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ローグライト×シミュレーションRPG×飲みニケーション(!?) 『BAR ステラアビス』は、ゲームジャンルがカクテルのように絶妙に混ざりあった不思議なゲームだった

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失わないものもある

ゲームオーバーになってもロストしないものもありました。

・ゲームオーバーでロストしなかったもの①
拾って装備しておいた防具・アクセサリー。次ははじめから少し有利なステータスで探索を進められますね。

・ゲームオーバーでロストしなかったもの②
ダンジョンを探索したことで上昇した仲間とのキズナ(親交度)

仲間とのキズナが上昇すると、次回以降は「最初から固有のステラを会得している」など、戦闘が有利になる恩恵がありました。ウチらの友情は不滅!

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▲(これは15時間くらい遊んだ時点のキャプですが)共に戦ったことで上昇した「キズナ」はゲームオーバー後も維持されています。

・ゲームオーバーでロストしなかったもの③
所持金

このゲーム、カクテルを飲むのはマスターのご厚意で無料という羨ましすぎる待遇なのですが、飲めるカクテルの種類を追加するにはお金が必要です。

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▲良さげな効果を持っているカクテルのほうが高い

ただ、ゲームオーバーでもお金は全額持って帰ってこられるため、探索がより有利になるようなカクテルを追加することも検討できます。

・ゲームオーバーでロストしなかったもの④
プレイヤーの脳内に刻まれた経験

一回ボス戦まで通してわかったけど、最初のカクテル選びがテキトーすぎた。カクテルの選択がこんなに大事だとは思っていなかった!というわけでダンジョンに入る前に飲むお酒の組み合わせをしっかり考えるようになりました。ゲームの世界ではお酒に酔うけれど、プレイヤーとしてはボヤボヤしていられない!!

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手痛く敗北したボス戦の反省を活かし、「HP」、「攻撃」、「防御」のステータス上昇幅が大きくなるカクテルの飲み合わせをチョイスしました。

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▲前回はHP・攻撃・防御のどれも「D」だったのを今回はそれぞれ「B・B・C」に。その分ほかのステータスの上昇補正を無視することにはなりますが、器用貧乏になるよりは良いだろうと判断。

そしてダンジョン内での立ち回りも、レベリングやステラ回収をできるだけたくさんこなすよう意識しました。

するとボス戦手前でステータスに明確な違いが。レベルは前回が9、今回が11と2レベル差しかないものの、HPは前回比+183、攻撃力は前回比+31、防御は前回比+29(防具も付け替えてる)にまで上昇!

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▲前回ボスに負けたときののステータス
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▲今回のステータス

これならいける!!ボスに再戦だ!!!いけ~!前回も合わせて合計2時間の努力を見せてやれ!!

まずは道中で手に入れた「封印のキャンドル」で敵が回復や仲間召喚などの特殊行動を取れないようにして……。

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鍛えあげた攻撃力と集めたステラで殴る!!!うおおおお!!!

ボカッ(553ダメージ)

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前回は3ケタダメージすら与えられないのがザラだったのが目に見えて高火力になっている!!最後はレオナちゃんがボスの弱点属性を突き、1443ダメ―ジという超高火力を叩きだしてフィニッシュ!!

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今度はかなり余力を残して勝つことができました。プレイヤースキルの明らかな向上を感じる……!う、嬉し~!!!

ボスを倒すことに成功すると、「GAME CLEAR」のネオンが光るトイレで目が覚めます。この場合はアイテムを保持したまま現実世界に返ってくることができるみたいです(レベルやステラはゲームオーバー時と同様にリセット)。

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持ち帰りに成功した「プレゼント」をレオナちゃんに渡してキズナを一気にアップさせていきましょう。あなたがMVPだ。

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▲女子大生に貢いでいきます

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また、持ち帰ってきたお金を使って飲めるカクテルの種類をさらに増やしていきます。

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こうやって少しずつ拡大再生産をして、次の探索を有利に進めていくゲームシステムなんですね。

どれだけ慎重にプレイしたとしても歯ごたえのある難易度

第一醒界を攻略できたことですっかりノリノリになり、このあとも一気に第二醒界~第四醒界までクリアしてみました。道中で一度でも敗北したらほぼすべてがパアになってしまうシリアスなシステムなので相当慎重に遊んでいます。

慎重にプレイしすぎて、自力で経験値稼ぎの裏技的な手法を発見してしまったほどです。

「すぐに倒さないと増殖するザコ敵」をあえて一体だけ残して、増殖に使うMPが尽きるまで20ターンくらい増殖狩りを続けると、倒したザコ敵全員分の経験値が手に入るので安全にレベリングできました。

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▲経験値とお金を荒稼ぎしている様子。
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▲レベル39⇒41に一気に2レベルアップ。

こういう「バグではない合法的なズルができるゲーム」だ~いすき!この方法で経験値稼ぎをすると安全な反面結構時間がかかるんですが、私は勝つためならなんでもやる!!

