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元メジャーリーガーの五十嵐亮太氏&川崎宗則氏も絶賛。「コナミのデータはプロのアナリストレベルにすごい」MLB承認の新作野球ゲーム『メジャスピ』発表会で元プロ野球選手に聞いてみた【TGS2024】

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野球ゲームの歴史は深い。一説には「最も多くのゲームに出演したキャラクターは“とある野球選手”である」と噂されるほど、無数のタイトルが産み落とされてきた。その中でも、特に知名度が高いタイトルと言えば『実況パワフルプロ野球』『プロ野球スピリッツ』シリーズだろう。

その2大巨頭を手がけるコナミデジタルエンタテインメントより、9月26日に行われた「東京ゲームショウ2024」中のイベントにて、MLBとMLB選手会承認のモバイルゲーム完全新作『eBaseball TM: MLB PRO SPIRIT』(以下、『メジャスピ』)が発表された。本作は2024年秋に配信を開始するとのこと。

会場には元メジャーリーガーの五十嵐亮太氏と川崎宗則氏、ゲーム配信者の「〓V.I.P〓」と「CLAY」がゲストとして登壇。配信者のふたりが世界初の『メジャスピ』対戦を行い、五十嵐、川崎の両氏が解説をする形でデモンストレーションが行われた。

元メジャーリーガーの五十嵐亮太氏&川崎宗則氏も絶賛。「コナミのデータはプロのアナリストレベルにすごい」_001

さて野球ゲームと言えば、ゲーマーの心をくすぐるひとつの要素がプロ選手たちの「データ」ではないだろうか。打撃や守備、走塁の能力はもちろん、昨今では彼らのプレイを通じて発揮される個性も存分に描かれるようになっており、リアルのプロ野球を知っていればいるほど、ゲーム内のデータを見る面白味が増していく。

そして今回のイベントでは、せっかく元プロ野球選手であるおふたりに質問する機会をいただけたため、ストレートに「野球ゲームの選手データってどう思いますか?」とお聞きしてみた。以下、イベントと質疑応答の模様をお届けしていきたい。

元メジャーリーガーの五十嵐亮太氏&川崎宗則氏も絶賛。「コナミのデータはプロのアナリストレベルにすごい」_002

文/森ユースケ
編集/久田晴


アメリカンリーグのオールスター同士が『メジャスピ』で激突

今回、イベント内で行われたのはナショナルリーグ、アメリカンリーグのオールスター同士の対戦。ゲームのアンバサダーも務める大谷翔平選手が所属するナショナルリーグを使用したのは〓V.I.P〓のほうだった。

対戦中には大谷の打席が二度回ってきたが、そのたびに会場からは歓声が上がり、ユーザーや関係者たちの期待感の大きさがうかがえる。最初の大谷の打席では空気を読んだCLAYがストレートを投げるも、〓V.I.P〓が操作する大谷はあえなく凡退。

普段はタッチペンを使って対戦動画を配信するふたりは、自身の指を使ってのプレイでなかなかいいところを見せられない様子。大谷の凡退時には「本当の大谷は打つからね。逆にいいところを見せてもらった」(川崎氏)、「これだったらおれたちがプレイしてもよかったじゃん!」(五十嵐氏)とヤジが入る場面もあった。

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プレイ画面から察するに、本作は『プロ野球スピリッツA』と同様の操作感のゲームのつくりになっている模様。同時に真横に変化するスイーパーや落ちるスライダーなどの変化球、「Hell yeah!」などスラングも混ざった英語の実況モードが搭載されているなど、メジャーリーグらしさを感じられるポイントも散見された。

イベント終了後の囲み取材では、五十嵐、川崎の両氏がゲームに関する質問に応じた。

コナミのデータはプロからみても“すごい”。元プロ野球選手が語るゲームのステータス

──もし今作が現役当時にリリースされていたら、どのように楽しんでいたと思いますか?

川崎氏:
チームメイトとゲームをしながら、いいコミュニケーションを図れそうですよね。プレイするに英語が必要ないじゃない。ゲームを通じて仲良くなれそうな気がします。

五十嵐氏:
ゲームのプレイもリアルになって、動きが本物の選手そっくりになっている。ゲームの中で自分の姿が見られたら、きっと嬉しいと思います。

日本でもメジャーでも、野球のレベルはどんどん高くなってきています。僕らの頃は160キロの球を投げるピッチャーはいませんでしたが、いまではたくさんいますから。もし現役のときにこのゲームがあったら、自分のデータを気にしちゃったかもしれない。そのなかで自分の能力はメジャーのなかだと低いほうになって、悲しくなっちゃうので、『メジャスピ』のリリースが引退してからでよかったと思います(笑)。

──弊誌『電ファミニコゲーマー』では、過去に野村克也さんに『パワプロ』のデータについて語ってもらったことがあります。『パワプロ』などの自身のデータについて、どのような印象をお持ちですか?

五十嵐氏:
コナミさんのデータはすごいですよ。僕はナックルカーブという球種を持っていたんですが、じつはナックルスライダーも投げていたんです。これらの変化球については公表していないし、ちょっと見ただけではわからないはずなのに、コナミさんは知っているんです。ボールの曲がり方もしっかり区別できている。

──五十嵐さんでいえば「勝運」「荒れ球」などの特殊能力もありますが、そのあたりはどのように受け止めているのでしょうか。

五十嵐氏:
僕の場合、中継ぎなのにけっこう勝ってるなっていう自覚もあって、データでもそうなっている。球種だけじゃない、いろいろなデータを入れてくれているので、けっこう嬉しかったですね。

川崎氏:
コナミさんはすごい。プロのアナリストレベルです。すごくリアルなので、逆に選手が参考にするかも(笑)。

五十嵐氏:
自分のデータを強くするために頑張ってるやつ、実際にいると思うよ。自分のプレイヤーとしてのレベルを上げたら、ゲームの能力データも上がると思うので。意識してる選手はいるんじゃないかと思いますね。

──『メジャスピ』がリリースされたらどんなシチュエーションで遊びたいですか?

五十嵐氏:
まずはひとりでやります。ある程度レベルが上ったら、また広くやってみて。実際に大谷選手と勝負することはできないけど、ゲームの中なら戦うこともできるし、勝てる可能性もあるので。それができたら嬉しいですね。

川崎氏:
僕は友だちみんなと、野球談義をしながらワイワイしながらやりたいですね。野球をやったことのない子でも、『メジャスピ』をやっていたら野球をやっているのと同じと思えるように盛り上がればいいなと思います。

──ゲーム内で解説者としてご自身の声を収録してほしいと思いますか?

川崎氏:
コナミさんがきっと、僕の声で解説の英語版の実況を作ると思います。「ワーオ!」「ガヒーヤ!」「チェストー!」とか言ったりすると思います。コナミさん、早速ひとつ仕事をさせてください! よろしくお願いします。

五十嵐氏:
日本語版と英語版の両方を楽しめるのはいいですよね。子どもたちが、野球ゲームで野球用語や英語を楽しんで覚えられるのはすごくいいと思います。(了)


というわけで、「ゲーム上のデータ」に関する貴重な元プロ野球選手からの声は予想以上に好意的なものだった。公表していない球種までゲーム内に再現している、コナミデジタルエンタテインメントの作り込みがあらためて印象づけられるインタビューであった。

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