初音ミク&星乃一歌が人間の弾くピアノに合わせ「千本桜」を熱唱! ヤマハのAI合奏技術で実現したミクたちと一緒に演奏を楽しめる「プロジェクトセカイ・ピアノ」体験レポート

 ヤマハミュージックジャパンは、2020年10月よりコロナ禍での人々の生活に再び音楽を取り戻したいという趣旨の下、「おかえり、おんがく。」と題して様々な企画を開催している。

 そのひとつとして3月26日より実施されているのが「プロジェクトセカイ・ピアノ」だ。これは、“コロナ禍によって失われてしまった仲間と一緒に演奏を楽しむ”機会を提供するため、セガとColorful Paletteからリリースされているスマートフォン向けリズム&アクションゲーム『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』(以下、プロジェクトセカイ)とコラボして製作された特別なピアノ「プロジェクトセカイ・ピアノ」を体験できるというもの。

 このピアノ、単純に同ゲームをイメージしたデザインが施されただけのものではない。ヤマハの持つ人工知能合奏技術(以下、AI合奏技術)によって、同ゲームに登場するバーチャル・シンガーの初音ミクと、オリジナルキャラクターの星乃一歌が人のピアノの演奏に合わせて歌をうたってくれるという特徴を持っている。

 今回、「プロジェクトセカイ・ピアノ」を試せる機会に恵まれたので、その模様をお届けしたい。実際に体験してみると、ピアノ初心者ほど音楽を奏でる楽しさを実感できる企画だった。

取材・撮影・文/トモトモ


見るだけでも価値あり! 細部までこだわり抜かれたデザイン

 「プロジェクトセカイ・ピアノ」として特別に製作されたピアノは、市販されている電子ピアノ、ヤマハクラビノーバ CSPシリーズをベースに『プロジェクトセカイ』をイメージした特別仕様のラッピングが施されていた。

 全体的に淡くカラフルな配色を基調として、下前板には同ゲームのキービジュアルにもなっている初音ミクと星乃一歌のふたりが向かい合ったイラストが描かれている。さらに、譜面台にはワンポイントとしてシルエットで表現された初音ミクの姿、側面には「プロジェクトセカイ」で活躍する5つのユニットとバーチャル・シンガーそれぞれのロゴも。

 驚いたのは、ピアノ本体だけでなく、イスも同様に特別仕様のラッピングが施されていた点だった。この細部にわたるこだわりようは、同ゲームを遊んでいるユーザーならば、デザインを見に行くだけでもその価値があるといっても過言ではないだろう。

 また、ピアノの横にはスマートフォンが設置され、両者はケーブルによって繋がれていた。目玉であるミクと一歌がうたってくれるAI合奏技術のポイントは、どうやらこの端末にあるようだ。

ミクと一歌が演奏にあわせて歌ってくれる! ピアノ超初心者でも演奏可能

 ピアノの外観はこれぐらいにして、さっそく演奏を試してみる。今回、弾くことができる曲には、人気ボカロ曲のひとつである「千本桜」(作詞・作曲:黒うさ)が用意されていた。

 使用する楽譜は、超入門から上級まで全4種類のバリエーションが存在し、体験者のピアノ歴に合わせて自由に選べるようだ。筆者は、ピアノ歴がほぼ皆無に近いので、超入門で弾いてみることに。

 ちなみに、今回の体験場所として準備されたのは、ヤマハの旗艦店に位置づけられているヤマハ銀座ビル内の施設「ヤマハ銀座コンサートサロン」。内心、そのような所にまで来て、それなりに格好がつく形で曲を弾けないとさすがにまずいなと心配していたが、それはすぐに杞憂だと分かる。

※※ヤマハミュージックジャパンの方による上級者用の楽譜でのデモンストレーション演奏。演奏を速めたり遅くしたりしても、初音ミクと星乃一歌がそれに合わせて歌ってくれるのがわかる。

 「プロジェクトセカイ・ピアノ」にはストリームライツと呼ばれる機能があり、どのタイミングでどの鍵盤を弾けば良いかランプ(ライト・ノーツ)が光ってガイドしてくれるのだ。これは、本モデルのベースとなった市販モデルでも同様に搭載されている機能とのこと。

 まるで、音ゲーを遊ぶかのように、次々と目の前に表示されるライト・ノーツの指示に従って鍵盤を押すと、ちゃんと曲が演奏できている。この仕様は、リアルとゲームの違いはあれど『プロジェクトセカイ』を遊んでいる方や音ゲーをプレイしている方なら、とっつきやすいだろう。

 イントロが終わると、ミクと一歌がうたい出す。もちろん、こちらのピアノのペースはかなりゆっくりなのだが、ミクと一歌のふたりは、ちゃんとペースに合わせてうたってくれる。単に、歌声の再生速度を落としているといったものではなく、こちらのピアノのリズムを理解して、それに合わせてうたっているという印象を強く受けた。

