集英社ゲームズから発売される新作『UN:Me』は、「ソウル・トリアージ アドベンチャー」という世にも珍しいジャンル名を掲げる作品だ。
「トリアージ」とは、「選別」を意味する。プレイヤーは少女の中に宿るⅠ〜Ⅳの4つの魂それぞれが「自分が本物だ」と主張する中、誰を残して、誰を消去するのかを「対話」を通して向き合っていくのだ。
そんな難しい役柄を演じるのが、声優の花守ゆみりさんだ。複雑な感情や背景を持った4つの魂たちの声を、ひとりで背負うことになる。
「4つの魂を演じ分ける」と聞けば、声色を作り変えて違いを演出する画が思い浮かぶが、本作の開発陣は「声色ではなく気持ちで分ける」というアプローチをとったと語る。花守さんによれば、魂たちの人生と記憶を意識して「ひとりの人間として動かす」と考えたら、自然と色が分かれていったとのこと。
そしてその演技は、開発陣に「映像が演技に負けている」と言わしめ、開発工程を作り変えるほどのものであった──。
今回電ファミでは、東京ゲームショウ2026(以下、TGS)の会場にて声優の花守ゆみりさん、企画・シナリオを担当する山中拓也氏、開発を担当するヒストリアの佐々木瞬氏、そして総合プロデューサーを務める集英社ゲームズの河合泰一氏へインタビューを実施する機会を得た。
上記のような演技面でのこだわりや、制作陣の本作における「魂との対話」という要素へのこだわりがたっぷりと詰まったインタビューになっているので、ぜひお読みいただければ幸いだ。

タイトル発表から想像以上の反響。PVでは伝わらなかった「魂との対話」というコアが届き始めた
──『UN:Me』は直近でいろいろな動きがありました。公式Xアカウントの開設、モーションキャプチャー導入の発表、gamescomとTGSへの出展と、さまざまな情報とともにタイトルが動き出した感覚があるのですが、初出のアナウンスからこれまでの手応え、そして反響を開発陣はどう受け止めていらっしゃるのでしょうか。
河合泰一氏(以下、河合氏):
タイトルアナウンス時のトレーラーを出させていただいたときから、おかげさまで想像以上の反響をいただいています。
本作は、映像だけだとどういうゲームなのか、なかなか伝わりづらいところがあるタイトルです。それでも、映像から伝わってくる世界観だったり、雰囲気、空気感みたいなところに対して、すごくいい反応をいただいている状況ですね。
そこで、『UN:Me』に興味を持っていただいた方々に対してコミュニケーションを取っていくために、公式Xや公式サイトを用意しました。「こういうゲームだったんだ」と詳しく知っていただくためのアプローチを具体的にスタートさせた、といいますか。
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— UN:Me【公式】 (@UNMe_JP) September 2, 2026
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トレーラーだけでは「不思議な世界を探索する」という部分がフォーカスされることが多かったんですね。でも、現在は「それぞれの魂と対話していく」という部分がコアになっているゲームということが伝わっている感覚があります。
試遊に関しては、まずgamescomに出展させていただきました。そこでもかなりたくさんの方に遊んでいただいたのですが、じつはTGSのロムはgamescomから進化している、新しいバージョンを出展しています。アンケートを取っているのですが、おかげさまでとても高い評価をいただいています。
なかには叫び声を上げながら遊んでいただいた方もいて(笑)。「何も知らない方がプレイするとこんなリアクションになるんだな」というのを知ることができました。
出展の仕方も凝っていまして、試遊スペースにいたるまでにエレベーターに乗っていただき、ちょっとした体験ができるようになっていたり、「不安回廊」というその名のとおり、実際にゲーム中の世界観を歩けるアトラクションも用意しています。
──本作はホラーではなく「ソウル・トリアージ」【※】というジャンルですが、gamescomで海外の方たちにも伝わっている手応えがあったのでしょうか?
