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これ本当にリリース前のゲームですか?!新作メカアクションゲーム『Mecha BREAK』の大会がリリース前なのに気合入りすぎてすごかった

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チカラ!スピード!一斉砲火!

『Mecha BREAK』は、本格的な3Dメカアクションとヒーローシューターを融合させた、対戦型のメカアクションシューティングゲームだ。Amazing Seasun Gamesより2025年にリリース予定の新作ゲームで、2025年2月23日から3月17日まで行われたOBTでは同時接続数が30万を超えるなど、国内外問わず注目を集めているゲームだ。

そんな『Mecha BREAK』が3月13日から16日にかけて、初の国際交流大会となる「グローバル先駆者開拓戦」を開催した。

……ん?大会?これリリース前のゲームですよね?

首をかしげながらも、会場のある中国・珠海へと向かった筆者。そこで目にしたのは、驚くような光景だった。

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人多っ!広っ!えっ、この設備全部、大会のために用意されたものなんですか?!?!

なんと今大会には日本から6チーム、中国から6チーム、北米から4チームの全16チームが参戦。今回は各チーム6名での対戦となるので、最低でも96名ものプレイヤーがこの大会のために集結したことになる。

さらに選手の試合は専用のスタジオで行われ、日本・中国・北米から駆け付けたストリーマー陣が各言語向けの実況解説を担当するという気合の入りっぷりだ。

大会の規模や設備のみならず、手に汗握る展開やアツい戦いが繰り広げられた対戦の様子は、とてもリリース前のゲームとは思えないほどに充実したものだった。しかし、それと同時に新しいゲームならではの新鮮さや驚きがたくさんあったのも事実だ。

そして4日間に渡る激戦を制したのは、なんと日本のチーム「Anubyss」。驚くべきことに、Anubyssは全員が一般人で構成された「コミュニティチーム」。すべての試合で対戦相手に1ゲームも渡すことなく完全勝利を収めたAnubyssは、まさにメカ大国・日本の風格を見せつけた。

本記事では、そんな興奮に満ちた『Mecha BREAK』グローバル先駆者開拓戦の現地の様子を、優勝チームAnubyssおよびプロデューサーのKris氏へのインタビューと共にお届けしたい。

取材・文/逆道


■まだ「メタ」がないゲームの大会ってどうなるの?定石が無いからこそ「本当に強いやつ」が決まるメカ同士の戦いがアツい

本題に入る前に、まずは大会の簡単な概要を紹介しておこう。

今回の「グローバル先駆者開拓戦」では、ダブルエリミネーションのトーナメント方式を採用。抽選で決められた対戦表に従って勝ち抜いていき、1回負けたチームは敗者戦トーナメントへ移動。2回負けたチームは大会から敗退となる。

大会で使用されたのは6v6の「境界戦場」モード。このモードには5種類のマップがあり、マップによってゲームルールや勝利条件が違うのが特徴だ。

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▲大会で採用された5つのマップ。たとえば、「クラオブ陥没杭」では占領している拠点の数に応じて時間経過でポイントが入り、先に1000ポイント集めたチームが勝利となる

『Mecha BREAK』は特に戦略性の高いゲームとなっている。というのも、シューティング部分についてはロックオン機能によるエイムの補助があるため、ゲーム性として「攻撃が当たるかどうか」よりも「誰に攻撃を当てるか」が重要になってくるのだ。

多くのマップでは占領や奪取といったマップごとの勝利条件を満たす必要があり、敵機体を破壊することは状況を有利にこそするが、それだけで勝てるわけではない。加えて、本作のゲームスピードはとても速く、様々な機体が飛び交う戦場では1秒単位で状況が変わっていく

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▲先に車両を最後まで輸送した方が勝利となるマップ「パームベイ港」での戦いの様子

ベータテストこそ開催されたものの、チーム構成やマップごとの戦略などの情報はまだまだ出そろっていない状況での開催となった本大会。いわゆる「メタ」や「定石」というものが固まっていない以上、プレイヤーが自らの頭で毎時状況を判断し続けなければならない。

さらに、『Mecha BREAK』では明確に各機体の間に相性が設けられている。重量機は高火力の近接機から逃げ切ることは難しく、近接機は頭上の航空機に対抗する手段がない。このゲームには「なんでもできる機体」というものは存在しないのだ。

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▲大会で使用可能な全13機体。今回は「部品」による機体のカスタマイズは禁止されており、純粋な機体性能での勝負となる

