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勝ち組と負け組を分けるもの。それはクイズ。無数の舌打ちと勝ち組への呪いの言葉を積み上げた分だけ高く登れる『Survival Quiz CITY』に人生の縮図を見た

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 どうやら、世の中は勝ち組と負け組の2種類に分かれているらしい。そのことに気づいたのはいつだっただろうか。テスト、受験、就職、結婚、転職。人生のさまざまな場面で、人間はどちらかふたつの組にふるい分けられる。勝ち組になれば人生バラ色憂い無し。負け組に落ちれば、地べたをはいずり泥をすすって生きねばならない。それがこの世の真理だ。

 人の生をふたつに分けるものとはなにか。そう、クイズだ。4月30日にプレイテストが始まった『Survival Quiz CITY』という戦場で、われわれはなんじぇ……ワニ型の生命体“ギャー君”となり、人生を二分するサバイバルクイズに挑む。

文/古嶋誉幸


※本稿のゲームプレイはユーザー参加テスト版のため、製品版とは仕様が異なる場合があります。

 『Survival Quiz CITY』はクイズパートでクイズに挑み、正解者と不正解者に別れてアスレチックを楽しむバトルロイヤルゲームだ。用意されているルールは、脱落せずに最後のひとりになるまで生き延びる「サバイバル」、規定のラウンドを戦いもっともお金を手にしたプレイヤーが勝利の「賞金稼ぎ」のふたつ。

 基本操作も紹介しておこう。ほとんど通常の3Dアクションと同じだ。各キャラクターにはそれぞれスタミナがあり、これを大きく消費することで「ショートダッシュ」が可能だ。また、スタミナをじわじわと消費しながら行う「ほふく前進」は、爆弾などの吹き飛ばし距離を縮めることができる。スタミナは完全に切れると一定時間移動速度が落ちる。スタミナ配分とダッシュやほふくの使いどころが勝負の分かれ目といえるだろう。

 また、ステージの途中ではほかのプレイヤーを攻撃する爆弾や、爆風による吹き飛ばしに強くなる薬など、ステージで拾ったりして貯めたお金を使って多彩なアイテムが買える。これらのアイテムをうまく活用すれば、たとえ負け組からでも一発逆転を狙える。

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 ところで、上記のトレイラーやスクリーンショットを見れば誰もが思うのではないだろうか。「これ、『Fall Guys』なのでは……?」

 とはいえ、上記のクイズやスタミナ、お金を使うパワーアップ要素など、すべてが同じというわけではなく、さまざまな点で差別化がなされている。
 『Fall Guys』が『風雲たけし城』なら、本作は『賭博黙示録カイジ』の鉄骨渡り『アメリカ横断ウルトラクイズ』を合体させたようなイメージだ。「勝ち組になりたいかー!」

 戦場に集ったワニ型の生命体“ギャー君”は、まずはクイズにて勝ち組と負け組にふるい分けられる。基本は4択問題。前方にある画面に表示された絵を見て答えるものや、「ナトリウムの元素記号はどれ?」といったプレイヤーの知識を問う問題も出される。

 難しいものもあるが、誰もが答えられる簡単なものもある。たとえ簡単な問題でも勝ち組と負け組に分けられるのは、正解を選べる人数が決められている(プレイ人数によって変動する)からだ。下記のスクリーンショットを見てほしい。各足場に0/8と書かれている。

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 この場合、どの足場であっても最大8人までしか入れない。つまり、わずか8人だけが勝ち組になれるのだ。ここでもダッシュや途中で手に入れたアイテムが使えるので、ほかのプレイヤーを蹴落として正解のゴールを目指そう。

 クイズレースに敗北した負け組は地下へとたたき落とされ、勝ち組の妨害をかいくぐってゴールを目指す。このシーンこそもっとも『Fall Guys』に近いところだろう。アスレチック自体は『Fall Guys』と比べて比較的簡単。ただし、勝ち組が投げ散らかす爆弾や銃弾に妨害されるため、見た目よりは少し難しい。

