実況者セピア氏「ゼルダとは、ゲームの美しい在りかたそのもの」──シリーズへの想いとブレス オブ ザ ワイルドへの期待を語る

 冒険の舞台がオープンワールドとなった『ゼルダの伝説』シリーズの新作、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』が2017年3月3日に任天堂の新ハードNintendo Switch(ニンテンドースイッチ)とともに発売される。

 これに合わせ、電ファミニコゲーマーでは、開発プロデューサーである任天堂・青沼英二氏と『ドラゴンクエスト』シリーズのプロデューサー、スクウェア・エニックス藤澤仁氏の対談を3月2日に公開する予定だ。その対談では新作に対する開発者としての思いを深く語っていただいたが、一方で「プレイヤー視点で『ゼルダ』シリーズとはどんなモノなのか?」を探るべく、この記事ではニコニコの『ゼルダ』動画で知られる実況者セピア氏にその魅力を尋ねた。

 任天堂の作品で育ち、実況も自然とそれらが題材となったというセピア氏は、『ゼルダ』に“ゲームの在りかたとしての美しさ”を感じているという。それはどういうことなのか。氏が登場する、『ブレス オブ ザ ワイルド』発売前日からの『ゼルダ』シリーズ実況生放送と併せてご覧いただきたい。

取材/斉藤大地小山オンデマンド
構成・文/小山オンデマンド


「任天堂のゲーム実況がとても自然だった」

――まずセピアさんの活動歴をご自身で解説していただけますか?

セピア:
 ニコニコに動画の投稿を始めたのは2009年。1ヵ月くらい実況に挑んで記念としてアップしたらおしまいになるんだろうな……程度に思っていたのですが、気づいたらこんなことになっていました。誰が当時この姿を予想し得たかという(笑)。

 最初はゲームキューブの『ピクミン』の実況からです。『ピクミン』や『ピクミン2』を皮切りに、任天堂のタイトルで言うとニンテンドウ64の『ゼルダの伝説 時のオカリナ』(以下、『オカリナ』)と『ムジュラの仮面』(以下、『ムジュラ』)が続きます。実況1年目は、だいたいそんな感じですね。じつはつい先日に8周年を迎え、お祝いの言葉をいただいてほっこりしたりなどしながら、現在までのらりくらりと活動を続けています。

――2009年以前に何か別の活動はされていたんですか?

セピア:
 いえ、インターネットに自分の声を乗せるということ自体が初めてでした。それまでは、mixiにあったコミュニティに参加してほかの人とやりとりをするという程度。もちろんそれは文字だったので、自分の声を乗せた動画は、すごく不思議な感覚で。新しいおもちゃを手に入れたように、うきうきと投稿していましたね。

――そもそもなぜ投稿を始めたのでしょう?

セピア:
 投稿を始める前に、じつは1年半ほどほかの方々のゲーム実況動画を観ていました。ただ、自分は機械にもネット関係にも弱いので、自分が投稿するということはまったく考えずにただ観ていただけでしたが……、それまで自分がどっぷりとハマっていた趣味にいったん区切りをつけたときに、「もしかしたら、自分でもできるんじゃないか?」と思った瞬間がふと訪れ、挑んでみたんです。ですが、もうキャプチャーボックスやPCの配線図を見るだけで寝込むほど。ツムジから煙を出しながら頑張って、1週間近く格闘したすえ、なんとか初動画を投稿。そこからは、わりとトントンとやってきた感じですね。

――その、実況を始める前にどっぷりとハマっていた趣味とは、ゲームなんでしょうか?

セピア:
 アーケードのクイズゲーム『クイズマジックアカデミー』(以下、『マジアカ』)です。KONAMIから出ている作品ですが、それに4年近くハマっていました。セピアという名前も、ここで使っていたものです。

――4年はだいぶ長いですね! その前からアーケードゲームをけっこうやられていたんですか?

