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『モンハン ナウ』正式発表。Nianticと共同開発の「モンスターハンター」位置情報ゲーム、付近に集まった最大4人のプレイヤーで狩りが楽しめる

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 カプコンは4月18日(火)、Niantic, Inc.(以下、Niantic)と共同で開発している新作ゲーム『モンスターハンター ナウ』(Monster Hunter Now)を発表した。本作は2023年9月に全世界でのサービス開始を予定している。また招待制のクローズドベータテストを4月25日(火)から実施する予定であり、こちらの事前登録も受付中だ。

 電ファミ編集部では本作のメディア発表会に参加したため、本稿では会場で行われた質疑応答の内容もふくめて本作の情報をお届けしていく。

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 Nianticは『Ingress』『ポケモン GO』『ピクミン ブルーム』といった位置情報ゲームを数多く手がけてきたメーカーだ。本作『モンスターハンター ナウ』もまた、現実世界に現れるモンスターを狩り、素材を集めて武器や装備をつくるといった拡張現実要素をふくむ作品になるという。

 最大4人までの同時マルチプレイに対応し、位置情報をもとに付近に集まったプレイヤーと一緒に狩りが行える。アクションはタップとフリックを意識した片手でも遊べるシンプルな操作に統一され、最長でも75秒でひとつの狩りが終わるなど、手軽さを重視した内容となっている模様だ。

 さらに「ペイントボール」をぶつけるとモンスターを“家に持ち帰る”ことができ、持ち帰ったモンスターを友人などと一緒に狩る遊び方もできるとのこと。ペイントボールはオトモが勝手に使用することもあり、アプリを起動していなくても自然と狩りにつながるような設計になっている。 

 作中では「渋谷ヒカリエ」が“砂漠”になるなど、日常を過ごす街並みが『モンスターハンター』でなじみ深いエリアへと変化する。プレイヤーは通勤や通学、散歩の中で「リオレウス」などの『モンスターハンター』を代表する強力なモンスターたちに出会うことになるそうだ。

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 NianticのCEOを務めるジョン・ハンケ氏は「歴史ある『モンスターハンター』というシリーズのファンの皆さんに楽しんでいただけるよう、カプコンと密接な関係を築いています」とコメント。“現実世界で遊べる”という点にフォーカスするNianticにとって、『モンスターハンター』シリーズはまさにその哲学を体現している作品と考えていたという。

 また2019年3月に初めてカプコンに提案したとき、その日の内にシリーズプロデューサー・辻本良三氏から了承が出るという、驚くべきスピード感で本作の制作が決定したことを明かした。「現実の街に巨大なモンスターが現れるというのは素晴らしいものになる」という認識がすでにお互いの中にあったのではないだろうか、と振り返った。

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 辻本良三氏自身も位置情報を使った『モンスターハンター』作品については以前からやってみたい気持ちがあったと話す。しかし「やるならNianticとやりたい」という想いもあったことから、話を持ち掛けられた際には「5分くらいで制作が決まった」と表現するほどの即決を下したそうだ。

 さらに『モンスターハンター』シリーズのテーマとして「誰でも参加できるマルチアクションゲーム」、コンセプトとして「コミュニケーション×アクション」を提示。その両者に合致したうえで『モンスターハンター ナウ』が新たにフランチャイズにくわわることを強調している。

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質疑応答

──Nianticがパートナーとしてカプコンを選んだ理由を教えてください。

ジョン・ハンケ氏(以下、ハンケ氏):
 私の長男が『モンスターハンター』をやりすぎて、3DSを壊しかけてしまったのがひとつ目の理由です(笑)。

 もうひとつは、我々のスタッフが『モンスターハンター』がどれほど位置情報ゲームにマッチしているかということをたびたび熱弁してきたからですね。彼らの熱意を信じてみようと思わされました。

──カプコンとNiantic、ビジネス上の役割分担はどのような形になっているのでしょうか。

辻本良三氏(以下、辻本氏):
 両社で相談からテストプレイまで、互いに共有しながら進めています。それぞれの強みを活かす形にしたいと考えていますので、運営はNianticさんにお任せする形になりますね。

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──Nianticとして、これまでの作品にはなかった新たな技術などは本作に導入されていますか?

野村達夫氏(以下、野村氏。本作のエグゼクティブ・ディレクター):
 はい。日々の研究開発の中で産まれてくる新たなテクノロジーを次々に導入しています。たとえば本作の「いつでも冒険モード」は、アプリを起動していなくてもオトモが勝手に働いてくれるといった具合になっていますね。

──『モンスターハンター ナウ』がシリーズに与える影響についてはどのように考えていますか。

辻本氏:
 誰でもプレイできるジャンルのゲームになっていると思いますので、これまで『モンスターハンター』シリーズ作品を遊んだことのないユーザーの方にも触れてみていただきたいですね。

──配信形態は基本プレイ無料となりますか?

