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Keyの作品見たことなさすぎて、マジで2024年に『Angel Beats!』を初めて見てしまった全話感想

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c290 そいつは…最高に気持ちがいいな…

マジで2024年に『Angel Beats!』を初めて見てしまった全話感想_011

うわぁ、この新しくガルデモに入ってきたユイって子、まるでLiSAみたいな歌声だなぁ……。

マジでLiSAじゃねーか!!

何? これ実質デビュー作? マジすか?
もう、LiSAがLiSAとして完成してるじゃない?

ユイ、3~4話でいきなりポップしてきたくせに存在感すごいですよね。そもそものキャラの濃さと、「歌:LiSA」という圧倒的すぎるアドバンテージ。結構かわいいと思う。まぁ椎名派なのは譲らないけど。浅はかなり。

マジで2024年に『Angel Beats!』を初めて見てしまった全話感想_012

そして始まる野球回。
岩沢が消えた次の回これすか?
このアニメ13話しかないんすよね?

で、これもAlchemy聞いたことある事件に近いんですけど、「お前、消えるのか……?」って『AB!』のセリフなんですね。知らなかったよ。このセリフ出た時ホントに部屋で横転したよ。

いや、こっちは日向と音無が推しカプだから、割とマジで「え、これ次は日向が消える番なの……?」と思ってたら、満を持して「お前、消えるのか……?」って。

これまで散々いろんなところで見聞きしてきたあのセリフと、いま自分が感じている感情がピッタリ重なった瞬間、もう人生であんまり味わえない気がする。

マジで2024年に『Angel Beats!』を初めて見てしまった全話感想_013

「俺は、お前に消えてほしくない!!」

でも、なんだかんだ消えない。
なにより、日向に消えてほしくない「音無の思い」によって……。

だーまえ兄さんありがとう。
アンタの男男が日本一。

だから自分、日向と音無を見てる時に一番感じてるのは「月歌とユッキー」なんです。逆だったかもしれねえ。「糖度が高い」って、まさにこういうことだと思います。日向と音無、高糖度。あざとすぎて砂糖吐きそう。

c119 本気の恋しかしないんだよっ!

マジで2024年に『Angel Beats!』を初めて見てしまった全話感想_014

この回、一番好きな回なんすよ。

アレです、みんなでテストのカンニングに挑む回です。
まぁ厳密には「テスト中に気を引く大会」というか。

だーまえ兄さんの無限天丼流、アニメに落とし込んでも結構いいハマり方したりするんですね。特にED流しながら日向が射出されるくだり。岸誠二ありがとう。

でも悔しい、悔しいよ。
こんな「テスト中の時間を稼ぐために誰かがボケる」→「失敗して椅子ごと射出される」→「ゆりっぺにキレる」→「ゆりっぺが逆ギレする」→「日向が天使に釈明する」を延々と繰り返す天丼で笑いたくない!

自分で言うのもなんだけど、私は「笑いのセンス」には割と一家言あるタイプです。だから、『ヘブバン』遊んでた時から「この笑いにだけは負けたくない」と、謎の対抗心を燃やしていました。麻枝 准のギャグセンスにだけは負けたくない。でも、結局なんかウケちゃう。

あのメガネのやつが「なんで脱いだらウケると思ったの?」と聞かれたのに対して「鍛えてるので……意外性があると言いますか……」とか言い出すやつ、笑いの取り方が卑劣でしょう!?

1時間滑り倒した芸人が、最後のハケ際にいきなりズボン脱いだら誰でも笑っちゃうでしょう!? そういう笑いの取り方だよ!

「くそ……どうしよう……名前が生徒会長で提出されるなんて、かわいそうじゃないか。いやいや、それどころか、20Ωの抵抗に3.0Vの電圧を加えた時流れる電流は何アンペアか?電車の車掌さんアンペア~☆……なんて答えがァ──ッ!!」

5話の一番好きなセリフ

マジで2024年に『Angel Beats!』を初めて見てしまった全話感想_015

ここで流れる「Thousand Enemies」、いい曲ですよね。
てか、LiSAが本当にLiSAしてる。

「校内でLiSAがライブしてる」という1点で、ガルデモの謎の集客力にものすごい説得力が付与されている気がする。LiSAのライブ無銭とか俺でも行くわ。

どうでもいいかもしれないけど、岩沢の「Alchemy」と、ユイの「Thousand Enemies」って、どっちも歌詞の中で「ご飯を食べる」話をしてるんですよ。気になる人、ちょっと聞き返してみて。そして、どっちもあんまり前向きじゃないご飯の話をしている。

お腹が空いて歩けなくなって、わかったことがひとつある。ここらへんで甘いものを食べていくような思考停止ばかりが得意になった。そういう、生活の中での素朴な浮き沈みを歌詞の中に入れてるところに、岩沢とユイの似たセンスを感じます。

……っていうか、メタ的にはだーまえ兄さんのセンスだと思うんですが。
キャッチーなメロディに対して、あんまりカッコつけてない素朴な歌詞を入れてくるアンバランスさ、明確にコンポーザー:麻枝 准の卓越したセンスだと思います。「そこでその素朴な歌詞書けるんだ」みたいな。

マジで2024年に『Angel Beats!』を初めて見てしまった全話感想_016
何気に、この回のラストで明かされる「天使の好物は麻婆豆腐」も結構好き。なんか、素朴なんですよね。単に自分が素朴なシーン刺さりがちなだけかも。

c262 お前の人生だって本物だったはずだろぉっ!