だからこそ、勝利のためにはチームメンバーの状況を把握し、しっかりと連携を取ることが必要不可欠となってくる。苦手な機体は味方に任せ、得意な機体は自分が引き受ける。その繰り返しによって、戦場はさらに目まぐるしく変化していく。

今回、日本から参戦した「TIE」「Reject」の2チームにお話を伺ったところ、両チームが「このゲームはチームで勝利するゲームである」と語った。フォーカスを合わせること、味方を頼ることなど、チームとして戦うことが勝利に繋がると実感したそうだ。

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▲日本のストリーマーチーム「TIE」のメンバー。「とにかく連携第一」「フォーカスを合わせることが勝利のカギ」と語った
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▲REJECT GEARのアームカバーを付けて大会に臨んだ『Reject』のメンバー。「1人でキャリーできるゲームではない」「苦手な相手は味方に任せる判断も必要」と語る

機体の知識にマップの把握能力、機体のコントロール、そして何より味方との連携。そのすべてを兼ね備えた「強いチーム」同士の純然たる実力勝負となった本大会は、各試合ごとにまったく異なる展開を見せ、かなり見ごたえのある大会となった。

また、本大会のポイントとなったのが、試合ごとに各チームが1種類ずつ機体を選択し、その試合中選択した機体の使用が禁止される「BANピック」制度だ。大会開催時点ではプレイヤーが使用可能な機体は全13種であり、毎試合2機体がBANされると、全機体の約6分の1が使用できないことになる。

この「BANピック」は『LoL』『レインボーシックス シージ』など大手のゲームでも採用されているメジャーなシステムだが、キャラクター同士の相性やマップの得意/不得意など、「環境」に大きく左右されるルールでもある。

しかし何度も言うが、『Mecha BREAK』はまだリリースされていないゲーム。ピックの定石すら定まっていない状態で、BAN制度がうまく機能するのか?と疑問に思った方もいるかもしれない。

結論から言えば、このBAN制度は試合シーンに少なからぬ影響を与えることになった。カギとなったのは、まだリリースされていないゲームだからこそ生まれた「国ごとの個性」だ。

たとえば、日本チームがよく使用し、好成績を収めていたのは高い機動力を誇る航空機「ファルコン」。空中を高速で飛び回り、頭上から攻撃する立体的な機動が持ち味の機体だが、耐久面がかなり脆く、コントロールが難しい。使いこなすのは難しいが、上手く使えれば大活躍できる機体である、というのが国内の評価だ。

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▲画像は公式Xアカウントより

大会でのファルコンの活躍といえば、総決勝戦2戦目だろう。今回の優勝チーム「Anubyss」のKishinma選手が駆るファルコンが、敵機体1~2機を相手にポイント拠点を防衛しながら一度も撃墜されることなく、約10分の試合時間を守り切ったのだ。ファルコンの高速機動で敵を翻弄し続けるさまは正に圧巻の一言である。

しかしこのファルコン、中国では「弱い機体」と呼ばれていたという。中国チームはもっぱら重量狙撃機の「アクィラ」を使い、そちらがBANされた時の代替としてファルコンが採用されるシーンも多かった。

逆に、中国チームが使用して猛威を振るっていたのが遠隔武器を持たない近接特化機体の「パンサー」だ。パンサーは相手をスタッガーさせて弾き飛ばす攻撃を持ち、状況のコントロール力が高いのが特徴だが、航空機には一方的に撃たれてしまうのが明確な弱点だ。

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▲画像は公式Xアカウントより

こちらは逆に日本では存在感の薄い機体だったが、中国チームはほぼ毎試合で採用するなど、国ごとのピックには大きな差が見られた。

既にリリースされているゲームであれば、こういったチーム構成の定石は数多くの対戦を通じて平均化されていくものだろう。限られたベータテストの期間のみで大会が開催されたからこそ、国ごとに異なる環境の個性が残ったまま会場でぶつかり合うことになったのだ。

こうなると、当然各チームは敵チームの得意な機体をBANし、自分たちの得意な機体で有利な状況に持ち込みたいところ。しかし、BAN制度の制限として1種類の機体は1試合に1度しかBANができない。

敵の強力な機体をどこでBANするか?という戦略はもちろんだが、自分たちの得意機体がBANされた時にどう対応するかというのもプレイヤーの実力が問われる大きなポイントとなった。

ちなみに、筆者が最もアツいと感じたのは、3月16日に行われた敗者戦の準決勝。日本の「LunaBreak」と中国の「CB」による試合で、実力の拮抗した2チームによる対決は3ゲームとも超接戦という波乱の展開となった。LunaBreakは惜しくも敗退してしまったが、特に2試合目のたった2秒が勝敗を分けた大逆転劇はぜひともアーカイブで見てみてほしい。

『Mecha BREAK』に詰め込まれたロマンが会場にまで溢れ出している!こだわり抜かれた現地の様子を紹介

今回の大会は試合のアツさもさることながら、会場への気合の入り方もものすごかった。選手の練習エリアから配布されたユニフォームに至るまで、大手のゲームでもなかなか見ないほどの作りこみ具合だ。何度も言うが、これ本当にリリース前のゲームなんですよね?

