『どうぶつの森』書籍も著したスペイン人権威、愛ゆえの『ポケ森』辛口批評――「もはや『どう森』は世界共通言語だ」国境を越え皆が抱く想いとは?【海外プレイヤー12人の声】

 2017年11月21日に『どうぶつの森 ポケットキャンプ』(以下、『ポケ森』)の配信が開始されてから1週間、キャンプ場での生活もそろそろ慣れてきた頃ではないだろうか。

ポケットキャンプ公式サイトのスクリーンショット
(画像はどうぶつの森 ポケットキャンプ公式サイトより)

 このタイトルは現在40カ国以上で配信されているので、日本だけでなく、いまや世界中の「どうぶつの森」ファンが、自由気ままなスローライフを満喫しているわけだ。

 「『どうぶつの森』は“ゲーム”というより、緊張を解し、愛情を注げる居心地のいいバブルなんです。」

 そう語るのは、スペイン在住のPablo Algaba氏(35歳男性)。

 「ゲーム自体が楽しい、というわけじゃない。与えられた幻想的な環境に身を置くことで、プレイヤーが楽しくなるんです。

キャラとの心温まる交流
(画像はどうぶつの森 ポケットキャンプ How to Movie 「チュートリアル」より)

 “楽しいゲーム”という概念は、一般的にアクションやタスクの楽しさを彷彿させるけれど、「どうぶつの森」はボクの好きなほかの任天堂のゲームが持つ楽しさと、一味違うんですよね。

 

 そしてこのゲームは間違いなく、単純な人工知能とユーザーとの絆を強く結ぶところが優れていると思っています。」

 “ぺしみちは我が友”と豪語する彼は、書籍を著しているほど、スペインでいちばん「どうぶつの森」に詳しいとされる人物だ。

Pablo氏が執筆した書籍『La aldea feliz. Un viaje a través de Animal Crossing』は、「どうぶつの森」シリーズの全ゲーム解説、ゲーム性、やりこみ要素などを、氏の視点から分析するという内容だ
(画像はECサイトHéroes de Papelより)

 そんな、スペインの「どうぶつの森」権威は、『ポケ森』をプレイしてどう思ったのだろうか?

 同氏はこう語った。

 「従来の『どうぶつの森』のようには、楽しくプレイできなかったのが残念。
 入手した報酬の画面、数字や統計、RPGのようなUIがあるおかげで、『ここはどうぶつたちと“本当に生活している”世界だ』と、没入しにくくなっているんですよね。

RPGのようにレベルが左上に表示されている
(画像はどうぶつの森 ポケットキャンプ How to Movie 「チュートリアル」より)

 それに──本当に彼らどうぶつたちが望んでいるのかわからないけれど──とにかく“要求させる”ためにどうぶつたちが存在するんだな、という気がしています。
 仮想の友だちになりたいような、小さな個性を持つ“相手”ではなく、何かをする“手段”になっている印象が強いんです。
 今、ハムスケが目の前にいるけれど、“手段”にしか見えない。

ハムスケ
(画像はどうぶつの森 観光局 住民名簿より)

 それから今作では、ほかの「どうぶつの森」シリーズで得られる温もりがちょっと失われていると感じています……ぶっちゃけて言うと、明らかに資本主義的な仕組みを大歓迎しているところが、ちょっと引きますね。

 

 最近のシリーズで見られたような、いくつかの課金方法を捨てたSwitch版が発売されてほしいけれど、それは無理かなぁ(涙)。
 『とびだせ どうぶつの森』(以下、『とび森』)をプレイしたとき、“自分が住人たちに受け入れられた!”と感じたことがあったのだけど、その感覚をぜひ味わわせてほしい。画面越しに愛が飛び交っている感覚を、もう一度ください!