セピア:
 ゲームセンターに行く習慣はそれ以前からありましたが、ハマっていたのは……KONAMIばかりになりますが、最初のころの『beatmania』(以下、『ビーマニ』)や『Dance Dance Revolution』などです。黎明期の音ゲーですね。私を『マジアカ』に引きずり込んだヤツと当時からいっしょに楽しんでいました。

 それが中学生や高校生のころですが、5鍵も7鍵も【※】両方手を出し、もういくらお金をかけたことか……考えたら失望するのでカウントしたくないぐらい。「お前、クルマの1台ぐらい買えるぞ」というほどやっていましたね。

※5鍵も7鍵も……初代『ビーマニ』は5鍵仕様。『IIDX』は7鍵仕様。続く『III』も5鍵であるため、セピア氏はほぼ初期の『ビーマニ』を総なめしていることになる。

――中高生でそれはスゴいですね。

セピア:
 たぶんゲームから離れていた時期はないと思います。1年や2年、「我慢しなきゃいけないだろ」というような時期でも、親の目を盗んでやっていましたから(笑)。

 家庭用ゲーム機では任天堂が大好きだったので、アーケードにハマる前も、ニンテンドウ64の『スーパーマリオ64』や『F-ZERO X』などを友だちの家でずっと遊んでいましたね。学校が終わったら、そのままハードを持っているヤツの家に行って対戦というのが定番のコースで、文化祭の打ち上げ後などは朝までずっと4人で対戦しているということもありました。

 だから、任天堂のゲームの実況をするというのは自然というか、それ以外はあまり考えていませんでした。親しみのないゲームの実況を無理してすると、どこかでぎこちないものになると思いますし、自分が思っている以上に観ている方って、そういうことを見抜きます。「いちばん自然にできて、いちばんアツくなれるものを実況するのがいいな」と考えたんです。そこに迷いはありませんでした。

――任天堂のタイトルの中でも『ゼルダの伝説』(以下、『ゼルダ』)シリーズは、セピアさんにとって特別なものなんでしょうね。

セピア:
 本当にコアなファンの皆さんに比べると詳しいわけではないんですが、自分にとって特別なものではあります。自分の考えるゲーム的な美意識というか、「こういうゲームが美しい、すばらしい」と考えるとき、軸になっている大きなシリーズのひとつなのは間違いないですね。

 実況しながらもよく語るんですが、任天堂のゲームは、プレイヤーにゲームのコンセプトを示しながら進行するのが本当に巧いんです。誰でもゲームの世界に入り込めるように、言葉じゃなくゲームそのものでルールをパッと示して、そこから徐々に応用し、発展させ、最後のボスまで進めていくというのは、ほかのメーカーのタイトルではなかなか見られません。間口は広いのに、誰でもできる簡単なところで留まっているわけではなく、コアなゲーマーもしっかりと満足させる作りかたや、そのグラデーション的な見せかたは、ゲームの美しい在りかたとして、自分の中に叩き込まれていますね。

「人間臭さや、人に言えない黒さを突きつけられる」

――さっそく『ゼルダ』の話に移りたいのですが、シリーズのうち、がっつりとプレイされているタイトルはどれになるのでしょうか。

セピア:
 初代『ゼルダ』なども少しプレイしていますが、しっかりプレイしているのは、『神々のトライフォース』(以下、『神トラ』)、ニンテンドウ64の『オカリナ』と『ムジュラ』、ゲームキューブの『風のタクト』、Wiiの『トワイライトプリンセス』(以下、『トワプリ』)と『スカイウォードソード』(以下、『SWS』)ですね。携帯機の『神々のトライフォース2』(以下、『神トラ2』)などもやっています。

――据え置き中心にひと通り楽しんでますね。その中でもいちばん好きなのは?

