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コロプラ子会社がブロックチェーンゲーム『Brilliantcrypto(ブリリアンクリプト)』を発表!鉱山から宝石の原石を発掘し、NFTジュエリーなどをメタバース空間で展開していく

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  コロプラの100パーセント子会社であるBrilliantcryptoが、7月25日にWeb3がテーマのグローバルカンファレンス「WebX」でブロックチェーンゲーム『Brilliantcrypto(ブリリアンクリプト)』のプロジェクトを発表した。本イベントには、コロプラの代表取締役会長でもあるBrilliantcrypto 代表取締役社の馬場功淳氏が登壇。同プロジェクトが実現しようとしている内容について、詳しい紹介が行われた。

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  また、同セッションの後半ではスペシャルゲストとして、世界的に有名なサッカークラブ「パリ・サン=ジェルマンFC」のアジア太平洋地区マネージングディレクターのセバスチャン・ヴァゼル氏と、元カメルーン代表のパトリック・エムボマ氏が登壇し、トークセッションも行われた。

 こちらの記事では、メインとなるブロックチェーンゲームの発表会と、その後に行われたメディア向け質問会の模様をまとめてお届けする。

文/高島おしゃむ


デジタル宝石の価値が保証されるサービスが作りたい

 イベント冒頭、今回発表されたブロックチェーンゲーム『Brilliantcrypt』のトレーラーが流された。

 ブロックチェーンではマイニングと呼ばれるプロセスが採用されているが、まさにその言葉通りに鉱山を掘っているようなシーンなども流れていた。こうしたコンセプトはどこから生まれたものなのだろうか?

 今回のイベントはWeb3をテーマにしたものだが、それに加えてメタバースやAIといった3つの技術が話題になっている。これらは、お互いに相互補完しながら、人類を仮想の世界へと連れていくものだと馬場氏はいう。人類が仮想世界で暮らすようになると、現実世界で本物と言われているブランドなどを仮想空間にも持ち込みたくなる。

 しかし仮想空間では、高級車に乗りたいときはその3Dモデルがあれば誰でも乗ることが可能だ。デジタルデータはコピーできるという特性もあり、すぐにあふれかえってしまう。所有感や本物感といった感覚は、仮想空間の中であっても本物でなければ得られないような時代がくるのではないかと考えたのだ。

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Brilliantcrypto 代表取締役社 馬場功淳氏

 現実世界では誰も証明できないものがある。それは世界中であふれかえっており、本物か偽物かの真偽も重要なものだ。それが宝石や貴金属である。こうしたアイテムには所有者は存在するものの、ブランドなど権利元は存在しない。その理由は、人類が誕生する以前から地球上に鉱物として眠っていたものだからである。

 このままの状態でいくと、将来ハイジュエリーのブランドが困るような状況が訪れる。これらの課題を解決するために、デジタルデータの様々な宝石の価値が保証されるサービスを作り、ゲームとAIの力でそれを実現したいと考えたのだ。

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ゲームによって価値を証明する「Proof of Gaming」

 こうしたものに似たものがすでに存在している。それがビットコインだ。名前にコインと付いていることから通貨として世に出たが、その資産性の高さから現在はデジタルゴールドと呼ばれることが多い。また、宝石と比較しても金は同じ宝飾品に分類できる。

 ファンジブル(代替可能)やノンファンジブル(代替不可能)の違いはあるが、基本的には同じものだ。そこでデジタルの宝石を作りたいと考えた。また、ビットコインとも似ているためそちらと同じようにすることで、デジタル宝石が実現できるのではないかと思ったのだ。

 ビットコインは、「Ploof of Work」(コンセンサスアルゴリズム)という仕組みで存在が証明されている。大量の計算を行い、他の人のトランザクションを保証して、その報酬としていくらかのビットコインがもらえるような仕組みだ。このシンプルかつユニークなマイニングという仕組みが、ビットコインの最大の魅力だと馬場氏は語る。

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 ビットコインの仕組みを採用するのはいいが、様々な問題を引き起こすハッシュ計算をする必要がある。大きく分けるとふたつある。ひとつは計算機のパワーがものをいう世界であるということだ。これはアマチュアが参入できない、プロの世界になってしまう。そしてもうひとつは、高いエネルギーが必要になり、環境への影響も悪くなってしまうところだ。そのためイーサリアムでは、投票による方式に移行している。

 10年前に個人でもマイニングをしていたという馬場氏。そのときは、マイニングを通してプロジェクトに参加して、人の役にたっていると感じることが多かった。またその結果、いくらかの報酬ももらえるなどバランスがよく楽しく感じていた。しかし、あるときからプロが大量に資本を投じて算入してきたため、個人では太刀打ちできなくなってきた。

 そのときに、「非常にもったいない」と感じたと馬場氏は語る。ビットコインを支持する上で、マイニングはキーポイントである。しかし、個人は参加できなくなったことから、歯がゆい思いをしたことがあるのだ。その頃から、個人がマイニングに参加できる仕組みはないか考え続けてきた。

 今回、デジタル宝石を作りたいと思ったときに、ビットコインのときに感じていたことがミックスしたのである。そこで、「Ploof of Work」のWork部分をゲームに置き換えることで、個人が楽しくマイニングができるのではないかと考えたのである。これが今回のゲームのキーワードでもある「Ploof of Gaming」である。

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ビットコインのブロックチェーンデータをそのままゲームにも採用

 この「Ploof of Gaming」を実現するのは、それほど簡単な話ではない。Ploofと付けているからには、すべてが厳密である必要があるのだ。しかし、「ゲーム」と「厳密」という言葉は、相反する部分がある。たとえば、ゲームの運用者側が勝手に宝石を生成できるようになるのは問題がある。その問題を解決するために、今も増え続けているビットコインのロックチェーンデータそのものを使えば実現できると考えたのだ。

 これにより、「事前に結果を予測できない」、「公開されたロジックで結果を再現可能」、「開発者であっても宝石を生成できない」というアルゴリズムが完成した。それにプラスして、ゲーム運用では恣意的なパラメーターの変更が行われることが多いが、それを減らすためにAIに日々の意志決定をさせる非中央集権的な運用ができるようにしている。

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 ビットコインはハッシュ計算を行い保証されている。今回発表された『Brilliantcrypto』でも、ゲームをして保証が行われる。ビットコインのマイニングを、ポンジ・スキーム(投資詐欺)や賭博だという人は存在しない。それと同じ仕組みを採用している『Brilliantcrypto』の「Ploof of Gaming」もそうであると馬場氏はいう。

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 『Brilliantcrypto』のロードマップは、来年の早い時期、可能ならば2月ぐらいにマイニングに関する部分をフェーズ1としてリリースする予定だ。そこで世界中のマイナーを集めて掘ってもらう。ちなみに、この時点で出てくるのは原石だけだ。そのままでは使えないため、フェーズ2ではジュエリーをデザインする機能を搭載する。その後、ユーザーからの信頼を得られている前提ではあるが、フェーズ3で様々なメタバース空間で展開することで、実際に使えるようにするというものがマスタープランだ。

 実際にはフェーズ1と2の間に1.5があったり、仕事があるメタバースがいいなと思っていたりすることから、メタバースにするというアイデアも出ている。またフェーズ4では、このプロジェクトで生成されたダイアモンドやルビーなどを使って、リアルなブランドがデザインを施し自社の商品として売られるようになったときは、このプロジェクトが大成功だと馬場氏はいう。これらを実現するには、うまくいっても5~10年ほどの期間はかかると考えられている。

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ライター
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。

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