『とびだせ どうぶつの森 amiibo+』公式サイトのスクリーンショット
(画像は任天堂公式サイトより)

 と、「どうぶつの森」愛が強すぎるゆえか、『ポケ森』に対する第一印象はなかなか辛口だったPablo氏。
 海外でプレイするほかのプレイヤーたちは『ポケ森』に触れて、何をどう思ったのだろうか? 日本国内での賛否については各メディアでも語られ始めているが、ここでは一度ゲームを俯瞰して、世界各国の声をお届けしたい。

 スペイン、アメリカ、ドイツほか3カ国、計12人の「どうぶつの森」海外ファンが感じた、『ポケ森』のファーストインプレッションとは?

取材、翻訳/ルイス ガルシア
文/なかJ


「シリーズの魂を潔く受け継いでいるよね!」(スペイン編)

1. Silviaさん(32歳女性)

プロフィール

 

「どうぶつの森」歴:16年
好きなキャラ:ポンチョ(住民)、かっぺい(キャラ)

 まったりした生活を送り、コレクションのコンプリートを目指し(これが特に好きです!)、面白いセリフを言うどうぶつさんとのやりとりが、「どうぶつの森」でのお気に入り。

Silviaさん

 かっぺいさんの歌とキャラたちのセリフそのもの&セリフの語尾が楽しい!

かっぺい
(画像はどうぶつの森 観光局住民名簿より)

 『ポケ森』をプレイしてみた印象は、まあまあよかったかな。無料というおもてなしが、さすが任天堂さんだなぁと思いました。
 ただ、『とび森』のほうが好き。『ポケ森』は数時間遊んだら、繰り返しの作業をしていることに気がついてしまったり……。

 今後は、ゲームキューブ版『どうぶつの森+』の復活を希望!
 村人の返答に関する、より進化された人工知能も欲しいな。村や自分についての話は限られている気がするので。あと、フルーツをもっと早く入手できるようになるための作業も欲しいです。「ひりょう」というアイテムを使わないような。

 日本のプレイヤーの皆さん、「どうぶつの森」で会って、家具、デザインとスマイルを交換できるといいね。
 近いうちにSwitch版が出るならそこでも会えますように!

2. María Jesús Vizcaínoさん(32歳女性)

 プロフィール

 

「どうぶつの森」歴:11年(ニンテンドーDS版から)
好きなキャラ:たぬきち

 ほのぼのしている環境ならではの“ゲーム性”と、愛らしい住民への“感情移入”が、このシリーズの魅力。お金を稼げる作業がすごく面白い。とくに釣りと狩りが楽しい!

Mariaさん

 『ポケ森』は、スマホ用アプリにもかかわらず、従来のファンがスムーズに入っていけるのが素晴らしいと思った。キャラバンという発想がすごい!
 今後、『ポケ森』につながるSwitch版が登場するのが理想です。可能性が無限大になるでしょう。

 日本の皆さん、キャラバンのタンクを満タンにして、スペインに遊びに来てください!

3. Ricardoさん(32歳男性)

プロフィール

 

「どうぶつの森」歴:11年
好きなキャラ:しずえ

 目的やエンディングに辿り着く道のりがハッキリしていないのに、何百時間も費やしている自分。
 「どうぶつの森」は、数あるゲームの中でもユニークな体験を提供する作品であり、他のゲームでたまった疲れを取ることができる、まさにバーチャルオアシスでもある。

住民たちは快くサービスを提供してくれる
(画像はどうぶつの森 ポケットキャンプ How to Movie 「チュートリアル」より)

 やれることが全般的に楽しくて、住民とお喋りするのがたまらない。いくつかの会話は、本当に“神”ですよ。

 『ポケ森』をプレイして、驚愕しました。シリーズの魂を潔く受け継いでいるなぁ。任天堂さんの開発力が伝わるね! というわけで、『ポケットキャンプ』は大好きだけど……やっぱりSwitch版が出なければ生きていけない!

 私がいつか日本に行ったら、日本人の友だちの村に遊びに行けるかな? 楽しみでしかたがないです!