セピア:
 その質問に答えようとするとけっこう迷うんですが、人のことを考えなければ圧倒的に『ムジュラ』ですね。人に「何がいい?」と訊かれて薦めるなら『オカリナ』で、「初めてやってみるんだけど、どれがいい?」と訊かれたら『神トラ』ですね。

――後ろのふたつに対して、『ムジュラ』は任天堂というキレイな蓋の下からいろいろ噴き出ている作品というか……。

セピア:
 その『ムジュラ』評は、本当にそのとおりだと思うんです。『ムジュラ』は、かなり狂気に満ちた作品だと思いますね。それまでの作品と違い、ダークな部分が増幅されている作品です。本当は見たくない、隠しておきたい、美しく見せておきたいような人の振る舞いや心の機微を、根っこから暴くような、否が応にも見つめなきゃいけないような、そういう黒さがあの作品にはあると思います。

実況動画:【ムジュラの仮面】タルミナ、最期の3日間!【縛り実況】part25より
(c)2000 Nintendo

――「黒い任天堂」というヤツですね(笑)。

セピア:
 (笑)。どこかのインタビューで拝見したのですが、中心となる町クロックタウンにおもな登場人物たちが暮らしているんですが、町の中を担当されたスタッフのチーフの方が、「自分の数十年の人生の中で見てきたものをすべて詰め込んだ」【※】と仰っていて。それを読んだときにパッと連想したのが『源氏物語』でした。千年前に紫式部が、当時の人のあらゆる機微を書き込んだと言われるあの作品の現代版みたいな、そういう感じをイメージしたんですね。

※「自分の数十年の人生の中で見てきたものをすべて詰め込んだ」……糸井重里氏主宰のWebサイト、“ほぼ日刊イトイ新聞”のコンテンツ、“樹の上の秘密基地”で、オリジナルの『ムジュラ』発売当時(2000年5月)に掲載されたインタビュー記事に、小泉歓晃氏の言葉として同様の文言が見られる。

 どちらも触れると、「これは絶対に自分だよな」というキャラクターがひとりは見つかるんですよ。『ムジュラ』でも、ほとんどの方がそう感じると思います。たとえば、「“剣道場の先生”が自分に似ている!」と感じる人なんて多いと思うんですよね。人前では強がっていて、でもいざ世界が滅ぶ直前になるとビクビクして何もできない。でもその姿を他の人には見られたくないという。それくらい真に迫った豊かな人物描写がなされています。そういう人間臭さや、人に言えない黒さを突きつけられるのが好きですね。

実況動画:【ムジュラの仮面】タルミナ、最期の3日間!【縛り実況】part32より
(c)2000 Nintendo

――先日、電ファミでも『ゼルダ』のプロデューサー青沼英二さんにお話を伺う機会がありまして、『ムジュラ』ではとにかくすごい勢いで挑戦的なことを端から端までやったと語られていました。突っ込めるものを突っ込んだ結果だというんですね。

セピア:
 リソースが足りないところに創意工夫が生まれるというのは、あるのかもしれませんね。『ムジュラ』のその話を伺っていると、人の心を捉えたり共感されたりするものには、なんとなく共通するものがあるのかもしれないと思いました。私も「動画や曲は、ヘンに凝らないほうがいい」とよく言われるんです。時間などリソースがないときに内側から出るものって、じつは本質的なところを突いていたりして、いいものになったりすることも多いのかもしれないですよね。

「グレートベイの神殿の対称性がとても好きなんです」

――ちなみに、セピアさんから見て、“『ゼルダ』らしさ”って何だと思いますか。

セピア:
 “『ゼルダ』らしさ”。ずいぶん指す幅の広そうな言葉ですね。ただ、レベルという概念がないのに、キャラクターもプレイヤーも確実に成長していく。言ってみれば“レベル0の成長”。そういうところに“らしさ”を感じます。

 また、“光と闇の対比”というのもシリーズ全体に通ずるテーマですかね。作品によって濃淡の差はあれど、“らしさ”を彩る重要な要素だと思います。

 あとは救おうとしている世界の希望の中に漂う、ひと握りのもの哀しさ。大切な人との別れなどが必ず含まれているんですよね。いろいろな作品があるのでひとくちに言うのは難しいですが、最大公約数的にはそういうところだと思います。