 所持金トップ3は誰からも分かるマーカーがつけられるので、ほかのプレイヤーより目立つため狙われやすくなる。もしくは、ある負け組がひとりでトップを走っていれば目立ち、当然勝ち組から袋だたきにされる可能性も増える。出る杭は打たれがちだ。勝ち組は負け組が努力している姿より、努力する負け組が転落する姿を見る方が好きなのだ。

 負け組もただでは転ばない。吹き飛ばし効果の高い爆弾は、上手く利用すれば一気にゴールの方向まで飛ばしてくれることもある。爆弾は着地後数秒して爆発するので、愚かな勝ち組のうかつな爆弾を利用し、一気に距離を稼ぐことは十分可能だ。

 負け組が走るアスレチックには、勝敗を左右する高額のコインも配置されている。制限時間以内にゴールすれば次の勝負には進めるが、上位を目指すならコインも見逃せない。安全をとるかリスクをとるかはプレイヤー次第。なお、場外に落ちたとしても、落ちきる前にAボタンを押せば復帰可能。ただし、すべてではないが所持金は減ってしまう。

 一方で勝ち組パートでは、負け組に攻撃を当てるとコインを少し獲得できるうえ、ふっとばすとさらにコインを多く獲得できる。そのため「負け組ががんばる姿をワイン片手に眺める」というイメージよりは忙しいが、爆弾や銃を手に安全な足場を飛び回り、爆弾の雨で負け組は消毒するのは実に愉快だ。

 とはいえ、割合からいっても、勝ち組になる権利を手にするのは大変だ。何度も挑戦したが、筆者が勝ち組になれたのはたった1度のみ。
 なお、ステージによっては「下剋上」のチャンスがあり、負け組がステージ内のタワーを登りきって最上部のボタンを押すと、勝ち組が真っ逆さまに落ちてコインを失うこともある。勝ち組になってもうかうかせず、負け組を積極的に突き落として確固たる地位を築き上げよう。

 「勝った!これで人生バラ色だ!」という一瞬のため、無数の舌打ちと呪詛の言葉を吐き続けることになったが、ゲーム自体は混沌と混乱が支配していて面白い。特に負け組として参加するアスレチックステージは運の要素も強いため、多少うまくいかなくても「全部勝ち組が悪い」と納得できる。敵に回した勝ち組は本当にやっかいだ。

 「サバイバル」ルールでは、負けた後は空飛ぶ車に乗り、勝ち組になるためにがんばるプレイヤーに投げゼニができる。あるいは、クイズが出るモニターの前でエモートを大写しにし、ほかのプレイヤーの妨害も可能だ。クイズの画面が見えないのは本当に困るし、困らせることができる。

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 もうひとつ、忘れずに書かなければならないのが本作のヒロイン・ラミィちゃんだ。ゲームへの接続中のかわいらしいアニメにはとても癒やされた。「別にゲームにつながらなくてもいいかな」、そう思わせるほどのかわいさなので、彼女にもぜひ注目してほしい。

 まだテストが始まったばかりということもあり、コネクションロスト(途中切断)が何度か起きた。1時間半ほど遊んだ中で3度ほどの割合だ。途中で切断されるとそれまでの成績がリセットされるため、経験値も入らない。とはいえ、途中で抜けることを許容すれば、いわゆる「レイジクイット」が頻出する可能性もある。製品版ではサーバーが増強されていることを願いたい。

 『Fall Guys』風のポップで楽しいアスレチックと、勝ち組負け組に分かれて争うというシニカルな世界設定を組み合わせた本作は、一度試して見る価値があるゲームだ。
 次回のテストは5月8日11時~15時と、5月8日18時~22時。勝ち組となって負け組をあざ笑うもよし、負け組として勝ち組に怒りを燃やすもよし。興味があれば試してみてほしい。

ライター
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一日を変え、一生を変える一本を!学生時代Half-Lifeに人生の屋台骨を折られてから幾星霜、一本のゲームにその後の人生を変えられました。FPSを中心にゲーム三昧の人生を送っています。

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