「季節外れのキャンプだけど、癒されようぜ!」(アメリカ編)

4. Mattさん(28歳男性)

プロフィール

 

「どうぶつの森」歴:16年
好きなキャラ:フォアグラ、ポンチョ、トムソン、メープル

 「どうぶつの森」は、自分のペースで気軽にプレイできるのがイイ。愛嬌溢れるどうぶつたちと戯れて心が和む……。

Mattさん

 『ポケ森』をプレイしてみて感じたことは、オリジナルの魅力を汲み取って、ポケットサイズによく収めたなー、と。さすが任天堂さん! Switch版が早く出ることをひたすら祈っています(笑)。

 日本の皆さんへ。季節外れのキャンプだけど、ともに可愛いどうぶつたちに癒やされよう!

5. Jeffさん(33歳男性)

プロフィール

 

「どうぶつの森」歴:『ポケ森』を除くと『どうぶつの森+』だけです
好きなキャラ:1ごう

 『ポケ森』は、期間限定バトルに参加するためにもっとも強い装備やキャラを揃えるプレッシャーはなく、ただ自分のキャンプ場で飾りたい家具をのんびり作れることが魅力だと思います。
 フレンドのキャンプ場が、前回訪ねたときからどう変わったかを見るのも楽しいです。

 あと、自分がレベルアップしたり、虫を捕まえたりした際に、NPCや他プレイヤーのキャラもパチパチするのを初めて見たとき、「さすが任天堂だな!」と思いました。

新しいオブジェが完成すると、「おひろめ会」が開催される
(画像はどうぶつの森 ポケットキャンプ はじめてガイドより)

 と、言いつつ……ソシャゲをあまりやっていないので、比較してどうかわかりませんが──チケットの種類が多いな、と感じましたね。
 今後は、面白い家具と、お願い達成後のイベント(スープを作ったり虫のために楽器を弾いたりするシーン)と、会話パターンの追加を期待しています。

 日本の「どうぶつの森」ファンへ! カラスたちを狸と同様に警戒する必要があります! そのゆるい口調に騙されないでください!

OKモータースのカラス三人組
(画像はどうぶつの森 ポケットキャンプ ダイジェスト映像より)

6. ティも太郎さん(35歳男性)

プロフィール

 

「どうぶつの森」歴:15年
好きなキャラ:くるぶし

 「どうぶつの森」では、果樹や花などの園芸や、はにわ集めにハマりました。私としては、『ポケ森』には、ブラックユーモアが欲しいなあ。

 もちろん、Switch版に期待しています! 日本の皆さん、花の周りを走らないように!

「キャラたちの言動がストーリーに影響を与えてほしいな」(ドイツ編)

7. Dianaさん(32歳女性)

プロフィール

 

「どうぶつの森」歴:5年
好きなキャラ:自分

 「どうぶつの森」は、ニンテンドー3DS版の『とび森』が初プレイでした。
 深刻な問題が存在しない世界に癒されることと、カラフルなところと、動物が可愛い点が、このゲームの魅力だと思います。

カラフルなキャラクターたちが画面の中で調和している
(画像はどうぶつの森 ポケットキャンプ ダイジェスト映像より)

 『ポケ森』をプレイしてみて、可愛くて楽しい! 無料だと思えないぐらいによくできていると感じました。
 今後は、行ける場所が増えて欲しいなと思っています。あと、キャンプ場の家具の色や置きかたなどにもう少し自由度が欲しいな。

8. Florianさん(40歳男性)

プロフィール

 

「どうぶつの森」歴:9年
好きなキャラ:リセットさんに決まっている! セーブせずにプレイを終了すると怒鳴られるのがイイネ

 「どうぶつの森」は、いつもやることがたくさんあるので、まったく飽きないゲームです。ユーモアのセンスも素晴らしい!

 『ポケ森』のファーストインプレッションですか? まだ十分にやっていなくて、早とちりしたくないのでコメントはちょっと控えたいです……。でも、終わりのないアップデート、新しいコンテンツが続々出ることに期待しています。日本の皆さん、アプリ上で近い将来に会いましょう!

9. Sachikoさん(39歳女性)

プロフィール

 

「どうぶつの森」歴:およそ4年
好きなキャラ:リセットさん。びっくりしたわ! とても面白かった!

