サムスン電子は12月2日、同社としては初となる三つ折りスマートフォン「Galaxy Z TriFold」を海外向けに正式発表した。
12月12日に韓国での発売を予定しており、その後、中国、台湾、シンガポール、UAE、米国などの市場へ順次展開される。日本での発売については記事執筆時点では未発表だ。


「Galaxy Z TriFold」最大の特徴は、内側に二回折りたたむことができる「マルチフォールディング」構造を採用している点だ。完全に展開するとタブレット級の10インチディスプレイが現れ、閉じた状態では一般的なスマートフォンと同様に6.5インチのディスプレイを利用できる。
この10インチのメインディスプレイは、解像度2160 x 1584(QXGA+)のDynamic AMOLED 2Xパネルを採用している。1Hzから120Hzの可変リフレッシュレートに対応することで、滑らかな映像表示と省電力性を両立させた。最大輝度は1600ニトである。
一方、閉じた状態で使用するカバースクリーンは6.5インチのFHD+(2520 x 1080)解像度を持ち、こちらも同様に最大120Hzのリフレッシュレートに対応するほか、最大輝度は2600ニトに達し、屋外での視認性も確保されている。

こうした高精細かつ広大な画面を活かし、ユーザーは3つのアプリを縦長の状態で並列起動して同時に操作したり、大画面全体を使って没入感のある映像視聴を楽しんだりすることが可能だ。

ハードウェアの設計においては薄型化と堅牢性が追求されている。展開時の厚さは最薄部でわずか3.9mmに抑えられており、新開発のヒンジシステムとチタン製のヒンジハウジング、強化されたアルミニウムフレームによって耐久性を確保。くわえてIP48等級の防水性能も備えている。
また、バッテリーは3つのパネルそれぞれに分散して配置されることでバランスを保ちつつ、合計5600mAhの大容量を実現しており、45Wの急速充電にも対応する。
基本性能を支える心臓部には、Galaxy向けにカスタマイズされた「Snapdragon 8 Elite Mobile Platform」を搭載している。カメラ機能も強化されており、背面には2億画素の広角カメラを含む3眼構成のカメラシステムを採用している。
AI機能である「Galaxy AI」も大画面に最適化され、生成AIによる画像編集やスケッチ機能、画面上の情報を文脈的に理解する「Gemini Live」などが利用可能だ。
さらに、本機は外部モニターなしでデスクトップPCのような操作感を実現する「Samsung DeX」にも対応しており、モバイル環境でのワークフローを大きく拡張する仕様となっている。