ただ、ここまでやっても相変わらずボスに苦戦してハラハラするもんだからいい意味で恐ろしい。おそらくこういう経験値稼ぎをするヤツがいることも制作側にはお見通しなんじゃないかと思いました。それにおそらく、こんな方法でレベリングをしなくても何とかなる戦略がたくさん存在するはずです。
 
実際、公式PVで紹介されてるステラのコンボ事例を見たら「そ…その手があったかァ~~~~~ッ…」って膝を打ちましたからね。

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▲画像は『BAR ステラアビス』公式PV2より

毎回レベルやステラがリセットされ、途中で仲間にできるキャラやドロップするステラもほぼランダムなので「次はどんな戦い方をしようかな♪」と常に新鮮な気持ちになれるのがいいな~と思いました。

遊べば遊ぶほど楽しくなるADVパートはまさに「飲みニケーション」

あとこのゲーム、「キャラクターとどんどん親しくなっていく実感」があっていいですね。本作は他のキャラクターとお酒を飲むアドベンチャーパートも重要なわけですが、個人的にははじめは正直「作業感」がありました。知らない人の知らないおしゃべりに合わせてボタンをポチポチしてるだけというか……。

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▲すごくありがちな飲み屋トーク

でもダンジョン攻略を長時間共にしたキャラに対してはいつの間にか、「おっ!飲(や)ってるねぇ!!ちょいとお隣失礼しますヨ……っとォ」みたいな気持ちで相席ADVパートを開始するようになるんですよこれが。

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▲一緒にボスを倒したジンガくん
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▲次の相席時には「いや~先日はどうも!!」みたいな気持ちに勝手になってしまう。

そしてそんなプレイヤーの心境に呼応するかのように、キャラクター側が繰り出してくる会話の内容も胸の内をさらけだしたものになっていきます。

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▲次第に育った家庭環境の話とかも出てくる。
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▲「キャスたん」というオタク女子は、4回目くらいの会話でようやく特殊な悩みを打ち明けてくれるように。

最初は単に物腰の柔らかい女子大生だったレオナちゃんも、しだいに思想の強さを露わにしていきます。

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▲「正しく生きられない人間の排除は、最大多数の最大幸福のために必要です。」

レオナちゃん……。最初は「カクテルってジュースみたいだからつい吞みすぎちゃうんですよ~><」みたいな当たり障りない会話しかしてなかったのに……!!

そして、これまでは適当に「肯定」の相槌を打っていればだいたいなんとかなっていた会話が初めてうまくいかない結果に終わります。 

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▲会話がうまくいかなくてしょんぼり

 
バーのマスターに会話が失敗した旨を伝えると、「単なる『ご機嫌取り』な相槌に終始するだけではうまくいかないよ……」とやんわり指摘されました。し、真理だ……。

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このゲーム、かなり「飲みニケーション(飲みを通じてのコミュニケーション)」の肌感覚をゲーム的に再現しているように感じました。最初の会話が表面的でちょっと物足りなく感じたことさえどうやら仕掛けの範疇っぽい。
 
プレイ時間の多くはダンジョンと戦闘に費やされるのですが、合間に差し込まれる「飲みニケーション」にいつの間にか惹き込まれていくゲーム設計はお見事だと思います。

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BAR ステラアビスには他にもたくさんのキャラクターが来店。どのキャラクターも酒の席を重ねるごとにナイーブな一面が見えていきます。そしてシナリオも徐々に謎めいていくのですが……。

でも公式サイトやPVを見ると、あえてキャラクターやシナリオの深い部分をにおわせすぎないようにしているように感じます。なので私もこの記事では核心的なネタバレは避けて執筆してみました。
 
この記事をご覧になった皆様にも、ネタバレを踏まずにぜひご自身で遊んでみていただきたいところです。

体験版が配信中

2月29日(木)に発売された本作は、各種プラットフォームで体験版が配信中です。ご興味のある方は気軽に遊んでみてはいかがでしょうか。体験版のセーブデータは製品版に移行できるみたいなので、「気に入ったから買うわ!」となった場合も安心です。

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まとめ:遊んだあとにカクテルが飲みたくなるゲーム

「シミュレーションRPG×ローグライト×ADV」。この3つの要素が「カクテル(お酒)」を軸にまとまった本作。ゲームのテンポもよく、色鮮やかな画面とバーを舞台にしたゲームにふさわしいスタイリッシュな音楽も魅力で、勘所を掴むとずっと遊べてしまう中毒性がありました。ぜひ遊んでみてくださいね。
 
あと、いっぱいカクテルの見た目と名前を覚えられるので今度

ゲームだった

実際に呑んでみようと思いました。お酒の知識で友人に差をつけたい方にもおススメです。

というわけでおわりです。読んでくださりありがとうございました!!

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ライター
ゆとり世代とZ世代の狭間に位置する1995年生まれ。アホすぎて右スティックでカメラを操作するタイプのゲームが全くできなかったのですが、つい最近『ダークソウル』で苦手を克服したので新たなゲームライフを満喫中です。普段は 「福田ナオ絵」というTwitterアカウントに毎日漫画を投稿しているのでよかったらご覧ください。
Twitter:@fukku7010gmail1

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