みなさまは、「事前の想像と違うゲーム」に遭遇したことはあるだろうか。
日頃から多くのゲームをプレイされる方なら、もちろん良い意味でも悪い意味でも「想像と違うゲーム」と遭遇することがあるだろう。
今回私がスクウェア・エニックスにて体験してきた新作アクションRPG『FORSPOKEN』も、かなり「想像と違うゲーム」だったのだ。 あ、もちろん良い意味でね?
どうだろうか、上記のビジュアルを見てみて、第一印象としては「硬派なファンタジーアクションRPGかな?」と感じる方が多いのではないだろうか?
いや、実際「ファンタジーアクションRPG」の部分は間違っていないので、そこまで何もかも印象を覆してくるわけではないのですが……
何か現代人が異世界に転移してる!!!
というわけで、そんな今流行り……?の現代人が異世界で奮闘する姿を描く魔法アクションRPG『FORSPOKEN』の先行プレイの様子をお届けしましょう。
※今回プレイした体験版はPlayStation5版の『FORSPOKEN』となっているため、一部の仕様やボタンの配置が他のプラットフォームと違う可能性があります。ご注意ください。
いざアーシアへ!
ゲーム開始早々、「アーシア」という名の異世界にチェックシャツのラフな格好のままやってきてしまう主人公・フレイ。当然スマホは何の反応もしないし、知らぬ間に手に巻き付いていた「カフ」という名のCV三上哲の腕輪が延々と話しかけてくる。
開始早々「やめろ!もう黙れ!これは悪い夢なんだ!」と怒り狂ってしまうフレイ。だろうね!
どうやらアーシアに転移するまでも何らかのストーリーがあるようなのですが、今回の体験会ではいくつかのチャプターをかいつまんでいく形でプレイしたので、フレイがこの世界にやってきてしまう経緯は謎のままでした。そこは製品版をお楽しみに。
とは言いつつ野垂れ死ぬわけにも行かないので渋々この世界を進んでいくフレイ。この右腕に巻きついている喋る腕輪こと「カフ」が面白い性格をしており、アーシアにやってきた直後は常にフレイとカフが文句を言い合いながらゲームが進行していきます。……こういうゲームなの!?
あのメインビジュアルに『FORSPOKEN』というスタイリッシュなタイトルから出てくるのは、「何も知らないまま異世界にやってきて喋る腕輪に文句を言いながら進んでいく現代人の主人公」という中々にコミカルな映像。もちろんストーリーも割とカジュアルに楽しめる内容に仕上がっていて、私は個人的に好きな感じのノリです。
そして訪れる初めての異世界バトル!
熊だ。
熊ですねこれ。いや熊か……?
当日近くにいたスクエニの社員さんに聞いてみたところ、「アーシアの原生生物が変異してしまった姿です」とのこと。熊じゃないやん。
そして今作はアクションRPGを名乗っている通り、やはりアクションは重要な要素になってきます。
操作方法はシンプルかつ直感的。
敵をR3でロックオンし、R2で魔弾をチャージして敵に向かって発射!
この魔弾は溜めて撃つこともできるし、連射することもできます。もちろんゲームを進めていくと近接攻撃アクションも追加されるのですが、基本的にはシューターアクションっぽい感じです。
そしてこのシューターっぽいアクションと噛み合ってくるのが今作の「高速移動」!
魔法により強化された脚力でフィールドの敵を無視しながら進める移動力はもちろんのこと、街中の家屋や屋根をスイスイ登れるパルクールじみたアクションも可能に!
こちらは回避行動にも応用でき、敵の攻撃に合わせて高速移動を使うことで回避もかなり簡単にできちゃいます。一応高速移動の使用にはスタミナの消費は必要になってくるため、そこまで長時間連打することはできませんが、この高速移動が触り心地の爽快感とスピード感のあるアクションに繋がっています。
そしてフレイの前に現れる大ボスのドラゴン。え、めっちゃ異世界じゃん!
いやてか早い早い! 異世界来たばっかの人間にドラゴンは早いから!!
上記のドラゴンからダッシュで逃げているフレイの画像でこのゲームのノリがある程度は伝わるのではないでしょうか。
とは言いつつも戦うしかありません。前述の高速移動でドラゴンの大ぶりな攻撃やブレスを上手く回避しつつ、弱点を狙って攻撃! 実は今作、敵の強力な攻撃は事前にエフェクトが出る形で比較的わかりやすく「予兆」を見せてくれるので、「ちょうど気持ちいい感じの回避」をさせてくれます。
そして先ほど紹介したR2での魔弾攻撃に加え、L2ボタンで発動できる「支援魔法」というものも存在しています。たとえば地面からツタを伸ばして敵の動きを止めたり、フレイ自身にかけられた毒の状態異常を解除したり、自動で攻撃してくれるタレットのような植物を設置したり……支援魔法も積極的に使っていきましょう。
さらに「敵に大きな隙が生まれた時に接近して△ボタン」で発動するフィニッシュ攻撃も決まると高火力で気持ちいい。今作の開発を行っているのは『FFXV』などの開発に携わったルミナス・プロダクションズが手がけており、回避行動や攻撃などは割と『FFXV』を彷彿とさせる手触りの良さを感じさせます。
上手く触り心地の部分を詳細に言語化できなくて申し訳ないのですが、「アクションの触り心地が割かし『FFXV』に近い」という例えからなんとなく感覚を想像していただけると助かります。
なんとか頑張ってドラゴンを倒したと思いきや、今度はドラゴンに身体を掴まれて上空まで連れていかれるフレイ!
