Ubisoftは日本時間の11月22日、テンセントによる「ヴァンテージ・スタジオ」(Vantage Studios)への出資契約が完了し、「11億6000万ユーロ」を得たことをプレスリリースにて発表した。テンセントはこの会社の株式を26.32%取得したが、依然として経営権はUbisoftが子会社として保持している状況となっている。
Ubisoft傘下である「ヴァンテージ・スタジオ」には、『アサシンクリード』、『ファークライ』、『レインボーシックス』といった、それまでのUbisoftを代表してきた看板IP3つが集結している。この会社の設立やテンセントからの出資は、2025年3月時点ですでに発表されており、今回はその出資契約が完了したことが報告された。
10月1日から稼働を開始している「ヴァンテージ・スタジオ」には、Ubisoftからモントリオール、ケベック、シャーブルック、サグネー、バルセロナ、ソフィアといった主要な開発拠点が移管された。そのスタッフ総数は2300人規模となっている。
数年前から表面化してきたUbisoftの経営面における苦難は、スタッフ数の増大や巨大プロジェクトの開発鈍化および中止、予想を下回るヒット不振などが原因とされてきた。Ubisoftのプレスリリースでは、今回の「ヴァンテージ・スタジオ」の設立とテンセントの出資が、経営改善の第一歩となることがアピールされている。
日本時間の11月14日、Ubisoftは2025-26年度上半期決算発表を直前で延期し、11月14日からの株式・債券取引も停止すると発表。近日中に買収といった「重大な発表」があるとの観測が強まったが、11月21日には決算は発表され、監査上のトラブルが原因であったことが明らかにされていた。現時点ではUbisoftは健在であり、「ヴァンテージ・スタジオ」の設立や出資も予定通り進められている。
