アルファテストでは85パーセントのユーザーがゲームをクリア
話だけ聞いても今ひとつ面白さが伝わりにくいため、様々なパートナーと共に本作のアルファテストを実施している。このプロジェクト自体は世界中でリリースされるため、日本人が面白いと思っても他の国ではあまりよくないということもある。そこで、世界中の人たちが面白いと思ってもらうために、こうした取り組みが行われた。
その結果、非常にポジティブな意見が多いことがわかった。ビットコインのハッシュ計算は大変だが、それに紐付いているゲームプレイも同じように大変な作業となっている。そのため、本当にゲームをクリアしてもらえるのか心配な部分があったのだが、実際には85パーセントの人がクリアするという実績が得られた。また、面白いという意見や他の人にも勧めたいという意見も多かったのだ。
これまでゲームを100個ぐらい作ってきたという馬場氏。事前に行われたユーザーレビューで、ここまで良い評価を得たことはなかったという。そのため、感動も大きかったそうだ。
アルファテストの結果が良かったことから、全世界で8月15日から22日までクローズドベータテストが実施される。すでに登録は7月25日から開催されており、参加することが可能だ。報酬としてETHをもらうことができる。
パリ・サン=ジェルマンFCのセバスチャン氏とエムボマ氏によるトークセッション
ここまではプロジェクトの良い面だけを取り上げて紹介されてきた。しかし、必ずしも良いことばかりではなく苦労した面もあったのだ。先ほどのアルファテストを実施するときに、世界中のゲームギルドにアポイントを取ったのだが、南アフリカや東南アジアでは、コロプラ自体の知名度がなかったため全然集まらなかった。その後、先ほど紹介したトレーラーができたことで、ようやく集めることができたのである。
こうした苦労は、グローバルでの認知度がないとしんどくなってしまう。そこで、世界トップクラスのサッカークラブのひとつであるパリ・サン=ジェルマンFCと、グローバルでのパートナーシップを締結することになったのだ。
ここで、スペシャルゲストとしてパリ・サン=ジェルマンFCのセバスチャン・ヴァゼル氏とパトリック・エムボマ氏がステージ上に登壇。ここから先は、馬場氏に加えて両名を交えたトークセッションが実施された。
──パリ・サン=ジェルマンFCと連携することで、どのようなビジョンをお持ちですか?
馬場氏:
パリ・サン=ジェルマンFCは、世界トップクラスタ集まるクラブチームです。そこには、当社がターゲットとしている南米やヨーロッパ、東南アジアの選手が集まっています。その方々にプロモーションに参加していただければ、我々に足りない海外での知名度を埋めることができ、このプロダクトが受け入れられる土壌ができるのではないかということで、非常に期待しています。
──パリ・サン=ジェルマンFCとBrilliantcryptoがパートナーシップを結ぶことになった経緯を教えていただけますか?
セバスチャン氏:
1年前に行われた日本ツアーで、初めて馬場様にお会いしました。そこで、どのようなゲームがあるのかご紹介していただきました。そうした経緯で、この1年間馬場様とお話をして、どのような形で協力ができるか話し会ってきました。この素晴らしい、野心的で創造的、クリエイティブなプロジェクトを、どのように成功させるかについて今日皆様に発表できることを嬉しく思っています。
ひとつだけ付け加えると、パリ・サン=ジェルマンというチームはヨーロッパの中でも最初からゲーミングに関わってきたクラブです。FIFAのゲームのみならず、世界各地の市場でゲーミングにおいてコラボレーションをeスポーツの中でやってきました。今回のパートナーシップは、パリ・サン=ジェルマンにとっても自然な流れでできました。このゲーミング市場の開拓において、サッカークラブとしては先駆者です。
──現在はどのような世界戦略をお持ちですか?