でも頑張ってドラゴンから逃げたと思ったら今度は兵士に囲まれるフレイ!! もう踏んだり蹴ったり!!!
やめろ! もう黙れ! これは悪い夢なんだ!
なんで……なんでこんなことに………
ホントにアーシア行くのか?
そしてまさかの裁判にかけられ牢屋にぶち込まれるフレイ。
これは……これは悪い夢だよ! きっとそう!
アニメを見すぎたフレイの悪夢なのよ! クソッ!!
まぁなんやかんやで事なきを得て、服装も異世界風ファッションに着替えて冒険へと出発!
今作の装備システムの面白いところは、マントやネックレスなどの装備品に加えて、「ネイル」が意外と重要なところ。フィールドで獲得できる鉱石などのアイテムを使用して、右手と左手にネイルを装備できます。
このネイルの効果は「攻撃魔法の溜まる速度+」「全てのダメージカット5%」を筆頭に、結構強力な効果が多いためネイルの装備は大切です。実際のゲーム内だと反映箇所が細かいのでハッキリと確認するのは難しいのですが、ネイルの装飾もしっかりとゲーム内のフレイのモデルに反映されているそうです。
そして街から出た後は、いよいよ本格的にオープンなフィールドへと飛び出すことに。
このフィールド探索の面で特に面白いと感じた部分が、前述の高速移動はフィールド移動にも使用できるため「一見遠い場所にあると感じる目的地も高速移動を駆使すればそこまで時間がかからず辿り着いてしまう」という点。
フィールドのそこら中に探索要素やダンジョンを散りばめているタイプの作品に比べると、今作はそこまでフィールドを探索する要素が多い方ではありません(もちろん、いくつかは用意されています)。これは高速移動でのパルクールの爽快感を味わうために、意図的に足を止めないようにしているのかもしれません。
「そもそもフィールド自体を素早く移動することができるオープンワールド」とすることで、ゲーム全体のスピード感を高めているのがデザインとして中々面白いところです。
ゲームもある程度進行し、ここからは敵も中々にしぶとくなってきます。敵の兵士が盾を持っているため、正面からの攻撃はあまり通用しません。なので、R2とL2を同時押しすることで発動する強力な魔法を駆使し、広範囲かつ高火力の攻撃で敵をなぎ払う!!
それに加え、高速移動で敵の上空や背後に素早く回り込んで攻撃することで盾のガードをある程度すり抜けることもできちゃいます。しかし、それでもまだ盾を持った兵士は固い! いや、みなさんには全然伝わらないかもしれませんがホントに固いんですよあの盾持ち兵士……
ここでもうひとつ、戦闘において重要な要素を紹介します。それが「戦闘中の攻撃魔法と支援魔法の切り替え」。本来であれば、攻撃魔法の「爆裂の魔弾」と支援魔法は1つずつしかセットできないのですが、実は戦闘中でも「R1ボタンで攻撃魔法の切り替え・L1ボタンで支援魔法の切り替え」を行えたりします。
上記の画像のようにサークルが現れ、スティックを倒すことで使用したい魔法に即座に切り替えられちゃう! ちなみにこの技、あまりにもプレイが下手な私を見かねたスクエニの社員の人が教えてくれました。ありがとうございました。私がチュートリアルを全然聞かないタイプなのが全て筒抜けです。
R2での攻撃魔法はチャージして放つデフォルトの「爆裂の魔弾」以外にも、連射型の「連射の魔弾」やシールドを展開する「盾の魔弾」などが使えます。場面に合わせて適宜切り替えましょう。
そしてL2の支援魔法は、「現在習得している支援魔法のリキャストはそれぞれ独立している」仕様となっているため、たとえばツタを伸ばして敵を拘束する支援魔法を使用したら即座にタレットを召喚する支援魔法に切り替えて発動!! ……なんてコンボっぽい行動もできたりします。
この「魔法の切り替え」を上手く使いこなせるようになれば、強さ的にもゲームのビジュアル的にもグッと上達した感を味わえます。高速移動を使っていれば基本的に敵の攻撃はスイスイ避けられちゃうのもそうですが、このゲームはアクションにおいて重要な「何となく上手く操作できている感」を味わわせるのが上手い気がします。
これらの魔法はスキルツリー形式で習得することが可能。フィールドで獲得できる「マナ」を使い、新たな支援魔法を習得することもできれば、既に習得しているR2の攻撃魔法や、R2L2同時押しの必殺魔法を強化することもできる。
魔法のレベルアップにはそれなりにマナも要求されてしまいますが、既存の魔法のLv2以降は、目に見えて火力が上昇しているのも楽しいです。さらに、今作のスキルツリーの面白いところが、「もう使わなくなった魔法はマナに戻すことが可能」という点。
