こんにちは、福田ナオと申します。
みなさんはゲームの中で何か食べたり飲んだりするの、好きですか?ゲーム内の飲食物。実在の食材や料理が登場することもあれば、架空のモンスターの肉を自分で焼いて食べることもあったり……。回復やバフの効果があるジュースや飲み薬もいいですよね。
当然プレイヤーの味覚を実際に刺激することはないですが、味を想像してなんだか嬉しくなってしまうもの。
さて、今回レビューする『BAR ステラアビス』は実在する飲食物のなかでも、お酒──とくに「カクテル」が重要なゲームなんです。
2024年2月29日(木)に日本一ソフトウェアから発売される本作。対応ハードはPlayStation 4、PlayStation 5、Nitendo Switchです。
公式サイトに記載のゲームジャンルは「シミュレーションRPG」なのですが、実際にプレイしてみると複数のゲームジャンルが絶妙に混ざりあっている印象でした。
そう、カクテルのようにね……(筆者はほとんどカクテル飲んだことないのに雰囲気で発言しています)。
というわけで20時間弱プレイしたレポをお送りします。
文・漫画/福田ナオ
※この記事は『BAR ステラアビス』の魅力をもっと知ってもらいたい日本一ソフトウェアさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。
シミュレーション×ローグ系×ADV。複数の要素を併せ持つゲーム
タイトル画面は閑静なバーの入口から。
前情報一切なしでプレイを開始したときはこう思いました。「これは物静かなサウンドノベルか何かかな?」と。
オープニングに登場したのは何やら物憂げな表情の主人公。風に運ばれてきたチラシを見て、物語の舞台であるBAR「ステラアビス」に足を運びます。
主人公はここでお酒を飲みます。
お酒を飲むと酔っぱらって視界がグワングワンしてきて…
寝落ちしてしまいます。
寝落ちした主人公は「ヨイの世界」という異世界に辿り着くのでした。あれ?なんか流れ変わってきたな。
そしてその世界ではめちゃくちゃバトルをすることになります。
バトルの画面がこちら↓
いやこれ……シミュレーションRPGじゃねえか!!
全然サウンドノベルではなかった。主人公が酔って辿り着いた「ヨイの世界」は階層構造になっています。敵を倒してレベルアップしながらダンジョンの最奥のボスを倒すまで突き進んでいきます。
どんな階層構造になっているかというと、こんな感じ↓
いやこれ……ローグ系じゃねえか!!!
※厳密な定義の話は避けますが「ローグライク」というよりは「ローグライト」な印象。
そしてダンジョンの途中で負けてしまうと、レベルや所持アイテムがほぼ全てロストしてゲームオーバーです。
やっぱりめちゃめちゃローグ系じゃねえか!!!
もちろんカクテルにも重要な意味があるんですよ。BAR「ステラアビス」を訪れる他のキャラクターと一緒にカクテルを飲むことで仲良くなれれば、ヨイの世界で大きな助けになってくれることも。
この部分はADV(アドベンチャー)じゃねえか!!
そう。本作は公式記載のジャンルこそ「シミュレーションRPG」ですが、実態は「シミュレーションRPG×ローグライト×ADV」の三要素が混合しているのです。公式サイトの説明やPVを見ても、結構この3要素の結びつきを説明するのにとても苦心している感じがする……。
まぁ確かに、実際にプレイしてみないとこの3要素の混ざり合いはよくわからない気もするので、下の図を見てなんとなく「お酒を起点にいろいろするゲームなんだな」と思ってもらえたらイイかなと思います。
繰り返しますが、要するに
①お酒飲む
②ローグライトなダンジョンに潜る
③戦闘はシミュレーションRPG形式
です。まずはここだけでも覚えてもらえたら嬉しいです。
さて、ゲームのざっくりとした大枠を無理やり説明したところで、次項からは序盤の実際のプレイの流れに即しながらレビューしていきます。
お酒を飲んで冒険の下準備をしよう
オープニングを終えると、「バーのマスターと一緒にお酒を飲んでみよう」という流れになります。まだよくわからないけど、アタシ……やってみる!!
BARとカクテルが重要な位置を占める本作。実在する様々なカクテルが登場しますが、いっぱいありすぎて何を飲めばいいのか最初は迷っちゃう!!