 それはまるで、ふたりがこの場に存在してうたっているかのような、自然な感覚のもので、こちらがミクや一歌のペースに合わせるような配慮も必要ない。演奏が終盤を迎えるころには、ライト・ノーツの導きによる筆者のピアノとミク&一歌の合唱、さらに、サビの盛り上がりも相まって「千本桜」を一緒に奏でる楽しさを十分実感することができていた

※ヤマハによる「プロジェクトセカイ・ピアノ」紹介映像

 当日は、筆者による演奏を2回、そして、ヤマハのデモンストレーターによる実演2回の計4回にわたり「プロジェクトセカイ・ピアノ」の魅力を体験した。1回あたりの試奏は数分という短いものではあるが、ピアノ初心者にとっては、演奏を負担なく楽しむのに丁度良い時間設定だったと思う。
 
 何よりも、人間とAIによってひとつの曲を生み出すという不思議な体験は、ピアノを弾くことの楽しさ、そして、誰かと一緒に音楽を作り上げるおもしろさを味あわせてくれた。まさに、筆者は本企画のコンセプトでもある”仲間と一緒に演奏を楽しむ”機会を享受できていたに違いない。

「ヤマハの技術を使って人と演奏できたら素晴らしいよね」から始まった

 体験後、本企画を担当するヤマハミュージックジャパンの野藤義一氏へお話が伺えたので、その模様をお伝えする。

──今回の初音ミクとのコラボは、どのような経緯で企画されたのでしょうか。

野藤氏
 技術自体は、2017年のAIと人間のライブコンサート「みらいのアンサンブル」で披露したものを応用しています。社内でも初音ミクなどのコンテンツを愛する人間はたくさんおり「私たちの技術を使って、このようなキャラクターと協演できたらいいよね」という話がありました。

 さらに、コロナ禍でなかなか人と合奏する機会がなく「ヤマハの技術を使って人と演奏できたら素晴らしいよね」という想いもあって、今回、初音ミク、『プロジェクトセカイ』さんとタッグを組ませていただきました。

──体験曲として「千本桜」を選ばれた理由は?

野藤氏
 圧倒的に認知度が高いということと、弾きたいと思われる方が多い曲と考えたからです。そもそもは『プロジェクトセカイ』の楽曲から選曲しようということで選びましたが、その中でも人気のある曲、かつ楽譜も幅広い難易度のものをご用意できるので、多くの方にご体験いただけるかと考え、選定しました。

──将来的に「プロジェクトセカイ・ピアノ」を市販化される予定はありますか?

野藤氏
 商品化などの予定はありません。「プロジェクトセカイ・ピアノ」の体験終了時にお願いしているアンケートなどでのお声は、今後の参考とさせていただきます。

──これから体験される方へメッセージをお願いします。

野藤氏
 初心者の方でもぜひ体験、演奏していただきたいなと思います。演奏を怖いなと思う方も、ピアノは『プロジェクトセカイ』さんの世界観が反映された非常にかわいいラッピングなので、写真撮影だけでも構いません。

 ハードルが高いのではなどと思わずに、ヤマハの楽器店へ気軽に足を運んでいただけましたら嬉しいです。歓迎しておりますのでぜひお越しください!


 最後に、あらためて「プロジェクトセカイ・ピアノ」の概要について少し触れておきたい。「プロジェクトセカイ・ピアノ」は、3月26日から6月27日までの約3ヶ月にわたり、ヤマハの楽器店をはじめ全国各地に順次設置され、体験イベントが展開されている。体験は基本的に事前予約制となっており、ヤマハ公式サイトの特設ページより指定の時間を選び、予約する必要がある。

 筆者も普段ピアノを弾くタイミングがないからこそ分かるが、『プロジェクトセカイ』が好きというだけでは、体験するハードルも高く感じるだろう。しかし、極端なことを言えば、本物のピアノがゲーム筺体となった音ゲーを遊びに行く感覚で体験してみるのも問題ないと思う。野藤氏も話されていたように、特別仕様のラッピングを撮影するために赴くだけでも構わない。むしろ、この限定された貴重な機会をみすみす逃してしまうのは、とても惜しいと感じる。

 ぜひ「プロジェクトセカイ・ピアノ」でミクや一歌とともに、一緒に音楽を生み出す楽しさを感じてみてほしい。

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ライター
小学生の頃にセガの『シェンムー 一章 横須賀』をプレイして以来、ゲームに夢中です。 将来はゲームを作りたいとゲームプランナーを志すも紆余曲折あり、現在は経済学を教えるジョブなどをやっています。 未来を感じられるようなワクワクを体験できるゲームとそれを生み出すクリエイターが大好き!
Twitter:@totetote114
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