野村氏:
 はい。基本プレイ無料で、無課金でも遊んでいただける内容になります。そのうえでアイテム課金などが発生する形ですね。このあたりはベータテストで実際に体験していただくのが分かりやすいかと思います。

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──本作ならではの新モンスターなどが登場する予定はあるのでしょうか? また、モンスターの総数はどの程度になるのでしょうか。ビジュアルを見ると『モンスターハンター:ワールド』(以下、ワールド)に近いように思われますが。

菅野千尋氏(以下、菅野氏。本作のゲームディレクター):
 リリースのタイミングではシリーズファンの方に馴染みのあるモンスターを優先で実装しておきたいと考えています。ただし、良いアイデアが生まれてくればオリジナルのモンスターを出す可能性もゼロではありません。

 モンスターの総数について具体的な数はお伝えできませんが、いろいろなモンスターを出したいと考えていますね。個人的には、数年後には歴代でも一番モンスターが多い作品になっていると良いな、と思っています。

 『ワールド』のモンスターは比較的多く登場すると思いますが、同作に縛られずさまざまなシリーズにつなげていきたいですね。シリーズごとにモデリングなども違いますので、検証を進めた上で決めていく見込みです。

 おっしゃる通り、現時点では『ワールド』に近く見えるかと思いますが、新しいシリーズ作品として独自の世界観を広げていきたいと思っていますので、ぜひ注目していただければと思います。

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──『モンスターハンター』を代表する武器についてですが、何種類ほどが実装されるのでしょうか。また「古龍」などが特殊イベントとして現れたりといった要素はありますか?

菅野氏:
 武器については現時点では調整中のものもあるので具体的な数はお応えできませんが、『モンスターハンター』らしいアクションを楽しめるものをどんどん追加していく予定です。「古龍」などの特殊イベントも詳細にはお伝えできませんが、個人的にはぜひ実装したいと考えていますね。

──シリーズでおなじみの下位・上位・G級(マスターランク)などの難易度分けは採用されるのでしょうか。

菅野氏:
 明確なランク分けは存在しませんが、強いモンスターであればあるほど、狩ったときに良い素材が出るという構造は『モンスターハンター ナウ』にも受け継がれています。

──位置情報ゲームとのことですが、「外に出ないで遊ぶ」ということは可能ですか?

野村氏:
 「一歩も家から出ない」というのは少し厳しいですが、意識して遊ばずとも「通勤」や「買い物」などといった日常のちょっとした外出でゲームが進行しているので、その進捗分を家に帰ってから遊ぶようなプレイは可能です。それをきっかけに、本作が外出のきっかけになってくれれば嬉しいですね。もちろん普通に外で遊んでいただいても良いので、いろいろと併用して楽しんでいただければと考えています。

体験会レポート

 質疑応答の後には本作の先行体験会も用意され、筆者もこちらで「プケプケ」「ボルボロス」といったおなじみのモンスターの狩猟を体験することができた。

 体験会の時点で使用できた武器は片手剣・大剣・太刀・ボウガンの4種。ボウガンにはジャイロ操作で弱点を狙うといった要素も盛り込まれていた。そのほかにも画面長押しで片手剣ならばガード、大剣では溜め切りなど、各アクションはスマートフォンなどでの操作にあわせてアレンジされつつ、各武器の特色を表現している模様だ。

 回避は横・後ろへのフリック操作で行う。太刀を使っているときはジャスト回避で切りつけができるなど、ここでも武器ごとに細かな違いが生じてくると思われる。また回復薬は通常通りHPを回復するのに用いる一方、「肉」については存在の確認こそできたが、くわしい用途は本稿執筆時点では不明である。

 狩猟には時間制限が定められ、星が多いモンスターほどHPが高くなり、時間内に狩りを終えるのが難しくなるといった具合だ。また筆者がNianticの担当者に「物欲センサーあるんですか?」と聞いてみたところ、「テストプレイをしている限りではあるような気がしてしょうがない」との返答を得ることができた。

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プレスリリースの全文は以下のとおり。


Niantic とカプコンリアルワールドの「モンスターハンター」アプリ『Monster Hunter Now』が2023 年9 月に登場

Monsterhunternow.com にてクローズドベータテスト登録受付開始

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YouTube の動画もご参照ください:https://youtu.be/ymZZxZQC1Dc