最初はとりあえずテキーラをストレートでいくことにしました。「酒の場で困ったらテキーラショットで気合を見せろ」と陽キャさんに教わったことがありますからね(だいぶ偏った意見です)。
注文を確定するお酒が登場。「キラキラと輝いていて楽し~!おいしそ~!」と思ったら、下の画像を見ていただくとわかるんですが、ショットグラスじゃなくて結構しっかりめのグラスで来てました。
いやでかいよ。でかいでかい。こんなん飲み干したらだいぶ酔っちゃうだろ。
お酒の席では相手のお喋りに適切な相槌(肯・否・笑・疑の四種類から選ぶ)を打つことで会話が進行していきます。
そして相手の会話の良きタイミングでRボタンを長押しすると、お酒を一口グイっと飲むことも可能。
二口ほど飲むと視界がだいぶグニャ~~~っとしてきました。テキーラをストレートでグイ飲みしてるんだからそりゃそうなるよ。
お酒を飲むと画面がグニャーっとして「酔い」を演出するユニークな仕掛けなんですね。
現実でもシラフ相手に話すより自分と同じくらい酔ってる人に話した方が楽しかったりしますが、このゲームでも主人公が酔っている状態の方が「相槌」で相手に好印象を与えやすくなるみたいです。
というわけでマスターとのチュートリアルは終了。「ほかのお客さんとも相席してみれば?」というマスターの言葉に従い、今度は女子大生の「レオナ」ちゃんと相席していきます。
今回飲んでみるお酒はダイキリ。やっぱり見た目がおいしそうでいい。
しかしここでちょっとしたミスが発生。相手が「乾杯!」って言ってくれたんですけど、
どうしていいか分からなかったのでニコッと「笑」の相槌を返してみたんですよ。そしたら……。
「乾杯って言われたら、お酒を吞まなきゃダメなんですよ!」と年下の女子大生に指摘されてしまいました。どうやら「乾杯!」って言われたときはRボタンでお酒を一緒に飲むのが正解だったらしいです。
お酒の席のマナーって失敗して怒られながら覚えるもんだよな。現実といっしょだ。
そんな一幕がありつつも、続く会話で汚名を返上。大学生らしい就活への悩みにひたすら「肯」の相槌で共感を示し、「ほんと呑ませ上手なんですから!」と言わしめるまでにレオナちゃんをノセていきました。
そして飲んだお酒に応じたバフが獲得できたようで、そのリザルトが表示されました。ダイキリを三口、ブランデーのロックを三口飲んだ結果、なにやら「斬り範囲拡張」「双子座ステラ出現率アップ」などの恩恵を得られたらしい。お酒ってそんな効果があったんだ。
あと、いっしょにお酒を飲み交わしたレオナちゃんの「キズナ上限」なるものが開放されました。
「お酒を飲んでキズナを深める」そして「お酒によるバフを獲得する」。これがこのあとのダンジョン探索で効いてくるみたいです。まあこの段階では正直「ど…どういうことだ…!?」と思いながら操作してましたので、皆さんもまずは「このゲームはお酒を飲むといいことがあるんだな」「なんにせよ、お酒の見た目綺麗だったな」くらいの感覚をお持ち帰りいただければ大丈夫です。
というわけで、お次はバーカウンターで「寝落ち」して、いよいよローグライトな冒険の舞台「ヨイの世界」にトリップしましょう。
星座モチーフをお出しされて喜ばないヤツはいない
お酒を飲んで酔った後は、バーカウンターで「眠る」を選択して「ヨイの世界」にトリップします。
「ヨイの世界」には第一醒界、第二醒界……とステージが分かれていて、最初は第一醒界しか選択できないですが、ひとつの醒界をクリアすると次の醒界が解放される流れ。
というわけで第一醒界にいってみましょう。第一醒界は全部で10階層からなるステージで、最奥にはボスが待っています。
途中で敵に敗北したりエナジー(空腹度とかスタミナみたいな概念)が尽きると所持金・装備品以外のアイテム・主人公たちのレベルなどはリセット。過酷な挑戦の始まりです。
敵はダンジョン内にシンボルエンカウント形式でうろちょろしていて、触れるとバトルがスタート。
戦闘は先述の通りシミュレーション形式。マス目上に区切られた盤面を移動しながら、敵に攻撃をしていくみたいです。
初期のプレイヤーユニットには近・遠・範囲の3パターンの攻撃スロットがあって、3パターンのスロットのうちどれを使うか選択すると、そのスロットに登録されているスキルをオートで上から順番に使用します。
とはいえ……。初期状態だと当然攻撃の選択肢が少ない!単純に「素手でぶん殴る」しか攻撃方法がないよ~~~!
序盤はこれでも一応敵を倒せはしますが、最後まで戦い抜くには心もとないですね。というわけでなんとか使えるスキルを増やしていきましょう。
このゲームでは「ステラ」というアイテムによって戦闘に使える技を追加していくみたいです。最初のダンジョンだからか、いきなり好きなステラを選ばせてもらえる「天文台」イベントが発生しました。
ステラは使い切りの必殺技学習装置みたいなもの。これをキャラクターに適用することで、攻撃のバリエーションを増やすことができます。
そしてステラには星座が割り当てられています。ちなみにステラはイタリア語で「星」。例えば「魚座ステラ」なら、水に関する攻撃スキルが多かったりするみたいですね。星座モチーフをお出しされてテンション上がらない人いないのでこれは……うれしい!
