いま読まれている記事

『シャドウバース』10周年座談会──ワンドリ環境もいまや笑い話。八獄の群雄割拠も、世界大会の熱狂も、ぜんぶ宝物。10年をともに駆け抜けた4人が、あの日々を振り返る【友田一貴×みゃこ×Surre×あぽろ】

article-thumbnail-260629d

1

2

3

プレイするゲームから観るゲームへ。ルールを知らない人にも「熱い」と思ってもらえる実況を目指して

──プロリーグが始まり、『シャドウバース』全体が「eスポーツ」へと舵を切ったことで、界隈の雰囲気も変わっていったんじゃないでしょうか。

友田さん:
そうですね。その変化のなかで、『シャドウバース』を「自分がプレイするゲーム」だけでなく「観るゲーム」として成立させなきゃいけない、と。番組作りも、プロリーグ運営陣のみんなで相談しながらそういう方向に変えていきました。

そのうえでキャスターとして大事にしていたのが、ルールを知らない人でも、なんとなくおもしろいと思ってもらえる実況・解説でした。

たとえば、カードの効果を逐一説明するのではなく、「いまどちらが有利なのか」「ここから逆転の目はあるのか」「この静寂は、お互いがどう睨み合っている時間なのか」といった、戦いの流れを言葉にするようにしたんです。

ゲームに詳しい人がただゲームに詳しい話をしているだけでは、観るゲームとしてはやっぱりダメだと思いました。ただ見ているだけで「熱い!」と思えるような実況に持っていくことがテーマでしたね。

──友田さんの実況は本当に楽しそうで、ものすごい熱量を感じます。ご自身の中で「これは決まったな」と印象に残っている実況フレーズなどはありますか?

友田さん:
これはいろんなインタビューでもお話ししているんですが、僕のポリシーとして「事前に決め台詞を用意しない」ようにしているんです。

カードゲームの実況でありがちな「この展開になったらこう言おう」という台本を決めてしまうと、言葉がどうしても作りものになってしまいます。それは真剣に戦っている選手たちに対して失礼だなと思っていて。

だからこそ、極力その場の空気や、目の前で起きたこと、自分がその瞬間に心から感じた熱量をそのまま言葉にするようにしています。

その完全なアドリブの中で、記憶に残っているのが世界大会の決勝戦での「今年は10PP!」というフレーズですね。

──2019年の世界大会、sasamumu選手対jupi/Qwert選手の一戦。そのクライマックスでの実況ですね。

友田さん:
前年の2018年の世界大会決勝で、勝負の明暗を分けたのが「(PPが足りず)10PPではない」ことでした。

その文脈があったうえで、翌年の決勝戦で10PPに到達していたことで伊達政宗(暴竜・伊達政宗)が走って勝負が決まった。その瞬間に、自然とこの言葉が出たんです。

「今年10PPになったら言ってやろう」なんて、事前に狙って言えるわけがないですからね。たまたま10PPで決着がついたからこそ出た言葉ですが、2018年のドラマを鮮烈に覚えているファンの方々にも深く刺さる言葉だった。個人的にも客観的にも、すごくいいフレーズだったなと思います。

──前年の「10PPではないんですよね」という実況があってからの「今年は10PP!」。実況によるドラマが生まれましたよね。ちなみに、いま振り返ってみて「実況するのに苦戦した環境」というのはあるのでしょうか?

友田さん:
そんなのないですよ! あるわけがないじゃないですか! Cygamesさんががんばって作ってくれたカードたちですから、僕はすべての環境を愛しています(笑)。

──(笑)。否定的な意味ではなく、思い出深いというか、印象に残っている環境でしたらいかがでしょう。

友田さん:
「Wonderland Dreams / ワンダーランド・ドリームズ」……いや、競技シーンでの話をするんなら、「暗黒のウェルサ」で登場した「瘴気の妖精姫・アリア」がいた環境かもしれません。

当時は「進化ターンまでにアリアを引いたほうが勝つ」と言われることもあったくらいです。いまでもユーザーの方から「友田はアリアを引いたときだけ叫んでる」「アリアこい! アリアきた!」としか実況していなかったと弄られることがあります。

僕としては真面目に実況解説していたのですが、試合の焦点が「キーカードを引けたかどうか」に集中してしまう環境だったので、そういう意味では実況泣かせの環境だったかもしれませんね。でも、そういうのも全部ひっくるめて、やっぱり大好きですけどね!