――先ほどの『ゼルダ』が持つ“美しさ”のお話も、特徴のひとつですよね。

セピア:
 まさにそうです。“ステップが整然としている”ところ、面倒な説明や前段階のあまりない、シンプルな言葉で言うと“わかりやすさ”にも『ゼルダ』を感じます。最近の作品だとそうでもないところも散見されますが、パッとフィールドに放り出されて、「さあ、とりあえずやってみろ」と促される感じ。でも無理なく進めて、最終的にカッコいい、スゴいアクションができるようになっているという“わかりやすさ”。ゲームの世界広しと言えど、『ゼルダ』ほどプレイヤーの導きかたがうまいゲームはあまりないのでは、なんてことを思ったりしますね。

――過去のシリーズ作品の中で、それをいちばん強く感じたのはどれのどこでしょう?

セピア:
 ……これは子どもから大人になるというシステムを含んだ『オカリナ』になると思います。子ども時代は明らかに易しくて、大人になると一気にダンジョンの難度が跳ね上がる。自分の故郷のすぐ近くに“デクの樹サマの中”という最初のダンジョンがありますが、そこは本当にシンプルな構造です。慣れた人だったら10分以下でクリアできてしまいますが、その中でもフロアを跨ぐような大仕掛けがあるんです。ダンジョンマップがあって、新たな武器アイテムがあって、コンパスを手に入れてというステップもバッチリあって、最後にボスがいて。ニンテンドウ64以降の『ゼルダ』ダンジョンの方向性を規定した偉大なダンジョンだと思います。

実況動画:【時のオカリナ裏】護れ、超刻の聖三角!【ゼルダの伝説縛実況】part1より
(c)1998,2002 Nintendo

――1998年という、あの作品が登場したタイミングも重要なんですよね。あのタイミングであの難度、作られかた、完成度を誇るダンジョンは、いまに置き換えても、そうないと思います。実際、3Dのゲームというものがまだあまりない時代に、『スーパーマリオ64』と『オカリナ』が原型を作ったわけですから。

セピア:
 とりわけZ注目のシステムは、発明から20年経っても……良く言えば礎を作ってますし、悪く言えばみんなあの軛から逃れられていない。それだけ偉大な作品なんですよね、きっと。

――Z注目は、十字ボタンや『タクティクスオウガ』の高低差システムなどと並んで、ゲーム史に残る文化遺産だと思います。あれがないと3Dは成立しませんから。

実況動画:【時のオカリナ裏】護れ、超刻の聖三角!【縛り実況】part11より
(c)1998,2002 Nintendo

セピア:
 『神トラ』のレベル4ダンジョンで、天井の壁から光が射して……というような仕掛けはありましたが、プレイヤーにも見える形でフロアを跨ぐアクションはデクの樹サマの中が初めてでした。求められるアクションは高度ではないけれど、3Dの『ゼルダ』としてのコンセプトは示されていて、たぶん開発された皆さんが惜しまずにいろいろな挑戦を最初のダンジョンから投入してきたのではと感じますね。ダンジョンもどんどん複雑になり、大人リンクになったころには、けっこうエグいアクションも要求される、コアなゲーマーにも手応えのある骨のあるダンジョンになっています。そうしたステップの踏ませかたからしても、『オカリナ』の全体が、スゴく“らしい”ですね。

――水の神殿あたりでそれがピークになりますよね。

セピア:
 水の神殿は……私は当時学生でしたが、ダンジョンの複雑さも、中ボスの強さもクラスでさんざん話題になりましたね。それに対して本ボスの、嵌めてしまえばあっという間に倒せてしまう感も含め、いろいろと話題の多いダンジョンだったと思います。ともあれ、3Dになっていきなり『ゼルダ』史に残るダンジョン体験でした。いまだに『オカリナ』の水の神殿を、話題性で超えていると言い切れるものは少ないんじゃないでしょうか。