セバスチャン氏:
我々は非常にユニークなクラブです。世界各地からタレント性の高い選手が集まってきます。まさに、セレブといった存在のサッカー選手が集まってきます。また、他のヨーロッパの各都市であれば複数のチームを抱えています。しかし、パリを代表するサッカーチームはパリ・サン=ジェルマンのみです。パリの繋がりで、サッカーだけではなくファッションやガストロノミー、ゲーミングというところの結びつきを我々としても注目しています。他のヨーロッパとは、そうした点でも我々は異なる戦略をとることで、様々な分野に入っています。
今回のパートナーシップの中で注目されている、中南米市場やアジア市場でも我々は多くの人気を持つチームです。中南米では、ネイマールやブラジルキャプテンのマルキーニョス、メッシという選手がいますので、人気を博しています。そうした意味でも馬場様とゲームの展開のプロモーションをやらせていただきたいと思っています。
アジア地域も重要な地域ということで、我々としても東京、上海、シンガポールにオフィスがあります。アジアからも2名の選手がプレイしています。さらにアジア地域にアカデミーもあります。こうした機会をいかして、ゲーミングを可能な限りプロモーションさせていただきたいと思っています。
──エムボマさんにお伺いします。元選手としてパリ・サン=ジェルマンの人気が、ヨーロッパのみならず世界中に高まっていることについて、どのようにお感じになられていますか?
エムボマ氏:
わたしたちパリ・サン=ジェルマンのブランドは、非常に素晴らしいと感じています。今回Brilliantcryptoとのパートナーシップにおいて、2点大事なことがあります。ひとつはゲームの業界で、もうひとつがeスポートの業界です。こうしたふたつのエリアを、プレイヤーとしても選択して選ぶことができます。また、こうしたゲーマーたちをBrilliantcryptoの世界に導ける、これまでになかったようなメリットがここにあります。
これは唯一無二のコラボレーションで、非常にイノベーティブな創造性の高いものであると実感しています。今回のパートナーシップは、私たちにとっても素晴らしい結果をもたらしてくれると思います。
セバスチャン氏:
1点付け加えると、パリ・サン=ジェルマンの選手たちもゲームが好きな人が多くいます。そのため、このゲームが出たら選手たちはマイニングに参加することになると確信しています。
──今回のパートナーシップでは、具体的にどのようなことが行われていくのでしょうか?
馬場氏:
パリ・サン=ジェルマンのご厚意により、ペアVIPチケットを6組ご招待します。こちらはクローズドベータテストをクリアした人の中から抽選になります。本当は僕が行きたいんですけど(笑)。興味があるかたは、クローズドベータテストにご参加していただければと思います。
──せっかくなのでエムボマさんにお伺いします。パリ・サン=ジェルマン時代にヨーロッパでの大会は間近で体感されたと思いますが、その見どころやどんな雰囲気なのか教えていただけますか?
エムボマ氏:
皆さん小さなときに、大きな夢を持ってこんな選手になりたい、こんな試合を見たいというものがあったと思います。今回は、ネイマールやマルキーニョスという、トッププレイヤーを見る機会があります。こうしたプレイヤーがゴールを決める瞬間を、楽しめると思います。
私自身が選手時代に、パリ・サン=ジェルマンで試合ができたということは、小さい頃の夢を叶えて、いろいろなサポートがあってその場に立つことができました。クラブを代表して試合に出るということに関しても、貴重な経験ができました。
──ありがとうございました!
様々な幸運が重なり今回の取り組みが実現した──メディア向け質問会
メインの発表会終了後、メディア向けに質疑応答の場が設けられた。こちらでは先ほどステージに登壇した馬場氏に加えてBrilliantcrypto 取締役の原井義昭氏が登壇した。こちらではその一部を抜粋してお届けする。
──Web3ビジネスは、日本の企業であってもなかなか日本国内からスタートする事例はあまり多くありません。なおかつ上場企業の100パーセント子会という形でありながら国内で事業を進めることで、困難だったところなどがあれば教えていただけますか?
馬場氏:
いろんな幸運が重なりました。日本が成長戦略にWeb3を掲げて法整備や税制が有効になったのが今だったからです。ちょうど我々が作り始めた時から噂があり、1年前は他と同じようにシンガポールに会社を作らなければいけないという話をしていました。
どうやら日本政府は本気でそこを変えたいらしいという話を信じて、日本国内にとどまって100パーセント子会社でリリースすることになりました。当社は上場会社で、しかもプライム市場なので、監査が非常に厳しいんですね。彼らがリリースのジャッジをするわけではありませんが、リスクがあれば止めたがります。一緒に協議しながら進めています。
これが普通の「Play to Earn」だとダメだと思います。ユーザー保護はどうするのかとか、ポンジ・スキームみたいということでハネられてしまいます。しかし我々は「Sustainable Play to Earn」なんだ。なぜならばブロックチェーンと同じで、コンセプトモデルをゲームにしたんだ。「Proof of Gaming」なんだ。これらをしっかりをご説明したところ、理解していただき話が進んでいきました。
僕的に一番助かったのは、税制です。こればかりはどうしようもなかったのですが、その部分のガイダンスを出していただいた日本政府には大変助かりました。
──ゲーム面についての質問です。クローズドβテストではかなり好評だったそうですが、具体的にユーザーはどこを面白いと思ったのでしょうか?
