企業の支援も得ながら、設計・モデリング、AI制御、UIデザインまでを担当。
現場のスタッフやプレイヤーの感情を学びながら、“おもてなしAI”の動作を模索しました。

■3つの主要機能
1.お客様サポート機能
景品が取りづらくなった状況をAIが検知。モニター上のアニメ風店員が「取りやすい位置に動かすね」と声をかけ、クレーンを制御して景品の位置を調整します。
2.自動補充・初期配置機能
景品が獲得されると自動で次の景品をディスペンスし、AIがクレーンを使って最適な位置にセッティング。機会損失ゼロを目指します。
3.駆け引きコミュニケーション機能
プレイヤーの発話を認識し、「もう少しパワーを上げて挑戦する?」などのやり取りを実現。失敗も楽しみに変えるインタラクションです。AI・画像認識・モータ制御・音声対話を統合した仕組みで、既存機器を改造して構築されています。
■期待される効果
・店舗スタッフの補充業務時間を削減し、接客や安全管理へリソースを再配分。・勤務環境の改善による離職防止。
・お客様の満足度向上とプレイ回転率の安定化。
AIは人の仕事を奪うのではなく、「笑顔を取り戻すためのパートナー」として機能します。
■開発者コメント

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小山順一朗(プロデューサー/元バンダイナムコ開発者)
「私は長年、クレーンゲームを“幸せを届ける装置”だと思って開発してきました。ところが現場では、多忙と人手不足が原因で笑顔が失われつつあります。
“AI がその現場を少しでも支え、人が本来やりたかったおもてなし接客を取り戻す”──それがアシストキャッチャーの目的です。」https://x.com/mayanmoyan
■今後の展望
アミューズメントエキスポ 2025での反響を踏まえ、2026年度以降は企業・自治体と連携し、AI接客・作業支援技術を活用した次世代アミューズメント店舗モデルを共同研究予定です。学生主導の開発ネットワークを広げ、日本の“おもてなしロボティクス”の新しい形を目指します。
【アミューズメントエキスポ 2025出展概要】

イベント名:アミューズメントエキスポ 2025(AMUSEMENT EXPO 2025)
会期: 2025年11月14日(金)〜 11月15日(土)
会場:東京ビッグサイト東4・5ホール(東京都江東区有明 3-10-1)
出展場所:主催者ゾーン「学生が創る未来のクレーンゲーム」コーナー
主催:一般社団法人日本アミューズメント産業協会(JAIA)
展開内容:実機デモンストレーション、AI接客体験、開発学生による解説
UR L: https://amusementexpo.jp/
※ゲーム成功者にオリジナルキャラクターのクレア、フリックのアクリルスタ
ンドを進呈の他、トレーディングカード風ノベルティも配布します。【AI技術協力】
学生の作ったオリジナルキャラクターのアクリルスタンド
本プロジェクトには、AI技術の分野で実績を持つ企業が開発協力として参加しています。ゲーム制御や会話制御などの領域で、HEROZ株式会社と株式会社Pictoriaが技術支援を行い、教育現場と産業界の連携による
“実践的なAIプロダクト開発”を実現しました。

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【開発・チーム情報】
・開発責任者:小山順一朗(Vision Craftエグゼクティブプロデューサー/元バンダイナムコ開発者) ・オーナー:日本工学院八王子専門学校 Vision Craft (代表:渡邊友紀)

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・所在地:〒192-0983 東京都八王子市片倉町1404-1
【Vision Craft とは】
数々のヒット商品を世に出してきたゲームクリエイターの小山順一朗氏を中心
とする分野を問わず有志が集まった日本工学院の学生による自らヒットプロダ
クトづくりに挑戦する特別プロジェクト

ライター
ゲームの好きなところは、誰でも主人公になれる公平さ。 子供の頃よりも現実に直面する場面が多いから、束の間にゲームをする。 お気に入りのゲームは『UNDERTALE』

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