実況動画:【時のオカリナ裏】護れ、超刻の聖三角!【縛り実況】part19より
(c)1998,2002 Nintendo

――ほかには、どんなダンジョンが印象的ですか。

セピア:
 あとは……『トワプリ』の砂漠の処刑場も本当にすばらしいですね。あの作品は、とくに『オカリナ』を意識してる部分が強くて。『オカリナ』の大人リンクの集大成というような感じで、あそこは『トワプリ』の折り返し地点にして、ひとつの山場だと思います。『SWS』の古の大石窟は美しいです。芥川龍之介の『蜘蛛の糸』のストーリーをなぞって極楽と地獄を行き来するという描写には、日本発・任天堂の大和魂を感じました。それから先ほどの『ムジュラ』でも、やはりアツくなれるダンジョンがあります。私はグレートベイの神殿という3つめのダンジョンが本当に好きです。あそこの構造というのは……。

――えーと、“構造ファン”なんですか(笑)?

セピア:
 ええ。言ってみれば構造や様式ファンですね。あそこはまず洗濯機のような大部屋があり、ダンジョン内に水流ができていて、その方向をバルブ操作で切り替えて通れなかった水路を進むという仕掛け。私がこのダンジョンに感じる魅力は、数式で言うと、丸括弧を開いて真ん中に式を置き、最後を括弧で閉じているような左右対称性なんです。

――数式……(笑)。なかなか哲学的な比喩なので、もう少し詳しくご解説ください。

セピア:
 (笑)。ダンジョンに入ると、最初の部屋でバルブを捻って水流を操り新たな道を開くという、ダンジョン全体を支配する仕組みが最初に示されているんですね。こうして洗濯機の回転を切り替えながら、最後にボス戦を迎えるんですが、その直前にひとつのバルブを捻って水を出すだけの部屋があるんですよ。

実況動画:【ムジュラの仮面】タルミナ、最期の3日間!【縛り実況】part13より
(c)2000 Nintendo

――捻るだけですか。

セピア:
 水が出て足場にはなるんですが、それまでエグいアクションや、ひらめきが必要になる部屋もある中で、ボス寸前の部屋が、ダンジョンに最初に入ってきたときと同じ、妙に易しい仕掛けなんです。先ほどの数式の話に戻ると、バルブを捻るという“括弧の始まり”があり、中盤の謎解きの山を経て、最後にまたバルブを捻って括弧を閉じてボスに挑む。その対称性がものすごく好きで、グレートベイの神殿を推したいんです。……でもあまりわかってくれる人がいないという。ロックビルの神殿派が多すぎて!

――そういう対立があるんですか?

セピア:
 私はどちらも好きなんで、対立はしてほしくありませんが……でも、どちらを推すかで好みが分かれますね。ロックビルは、いまでこそほかのゲームのどこかに似たようなアイデアもあると思いますが、とある大仕掛けがあってですね……。あ、これも語るとうるさいですよ、私。

――どうぞどうぞ。

セピア:
 (ネタバレにつき割愛)……というアイデアももちろんのこと、それまで手に入れた姿をすべて使う必要のある総合問題のような感じや、要求されるエグいアクション、そしてダンジョンとしての完成度など、どれも皆スゴいんです。ただ……ボスだけが、ツインモルドのボスらしさが控えめなのが、ロックビルの神殿の惜しいところです。

――ツインモルドのような砂虫系って『ゼルダ』の定番ですよね。だから「ああいう神殿のボスならこれだろう」と、赤と青の2色という工夫がなされながら登場しているんでしょうね。

セピア:
 あれだけ大きな体なので、もう少しだけでもリンクの方に向かって「ガガガッ」って攻め寄ってくれたら、私もロックビル派だったかもしれませんね。やはりボスはダンジョンを締めくくる大事な存在。そのやり応えでダンジョンの印象は大きく変わると思います。それも含めてのグレートベイ派です。

「『ゼルダ』らしさと『ゼルダ』らしくなさのマッチングに期待」

――最後に新作の話をしましょう。ニンテンドースイッチの新作『ブレス オブ ザ ワイルド』の情報が昨年のE3から徐々に明かされており、いよいよ発売という中で、いちばんワクワクしている部分はどこでしょう?