『シャドウバース』10周年座談会──ワンドリ環境もいまや笑い話。友田一貴×みゃこ×Surre×あぽろの4人と10年を振り返る_030
(画像は「Shadowverse Portal 瘴気の妖精姫・アリア」ページより)

新カードパック「クロニクル・オブ・デスティニー」を、4人で覗き見。懐かしのキャラがレジェンドカードで集結

──ここまで10年分の思い出話に花を咲かせてきましたが、せっかくなので、これから先の『シャドウバース』についても見てみたいと思います。

この記事の公開日当日(6月29日)は、新カードパック「Chronicle of Destiny / クロニクル・オブ・デスティニー」が配信されます。じつは今回、Cygamesさんから同パックのプロモーション映像をひと足先に見せていただけるということで、みんなで見ていこうと思います。

『シャドウバース』10周年座談会──ワンドリ環境もいまや笑い話。友田一貴×みゃこ×Surre×あぽろの4人と10年を振り返る_031

──レジェンドカードのイラストも見ていきましょう。今回の新カードパックにはクラスごとに『シャドウバース』の各ストーリーの世界のキャラクターたちが収録されていて、前作の時とはクラスが変わっているキャラクターも存在するそうです。

一同:
おお~~。

Surreさん:
セタス、エルフですよね。

友田さん:
たしかに。メイシア、エルフになったんだね。

みゃこさん:
ネメシスだったのに。あ、初めから眼鏡外してますよね。

──続いてがロイヤル。バニー&バロンですね。

みゃこさん:
バニー&バロン、かっこいい~。

友田さん:
バニー&バロンってアンドの系譜なんだな。

みゃこさん&Surreさん:
たしかに。

友田さん:
バニー&バロンがくるってことはナハト・ナハトこないかな~。無理かな?

──続いてがウィッチ。テトラ&ラティカです。

みゃこさん:
うわーかわいい。やばいですね。

Surreさん:
ラティカがウィッチってことだよね?

友田さん:
ってことだよね。ラティカがウィッチになってるね。

──つぎがドラゴン。ドラーク&アルザードです。

友田さん:
アルザード、かっけえ。ドラゴンかっこいいね。

みゃこさん:
うわ~かっこいい。進化前と後で(イラストの)構図が入れ替わってる。

──そのつぎのナイトメア。イツルギ&タケツミになります。

Surreさん:
イツルギ&タケツミか。

みゃこさん:
かっこいい。

友田さん:
イツルギ&タケツミ、やばいね。

──つぎがビショップ。ベルディリア&カステルです。

みゃこさん:
カステル、かわいい。華やか。

友田さん:
カステルがビショップになったってことなのかな?

Surreさん:
そうだね。

──最後にネメシス。アシュレイ&リディアです。

友田さん:
ニュートラルっぽいけどな。このアシュレイ&リディアは。これは『シャドウバース』の最後の主人公枠のキャラクターです。

みゃこさん:
どのカードも進化前と進化後でイラストががらりと変わるのがすごくいい。

Surreさん:
そうですね。めっちゃいいですね。

友田さん:
ロイヤルがバニー&バロンってことは、レヴィールがロイヤルってことか。

Surreさん:
ナハト・ナハトいそうじゃない?

友田さん:
いそう。予想はね、タイタン3人で1枚のカードになってると思う。

Surreさん:
ありそう(笑)。

「人生を変えてもらったゲーム」と4人が語る。『シャドウバース』リリースから10年を振り返って

──では、そろそろ座談会の総括に入っていきたいと思います。この10年という長い時間を振り返ってみて、改めていかがでしょうか。まずはあぽろさんからお願いします。

あぽろさん:
最初にお話しした通り、僕が本格的にルールを覚えて遊んだカードゲームは、この『シャドウバース』が初めてだったんです。だから、始めた当初は本当に孤独でしたね。当時は周りにYouTubeの仲間もいなくて、ひとりで黙々とプレイしていました。

でも、この10年間、動画投稿を続けてきたことで、たくさんの視聴者さんはもちろん、他の実況者さんたちとの繋がりもできて。

振り返ってみると、『シャドウバース』がものすごい数のかけがえのない出会いをもたらしてくれたなと、改めて実感しています

──その数ある出会いの中で、とくに強烈に印象に残っている方はいますか?

あぽろさん:
それはもう、もこうさんですね。ある日突然、対戦を申し込まれたんです。僕の交友関係が広がる大きな転換点になりました。

──それは一体どういう経緯だったのですか?

あぽろさん:
TwitterのDMで「よかったら一緒に対戦の動画を撮らない?」と声をかけていただいたんです。

それまでは失礼ながら、動画の印象から「ゲーム機をバキバキに壊す、ちょっと怖い人」だと思っていました(笑)。でも、実際に関わらせていただくようになってからは印象がガラリと変わりましたね。

いまでは尊敬する大先輩ですし、僕のことをいろいろと気にかけてくれる優しい方なので、あのとき声をかけていただいて、深く関わることができて本当によかったなと思っています。

──続いてSurreさん、10年間の思い出や、この10年を振り返っての心境をお聞かせいただけますか。

Surreさん:
僕にとっては、まさに目まぐるしく生活環境が変わった10年でした。先ほどもお話しした通り、僕は『シャドウバース』に出会うまではゲームとまったく関係ない仕事をしていました。

それが『シャドウバース』に出会って、出場した大会で優勝できて、プロリーグ発足時にはチームに迎え入れていただいて。

そこから東京に引っ越してプロとして活動するなんて、普通の人生では絶対に経験できないような景色をたくさん見せてもらいました。とにかく、心からの感謝を伝えたいです

──逆に、この10年で変わらなかったことはありますか?