Niantic, Inc.(本社:米国カリフォルニア州サンフランシスコ/CEO:ジョン・ハンケ)と株式会社カプコン(本社:大阪市中央区/代表取締役社長:辻本春弘)は、カプコンの世界的人気シリーズ「モンスターハンター」を現実世界で体験できるモバイルアプリ『Monster Hunter Now』を2023 年9 月に提供開始します。

『Monster Hunter Now』はカプコンからライセンスを受けたNiantic が配信元となり、カプコンの強力なサポートのもと、App Store とGoogle Play にて2023 年9 月に全世界でサービス開始を予定しています。また、同タイトルの招待制のベータテスト(クローズドベータテスト)を4 月25 日(火)より開始予定で、テストへの参加希望者はmonsterhunternow.com から登録できます。

『Monster Hunter Now』では、プレイヤーはハンターとなり、現実世界に登場するモンスターを狩る、臨場感あふれる冒険に出発します。強大なモンスターの狩猟は、時にチームワークが必要となり、ハンターたちが力を合わせるハンティング体験も楽しめます。スマートフォンで遊べるため、気軽にお友だちを誘うことができます。

「モンスターハンター」シリーズはカプコンの歴代ゲームソフトの中で9,000 万本以上を販売している人気ゲームシリーズで、日本国外にも多くのファンを持つ、史上最も人気のあるハンティングアクションゲームです。

株式会社カプコン『モンスターハンター』シリーズプロデューサー辻本良三のコメント

「『Monster Hunter Now』は、現実世界でオトモアイルーと外に出かけると、強大なモンスターと出会ったりする、そんな「今ここ」での狩りをNiantic のAR 技術で体験することができる、今までになかった新しい『モンスターハンター』です。『モンハン』ならではのゲーム性やハンティングアクションを大切にしつつ、日常の中で「気軽に遊べる」、リアルで「みんなと楽しめる」、そんなゲームをお届けしますので、世界中の皆さま、ぜひ『モンハンNow』でリアルワールドの狩りに出かけてみてください!」

Niantic, Inc., CEO ジョン・ハンケのコメント

「『Monster Hunter Now』は、現実世界で壮大なモンスターに立ち向かうという体験を夢見たことがある多くの方々に究極の体験を提供できるタイトルになると思います。『Monster Hunter Now』は探索、チームワーク、狩猟が組み合わされており、モバイルで可能な限りの迫力あるグラフィックとともに、既存のモンスターハンターのファンの皆さんはもちろん、シリーズに初めて触れられる皆さんにもお楽しみいただけます。」

『Monster Hunter Now』は、『モンスターハンター』シリーズを長年楽しまれているハンターの方も、最近あまりプレイされていない方も、初めてプレイされる方も、皆さんがそれぞれのペースでお楽しみいただけるように設計しています。例えば通勤や通学の急いでいる時やアプリを閉じている時に出会ったモンスターをペイントボールでマーキングし、時間のある時にハンティングするなど、スマートフォンで無理なく楽しめるように考えました。

Niantic のLightship プラットフォームをベースに作られている『Monster Hunter Now』は、最先端の位置情報技術とAR 技術を利用しています。

『Monster Hunter Now』の9 月の登場を楽しみにお待ちください。

『Monster Hunter Now』クローズドベータテスト登録サイト

Monsterhunternow.com

本日より登録開始

4 月25 日(火)よりテスト開始予定

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モンスターハンターについて:

当シリーズは、雄大な自然の中で巨大なモンスターに立ち向かうハンティングアクションゲームです。

ネットワークを介した協力プレイというスタイルを確立し、シリーズ累計販売本数9,000 万本(2022 年 12 月31 日現在)を誇る、人気シリーズに成長しています。

カプコンについて:

1983 年の創業以来、ゲームエンターテインメント分野において数多くのヒット商品を創出するリーディングカンパニー。代表作として、「バイオハザード」、「モンスターハンター」、「ストリートファイター」、「ロックマン」、「デビルメイクライ」などのシリーズタイトルを保有しています。

本社は大阪にあり、米国、イギリス、ドイツ、フランス、香港、台湾およびシンガポールに海外子会社があります。

https://www.capcom.co.jp/

Niantic について:

Niantic は現実世界のメタバースを形成するAR 技術を開発しています。 Niantic のLightship プラットフォームは、携帯電話、最終的にはAR グラス向けに、世界中の開発者の方がAR 体験を制作できる、世界初のAR プラットフォームです。 Lightship は『Ingress』『Pokémon GO』『Pikmin Bloom』『NBA All-World』など、Niantic のゲームタイトルの基盤でもあります。詳しい情報は nianticlabs.com や@nianticlabsJPをご覧ください。

ライター
最近ゲーム業界にサメ映画ブームが来ている気が・・・え? 『スター・ウォーズ』のゲームが出すぎて手が回らない毎日。1日36時間欲しい。

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