 「どうぶつの森」は、とにかく全体的な雰囲気が好きで、ストレス解消できる“憩いの場”ですね。お友だちと会って、季節の変化や昼夜の空を眺めるのが楽しいです。ほんと、細部までよく作り上げられているなぁと感じています。

 『ポケ森』をプレイしてみて……コットン(ふわふわのもと)がぜんぜん足りないです! ください!!(笑)

どうぶつたちの願いを叶えると、お礼に材料をもらうことができる
(画像はどうぶつの森 ポケットキャンプ How to Movie 「チュートリアル」より)

 それはともかく、今後はキャラたちの言動がストーリーに影響するようになって欲しいな。

フランス、シンガポール、イギリスからの声

10. えぶさん(37歳女性/フランス在住)

プロフィール

 

「どうぶつの森」歴:『e+』→『おいでよ』→『とび森』→『ポケ森』
好きなキャラ:ペーター

 『ポケ森』を最初にプレイしたとき、「なるほど、課金プレイの要素が混じった『どう森』だね」と感じました。「どう森」らしさは健在で、アイテム集めとやりこみ要素、キャンプのレイアウト変更などを楽しんでいます。

キャンプは家具を好きな配置で置くことができる
(画像はどうぶつの森 ポケットキャンプ How to Movie 「チュートリアル」より)

 今後は、少しでもストーリーのある逸話のようなコンテンツを追加して欲しいです。あとは、ニンテンドーDSやSwitchとの連携とか。他プレイヤーとのコミュニケーション増加とか、協力系コンテンツの増加とか、歩数計機能を使ったコンテンツとか!

11. Alisiaさん(20歳女性/シンガポール在住)

プロフィール

 

「どうぶつの森」歴:DS版からやり始めました
好きなキャラ:アップル

 しゃべる鷲(アポロ)が、リンゴの木の下でリンゴをねだるようなイベントを初めて見たとき、「わけがわからない!(笑)」と、一気に「どうぶつの森」ファンになりました。

アポロ
(画像はどうぶつの森 ポケットキャンプ キャラクターより)

 『ポケ森』、さっそく遊んでみましたが、従来のシリーズの魅力的な部分を継承しているのがスゴイ! そんなにリーフチケットを購入しないでも楽しめるように、もう少し改善してくれると嬉しいな(笑)。

 日本の「どうぶつの森」ファンの皆さん、レベル上げをいっぱいしましょうね!

12. Lainyさん(28歳女性/イギリス在住)

プロフィール

「どうぶつの森」歴:『ポケ森』が初めて!
好きなキャラ:カエルのレイニー(笑)

 初めての「どうぶつの森」なのですが、設定・キャラクターがカワイイし、プレイしやすいですね。自分のキャンプもデコレーションできるのは楽しいです!

 今後は、とにかくいろいろな要素を追加して、ゲームの拡大を期待しています。キャンプのスペースや、一度に招待できるどうぶつの数、冒険する場所……このままでは、早く飽きてしまう可能性があるので……。

 日本の皆さんも、みんなでワイワイ『ポケ森』を楽しみましょう~。

キャンプはプレイヤーの好きなようにカスタマイズすることができる
(画像はどうぶつの森 ポケットキャンプ ダイジェスト映像より)

 各国から届いたファンのメッセージを見るに、過去シリーズとの比較論調で語られる日本のファンの反応以上に、無料であることとシリーズのエッセンスを汲んでいる部分に、単純な好感を寄せている模様。そして、『ポケ森』アップデートに対する期待と、何より未発表にもかかわらずSwitch版を待ち焦がれる気持ちは、日本国内のファンと同様のようだ。

 最後に、世界中の「どうぶつの森」ファンが、国境を超えて抱く想い──激しく同意してくれそうな言葉で、この記事を締めくくりたい。記事冒頭に、辛口レビューを披露してくれたPablo氏が語ってくれたコメントだ。

 「ゲームひとつで、異国で文化も体格も違う僕らは、同じように心が満たされるというのが不思議じゃない? これはまさに世界共通の言語だ!」

(了)

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