※トリアージ……事故や災害の現場で、限られた医療資源をどう配分するか、患者の治療の優先順位を決めること。日本語では「選別」と訳される。
河合氏:
「怖かった」とか、「不気味だった」とか、そういった声も多かったのですが、「もっと物語を知りたい」、「もっとあの子たちとしゃべって、あの子たちのことを知りたい」というリアクションも多かったんですね。ですので、『UN:Me』の本質の部分は、海外の方にもしっかりと伝わっていると感じました。
佐々木 瞬氏(以下、佐々木氏):
本作は、ふだん手がけているゲームとはまったく違うゲーム内容なので、すごく手探りで作っています。ですので、お客さんがどんな反応をするのかについても、「多分こうだろう」だったり、社内テストプレイでのリアクションは見ているわけですが、しっかりと想像できているわけではなかったんですよね。
──たしかに、「こういうRPGのゲームです」とわかりやすい内容ではありませんからね。
佐々木氏:
RPGのように広く知られていたり、比較対象のある内容であれば、「お客さんはここで盛り上がって熱くなる」といった想像はつくんです。でも、本作の場合は作り手側も「どうなるんだろう?」と手探り状態なんですよね。プレイしたときの反応が頭の中でわからないような状況で作っていたというか。
TGSではヒストリアブースでも『UN:Me』を出させていただいているのですが、そこでのお客さんの反応を見て、「ここでこういう感じで楽しんでもらえるのか」というのが実感できたんです。
頭の中だけだと、開発者の我々は「プレイヤーのみなさんはすごく真面目に、すごく真剣に」という反応を想像してしまいがちなんです。ですが、実際はもうちょっとラフな感じで楽しんでもらえていて。どういう風に感情に入り込んでいくか、というのがとてもよくわかりました。
驚くシーンなどはわかりやすいんですけれど、本作のキモである「対話」シーンがどう受け入れられるか。そこに引き込まれているのが実感できたのは手応えとして残りましたね。
山中拓也氏(以下、山中氏):
いままでトレーラーなどで見ていただいていたところから、実際に触っていただいて対話を体験していただく。この会話という部分が、じつは本作のメインコンテンツというか、そこに注力しているという作品なんですね。
ですから、そこでやっていることがただ地味な会話で終わるのか、リアリティがあるけれどもちゃんと引きがあるものなのかはとても重要なポイントです。
TGSの試遊によって、「ただのホラーではないもの」という点を感じていただいている手応えがあります。その文脈で受け取っていただけたことがわかってほっとしましたね。
花守ゆみり起用の裏側。求めたのは「生っぽい演技」ができる人
──花守ゆみりさんが主人公を演じているという発表が、この取材の直前に行われたわけですが、花守さんの耳にも反響は届いていらっしゃいますか?
花守ゆみりさん(以下、花守さん):
声は第1弾のトレーラーが出たときにも入っていたのですが、そのときから「主人公のこの声は花守ゆみりなんじゃないか?」と予想されている方がいらっしゃったり、知り合いからも「これってもしかして花守さんですか?」と聞かれることがあったんですね(笑)。
自分の中では、ふだんキャラクターに吹き込む声よりも、もっと日常として……「電車で向かいに座っているような女の子」のような声でできたらいいなと思っていました。そういった、ふだんのアニメやゲームのお仕事で挑戦できないところでのお芝居を、この作品では取り組ませていただいています。
私だと気づいてもらえることがうれしかったですし、逆に気づかれないのもうれしいという(笑)。「花守さんだったんだ」という声も、「花守さんですよね」と言ってくださる声も、どちらもあって、どちらの反応もすごく光栄に感じています。
演じ分けという部分での話をすると、「演じ分けている」という感覚がじつはそこまでないんです。というのも「4つの魂」それぞれの人間の人生、記憶というものが、自分の中でひとりずつ認識がはっきり分かれていたんですね。
ですから「自分の中でこういう演じ分けをしよう」というのではなく、「いまの記録、メモリーから、ちゃんとひとりの人間として動かしていこう」と思ったときに、自然と色が分かれた実感があったんです。
演じさせていただくときも、「演じ分けの部分でどうしよう」というよりは、対話を行っていく中で、プレイヤーさんが対する少女を、より魅力的に、より身近に感じてもらいたい。そういうアクションをどうやっていくかというディスカッションが現場ではあったんですね。
分けるというのではなく、ひとりずつちゃんと作っていく。そういうところで、現場ではお話をたくさんさせていただきました。
──以前のインタビューの中で、山中さんが「芝居にめちゃくちゃこだわっている」とおっしゃっていたのですが、演じるのが花守さんだとうかがって適任だと感じたんですね。山中さんからオファーを出された形だったのでしょうか?
