グラビティゲームアライズのスマートフォン向けMMO歴史戦略シミュレーション『信長の野望 天下への道』では、リリースから半年を記念したハーフアニバーサリーイベントが開催中だ。
なかでも目玉といえるのは、2026年1月3日まで開催されているルーレット形式のイベント「楽市楽座」である。有償金を使って回すこのイベントでは、武将の募集片や領国銀・領国金などの豪華アイテムが獲得可能。募集片は20個で武将1名と交換できるほか、領国銀・領国金は「楽市商店」にてアイコンなどの限定アイテムとも交換できる。
そして今回、この楽市楽座にて初登場を飾り、大きな話題を呼んでいる武将がいる。上杉謙信だ。
しかもただの謙信ではない。あえて女性として描かれた、特別な謙信なのである。
異説に宿る軍神の素顔 ── 「上杉謙信・伝」が提示する歴史のIF
今回新たに登場した「上杉謙信・伝」は、ご覧の通り女性武将として描かれている。しかし、この凛とした美しさを持つビジュアルを、単なる男性ユーザー向けの安易な「女性化」と片付けるのは早計だ。
そもそも上杉謙信には、生涯不犯(独身)を貫いた不自然さや、当時の隠語で婦人病を指すとも言われる死因「大虫」、さらには毎月決まった時期の腹痛による引きこもりなど、枚挙にいとまがないほど「女性説」を裏付ける史実の断片が存在する。
実際、ゲーム界における謙信の女性化は、もはや定番と言えるほど広く浸透した解釈だ。
特筆すべきは、本作が『信長の野望』シリーズ作品らしい写実的なタッチを維持しつつ、名前に「伝」を冠している点である。コーエーテクモゲームスの歴史ゲームの熱心なファンならご存じだろうが、この「伝」の一文字には、歴史上のミステリーや異説にスポットを当て、歴史に埋もれた可能性を真摯に再構築した「特別版」であるという、開発側のメッセージが込められているのだ。
「上杉謙信・伝」という呼称、そしてこの重厚なビジュアル。それは、女であることを隠した偽りの姿を面白がったり萌えたりするものではない。女性でありながら軍神として君臨し続けた、あり得たかもしれない「もう一つの真実」を真っ向から描き出そうとする、歴史シミュレーションとしての新たな挑戦なのだ。
……ほんとに?



