毎日のように遊んでいたゲームのフレンドとある日突然連絡がつかなくなることは、特にインターネットを介した付き合いでは少ない話ではない。一緒に何かを作った、凶悪なモンスターと死闘を繰り広げた、あるいは単純に馬が合ってチャットで一晩中会話した。そんな楽しい時間を過ごした仲間であっても、別れは突然やってくる。
海外フォーラムRedditのとあるユーザーも、同じようにかつて『マインクラフト』で毎日一緒に遊んでいた友人との突然の別れを経験した寂しさを投稿した。
「6年前、私は友達のWouldYouKindly1と一緒に『マインクラフト』で建設することを楽しみにしながら家に帰っていた。ある日、彼は姿を消し、二度と一緒にゲームをプレイすることはなかった。コンピューターに保存したスクリーンショットを見るたび、本当に悲しい懐かしさを感じる。これは私たちがゲームで作った都市のひとつだ。」
このスレッドには他にもマルチプレイゲームでの別れを経験したユーザーたちが、自身の経験を投稿している。
「幼い頃の私には、Xboxで本当に良い3人の友人がいた。先日、私のフレンドリストを整理したが、彼らのアカウントが何年もオフラインでも、削除することはできなかった。彼らの人生がうまく行っていることを願っている。」
「私が12歳の頃から、10年間一緒に遊んでいた友達がいた。彼は健康上の問題に直面し、亡くなってしまった。Steamの私のプロフィールに書き込まれた彼のコメントを読むと、心から彼が恋しく思う。彼のコメントを読むとき、私はまだ頭の中で彼の声をはっきりと聞くことができる。」
「1年ほど前、『World of Warcraft』のギルドマスターが私に、化学療法の具合が悪いのでログオフするとメッセージを送ってきた。ギルドの家族の一員がそのような問題を抱えていたことを、それまでまったく知らなかった。それからしばらくは一緒に遊んでいたが、1ヶ月ほど経った後に彼の兄から化学療法が効かなくなり、ゲームにログインできないことを告げられた。
彼は最後のボスのひとりを倒した後、ギルドの全員に別れを告げた。数日後、私は彼の葬儀に参加した。友達を失うことは辛い。彼の冥福を祈ってくれるとうれしい。私達がオンラインで作る絆は、自宅で作るものと同じくらいに強い。あなたも友人を大切にし、近況を伝えてほしい。」
「ハイスクール時代に私が自宅で逮捕された後、Xboxのフレンドが私の更生と、そして良き父になるための手助けをしてくれた。10年ぶりにXboxのアカウントにログインして数分後、当時のフレンドのひとりがすぐに連絡をくれた。私達は数時間話し込み、電話番号を交換した。近々会う予定だ。
当時、彼らは私にとって暗い場所に差し込んだ光だった。直接会うことがなくても、他人があなたに与える影響はとても大きい。」
そういった昔を懐かしむ様々な話が投稿される中、『リーグ・オブ・レジェンド』のプレイヤーにWouldYouKindly1という名前のプレイヤーが居ることを発見したユーザーが現れた。結局このユーザーは違ったのだが、Redditにも同名の人物がいることが判明し、10ヶ月前ではあるが、『マインクラフト』のSubredditに投稿していることも確認された。
この投稿が行われてからしばらくして、RedditユーザーのWouldYouKindly1氏もこのスレッドに投稿。冒頭で触れた『マインクラフト』で離れ離れになったフレンドが自身であることを認めた。Redditに登録はしていたものの、ほとんどログインすることもなく、数人からこのスレッドを確認してほしいというメッセージを見たのは、このスレッドをたまたま見た後だったようだ。
「私がこのスレッドのタイトルの人物だ。突然消えてしまったことは本当に申し訳なく思っている。当時は私の人生が突然忙しくなり、単純にゲームをプレイする時間がまったく無くなってしまった。もっと頻繁にメッセージを送るべきだったと思う。私の行動を許してくれると嬉しい。
私も一緒に色々なものを作って楽しんでいた頃が懐かしい。今はまた空き時間ができたので、また一緒に遊べると嬉しい。親友とともに2019年をスタートするのはとても素晴らしいことだ!」
投稿者とWouldYouKindly1氏はSkypeで連絡を取り、また『マインクラフト』で遊ぶことを約束したようだ。
たとえインターネット上の付き合いであっても、人と人とのかかわり合いが変わることは無い。もしあなたが昔別れた懐かしい友人について思い出したなら、SNSに思い出を投稿してみるのはいかがだろうか。もしかすればその人もまた、あなたを思い出しているかもしれない。
文/古嶋誉幸