山中氏:
正確に言うと、集英社ゲームズさんから主演候補のリストアップの確認をお願いされたときに、花守さんのお名前があがっていたんです。僕は花守さんとは10年ほど前に『Caligula -カリギュラ-』【※】でご一緒させていただいていたので、信頼感はもちろん、花守さんがどういった芝居が好きかということが、なんとなくわかっていたんですね。
自分がどれだけお芝居で「こうしたい」というディレクションをぶつけられるのか。本作では、そこがとても重要な部分だったんですね。花守さんの名前をみたときに、「花守さんだったら安心してお願いできる」と集英社ゲームズさんにお伝えさせていただいたんです。
※『Caligula -カリギュラ-』……2016年にフリューから発売されたRPG。山中氏がディレクターを務めている。また、2018年に発売されたリメイク版『Caligula Overdose -カリギュラ オーバードーズ-』では佐々木氏の率いるヒストリアが開発を担当。
河合氏:
10年ぐらい一緒にお仕事をしている音響さんがいらっしゃるんですけど、その方とお話ししていく中で、複数の方が候補としてあがったんです。その際、山中さんに「どういった演技のイメージがありますか」と伺ったんですね。
山中さんから「本作では『生っぽい演技』が非常に重要なので、それができる人を」と回答をいただき、音響さんにお伝えしたところ「じゃあ、花守さんしかいないよ」と。
花守さん:
本当ですか?
河合氏:
本当です。その後、山中さんに「花守さんは?」とお聞きしたところ、山中さんからも「花守さんだったら大丈夫です」となって決まりました。
花守さん:
とっても光栄です。
「ピッチでやらない」演技とは? ゲームでは選ばれない芝居にあえて挑んだ
──収録時、山中さんからはどういったディレクションがあったのでしょうか?
山中氏:
収録の前に、まず「どういう風に芝居をお願いしたいか」を説明させてもらいました。花守さんは、その時点での理解が高いというか、どういうことを求められているのかがすぐにわかる方なんですね。
ですので、「この魂はこういうときにどう考えていますかね?」など、感情のところで話し合うことが多かったです。これはちょっとマニアックな話になってしまいますけど、「生っぽい」というのを僕なりに言語化すると「ピッチ(音程)でやらない」ということだと思うんですよ。
花守さん:
うんうん、わかります。
──「ピッチでやらない」ということを詳しくお聞かせください。
山中氏:
ゲームやアニメの芝居はピッチでコントロールすることが多いように感じます。「聞きやすさ」「伝わりやすさ」が重要で、怒りや悲しみのシーンも「怒っている」「悲しんでいる」が伝わるような音を演出している。すごく乱暴な言い方をすると、ゲームの芝居ってそういう感覚が強いんですよ。
でも、『UN:Me』ではそこから脱却したかったんです。「既存のゲームにはない芝居をやろう」というところが、僕の中でのテーマとしてありました。こうして人が話しているときに、声に感情がすべて音に乗っているわけではないですよね。実際の会話と同じで、相手が考えていることを能動的に感じる必要がある「自分が迎えにいかないとわからない芝居」なんです。
ですから、映像や小さな舞台でやる芝居であって、ゲームのようなわかりやすさが求められるメディアでは選ばない芝居なんです。けれど、今回はそれを表現したかった。とても難しいことなんですけど、花守さんはその思想をわかってくれるんですね。
花守さん:
「それってめちゃめちゃおもしろいですね」とお答えしました(笑)。ふだんのゲームやアニメのお芝居ですと、尺やテンポに理想の形があるんですね。でも、『UN:Me』では絶対に取らない間の長さを取ったり、逆にあえて間を取らないで、するすると話していったり、「思考と口との乖離」を表現しています。
そういった「あえて作るアラ」的なものが、より人と話しているような錯覚を引き起こすというか。そういう自然な会話の中で行われる、いろんな間の崩れ方というものを、あえて好んで散りばめていきました。
──収録のときは、映像がある状況だったのでしょうか?