Surreさん:
それはやっぱり「『シャドウバース』が大好きだ」という気持ちですね。これは今日ここにいるみなさんも同じだと思います。

だからこそ、これから『シャドウバース』がさらに発展していく中で、自分も置いていかれないように追いつき続けていきたいなと思います。

それこそ今回の10周年と言わず、20年、30年と長く続いて、いつか「シャドバ老人会」ができたらいいなと思いながら(笑)。

──ではみゃこさんからもお願いします。

みゃこさん:
この10年の思い出を振り返ると、もし私が『シャドウバース』に出会えていなければ、eスポーツの楽しさや「ゲームに本気で打ち込むからこそ味わう、苦しさと喜び」を知らないまま過ごしていたと思うんです。だから、このゲームに出会えてよかったなと心から思っています。

──みゃこさんがひとりのプレイヤーとして『シャドウバース』に向き合っている姿は、当時のコミュニティにも伝わっていたと思います。

みゃこさん:
ありがとうございます。その姿を周りの方が見ていてくれたおかげで、いまは「ムラッシュゲーミング」のマネージャーを務めさせていただくことにも繋がりました。自分でも信じられないくらい、うれしいことがたくさんありましたね。

これからは、自分自身もゲームを楽しくプレイし続けながら、「こんなに素敵なゲームがあるんだよ」「こんなに熱い大会があって、いろいろなチャンスが転がっているんだよ」ということを、もっと多くの人に広めていけたらなと思っています。

──それでは最後に、友田さんからも10年の振り返りをお願いします。

友田さん:
プレイヤーとして初めて『シャドウバース』に触れてから、もう10年が経つわけなんですけど、やっぱり「人生を変えてもらったゲーム」だなと思います

自分がやりたいことを10年間ずっとやり続けられた。これ以上に幸せなことはないですし、これからも『シャドウバース』と一緒に歳を重ねていきたいですね。

このゲームをやり続けてきたからこそ、いまの自分がある。「まったく後悔のない10年だった」と断言できますし、この先10年、20年が経ったときも、また同じことが言えるようにがんばりたいなと思っています。

……いや、本当に早かったっすね(笑)。気がつけば、ずっと『シャドウバース』ばかりしている人生です。

──10年前、こうなる(専属キャスターになる)っていうのは想像なんてできないですもんね。

友田さん:
もう、まったく想像していなかったですね。「ゲームを軸に活動したい」という漠然とした思いはありましたが、2019年にCygamesさんから「専属契約」の打診をいただいたときは驚きました。

当時、特定のIPに完全特化する専属キャスターという存在は、自分が知る限りは前例がありませんでした。そのため、「ほかのゲームの実況ができなくなるのは、キャスターとしてどうなんだろう」という葛藤は、少なからずありましたね。

それでもやっぱり『シャドウバース』が好きだし、ともにキャリアを築きたいと思って、お受けしました。専属となってから7年、数多くの貴重な経験をさせてもらいました。

これからも新しいことにはどんどん挑戦していきたいです。もちろん楽しいことだけでなく、Surreさんがおっしゃっていたような「辛いこと」もあると思いますが、それも含めてみなさんと一緒に楽しんでいければなと思います。

(了)

『シャドウバース』10周年座談会──ワンドリ環境もいまや笑い話。友田一貴×みゃこ×Surre×あぽろの4人と10年を振り返る_046


冒頭でもお伝えしたとおり、今回の座談会はCygamesさんのオフィスの一室をお借りして行われた。グッズが並ぶ室内に立場の違う4人が集まった光景は、まさに同窓会のようだった。

会場には「Shadowverse Fes 2026」でも展示されていたカードギャラリーの一部もご用意いただき、合間には各々がスクリーンをタッチしながら思い出話に花を咲かせていた。

収録の現場は、終始あたたかかった。誰かが懐かしいカードの名前を口にするたびに、別の誰かが「あったあった」と笑い、また新しい思い出が転がり出てくる。

10年。口にするのは一瞬だが、振り返ればずいぶん遠くまできたものだ。あの日々の熱がそのまま残っているようなこの温度が、画面の向こうのあなたにも伝わっていたらうれしい。

そしてこの記事が公開される本日(2026年6月29日)、新カードパック「Chronicle of Destiny / クロニクル・オブ・デスティニー」が配信され、『シャドウバース』の物語はまた新たな一章へと踏み出していく。

座談会で4人が覗き見たレジェンドカードたちが、そして「Shadowverse Premier Series」の舞台が、これからどんなドラマを連れてくるのか。

積み上げてきた10年は、終わりではなく、次の10年への助走でしかない。Surreさんが笑いながら語った「シャドバ老人会」が実現するその日まで、この熱はきっと続いていくはずだ。

最後に、この座談会の幕を閉じる言葉として。『シャドウバース』、10周年おめでとうございます

© Cygames, Inc.

1

2

3

編集者
美少女ゲームとアニメが好きです。「課金額は食費以下」が人生の目標。 本サイトではおもにインタビュー記事や特集記事の編集を担当。
Twitter:@takepresident

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合がございます

新着記事

新着記事

ピックアップ

連載・特集一覧

カテゴリ

その他

若ゲのいたり

カテゴリーピックアップ

インタビュー

インタビューの記事一覧