マジで2024年に『Angel Beats!』を初めて見てしまった全話感想_017

これ、ずっと思ってたんですけど……いっつも「記憶」の話してますよね。
そして、並行して「寂しさ」の話もしてる気がする。

生の苦しみを一言で表わすなら、「寂しさ」である。
人間は、絶対に「孤独」には耐えられない。

そこをどうにかこうにか補うものとして「記憶」が存在している。ツラい時、好きな人のことを思い出すとなんだか気が紛れる。いつかの楽しかった思い出を辿ると、そんなに今も悪くない気がしてくる。

そんな感じの話を、いっつもされている気がする。でもこれは結構わかる。感情的な「悲しさ」は時間がかき消してくれるけど、「寂しさ」だけは、他人がいないと解消できない。「記憶」は、他者との接触で蓄積されていくログ。

だから、「記憶」と「寂しさ」は語る価値のあるテーマ。
……っていう、そこが好きですね。

すごい、素朴で身近な話をしているんだと思います。

「俺たちの生きてきた人生は本物だ! 何ひとつ嘘のない人生なんだよ! みんな懸命に生きてきたんだよ! そうして刻まれてきた記憶なんだ!必死に生きてきた記憶なんだ! それがどんなものであろうが、俺たちの生きてきた人生なんだよ! それを結果だけ上塗りしようだなんて……」

「お前の人生だって本物だったはずだろぉっ!」

マジで2024年に『Angel Beats!』を初めて見てしまった全話感想_018

とか言いながら、6話の一番好きなシーンはボコボコにされた音無のもとに日向が駆け寄って序盤の「お前……“コレ”なのか?」が回収されるとこなんすけど。だーまえ兄さんのBL、業界トップ。なんか記憶とか寂しさとかどうでもよくなってきた。

もうこれ2010年は日向と音無の同人誌無限に出てたんじゃないの? 正直この作品ぶっちぎりの覇権カプじゃないすか?

c146 モンスターストリームよ

マジで2024年に『Angel Beats!』を初めて見てしまった全話感想_019

「直井が秒でギャグ落ちしてんのいい加減にしてくれよ」と思いつつ、ここでようやっと音無の過去が明かされ始める。ただ妹のためにバイトをして生き続けていた生前の音無……いや、ここは結構真面目に好きなところです。この、ただただ悲壮な感じが好きです。

特に、妹のために雑誌を買っていく時の「書店で平積みの本を適当に買っているから、同じ雑誌なのかもわからない」という音無のモノローグに憔悴っぷりが現れてて好きです。

このへん、結構真面目に「生きる意味とは」みたいな話をしてると思います。生きる意味ですかー。みなさん、生きる意味とか考えたことあります? そんなの真面目に考えてる人、ちょっと怖くないか?

どっちかっていうと、「生きる意味」って、生まれた時から使命的に背負うものではなく、「それを自発的に設定することによって、無理矢理原動力に変換するもの」だと思います。え、マジレスすぎてつまんない?

たとえば、生まれた時からいきなり天命として「野球で世界一を取る」ことを授かって生まれてくる人なんていないでしょう。大谷翔平だってそうじゃない。イチローだってそうじゃない。

だけど「野球で世界一を取ること」を己の生きる意味だと思い込むことで、原動力を確保する。そんな「そう思い込んで自分を救う手段」が、みんなが勝手に設定している「生きる意味」なんだと思います。

どん底にいた音無だって、そうやって自分を救ってたんじゃないでしょうか。むしろ絶望的な状況下こそ、人には「生きる意味」が必要だったりするんでしょうね。

マジで2024年に『Angel Beats!』を初めて見てしまった全話感想_020

ずっと……あいつは病院で、俺の買ってきた漫画雑誌読むだけで……それだけで、それだけの人生で。あいつは幸せだったのだろうか。

これは自分だけなのかわからないですが、やっぱり「終わってから」の方が切なく感じます。

つまり、「あ、ここ感動のクライマックスとして用意されてるんだ」と思うシーンより、そこからちょっと過ぎ去った「喪失を噛みしめている時間」が、すごく切ない気持ちになります。

これ、まさに「喪の作業」なんでしょうね。寂しさと切なさは突発的に襲ってくるものではなく、いくつかの段階にわけて発生する。その喪失を受け入れている合間の時間が、一番グラグラする。

……みたいなことを真剣に考えるくらいAパートの話が結構好きだったんですが、Bパートで釣りが始まるという。ヤバないこの構成?

マジで2024年に『Angel Beats!』を初めて見てしまった全話感想_021

この「感動させたいのか笑わせたいのかわからないまま、情緒の乱高下とともに1話が終わっていく」感じ、マジで『Angel Beats!』味だと思う。

繊細な機微としょうもないギャグが、異様なスピード感によってすべて流されていく。『Angel Beats!』、「速度」のアニメですね。

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ライター
転生したらスポンジだった件
Twitter:@yomooog
デスク
電ファミニコゲーマーのデスク。主に企画記事を担当。 ローグライクやシミュレーションなど中毒性のあるゲーム、世界観の濃いゲームが好き。特に『風来のシレン2』と『Civlization IV』には1000時間超を費やしました。最も影響を受けたゲームは『夜明けの口笛吹き』。
Twitter:@ex1stent1a

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