山中氏:
いや、ありませんでした。お芝居が先で、そこに動きを合わせる形で進めていたんですね。花守さんには、お芝居優先で演技をしてもらいました。じつは、花守さんの演技にいざ動きを当てはめていったら、「これは一致しないかもしれない」となりまして……。
佐々木氏:
花守さんの演技にモーションが負けてしまったんです。
──あ、だからモーションキャプチャーを取り入れられたんですね。
さらにゲーム体験をよくするために
— UN:Me【公式】 (@UNMe_JP) August 21, 2026
モーションキャプチャーを導入することにしました。
撮影風景をちょっとした動画にまとめたので
よかったらご覧ください!
こんな感じで開発風景なども投稿していこうと思うので
よければフォローしてお楽しみください。
(プロデューサー河合)#UNMe pic.twitter.com/20J3oODFtS
佐々木氏:
「手つけのモーションでは無理」というレベルで、演技と乖離してしまっていたんです。声はすごく感情を揺さぶるのに、映像が追いついていない。だから、プレイヤーからすると入り込めないと。
山中氏:
収録中、ふだんの常識で考えると「これはモデル(動き)が持たないのでやめましょう」というお芝居がいっぱいあったんですね。それは収録時にわかっていたのですが、今回は「ここで抑えるのはやめよう」と判断し、あえて貫いたんです。
佐々木氏:
これほどのお芝居を見せられてしまっては我々としても……。
4つの魂を「声色ではなく気持ちでわける」
──その状況から「モーションキャプチャーで演技に合わせてゼロから動きを作ろう」と判断した集英社ゲームズさんからは、クリエイティブに対しての追求というか、執念を感じます。
河合氏:
収録された花守さんの声を聞いたときに、そうすべきだと感じたんですね。佐々木さんと話して、「花守さんの演技に合わせて動きを作っていったほうが絶対にいい」と。逆に、さきに映像を作っていたら、ここまでのクオリティにはならなかったんじゃないかと思います。
佐々木氏:
明らかでしたもんね。「このお芝居は……」と。
山中氏:
4つの魂があるという設定であれば、通常声色を変えて演じ分けるのが普通だと思います。ただ、『UN:Me』は「同じ少女から4つの魂が声を発している」。同じ身体であり同じ声帯であることを強く意識しています。
ですから、花守さんは体から出ないような声も出せる方なんですけど、「声色じゃなくて気持ちで分ける」というお芝居をしていただいているんですね。
花守さん:
このお芝居は、燃えましたね(笑)。
──こういったお芝居のお願いは、初めてだったのでしょうか?