たとえば、本大会は交流を主な目的としていることもあり、選手たちはひとつの広大な「練習エリア」で練習を行うこととなった。練習エリアにはまるでオペレーターデスクのような各チームのブースが設営され、選手たちが声を掛け合いながらゲームに挑む様は、遠目に見ると巨大な司令部のように見える。

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さらに、そんな練習エリアに集った大会の参加者である「パイロット」たちには、なんと専用のパイロットジャケットが配布されていた。

このパイロットジャケット、各選手ごとに胸部のエンブレムと背面のネームプレートがカスタマイズされた完全個人専用仕様。さらに、日本はブラウン、中国はレッド、北米はブルーと国ごとにカラーが異なるこだわりっぷりだ。

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▲上から日本、中国、北米チームの練習風景

このようにオープンなスペースで全チームが共に練習を行うなかで、異なる国から参加したチーム同士の交流も積極的に行われていた様子。その場で練習試合を行ったり、戦略についての意見交換を行ったりするほか、他のチームの練習風景を覗きに行く「斥候」のような動きも見られた。

そして、互いに切磋琢磨したプレイヤーたちが実力をぶつけ合う本番用のスタジオも『Mecha BREAK』仕様。プレイヤー席はコクピットの操縦席風になっているほか、選手の入場口には専用のスライドドアが。あれ、めちゃくちゃ通りてえ~!!

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当然、これらの本格的な設備を揃えるには広いスペースが必要。本大会ではAmazing Seasun Games本社の敷地をフル活用し、複数の建物にわたって大会エリアが展開された。外から見ても『Mecha BREAK』、中から見ても『Mecha BREAK』、どこに行っても『Mecha BREAK』である。

今回はプレイヤーだけでなく、実況席に至ってもしっかりと専用ブースが登場。日・中・英の3言語向けに個別のブースが用意され、各国の実況解説担当がアツい実況を繰り広げた。

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▲画像左からCR Wokka氏、あれる氏、yunocy氏、トンピ?氏

日本からはCR Wokka氏、あれる氏、yunocy氏、トンピ?氏の4名が実況解説として参戦。それぞれ異なるジャンルから、『Mecha BREAK』のために中国まで駆け付けたのだ。

実況解説陣にお話を伺ったところ、まだ正式リリース前のゲームの大会の実況ということで困惑する部分もありつつ、メカのカッコよさスピード感のある戦略性など、それぞれに『Mecha BREAK』の魅力の虜となってしまったそう。メカの塗装の自由度柔軟で広がりのある世界観など、ゲーム以外の部分にも期待しているとのことだった。

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▲画像左:CR Wokka氏、右:あれる氏。互いにこれまで触れたことのないタイプのゲームの実況解説を担当することになったというが、スピード感とロマンの溢れる『Mecha BREAK』の面白さを語ってくれた
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▲画像左:トンピ?氏、右:yunocy氏。ゲームキャスターのトンピ?氏は機体相性から生まれる戦略性の面白さ、コスプレも嗜むyunocy氏はメカの塗装やパイロットのカスタマイズの自由度について語ってくれた

また、4人がそれぞれに語ったのは「これまでにない“メカ対戦ゲーム”のeスポーツ化」への期待。本格的なメカ対戦ゲームでありながらオートエイムを採用し、戦略の比重を重くすることでよりメカアニメのような劇的な展開が生まれやすくなっている『Mecha BREAK』が競技シーンへ進出すれば、eスポーツ界に新たな風が吹くことになるかもしれない。

デザインからゲーム性まで、「メカゲーであること」をとことん追及した『Mecha BREAK』。その会場がメカ一色に染まるのは、ある意味必然だったのかもしれない。それにしても気合が入りすぎているが。

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ライター
なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『ドラゴンクエスト』シリーズで育ち、『The Stanley Parable』でインディーゲームに目覚めた。作った人のやりたいことが滲み出るゲームが好きです。

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