4月1日、米国特許商標庁(USPTO)の特許審査官は、任天堂が所有するゲーム内システムに関する特許について、すべての請求項を退ける審査通知を発行した。Game Frayの報道を基にVGCやIGNなどの複数の海外メディアが報じている。
対象となっているのは、「サブキャラクターを召喚し、プレイヤーによる手動操作または自動のいずれかのモードで戦闘を行わせるシステム」に関する米国特許(特許番号12,403,397)である。
これまでの経緯として、任天堂は2025年に該当の米国特許を取得。この特許は、『パルワールド』を巡る任天堂とポケットペアの訴訟に関連するものと考えられている。その後、そもそもこの特許が付与されるべきであったかを再評価するため、2025年11月4日にUSPTO長官が異例の再審査を命じていた。
Game Frayの記事によると、任天堂が定められた最初の意見書提出の期限を見送ったため、審査官は再審査プロセスを進行させ、先週にこの暫定的な審査通知を発行するに至ったとされている。

USPTOの公開情報(PDF・全104ページ)によれば、今回の審査において特許を退ける根拠となったのは、実際にリリースされたゲームソフトのプレイ内容ではなく、過去に公開された米国特許出願の文献である。
具体的には、任天堂自身の特許出願である「Taura」(2020年8月公開、US 2020/0254335 A1)と「Motokura」(2022年3月公開、US 2022/0062760 A1)、コナミの「Yabe」(2002年8月公開、US 2002/0119811 A1)、バンダイナムコの「Shimomoto」(2020年3月公開、US 2020/0086216 A1)の4件の出願文献が挙げられている。なお、各文献の名称はUSPTOの通知内において、筆頭発明者の姓で呼称されているものだ。
(画像はUSPTOの3月25日付公開文書より)
USPTOの審査官は、全26件におよぶ請求項すべてを退ける理論の土台として、まず任天堂の「Taura」文献を引用した。この文献は対象特許の要素の大部分を網羅していると指摘されており、そのうち18件の請求項については、コナミデジタルエンタテインメントの「Yabe」または任天堂の「Motokura」のいずれかを「Taura」と組み合わせることで、特許としての進歩性が否定されている。
さらに残る8件の請求項に関しても、これらにバンダイナムコエンターテインメントの「Shimomoto」を第3の文献として加えることで、すべての請求項がゲーム開発者などの専門家であれば容易に発明できた「自明な内容」であると結論付けた。
なお、今回の通知は最終的な決定を示すものではなく、特許が直ちに取り消されるわけではない。USPTOの通知によれば、任天堂には今回の通知に対して反論を含む意見書を提出するための2カ月の期間が設けられており、申請によって理由を問わず期間を延長することも可能だという。