花守さん:
ひとつの作品の中で、ほとんどメインで話す。そして人物がひとりなんですけど、4人いる。それをすべて自分で演じるという機会は初めてでした。
それでいて、聞こえる声がほとんど私のものになるということは、声という部分での責任はほとんどすべて私が背負うことになります。そういったプレッシャーも初めての経験ではありました。
……いまプレッシャーという言葉を使いましたが、逆にこれは本当に、いまの私への「挑戦状」だと思ったんです。このお芝居と向き合うことで、私はまたひとつ、声優としてきっと成長することができると思うし、いまの私自身を自分が理解する時間になっていると思います。
ですから、お話をいただいた時点で、すごく前向きに「私はやりたいです」ということをお伝えさせていただきました。
お話をいただいた段階で、「この作品はとてもたいへんなんです」と教えていただいていたんですね。「そこまでこの段階でお話してくださるということは、ちゃんと取り組んでいきたいんだな」という心持ちが伝わってきましたし、そこに力添えができる役者でありたいと思っています。
「台本を早めにいただけると読み込みできる」というような、わがままもたくさん言ってしまいました。でも、そのわがままの分だけちゃんと結果を残そうということも、ちゃんと考えていたんです。
──素人目からしても、本当に難しさしかないような役柄だと思うのですが、どのように芝居に臨まれたのでしょうか?
花守さん:
4つの魂たちの、互いの人格の基礎の部分……と言えばいいんですかね。それぞれの子たちの人生を、その子に向き合う時間として、取ってもらったんです。ですから、同じ収録日に違う子を演じるという機会を、そんなに作らないでいただきました。
──この日はこの魂の収録で、と。
花守さん:
この日は「Ⅰの魂」の日、この日は「Ⅱの魂」の日と、定めて録らせていただいたんですね。
山中氏:
この収録方法が演出的な作為の部分につながっています。「『Ⅱの魂』がこういう演技だったから『Ⅰの魂』を録り直す」というやり方は行っていないんですね。それぞれの魂の話し方の響きが似ているところがあったとしても、それは逆にリアルなのでそのまま採用しているんです。意識的に分けようとしにいった時点で芝居に作為が混ざってしまうと思うので。
花守さん:
だから逆に演じていたときに、どこか似ているところがほかの魂にもあると気づいた瞬間に、笑顔になってしまって(笑)。多分、すごく本作のおもしろさにつながるポイントだと思っています。
「まったく別の子たち」という認識でお芝居をしているのに、どこか重なる部分がある。そこに気付いた瞬間に「人間っておもしろいな」と思ってもらえる。自分自身がそういった、いわば確信を持って取り組んでいたのかもしれないですね。
──演技のスイッチの切り替えみたいなところは、収録日が違っていたので自然とご自身の中でできていたと。
花守さん:
じつは同じ時間の中でほかの魂の子を録るという状況が後半の収録ではあったんです。でも、そこまでの収録で私自身の中に「この子はこういう子だよね」と定まっていたんですね。ですから、正直、演じ分けの部分に関しては、困った時間がなかった……と言っていいのかはわからないですけど。
──なるほど。本作は「どの魂を救うのか」という部分で、演じるうえでの辛さもあったと思いますが、ご自身の中で役が残ってしまったりとか、そういったことはなかったのでしょうか?
花守さん:
これはいろいろなところでお話させていただいているのですが、私は役と対峙する時間の中で、私の中に、というよりも、対面にその子を置いて、だんだんと役を作っていくタイプの人間だと感じています。
ですから、すぐに役柄を宿す感覚というよりは、少しずつ目の前にある人の像がはっきりとしていくという……。
──俯瞰的に解像度を上げていくわけですね。
花守さん:
本当にそういうタイプなんです。……それでも本作は演じる時間が長かったので、4つの魂のいずれも、ずっと近くに感じていた子たちというか。ですので、収録が終わる日は「もう会えないんだ」という感覚が強くて、寂しかったんですよね。
山中氏:
芝居の中でも泣いていただいたり……。
花守さん:
いや、もう寂しかった。感情を揺さぶられるところが多いですし、私としても対話している時間が長かった子たちなので……。
芝居を続ける中で「この子たちの終わりを見届ける」という思いが、私の中にありました。この作品のテーマと似ているんですけれど、捨てるというよりも、ちゃんと自分の中で「終わりなんだ」というひとつの目処をつける。ですので、はがされるという感覚がやっぱり強かったなと思います。
ですから、役としても涙が出るし、花守としても寂しい気持ちが、収録が終わったときにはありましたね。