セピア:
 ヘンに先入観を持たないように、私はあえてあまり情報に触れないようにしていますが、先日の闘会議でも『ブレス オブ ザ ワイルド』のステージに登壇させていただいたりなど、やっぱり入ってくる情報があります(笑)。あれだけ開けた世界で自由に冒険でき、「いままでの『ゼルダ』の当たり前を壊す」というような言葉が開発の方々から語られています。あまりに崩しすぎると今度は『ゼルダ』である意味がわからなくなる気がするので、きっといままでのよさを踏襲しつつ、でも「今回はこう来たか!」としているのでしょう。そういう“『ゼルダ』らしさと『ゼルダ』らしくなさのマッチング”みたいなものに、いまはすごくワクワクしていますね。

――「オープンエアーでどんな『ゼルダ』になるんだろう?」という、核心の部分ですね。

セピア:
 もともとなんの目的もなくフィールドを走り回ったりするのが大好きなので、そういういわゆるオープンワールド的な世界が楽しみですし、「『神トラ2』でアイテムをラヴィオから借りて、好きな順番でダンジョンを攻略できた仕掛けに通じる感じかな?」という予想を楽しんだりしています。もうひとつ楽しみにしているのは、前情報ですでにけっこういろいろな種族が登場していますが、その中の情報から判断して、「あの作品(!)の百年後が描かれているんじゃないか」という推測がなされているところだったりします。

――「物語がハイラル史のどこに当たるのか」という話ですね。『ゼルダ』シリーズの物語の繋がりって、「ここで世界を救ったらこの系統」など分岐していますよね。勇者が帰還した世界と、帰還していない世界など、あの分岐はスゴいですよね。

セピア:
 作品ごとのバックグラウンドや関連性、歴史を追ったり考えたりするのがとても好きなので、自分の予想との整合性を見ていくのも楽しみですね。

――さてセピアさんには、そんなワクワクを抱えつつ、前日から過去のシリーズをプレイしながら『ブレス オブ ザ ワイルド』の発売を待ち、そのまま最新作のプレイに突入する生放送をしていただくことになっています。生放送に向けての意気込みをお願いします。

セピア:
 『ブレス オブ ザ ワイルド』は、「『ゼルダ』の当たり前を見直す」というコンセプトのもと作られた作品です。それは、初めての方でも『ゼルダ』の世界に入りやすいということでもあります。「『ゼルダの伝説』シリーズは本数があってなかなか手を出せない」という方、これはいいチャンスですよ! 既存のファンの皆さんは、それぞれ楽しみにしているポイントがあると思いますが、私はできる限り前情報を得ずに、真っ白のままプレイするつもりです。ですので放送中、「こんなことも知らねーのかよww」とコメントしないように!

――(笑)。

セピア:
 いままでのシリーズをプレイしていればしているほど、楽しみな作品だと思います。発表からでも4年、それ以上の歳月をかけて制作されたこの広大な世界を、みんなでいっしょに楽しんでいきましょう。以上、セピアでした。ありがとうございました。また次の放送、動画でお会いしましょう!

――あ、動画で聴いたことあるやつだ!(笑)

 インタビューも終盤、『ゼルダ』各作品についてセピア氏からのコメントをもらおうとしたとき、趣味の話から話題が横道に逸れた。その内容があまりにトリッキーだったので、別記事として以下にお届けする。

 

実況者セピア氏、ゼルダ各作品を蒙古タンメン中本のメニューに例える「ムジュラは冷やし味噌ラーメン。隠れた麺の旨さがバレる」



 

小山オンデマンド
週刊ファミ通、ファミ通.comなどを経て、電ファミニコゲーマーに参加。好きな『ゼルダ』は『神々のトライフォース』。好きなキャラはデクナッツと大妖精。

 

斉藤大地
電ファミニコゲーマー副編集長。「ニコ」出身。
Twitter:@daichittaX

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