馬場氏:
当社が掲げている「Proof of Gaming」は、「Proof of Work」……つまりハッシュ計算との対比になっています。ハッシュ計算は、世界を温暖化に追い込むくらい計算が大変です。なので、楽しくて面白いゲームではダメなんです。ユーザー側がコストを出せないという話であれば、この「Proof of Gaming」は成り立ちません。
僕は普段、面白いゲームを作るということを命題に一生懸命やってきましたが、面白すぎるゲームはダメだということになりました。そのため、Brilliantcryptoのゲームは、面白いような面白くないような、だけど何か遊んでしまうみたいなレベルにしています。まさしく、ハッシュ計算をゲームでやるみたいなイメージです。
当然、そのようなゲームはボロボロに言われるかもしれないと心配でした。ゲームクリア率が5パーセントとかだとどうしようかと思いましたが、「楽しくダイアンドが掘れた」と言っていただいて良かったです。
──ビットコインのプロクチェーンがベースにあるそうですが、マイニングの限界などで大きな変更があったときにゲームにも同じように影響は受けるのでしょうか?
馬場氏:
僕はビットコインが好きなのでビットコインのブロックチェーンでは使いたいのですが別に何でもよくて、イーサリアムなど、ある程度大きなブロックチェーンのデータであれば互換性があるので、乗り換えは可能です。しかし、僕にはビットコインが終わる未来は想像できないので、ずっと使い続けられるのではないかなと思っています。
──ゲームの中でトークンも一緒に発行されるとお聞きました。先日、コインチェックとの連携が発表されましたが、ゲームのリリースと同時にIEOをされてトークンも発行されてという認識でよろしいでしょうか?
馬場氏:
まだ決まっている話ではありませんが、今考えているモデルでは先にゲームをリリースする予定です。その方が、盛り上がりやユーザーが見やすくなります。ゲームをリリースした後、にコインチェックさんでIEOをさせていただくというのが、今のマスタープランになっています。ただ、これは決定しているわけではありません。
その後、できれば世界中で上場して、そのタイミングでその国で行われるゲームは真なる「Play to Earn」ゲームになるというような、二段構えでやっていこうと考えています。
──今回発表されたゲームのターゲットはどういった層を想定されているのでしょうか? また、どんなプラットフォームで展開されるのでしょうか?
馬場氏:
ターゲット層は考え方を変えなくてはいけませんでした。我々のームは、どちらかというとDAO的(分散型自律組織)な役割があります。我々は、皆さんが楽しく思える「Proof of Gaming」できる環境を整える立場です。次にゲームを遊ぶマイナーという人たちがいます。てコインを稼いだりダイアンドを掘ったり、それを自分のものにしたりする人たちです。
また、現実世界でもそうですが、投資家や使用者というのがあります。普段からしているわけではなく、このためだけに付けているのですが、ここに指輪があります。落としたら大変なので、こうして付けている人はいません。ちなみに、1億円くらいする高いものです。宝石の利用価値は、身に付けるだけではなく資産性が凝縮されているところがポイントです。
我々は他のメタバースに持ち込めるという話をしていますが、どちらかというと本物の宝石のように保管してほしいなと思っています。そうなってくると、我々、マイナーのゲームをする人、投資家の3者で、おそらくDAO的な形で世界中にデジタルの鉱石を広めていきたいと思っています。
例えばマイナーであればゲームが活発なところ。日本もそうです、ヨーロッパはあまりゲームはしないかもしれませんが、東南アジアやインドは今とてもPCゲームが流行っているので、きっとやってくれます。もともと鉱石を掘るって結構楽しいものなんです。なので、そうした楽しさを感じていただける方も対象になります。
ヨーロッパの方なら、鉱石は掘るものではなく集めて楽しむものだという人は、買っていただけるといいのではないかと思っています。ちなみにプレイ環境は、基本的にはPCで動きます。スマホでもおそらく動きますが、スペック的というよも規約的にいけるかどうかが問題になります。
──実在する鉱石のブランドとのコラボはございますか?