というわけで上記画像の選択肢の中から中央の魚座ステラ「放水撃」を入手。
さっきまでは「素手でぶん殴る」だけだったスロットBの攻撃を、「素手で近くをぶん殴ったあとスキル『放水撃』を繰り出す」にパワーアップさせました。ちなみにこの「放水撃」は「技範囲が広いほど威力が上昇する」らしいので、周辺三マスを同時に殴れる「範囲攻撃」のスロットに適用してみた次第。
フムフム……。これはたぶんステラの順番や組み合わせを工夫して自分なりのコンボを作っていく遊び方をするんだな!
ステラはダンジョン内に点在する特定のオブジェクト(天文台)を見つけ出したり、敵からドロップすることで入手します。いかによいステラをたくさん獲得するかが攻略のポイントになってくるようですね。
ちなみにステラが全何種類あるか公式サイトを確認すると……約130種類からランダムに出現するそうです。多ッ!!
しかも所持ステラはダンジョンの探索を終えるたびにリセットされるらしいので、毎回違った戦いを楽しめるってことみたいです。
そしてこのステラのドロップ確率を変動させることができるのが……。そう、ダンジョン探索前に飲むカクテルなんです。
さきほどとりあえず「知ってるお酒だから」と思って飲んでおいたカクテルの効果を再確認すると、「双子座ステラ出現率アップ」がついていました。
カクテル、こういうところで大事になってくるのか…!
ローグ系初挑戦の洗礼をしっかり受けました
シミュレーション系のゲームは触ったことがあるものの、実はローグ系のゲームはほぼ初挑戦だった私。慣れない感覚に戸惑いながらも第一醒界の探索を進めていきました。
先ほど「相手が乾杯って言ったらお前も酒飲むんだよ!」と教えてくれたレオナちゃんがダンジョン内にいて、仲間になってくれたので心強かったです。
最初に絡み酒をした女子大生のレオナちゃん。お酒の席では物腰が柔らかかったのに、技を出すとき「邪魔ッ!!!」って叫ぶギャップが良い。
レオナちゃんとゆっくりダンジョン探索に勤しみたいぜ……と思ったものの、あまりチンタラしてもいられない事情がありました。それが「エナジー」(空腹度のような概念)のシステムです。
マップを探索しているとこのエナジーが消費されていき、これがゼロになるとHPが徐々に減り始めます。これを回復できるアイテムや場所も限られているのでヒヤヒヤしながら進んでいきます。
こうしたスタミナ管理要素はローグ系定番のシステムっぽいですが、これあれだな。外出先でお腹壊して、限界を迎える前にトイレを見つけ出さなきゃいけない時みたいな気分がずっと続くな……。
でもその分、回復できると超嬉しい!!
一方、道中のザコ敵との戦闘は割と順調。特にピンチに陥ることもなく経験値を稼ぎ、レベルアップによってステータスが向上していきました。
そうして奮闘すること1時間。ようやくボス戦が開始!!
いけー!この1時間の努力を見せてやれ!!攻撃!
ボカッ(69ダメージ)
え、あの……。相手のHP4000くらいあるんですよ。なのに69ダメージって。こんなんいつまで経っても倒せないじゃん。
そして相手の攻撃「叩きつけ」が炸裂!ドカッ(範囲攻撃)
(主人公に291ダメージ・仲間に238ダメージ)
おいやめろ!こっちのHPは1000くらいしかないんだぞ!!!やめてくれ~~~!!!
うそうそうそ死にたくない死にたくない死にたくない!!!1時間以上頑張ってきたんだぞ!!死んでたまるか!!!
道中で拾った「味方全員のHPとMPが回復」みたいな貴重そうなアイテムも惜しげなく使っていきます。ラスボスに使おうと思ってたのに。
そんな奮闘の甲斐あってチマチマとボスのHPを半分くらい削ることに成功!いける……いけるかもしれない!!!
そう思ったのもつかの間……
「回復の雫」でHPを1194回復されました。このボス、回復も使えるのかよ。最初のボスのくせによ……。
なにこれ?
負けイベ?(初見のゲームでメチャ強い敵出てくるとすぐ『負けイベ?』って言うのやめな)
その後は回復アイテムも尽き、為す術もなく殴られ、ゲームオーバーになりました……。
ゲームオーバーになるとBAR ステラアビスのトイレで目が覚めて現実に帰還するのがユニークですね。でも出すもの出したら便座で寝てないで、トイレからすぐ出た方が本当はいいと思う。最悪お店の人に救急車呼ばれちゃうから。
当然負けイベだったはずもなく、拾っていたアイテムはロストし、レベルやダンジョン探索の進捗も全てリセットされ、この1時間の努力が水の泡になりました……。
う……うそだああああああああ……。ウワアアアアアアアアアア、あんまりだああああああああ……。
うっ、うう……。でも……、なんか不思議と……(ボソッ)……てェ……。
もう一回遊びてェ~~~~……。これが……ローグ系……?
ボスには敗れたものの、今回の周回で遊び方がなんとなく分かったので「次こそは絶対うまくやってやる!!!!!!」の気持ちがメラメラと湧き上がってきたのでした。