たとえば、ゲームがある程度進んで「もう敵を拘束する支援魔法がなくても十分戦えるなぁ……」と感じたら、その場で拘束の支援魔法をマナに戻して、攻撃魔法の強化などにそのリソースを回すことができます。この際返還されるマナは習得時に要求されるマナと同じ量が返ってくるので、返還自体にはなんのデメリットもありません。
この辺りの取捨選択もプレイヤーによって変わってきそうで面白い部分だと思いますし、何よりスキルツリーシステムによくある「覚えてみたはいいけど、実際使ってみたらそんな強くねえ……」という事故がある程度はこの仕組みで解消されていそうです。
もうアーシア行ったから次から別の感じのタイトルでいいや
そして体験会の最後には大ボスの「タンタ・サイラ」に挑むことに。
この「アーシア」には4人の「タンタ」という統治者が存在しており、民に圧政を敷いたりしているその4人のタンタはとても名君とは言えない状態。なんやかんやあってフレイは救世主としてその4人のタンタを撃破して回ることに。スゲェ、まるでRPGみたいだぜ!!
今回の体験会では断片的にストーリーを見る感じだったので、その全貌をお伝えできなくて申し訳ないのですが……少なくともこのタンタ・サイラ戦までの話も結構熱い感じだったので、今作のストーリーには期待を寄せてもいいのではないかと思います。現代人が異世界にやってきちゃうコミカルな導入から現地の人との交流を経て、世界を救う存在へとなっていく……普通に熱い!
ここでもうひとつ重要な要素になってくるのが、先ほど紹介したLv2以降の攻撃魔法の「チャージ時間の短縮が可能」という点です。
本来であればR2でチャージしてからLv2の攻撃魔法を放つのがデフォルトなのですが……たとえば、「チャージしないまま普通の攻撃魔法を何発か撃ったあとにR2を長押しして即座にLv2にチャージ」「支援魔法を使った直後にR2を押すことで即座にLv2チャージ」「高速移動中に何度が通常攻撃を使い、そこからR2長押しで即座にLv2チャージ」……などなど、厳密には違うのですが「行動のキャンセル」に近い感覚でLv2魔法のチャージ時間を短縮することができます。
このチャージ短縮を上手く使いこなせば、かなりの高火力を持続して叩き出せます。むしろ、攻撃自体が苛烈でチャージしている時間のない大ボス相手だと必須テクニックとも言えます。
それとはあんまり関係ないのですが、支援魔法で召喚できる「自動で敵を攻撃するタレット」がまぁ~~~~~~やたら強くて、タンタ・サイラ戦においてはかなり助けられました。もはや私の『FORSPOKEN』におけるMVPはあのタレットと言っても過言ではないくらい強い。
隣にいたスクエニの人が「お気づきかと思うんですけど、そのタレット強いんですよ(笑)」と言っていたので、多分本当に強いんだと思います。タレットありがとねえ!(クリム・ニック)
そしてタンタ・サイラを撃破したことで、サイラが使用していた魔法を習得できると思われる新たなスキルツリーが解放!
残念ながら体験版のプレイはここまでとなってしまったため、実際にサイラの魔法を試し撃ちすることはできませんでしたが、撃破したボスの魔法がそのまま使えるのは割と面白そうです。そしてサイラ以外のタンタはあと3人残っているため……まあそういうことなのでしょう。製品版にご期待!
さてさて……一足お先にお送りした『FORSPOKEN』の体験会プレイレポ、いかがだったでしょうか。記事の冒頭で「想像と違うゲームだった」と書きましたが、異世界にやってきてしまうフレイの姿が描かれるストーリーや、魔法パルクールを駆使した高速アクションなど、このゲームには良い意味で予想を裏切られました。
個人的に念押ししたいのは「アクションの触り心地がなんとなく『FFXV』に近い」とこです。私、『FFXV』好きなので。
あとまぁ……ここばっかりは最初からわかりきっている部分だと思っていたのですが……「グラフィックはあり得ないくらいキレイ」です。魔法のエフェクトやモンスターなど、とにかく画面が美麗かつ高精細。流石にここはスクエニ作品です! グラフィックはマジですごい!!
フレイは果たして元の世界に帰ることができるのか?
そもそも何故フレイはアーシアに転移してしまったのか?
その答えは…………2023年1月24日にPS5、Steam、Epic Games Store、Microsoft Storeなどの各種プラットフォームで発売予定の『FORSPOKEN』を買って確かめろ!!!