馬場氏:
これは最終目的地点なので、我々からコラボを持ちかけることはしないでおこうと思っています。どちらかというと、勝手に使ってほしいですね。デジタル空間に自社のデザインしたリングを出したいという時に、ほかのモデルを持ってくるよりも本物のルビーを付けたいと思っていただけるんじゃないかと。
ブランドは、デザインをする会社です。自分たちでデザインして、それを売ることが可能な仕事です。もらった方も資産価値があるので嬉しいんじゃないかなと思います。
本物の鉱石と比べて優れている点は、真贋が簡単なところです。ルビーを取引するときは、これが本物なのかすごく専門性が必要です。NFTで鉱石を出すことができるので、本物かどうか一撃で分かるという非常に優れた特性があります。最近の1年間は、このプロダクトを作っているので、「NFTは宝石のために生まれたのではないかな?」と誤認するぐらい特性がぴったりなんです。
──現実の埋蔵料と出荷は少し異なっており、コントロールされています。ゲームではどのようになるのでしょうか?
馬場氏:
我々は「マーケットを壊さない」ということを大事にしています。基本的に宝石は有限です。掘り尽くしたらどうなるのかという話ですが、市場に十分に流通しているのであれば、別にゲームをやめてもいいと思っています。でも足りないときは、今度はルビーが出る島で皆さん掘ってくださいといった感じで、無限と有限を組み合わせた形でゲームのパラメーターを設計しようと思っています。
やりたいことは、デジタル時代の鉱石を作りたいということです。あふれすぎてもだめだし、足りなくてもだめというところを、しっかり協議しながらコントロールしていきたいと思っています。
──ユーザー数はどれぐらい想定目標していますか? また、ユーザー数を獲得するためにサッカーチームのサンジェルマンと組んだ理由を教えてください。
馬場氏:
まずは、3万人のマイナーが当社の社内目標です。その3万人を世界中で集めないといけません。日本だけで流行ってしまうと、海外からを見たときに日本で掘られている宝石というように見られてしまいます。できれば、世界中で色んな地域の人たちがちょっとずつマイニングしてもらって、それがだいたい3万人くらいいれば、ゲームは十分ワークします。逆に多すぎても、すごい速度で掘られてしまうので困ります。そのため、最大10万人くらいかな、と思っています。
この3万人から10万人くらいのマイナーということを考えると、日本国内だけならなんとかなりますが、海外でやるとなると全然自信がありません。そのため、少なくとも知名度である方に一緒にプロモーションに参加していただきたいという思いはずっと持っていました。
いろいろご縁があって、いろいろ国のスター選手がクラブに在籍しており、その方々にビデオ作成もお願いできます。日本でいうと大谷翔平選手が持っていたら興味が出ますが、それと同じようなことができるのではないかと、期待をしています。
マーケティングにご協力いただきながら、目標のユーザー数に達するまで世界的なマーケティングを頑張ろうかな、と思っています。
──最近のブロックチェーンゲームは、「Free to Play」なのか、NFTを最初に購入しないとゲームに参加できないのか二極化されている印象がありますが、今回のゲームの場合はどちらのタイプになりますか?
馬場氏:
基本的にはNFTを買って参加型ですが、完全にスカラー制度をやっています。ひとりで掘るのは大変なので、自分が持っているツルハシを貸して他の人に掘ってもらいます。掘った輝石は、全部差し上げますということができます。
そのため、何も資産を持っていない人がやってきたときに、そうした募集に参加して掘って、まさしく「Proof of Work」でできたトークンを蓄えて、自分でツルハシを購入することができます。それを使って、今度は宝石を狙ってプレイできるというように、「Free to Play」の導線はきちんと作っています。そのため、既存のNFTゲームでありながら「Free to Play」のゲームでもあります。
──来年春にローンチされる時に、最初から日本だけではなく世界中で利用できるようになるということでしょうか?
馬場氏:
基本的にはそう考えております。ただ、始めから全ての国がフルスペックになるかというと、多分なりません。マネーロンダリングを防ぐためにも、その国の取引所で上場していることがとても大事です。上場と同時に「Play to Earn」のゲームになります。日本では上場が決まっているので、最初にフルスペックで体験することができます。
ということで、今回の発表会はこれにてすべて終了となった。『Brilliantcrypto』のクローズドベータテストの応募要項については、Brilliantcryptoのウェブサイトやツイッター、Discordでチェックしよう!